ガルヴォルス 第20話「女神の中の二人」

 

 

「ア、アンタは・・・!?」

 悪魔に姿を変えていたたくみが、あずみの出現に驚き、人間へと戻る。

「こんなところにいたのね、たくみ、和海さん。飛鳥くんたちが心配してたわよ。」

「あ、飛鳥さんが!?」

 和海が血相を変えて、あずみに問い詰める。しかし歩み寄ろうとした彼女を、たくみが手を伸ばして制した。

「た、たくみ?」

「アンタか・・隆さんの店を襲ったのは!?」

 戸惑う和海をよそに、たくみがあずみに向かって言い放つ。あずみはその怒号に動じることなく、あずみが返答する。

「これは私ではないわ。政府と軍が勝手に行ったこと。」

「何っ!?」

「ガルヴォルスを危険と判断した彼らは、その殲滅のために強行手段に踏み切ったのよ。飛鳥くんを狙って店を襲撃。でも彼の力で部隊は全滅したわ。」

「飛鳥さん・・・」

 あずみの説明に和海が沈痛の面持ちになる。しかしたくみは憤慨の様子を見せていた。

「ふざけるな・・・アンタがしかけたんだろ・・・!?」

 たくみの震える声にあずみの笑みが消える。

「アンタはガルヴォルスに憎しみを抱いていたはずだ!昔の和海に負けないくらいにな!」

「たくみ・・・」

 たくみの怒りの叫びに和海が当惑する。

 しばしの沈黙を置いて、あずみは口を開いた。

「確かに私はガルヴォルスを憎んでいるわ。そのために調査と戦いをくり返し、あなたにも協力を求めたわ。」

 自分の右手を見つめ、あずみは話を続ける。

「ガルヴォルスは誤った人の進化。凶暴化した獣同然の彼らは、無差別に人々を襲うわ。そして、その因子は、人間に平等に秘められている。よって、人間そのものが危険と認識されるのも、おかしな話ではないわ。」

 手を握り締め、冷たい視線をたくみたちに向ける。

「だから私は、人間とガルヴォルス、双方を滅ぼし、新しい世界を創って全てを一からやり直すのよ。」

「何だとっ!?」

 あずみの言葉にたくみが身構える。

「人間とガルヴォルスを滅ぼす!?ふざけないで!あなたにそんな権利があるわけないでしょ!神さまじゃありまいし!」

 和海も憤慨してあずみに言い返す。しかしあずみは表情を変えない。

「そう。私は神。新しい世界の神になるのよ。」

 あずみの体からまばゆい光が放出される。そのまぶしさにたくみも和海も思わず眼を背ける。

「この、光は・・!?」

「ああ、間違いない!この光は、あのガルヴォルスをやったのと同じだ!」

 たくみが光り輝くあずみを何とか見つめて告げる。

 七瀬を消滅させた天からの閃光は、あずみが放ったものだった。その強大な力を、たくみたちに見せ付けていた。

「ここまで世界は混乱で満たされている。それなのに人は、いいえ、神でさえ救いの手を差し伸べてくれない。神でさえ満足して、この混乱を見過ごしている。だったら、この私が神となり、全てを滅ぼし全てをやり直す。それが世界を救う唯一の手段なのよ。」

