ガルヴォルスFate 第13話「偽りの家族」

 

 

 萌の炎を受けて右腕を石化された由記に、美冬が槍を構えて敵意を向けてきた。追い詰められた由記が歯がゆさをあらわにする。

(このままだとやられる・・せめて右手が動くようになれば、反撃ができるのに・・・!)

 由記も胸中で完全に毒づいていた。右手は剣とともに石化していて、自由に動かすことができない。

 そのとき、由記の背から生えていた翼が光り出し、輝きの粒が発生する。粒は彼女の右腕に移り、あたたかさを与えていく。

 すると石化されていたその右腕が徐々に元の色を取り戻していく。石化が解かれ、右腕の自由が利くようになる。

「そんな・・私の炎の石化が解けるなんて・・・!?」

 回復した由記に萌が驚愕する。由記は自分の右手が動くことを確かめて、美冬と萌を見据える。

(これもフェイトの力だっていうの?・・私自身も治せた・・・)

 自分の力に改めて脅威を覚えながらも、由記は美冬たちとの戦いに臨む。

「私たちの力が、こんな形で破られるなんて・・・私は断じて認めません!」

 憤慨を見せた美冬が、槍を振りかざして冷気の旋風を巻き起こす。極寒の竜巻が、通りへと移動した由記に迫る。

 吹き荒れる竜巻を、由記は剣を振りかざして受け止める。刀身と回転がぶつかり合い、激しい火花を散らす。

 そこへ由記が剣を振り上げ、冷気の竜巻を断ち切る。轟音を響かせながら、旋風が夜明けの空に上っていく。

 驚愕を浮かべる美冬に、由記が間髪おかずに飛び込んだ。倒されることを覚悟して、美冬が思わず眼を閉じる。

「お姉ちゃん!」

 そこへ萌が飛び込み、美冬をかばおうと前に出てくる。彼女の乱入に由記と美冬が眼を見開く。

 突き出された由記の剣が、萌の体を貫いた。少女の小さな体から鮮血が飛び散り、口から吐血が吐かれる。

「萌・・・どうして・・・!?」

 愕然となる美冬に、萌がゆっくりと振り向く。剣の刀身が彼女の体から離れ、その直後に彼女が人間の姿に戻る。

「お姉ちゃん・・・私はお姉ちゃんが大好き・・だから私が、お姉ちゃんを守る・・・」

 微笑みかける萌の姿に、美冬は悲痛さを覚える。そんな萌の体が固まり、事切れた彼女が崩れ去った。

「萌!」

 叫ぶ美冬が萌に手を伸ばすが、もはや萌は影も形もなくなってしまっていた。美冬の手が崩れた妹の亡骸の砂をつかんでいた。

「萌・・・萌・・・!」

 美冬が萌の亡骸をつかんで、悲痛にうなだれて涙を流す。その姿に戸惑い、由記は人間の姿に戻る。

「どうしてあなたが死ななければならないのですか・・・あなたがいなくなって、私はこれから何を頼りに生きていけばいいのですか・・・!?」

 妹の死に涙する美冬。その悲しみが、由記に対する憤りへと変わる。

「許さない・・・」

 美冬の憤慨の声が由記の耳に届く。

「あなただけは、絶対許さない!」

 怒号の声を言い放つ美冬が冷気を解き放つ。暴走状態の冷たい旋風が由記の前で吹き荒れる。

 風が落ち着き、由記が閉ざしていた眼を開くと、そこに美冬の姿はなかった。由記は沈痛さを抱えながら、姉妹の姿が消えた場所をしばらく見つめていた。

 

