ガルヴォルスFate 第18話「運命の二人」
傷ついていく由記を助けたいという強い思いに駆られたちはやの体が光り輝く。その光景に人々が動揺し、由記が驚愕する。
「ちはや・・・そんな・・ちはや・・・!」
もうろうとする意識を覚醒させて、ちはやに駆け寄ろうとする由記。だが傷つきすぎた体は彼女の思うように前に出ない。
ちはやを包み込んだ光から、何条もの閃光が解き放たれた。閃光は怪物たち、そして兵士たちをも貫いていき、砂に変えて命を奪っていく。
イブキと千夏は降下してきていたヘリコプターに乗り込んで、閃光から避難していた。
まばゆい光を目の当たりにしながら、由記は脱力して倒れていく。その姿は人間のものへと戻っていた。
だが地面に倒れる感覚を彼女は感じなかった。痛みも感覚も分からなくなったのか、それとも何かが支えてくれているのだろうか。
意識の薄れていく今の彼女には、その答えを知る術はなかった。
何とか意識を保とうとしている由記は、自分が街の空に浮いていることに気付く。顔を上げて状況を確かめると、彼女は自分が異様な怪物に抱えられていることに気付く。
(これは・・・!?)
由記は驚愕を隠せなかった。自分を抱きかかえている者の姿は、フェイトそのものだった。ただその翼が漆黒に彩られていた。
そして由記はそのフェイトの姿が、ちはやと重なって見えた。かつてないほどの苦悩にさいなまれながらも、由記は眠りについた。
覚醒したフェイトの閃光から逃げ延びていたイブキと千夏は、崩壊した廃工場を見つめていた。
「ついに覚醒しましたか。2人目のフェイトが・・」
不敵な笑みを浮かべるイブキに、千夏が眉をひそめる。
「いったい何を考えてるの、あなた?フェイトをもう1人目覚めさせて・・」
「ちはやさんは由記さんと同じフェイトとして覚醒しました。それは由記さんにとってはこの上ない枷となるはずです。」
「それは私たちにとっても言えることよ。ただでさえ手を焼いていたフェイトが2人になったのよ。まさか2人が同士討ちをしてくれると思ってるんじゃないわよね?」
千夏が疑問を投げかけると、イブキは肯定するように笑みを強める。それを見て千夏は呆れてため息をつく。
「あなたとの縁もここまでね。私はあなたのやり口は苦手なのよ。それに・・・」
千夏が言いかけてイブキに鋭い視線を向ける。
「裏切り者になったとはいえ、あなたたちが姫女を手にかけたこと、許すつもりはないわ。あれでも私の同士だったんだから・・」
イブキに言い放つと、千夏は怪物の姿となってこの場を立ち去った。その姿を、イブキは不敵な笑みを崩さずに見送っていた。
(許してもらおうなどという甘えは持ち合わせていませんよ。ただ、あなたたちと私たち人間との確執がはっきりしただけです・・・)
「目覚めた2人目のフェイトのおかげで、怪物の多くが滅びました。引き続き、怪物たちをフェイト打倒に向けるよう徹底してください。」
イブキの言葉に役員が頷き、動き出す。フェイトをはじめとした怪物の殲滅のため、イブキはさらなる目論みを実行しようとしていた。
自分が怪物になってしまってから、私はちはやと夜の時間を過ごすことをためらってきた。
私の中にある怪物の何かが移って、ちはやが私と同じ怪物になってしまうと思ったからだ。
ちはやに怪物になってほしくなかった。
ちはやに、私と同じ苦しみを受けてほしくなかった。
だから私はいつの間にか、ちはやを避けるようになってしまっていた。
そうしたほうが、ちはやのためだと思ったから。
でもそれは違った。
ちはやは私の全てを受け入れようとしていた。
そのために自分自身がどんなことになっても構わないとさえ考えていた。