「ふざけるな!」

 あずみの言葉にたくみが憤慨する。

「神でも何もかも奪っていいはずがない!人を滅ぼす神が、どこにいるっていうんだ!」

 世界をリセットすることになれば、たくみたちの周りにいる大切な人たちもいなくなる。そんな悲しい世界をたくみと和海は受け入れるはずもなかった。

「ここにいるわ。世界をひとまず滅ぼさなければ、本当の平和は訪れないのよ。」

 あずみが伸ばした右手に光を収束させる。

「いつかはこうなるとは分かってたけど、アンタにそんな力があったなんてな。けどな・・」

 たくみの顔に紋様が走り、悪魔に姿を変える。

「オレたちはこれからを精一杯生きる!アンタに邪魔はさせない!」

 剣を出現させ、その切っ先をあずみに向ける。

 和海やたくさんの仲間とともに、これからを生きる。たくみの願いは一途であり、和海も同じ願いを抱いている。

「そうだよね、たくみ。私たちはこれからを生きるんだから。」

 笑顔を見せる和海が、ポケットからキーホルダーを取り出した。たくみが温泉で彼女に買ってあげた、天使と悪魔を施したものである。

「“結ばれる天使と悪魔”・・・今の私たちと同じだね。」

「・・・ああ。全くだ。」

 たくみも同意して笑みを浮かべる。2人のやり取りを見て、あずみが妖しい笑みをもらす。

「天使と悪魔・・・相反する存在なのに、こうして愛や絆が芽生えている。でも、それは全ての世界に対する罪。天使と悪魔は決して結ばれない。死の制裁が下されるわよ。」

 あずみの放った光の球が、たくみに向かって飛んでいく。たくみはそれらを素早い身のこなしでかわし、そして剣で弾き飛ばす。

「でも、私と一緒に来てくれたら、その罪を消してあげる。あなたたち2人は、私の世界には必要な存在なのよ。」

「何だとっ!?」

「一緒に来なさい、たくみ、和海さん。私についてくれば、みんなを救えるのよ。飛鳥さんや美奈さんも。」

 あずみが手を伸ばし、たくみと和海を誘う。しかし2人は首を横に振った。

「アンタに従ったって、みんなが救えるっていう保障はどこにもない。」

「みんなのことは、私たちが何とかするわよ。この力は、そのためにもあるんだから。」

「そんな・・・」

 2人の返答に、あずみは当惑を見せる。

「それに、私たち神さまに頼るつもりはないからね。」

 笑みを送る和海にたくみは頷き、困惑するあずみに視線を戻す。

 2人の願いはとてもささやかなものだ。神などに頼らなくても、簡単に叶えられるものである。たくみと和海はそう信じていた。

「そう・・・残念ね。」

 あずみががっかりした振る舞いをする。

「だったら、力ずくにでも連れて行くしかないみたいね。」

 鋭い目つきに戻り、たくみに向けて右手を伸ばす。

「そうかい。断られたら強行手段か。そっちのほうが対応しやすいや。」

 たくみが不敵に笑い、光り出すあずみの右手に眼を向ける。

 放たれた光の球をかわし、一気に間合いを詰め、剣の柄であずみの腹部を突く。

「うぐっ!」

 強い打撃を受けて、あずみがうずくまるように倒れる。

 斬り込んでいれば彼女を殺せたのだが、たくみはあえてそうしなかった。人やガルヴォルスを殺すつもりは彼にはなかった。

 痛みに耐えて顔を上げたあずみに、たくみが剣の切っ先を向ける。

「オレは、オレたちは、誰も殺すつもりはない。けど、オレたちの居場所を奪うつもりなら、オレは迷わずにこの力を使う。そして殺すこともためらわない。それが罪なら、オレは喜んで背負ってやる。」

 たくみが自分の決意をあずみに伝える。彼の願いは和海と同じなのだが。

 しかし、追い詰められている状況にも関わらず、あずみが妖しい笑みを見せる。

「そう?でも、あなたたちだけの力では、その大罪は償いきれない。私が裁きを与えてあげる。」

「だ・か・ら、オレはアンタに助けられるつもりも、アンタに裁かれるつもりもない!オレたちの生き方は、オレたちが決めるんだ!」

 たくみが呆れ果てた様子で言い返す。

「それに、あなたたちは私を殺せない。どんなに迷いを振り切ってもね。」

「何っ!?・・・なっ!?」

 疑いを持ったたくみがふと視線を剣に移すと、柄をつかみかかっている手があった。

「ア、アンタは・・・!?」

 たくみが振り向いた先には、悲痛な表情をしている美奈の姿があった。彼女の出現と妨害に、たくみはひどく動揺する。

「み、美奈・・・何で・・・!?」

 和海も立ちふさがる美奈に困惑する。

「美奈、放してくれ・・・!」

 たくみが顔をこわばらせて、必死に声を振り絞る。しかし美奈は柄をつかむ手を放さない。

 その間に、あずみがゆっくりと立ち上がり、動けないでいるたくみに手を伸ばす。

「殺さないけど、抵抗されると困るから。」

 あずみが右手に力を込める。密着状態のまま、光の球がたくみの体に直撃する。

「がはっ!」

 たくみがその衝撃に吹き飛ばされ、剣を手から離す。ゼロ距離で放たれた力は、彼にはひとたまりもない。

 激痛にうめくたくみは、悪魔から人間に姿が戻ってしまう。

「たくみ!」

 和海が慌てて倒れたたくみに駆け寄る。そこへあずみが右手を振り上げる。

「キャッ!」

 和海が上から押さえつけられた衝撃を受けて、うつ伏せに倒れ込む。あずみの右手から放たれた念動力が、和海を地面に叩きつけたのである。

「あなたの力も危険なものとしてるわ。」

 あずみが伏した和海を妖しい笑みを浮かべて見下ろす。和海も力を失って、天使の翼が消失していた。

「か、和海・・・」

 たくみがふらつきながら、和海に駆け寄って体を起こした。和海はあずみの前に立ちはだかる美奈に対して疑いの眼を向ける。

「美奈、どうして!?その人は私たちの居場所を奪おうとしてるのよ!」

「だからよ、和海。」

 声を荒げる和海に美奈は平然と言い放ち、和海が動揺を見せる。

「今の私にとって、あなたたちは敵。だからあずみさんに協力してるのよ。」

「美奈、何を言ってるの!?」

 美奈の言葉に和海が困惑する。たくみも動揺を隠せず、言葉を失っている。

「私はもう何もかも失ったのよ。」

「失ったって・・・!?」

「私は今のこの身勝手な世界を許さない。こんな世界を変えるには、もう神さまに頼るしかないのよ・・」

 冷淡に語りかける美奈。普段の明るさは今の彼女からは全く感じられなかった。

 そこへあずみが前に出て、手を伸ばして美奈を制する。

「私の視界に入らないで。巻き添えになるから。」

 あずみが促すと、美奈は頷いて後ろに下がった。あずみの眼前で、傷ついたたくみと和海がふらついている。

「アンタ、美奈に何をしたの!?」

 和海があずみに憤慨の声をかける。あずみは妖しく笑いながら、

「別に何もしてないわ。彼女が私に協力したいと言ってきたのよ。」

「バカな・・・!」

 あずみの言葉が信じられず、たくみも声を荒げる。

「さて、あなたたちの動きを完全に封じさせてもらうわ。」

 言い終わると、あずみはたくみと和海をじっと見つめる。あずみの放つ異様な雰囲気に、2人は寄り添い合って息をのむ。

「心眼・解放のオブジェ。」

 

   ドクンッ

 