ちはやは私のそばにいたかったんだ。
そして私も本当は、ちはやのそばにいたかったんだ。
たとえこの世界がどんなことになるとしても、私はちはやと一緒にいたい。
それが私の本当の願いだった。
少し前だったら考えないようにしていたくらいだったけど、今ならはっきりと言える。
私はちはやが好き。
この世界がどうなろうと、私はちはやと、ずっと一緒にいたい・・・
由記が眼を覚ましたのは、学校の寮の前だった。壁に寄りかかった状態で眠っていた彼女は、もうろうとしている意識を確立させていく。
傷も感じる痛みもない。由記は立ち上がり、周囲をうかがう。
「由記、眼が覚めたんだね・・」
すると寮から顔を見せてきたちはやが、由記に声をかけてきた。意識を失う前の出来事がまるでうそだったかのように、ちはやは満面の笑顔を由記に見せてきた。
「ちはや、私は・・・」
戸惑いを隠せない由記に、ちはやが軽い足取りで駆け寄ってきた。
「ホント、びっくりしちゃったよ。ここに着いて起こしてみたんだけど全然で・・心配しちゃったよ・・」
心配の声をかけてくるちはやを前にして、由記は記憶を思い返してみる。
(私は怪物たちの攻撃で追い込まれて・・そのとき、ちはやが・・・ちはや・・・!?)
由記は眼を見開いて、ちはやの両肩をつかむ。
「ど、どうしたの、由記・・!?」
「ちはや、私、どうしてここまで・・・!?」
きょとんとなっているちはやに、由記はたまらず問い詰めていた。
「私、悪い夢を見ていたのかもしれない・・ちはやが怪物に、私と同じフェイトになったなんて・・・」
そして由記は唐突に頭を抱えて、嫌な予感を払拭しようとする。するとちはやが落ち着きをこめた微笑を浮かべる。
「由記、もう思いつめなくていいよ・・由記、あたしを危険に巻き込まないようにしてくれたんでしょ?そしてあたしが怪物にならないでほしいって、ずっと考えてたんでしょ?」
「ちはや・・どうして、そのことを・・・!?」
自分の考えをちはやに読まれて、由記は戸惑いを見せる。
「怪物と関わってたってのは知らなかったけど、あたしに気を遣ってくれてたのは気付いてたよ。由記との付き合いも短くないからね。気付いちゃうもんだよ。」
ちはやの言葉を受けて、由記は安堵の笑みにも似た苦笑を浮かべた。
「ゴメンね、ちはや・・私、勝手に思い込んで、勝手に背負い込んでたみたい・・・ちはやのことを、本当は全然考えてなかったんだね・・・」
「そんなことないよ。由記は由記なりにあたしのことを想ってくれてた・・それが由記らしくて、あたしはそこも好きなんだけどね。」
詫びる由記を、ちはやは笑顔で受け入れる。
「でもあたしにばかり気を遣う必要はもうないよ・・」
「えっ・・?」
突然物悲しい笑みを浮かべたちはやの言葉の意味を、由記は一瞬理解できなかった。
「あたしも、もう人間じゃないから・・・」
ちはやは微笑みかけたまま意識を傾けると、彼女の頬に異様な紋様が現れる。怪物へと変わる前兆である。
この一瞬の光景に、由記が驚愕を覚える。
「そんな・・・夢じゃなかった・・夢であってほしかった・・・」
悲痛さと愕然さを噛み締めて、由記がちはやに言いかける。するとちはやが由記に優しく寄り添った。
「由記・・あたし、由記と一緒にいてもいいんだよね・・・?」
「ちはや・・・」
「だってあたし、もう由記と同じだもん・・・やっと、同じになれたんだよ・・・」
「ちはや・・・私・・・」
由記は悲痛の面持ちで、微笑むちはやを抱きしめる。今まで抑え付けられていた、自分が抑え付けていた気持ちが解放され、心からあふれてきていたことを由記は思っていた。