 あずみの眼が見開かれた瞬間、彼女の眼から神々しい眼光が輝いた。それと同時に、たくみと和海は胸を強く打たれた気分を受けた。

「あっ・・・!」

「な、なに、が・・・!?」

 強烈な衝動に、たくみと和海が息を荒げる。そんな2人をあずみが妖しく見つめ、美奈も笑みを見せている。

「これであなたたちは私のもの。」

「な、何を言って・・・!?」

  ピキッ ピキッ

 言いかけたたくみと和海のシャツが突然引き裂かれた。何が起こったのかと自分たちの体を見つめると。さらけ出された胸が白く固まり、ヒビが入っていた。

「こ、これは・・!?」

「これって、いし、だよね・・・な、なんで・・・!?」

 変わり果てた自分の体に動揺するたくみと和海。あずみが口元に手を当てて笑みを強める。

「これが私の持つ神の力。視界に入れた人に快楽の石化を与える。最高の美しさをその身に宿しながら、永遠の時間(とき)をすごすのよ。」

「ど、どうしたっていうんだ・・・」

「胸の辺りに、ヘンなものを感じるよ・・・」

 たくみと和海は、何らかの気分を石になった胸元から感じていた。肌のふれあいのときに感じた快楽に似た感覚だった。

「和海、これって、お前の言ってた・・・」

「うん・・あの漫画の石化と同じだよ・・服が破けて体だけ石になってるよ・・・」

 和海がふと話した漫画の話。今起こっている石化は、その漫画のものそのままだった。

  ピキッ ピキッ ピキッ

「あっ!」

 たくみのジーンズ、和海のスカートが破け、下半身がさらけ出されて石に変わった。2人の衣服は半壊し、ほとんど裸とも思える姿になっていた。

 あずみが抱き合ったまま石化していく2人にゆっくりと近づいていく。

「ガルヴォルスのあなたたちならもう感じているはずね。石化した部分からこみ上げてくる強烈な快感を。」

 あずみの指摘どおり、たくみと和海は快楽を感じて息を荒げていた。石化が進むに連れて、その強さは増してきていた。

「ダメだ・・体がいうことを聞かない・・・ホントに石になっちまってるんだな・・・」

「体から湧き上がる気持ちが強くなってるよ・・・耐えられない・・」

 石と快楽に包まれていく2人。

「それにしても、本当にいい体してるわね。ガルヴォルスなのか残念なくらいに。」

 あずみがたくみと和海の石の体に触れる。石化の快感に彼女の手の感触が上乗せされる。

(ダ、ダメだ・・・このままじゃアイツに全て・・・)

 たくみはあずみの力を振り払おうと石化しかかっている体に力を入れる。しかし、顔に紋様が浮かび上がるが、悪魔に変身することなく、紋様も消える。

「へ、変身・・できない・・・!?」

「ムダよ。私の力を受けたあなたたちは、ガルヴォルスとしての力を封じられる。力を失ったあなたたちは抵抗もできず、快楽の海に沈みながら愛と美のオブジェになっていくのよ。」

 あずみが脱力していくたくみに妖しく語りかける。彼女の石化の力を受けた彼らは、ガルヴォルスとしてのあらゆる能力を封じられてしまった。

「抵抗することはないわ。あなたたちはもう私のもの。でもあなたたちの思いと願いは永遠のものになるのよ。」

「たくみ・・・ぁぁぁ・・・」

 和海が石化の快楽にあえぐ。石化して動けなくなっていく拘束。体に入るヒビの衝動。そしてたくみとの抱擁とあずみの接触。こみ上げてくる快感が彼女たちを襲う。

 あずみが虚ろな表情の和海の頬に優しく手を当てる。

「あの漫画、私も昔読んでたのよね。」

「えっ・・・」

「私もつい惹かれてしまったわ。ボロボロの布も防護服も、あの石化を受けたら破けてしまったんだから。」

 たくみと密着している和海の胸に触れるあずみ。ふくらみのある彼女の胸は、白い石に変わり果てている。

「この心眼も、その石化から流用したものよ。身につけているものを全て剥ぎ取り、その人の全てをさらけ出す。意識も感覚も残り、外部からの接触さえも快楽になる。」

 あずみが和海とたくみの体を舐める。舌で撫でられ、たくみと和海にさらなる快感が押し寄せる。

 そこへ美奈が近づき、にこやかな眼で見つめる。

「きれい・・・和海とたくみ、とってもきれいになってるよ・・・」

 石化していく2人のガルヴォルスに魅力を感じる美奈。

「み、美奈・・・」

「美奈さんも喜んでくれているみたいで嬉しいわ。裸になったあなたたちは、今はどこに触れられても快楽に変えられるはずよ。何もかも心地よくなる、最高の美と開放感に沈むのよ。」