もう我慢することはない。自分だけで抱え込むこともない。由記はちはやに対する自分の気持ちに正直になった。
久しぶりに寮の自分たちの部屋に戻ってきた由記とちはや。さほど空けていなかったはずなのに、長く離れていたような感覚を覚えていた。
「変わってないね・・この場所も・・・」
「そりゃそうでしょ。そんなに日にちたってないし。」
「そうだね。でも・・何だかここを出たのか、ずっと前のことのように感じる・・・」
由記が部屋の中を見渡して笑みをこぼす。ちはやと別れてから今まで、様々な出来事、思い、対立があった。それらが彼女の心に集まって、彼女に自分のあるべき場所への懐かしさを思い起こさせていた。
「そういえば由記、しばらくやってなかったね・・・」
ちはやが照れながら呟くと、由記も小さく笑みを見せた。
「何度も誘ったけど、由記は断ってた。そのときの由記、とっても辛そうだったよ。自分を抑えてる感じがして、あたしも心の中で辛くなってたんだよ・・」
「ゴメン、ちはや・・私は・・・」
由記が言いかけると、ちはやが彼女の口元に軽く指を当てる。
「もう言わなくていいよ、由記・・あたしはもう気にしてないから・・ただ・・」
そしてちはやは由記に抱きつき、そのままベットの上に倒れこむ。
「これからはずっと、由記のそばにいたい・・どんなことになっても、由記と離れたくない・・・」
「ちはや・・・」
「もう、由記を絶対に放さない・・・」
戸惑いを浮かべる由記を抱きしめたまま、ちはやは離れようとしない。ちはやの切実な想いを、由記は自分を見つめ返すような心地で受け止めていた。
久方ぶりに、2人の夜の時間が始まった。
身に着けていたものを全てベットの脇に脱ぎ捨て、由記とちはやは寄り添い合っていた。
肌と肌を通じて互いの体温が体へ、心の中へと伝わっていく。由記もちはやも、しばらくぶりにこの感覚を感じて酔いしれていた。
「由記、今夜はあたしが由記に触れていくからね。」
ちはやの言葉に由記が戸惑いを見せる。
「だって由記、あたしに黙って勝手に出ていっちゃったじゃない。だからその分、たっぷりいじくっちゃうからね。」
「分かったわ。今夜はあなたに任せるわ、ちはや・・・」
微笑みかけるちはやに、由記も同様に微笑んで頷く。ちはやの抱擁に委ねることを由記は心に決めた。
寄り添い合っていた状態から、ちはやは体を起こし、由記の上に乗りかかる形をとる。戸惑いを隠せないでいる由記を見つめて、ちはやは満面の笑みを見せる。
由記のふくらみのある胸に手を当てて、やさしく撫でていくちはや。その接触に由記が頬を赤らめる。
「ぁ・・ぁぁぁ・・・」
今まで感じていなかった心地よさに、由記が思わず声をもらす。彼女の快楽を見つめながら、ちはやはさらに胸を撫で回していく。
「ぁぁ・・ちはや・・・」
たまらず由記がちはやの名を呼ぶ。その反応を確かめながら、ちはやは由記の体に再び寄り添う。
「やっぱり由記とこうしているときが1番幸せな気がするよ・・」
ちはやがさらに由記に寄り添い、彼女の体に頬擦りをする。そしてその肌を舌で撫でる。
「ああぁぁ・・ちはや・・・!」
押し寄せる快楽と刺激に、由記のあえぎ声が強まる。体が上がりそうになるが、ちはやに寄り添われてそれが阻まれる。
(気持ちいい・・こうされたらいつも気持ちがよかったけど、今は本当に気持ちよく感じる・・・)
強まる快感の中で、由記はその心地よさを確かめていた。
(ちはやのほうがこうすることを望んでたとばかり思ってたけど・・本当は、私はちはや以上に、こうすることを望んでいたのかもしれない・・・)
自分の本心を悟った由記。高まる鼓動と快楽に、彼女の秘所から愛液があふれ出てきた。快感の雫が2人のいるベットのシーツをぬらしていく。
ちはやが体を少しだけ起こし、由記を見つめる。由記は眼に涙を浮かべて震えているようだった。
「由記ったら子供っぽいよ。こんなに縮こまっちゃって・・そういう由記も、あたしは大好きだよ・・・」
ちはやが悩ましい微笑みで由記を見つめると、彼女の下腹部に顔を入れた。愛液のあふれている秘所に舌を伸ばす。
「やめて、ちはや・・そこは・・・!」
由記のあえぎ声がさらに強まるが、ちはやは顔を離そうとしない。
「そんなことしたら、あなたが・・・!」
声を荒げていた由記だったが、心の中にとどめていた不安が取り除かれているような感覚を覚える。
(そう・・そうだったんだ・・・この感覚、この気分・・人間だったときと同じ・・・)
懐かしささえ感じられるこの感覚に、由記は涙を流す。
(怪物になって、フェイトになってしまって、何もかも変わってしまったのかと思ってた・・でもそれは違ってた・・怪物の姿を持っていても、私は人間でいられる。人間として生きていられる・・・)
快感にさいなまれる中、由記は小さな喜びを表すように手を握り締める。
(怪物になっても、人間でありたいと願うなら、人間として生きていくこともできる・・・私は人間でありたい・・ちはやと一緒に、人間として生きていきたい・・・)
「ちはや、私は・・私は!」
ちはやが顔を離したところで、由記がちはやに飛びついた。突然のことにちはやが当惑する。
「ゆ、由記、いきなり・・・!?」
「ちはや、私は生きていきたい!ちはやと一緒に、これからを生きていきたい!ちはやと一緒だったら、どんなことだって怖くない!」
由記がちはやにすがりつき、自分の中にある気持ちを言葉にして言い放つ。その想いを受けて、ちはやも笑みをこぼす。
「あたしもだよ、由記・・由記と一緒だったら、あたしは何でも乗り切れる。今度はあたしが、由記を守るから。守れるようになったから・・」
ちはやが由記を抱きしめ、寄り添い合う。由記が感情の赴くまま、ちはやの胸を手で撫でていく。
「もう、由記ったら・・いいよ。今夜は許しちゃう。」
ちはやは由記の想いを受け止めて、彼女と口付けを交わす。かつてない心地よさに2人は完全に浸っていた。
(あたしも由記と一緒に生きていく・・この世界がどうなっても・・・)
ちはやが胸中で由記との想いを思い返す。
(だけど、今のあたしと由記とは、大きく違うものがひとつだけある・・・)
表面的には喜びを浮かべているが、彼女は心の奥で悲しみを抱えていた。
(由記は人間を信じて、人間として生きようとしてるけど・・・あたしは、人間を信じることができない・・・)
抱擁で疲れ果てて、由記とちはやは抱き合ったまま、いつしか眠りについていた。早朝になり、先に眼を覚ましたのはちはやだった。
一糸まとわぬ姿のまま、彼女はベットから起きる。そしてまだ眠りについている由記にゆっくりと振り返る。
(由記・・由記と一緒の時間をすごせて、あたしはとっても幸せだったよ・・・でもあたしの願いと、由記の願いは違う・・・)
物悲しい笑みを浮かべて、ちはやは自分の想いを確かめる。
「・・・ゴメンね・・由記・・・あたしは人間を受け入れることができない・・・」
眠っている由記に囁きかけて、ちはやは自分の私服を身に着ける。そして由記を残して1人部屋を後にした。
由記との抱擁を終えたちはやは、単身とある場所へ向かっていた。それは安藤企業の本社だった。
真正面から向かっていく彼女を、黒服の男たちが待ち構えていた。それでもちはやは立ち止まろうとしない。
「話は聞いている。お前はフェイトの1人だな?」