  パキッ ピキキッ

 石化はたくみと和海の手足の先まで及ぶ。2人の抱擁を留めたまま、その動きを止める。

「ここまできたら、もうまともに動くことはできない十分に快楽の中に沈んだようね。」

 あずみが2人の顔をうかがう。強い快感によって、2人からは力が抜け落ち、オブジェになっていくのを待つだけだった。

「さぁ、あなたたちにできることはひとつしかないわ。それをやるのよ。そうすれば、あなたたちは最高の幸せのまま永遠が刻まれることになるのよ。」

 あずみが微笑みながら2人を促す。判断ができないまでになっていたたくみと和海は、そのまま近くなっていた顔をさらに近づける。

 2人の唇がゆっくり重なる。今までにないほどの快楽が2人を満たしていく。

「そう、それでいい。」

  パキッ ピキッ

 あずみは止めていた2人の石化を再び進めた。口付けを交わしての抱擁、それが彼女が望んでいた2人の姿だった。

(ダメ・・・全然逆らえない・・・石になって、私の体を強い何かが包んでいる・・・あの夜に感じたのに似た・・・)

 和海が心の中で心境をつぶやく。あずみにも石化にも、逆らう気力を失ってしまっていた。

(けど、全然望んでなかったことじゃない気がする・・・和海のそばにずっといられるわけだから・・・)

 たくみも心境を語る。同じガルヴォルス同士、2人は薄れていく意識の中で、心の声を交し合っていた。

(うん・・・確かに、そうかもしれない・・・そう考えてなくても、無意識のうちに思ってしまってるのかも・・・)

(かもな・・・今はどっちでもかまわない・・・もうオレたちには、この石化から助かる方法がない・・・)

 2人の虚ろな眼から涙が流れる。

  ピキッ パキッ

 石化は2人の首を、そして口付けを交わしている唇をも包み込む。

(もう、離れなくなっちゃったね・・・)

(ああ・・・けど、それでもいいや・・・)

 快楽と石化に身をゆだねるたくみと和海。うつろう瞳が次第に薄らいでいく。

    フッ

 その瞳にもヒビが入り、たくみと和海は完全にオブジェと変わった。そして2人の意識もそこで途切れる。

「これで2人は完全に私のもの。今は意識が途切れるけど、気がついたらその快楽を再び堪能することになるわ。」

 あずみが一糸まとわぬ姿の2人の体に触れる。

 美奈が無表情で立ち尽くしていると、あずみが微笑んで手招きする。

「大丈夫よ。来なさい。あなたも魅入られたその輝きに触れてみなさい。」

 あずみに促され、美奈は戸惑いながらたくみと和海に近寄る。そして和海の石の肌に恐る恐る触れてみる。

「あ・・・」

 和海に触れて、美奈が声をもらす。不安を抱いていた手が、徐々に和海に触れることを望む。

「きれい・・・それに手触りもいい・・・」

「そうでしょう?これが私のオブジェ。見る人も石化された当人もその魅了に包まれる。」

 あずみの言うとおり、美奈は石化したたくみと和海にひかれていた。笑みをこぼしながら、唇から胸元へと撫で回していく。

「さぁ、そろそろ戻らないとね。私たちにはまだ、やらなければならないことがあるから。」

「そうですね。」

 あずみの言葉に美奈は頷き手を伸ばす。あずみはその手を取って。抱き合うたくみと和海をさらに上から抱き寄せる。

 意識を集中させたあずみは、美奈、そしてオブジェとなったたくみと和海を連れて、その場から姿を消す。

 2人のガルヴォルスは、あずみの力に抗うことができなかった。美奈が彼女をかばい立てしたことでたくみの戦意はそがれ、そこをついてあずみが石化をかけたのである。

 快楽の海に沈んだ2人。完全に石になった和海の秘所からは愛液が出ることはない。

 たくみと和海はあずみの手中に落ち、全てを奪われたのだった。

 

 

次回予告

第21話「美奈の悲痛」

 

家族や友達と過ごす生活。

望まなくても叶うものだと信じていた。

でも、どんなに願ってもその願いはもう叶わない。

その願いを踏みにじった人たちを、私は許さない。

だから、私は新しくなる世界を望む。

幸せが、そこにあると信じてるから・・・

 

「たくみ、和海、一緒にいよう。もう、誰も失いたくないから・・・」

 

 

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