「これ以上進むなら、実力行使をさせてもらうぞ!」
男たちの忠告にも、ちはやは立ち止まろうとしない。
「アンタたちの言うことは聞かないよ・・」
低い声音で言い放つちはやの頬に異様な紋様が走る。
「姫女さんとケンくんの仇である人間を、あたしは許さない・・・!」
そしてちはやの姿が異様な怪物へと変わる。由記と酷似するかのようなフェイトの姿に。大きな違いは、体の色だった。白色を基本としている由記とは違い、ちはやは黒を主な色としていた。広げた翼も黒く、あふれる光の粒も黒ずんでいた。
「か、構うことはない!こちらは怪物への対抗手段を持ち合わせている!撃て、撃て!」
いきり立った男たちが銃を構え、ちはやに向けて発砲する。だが弾丸の群れは羽ばたかれたちはやの黒い翼に弾かれる。
「由記がどんなにすごいか、アンタたちなら分かってるはずだよ。」
言い放つちはやが翼を広げ、漆黒とは思えないほどの純白の閃光を解き放つ。その光を受けた男たちや、周囲にいたOLたちが白く凍てついていく。
以前のちはやならば、力を手にしても周囲の関係のない人を巻き込まないように考えていたが、今の彼女にその情意を持ち合わせてはいなかった。
「あたしは人間を許せない・・だからみんなあたしが固めてやるんだから・・・!」
憤慨をあらわにしたちはやが右手をかざし、人々に力を発動する。収束されて放たれた光の玉を受けた人々が次々と石像に変わっていく。
固まっていく人々に眼もくれず、ちはやは社屋へと踏み込んでいく。中でも兵士たちの介入に見舞われるが、彼女の進行は止まらず、被害者が増していく。
社屋に入ってから十数分後、ちはやは地下にいたイブキをついに発見する。彼女の襲撃に対して逃走を図っていた彼が、振り返りざまに驚きを見せる。
「ち、ちはやさん!?・・なぜここへ・・これはいったい・・・!?」
何とか笑みを作って声をかけるイブキ。ちはやは冷淡な表情を浮かべて彼を見据えるだけだった。
「あなたは人のため、人として生きていこうとしてきたじゃないですか!?・・それがなぜ・・・!?」
「なぜ?・・あなたはあの人たちを使って、姫女さんとケンくんを・・・あたしはあなたを許さない。人間全てを、あたしは信じない・・・!」
ちはやが動揺を隠せないイブキに向けて手を掲げる。
「ま、待ってください、ちはやさん!・・わ、分かりました!あなたとあなたの周りの人々は、私たちが全責任をもって保護します!これ以上あなたたちを危険に巻き込まないようにしますので・・!」
イブキが言いかけていたところへ、ちはやが閃光を放つ。光に胸を貫かれたイブキの体が石化していく。
「あたしは人間そのものに絶望してるの・・・もうあなたたちは、いらない・・・!」
「こ、こんな・・私にはまだ、人間を救わなくてはならない使命が・・・」
鋭く言い放つちはやの前で、イブキが完全に石造へと変わった。鋭い眼つきのまま、ちはやはイブキに近づいていく。
「あなたは固めるだけじゃ済まさない・・あたしの人としての思い出と一緒に、あなたを粉砕する・・・!」
ちはやがイブキの石の体に手を当てて、持てる力を注ぎ込む。その手から放たれた光の影響を受けて、イブキの体が粉々に砕け散る。
憎むべき敵の代表である人間を葬り去ったちはや。フェイトとして覚醒した彼女は、人間としての思いや心を切り捨て、人間に対する憎悪に完全に駆られていた。
次回
「もしかして、全部ちはやが・・・!?」
「これはすごい展開になりそうね。」
「アンタがしっかりちはやを気にかけてあげないと。」
「ちはや、待って!」
「由記・・あたし、もう人間には戻れないよ・・・」