 由記の行方を求めて、ちはやはひとまず黎利の自宅に向かった。黎利なら由記について何か知っているだろうと思ったのだ。

 黎利の豪邸の正門の前にたどり着くと、玄関から黎利と天音の姿があった。

「あれ?天音先輩?」

 天音が黎利の自宅にいることに疑問を覚えるちはや。彼女は2人の話に耳を傾ける。

「全く。勉強会っていうから来てあげたって言うのに、夜にハレンチな行為をされるとは思わなかったわ!」

「まぁ、いいじゃないの。楽しい夜の時間を過ごせたんだから。」

「あなただけが楽しんでたけどね!」

 不機嫌そうな天音と、その怒りを気に留めていない態度の黎利。勉強会といって黎利は天音を呼び出し、夜に突然スキンシップに出たのである。

 おかげで天音は期限が悪く、黎利は上機嫌だったのだ。

「天音先輩!黎利先輩!」

 そこへちはやが声をかけると、黎利も天音も眉をひそめてきた。

「ありゃ?あれはちはやじゃないの。何だろう、こんな朝早く・・?」

 疑問を投げかけながらも、黎利はちはやに駆け寄り、正門の扉を開けた。

「どうしたの、ちはや?こんな朝早く、今日は日曜だし・・」

「先輩、すいません・・実は、由記が・・・!」

 切羽詰ったちはやに面持ちに、黎利は真剣に話を聞く。気になって寄ってきた天音も、ちはやの話に耳を傾ける。

「あたしもどういうことなのかよく分からないんですけど・・由記があたしを守るために、人間じゃない姿になって・・・」

 ちはやが言いかけたところで、黎利は眼を見開いて彼女の口を手でふさぐ。

「ち、ちはや、その話は・・!」

 黎利がちはやの口を押さえたまま、彼女を連れて場所を変えようとする。だが天音に肩をつかまれて止められる。

「こんな深刻なちはやなのよ。私だけ蚊帳の外というわけにはいかないわよ。2人だけでこそこそ話し合うなんて許さないわよ。」

 鋭い視線を投げかける天音に、黎利はため息を付くしかなかった。

「分かったわよ、天音。危ないからって由記に言うのを止められてたことなんだけど・・」

 困り顔を見せるものの、黎利はちはやだけではなく、天音にも真実を話すことにした。

「これはちはやだけじゃなく、私も、由記自身もまだ信じられないことなんだけど・・由記は人間の力を超えた、悪く言えば怪物の一種なんだ・・」

「怪物・・・!?」

 黎利が口にした言葉に、天音は耳を疑った。ちはやは由記の正体を見ているため、さほど動揺は見せていなかった。

「同じように怪物に変身した人たちは、由記のことを“フェイト”って呼んでた。フェイトは他の怪物たちと違って、さらにすごい力を持ってるって言ってたが・・」

 黎利の話に、ちはやは由記の力を再認識した。フェイトとしての力を発動した由記は、1度は命を落としたちはやを蘇生させている。だがその蘇生は死亡して時間がたっていると不可能となってしまう。

「フェイトはこの世界を滅ぼす存在だとも言ってた。」

「世界を滅ぼすって、どういうことなのよ・・!?」

 問い詰めてきた天音に、黎利は顔色を変えずに答える。

「最近ニュースとかで騒がれてる、ワームホールのことは知ってるよね?」

「・・それが何よ・・!?」

「そのワームホールの向こう側から、星のようなエネルギーがやってきてる。そのエネルギーは、由記のフェイトとしての力に引かれてやってきているそうよ。由記を倒さないと、エネルギーはこの地球とぶつかって、世界が滅ぶ・・・」

 黎利の言葉にちはやと天音が愕然となる。

「もちろん私はそんなこと信じちゃいない。フォースっていう連中が言ってきたことだし、断定できるものなんて何ひとつないからね。」

「黎利先輩・・・」

 黎利の弁解にちはやが安堵の笑みをこぼす。

「それでちはや、これからどうするつもりなの・・・?」

 天音が深刻な面持ちでちはやに問い詰めた。ちはやは少し思いつめてから答える。

「これからどうなっていくのか、あたしも分かりません・・だけど今は、由記ともう1度会いたい。会って、あたしの気持ちを伝えたい・・・」

 ちはやの気持ちを知った天音。黎利に眼を向けてから、彼女は微笑んで頷く。

「だったら迷ってないで突き進む。いつものちはやだったら、そうやって頑張ってきたでしょ?試合のときも、他のことでも。」

「そうですけど・・由記、どこにいるのか・・・」

 不安を見せるちはやに、天音がため息をついてみせる。

「それでもひたすら前に進む。私も黎利も協力するからさ。」

 天音の言葉に黎利がきょとんとなる。それを見かねた天音がムッとなる。

「ここまできたらあなたも立派な当事者よ。今さら逃げるんじゃないでしょうね?」

「分かってるよ。でもあまりにいきなりな感じがしたから、ちょっと驚いただけよ。」

 天音の抗議を黎利は淡々と返す。

「ありがとうございます!どうか由記を見つけるために、協力してください、先輩!」

 ちはやが黎利と天音に対して頭を下げる。彼女の敬意を目の当たりにして、黎利も天音も笑みをこぼした。

 

 電車に揺られること1時間と数十分。由記は両親のいる故郷に帰ってきた。自分を見つめなおそうという意味を込めて、彼女はここを訪れていた。

 緑の香り。茂った草木や森林。懐かしくも変わっていない風景に、由記は安らぎを覚えていた。

 しかし由記は素直に喜べなかった。この故郷が懐かしい場所であると同時に、忌まわしい場所でもあった。できるなら2度と戻りたくない。そんな気持ちさえ持っていた。

 それでも由記は自分の中に、忌むべきものへのかすかな信頼を捨てきれずにいた。最後まで信じたいという気持ちを胸に秘めて、彼女は駅から歩き出した。

 駅から歩き出すこと数分、由記は実家の前へとたどり着いた。懐かしさと忌まわしさが、彼女の中で膨れ上がっていた。

 不安を感じながら、由記は家の玄関のドアを叩いた。

「ただいまー。誰かいるー?」

 由記が明るく振舞うように声をかける。すると玄関のドアが開き、気の優しそうな中年の男性が顔を見せてきた。

「その声はもしや、由記か?」

 優しく語りかけてきた男に由記は笑顔を見せた。彼が彼女の父親、幸一郎(こういちろう)である。

「久しぶりじゃないか、由記。いきなりだから驚いたぞ。」

「ごめんなさい、お父さん。私も急にここに戻ってきたくなったから・・」

 微笑みかける幸一郎に、由記が苦笑いを見せて答える。

「こんなところで立ち話もなんだ。せっかくの娘の帰郷だからね。早く入って。」

「はい、お父さん。」

 幸一郎の促しに、由記は甘えるような感覚を覚えながら家に入った。

 玄関とその先の廊下は、何も変わっている様子は見られず、由記はそれが懐かしく感じていた。

「全然変わってないね。私が出て行ってしばらくたってるはずなのに。」

「しばらくといっても、まだ1年弱といったところだからね。そんな急に様変わりしないさ。」

 思わず笑みをこぼす由記に、幸一郎も苦笑を見せる。

「向こうの生活はどうだ?クラスメイトとうまく馴染めているか?」

「う、うん・・・」

 幸一郎の問いかけに、由記は戸惑いを浮かべながら頷く。彼女の沈痛さを悟って、彼はさらに続ける。

「何はともあれ、向こうでいろいろあったようだね。」

「はい・・でも、よかったこともたくさんあったのは間違いないよ。お父さんには悪いと思うけど、ここを出てみて正解だったのかもしれないね。」

 笑みを見せる幸一郎に、由記も何とか笑みを作った。

「何事かと思って見れば、あなたですか。」

 そこへ1人の女性が不機嫌な面持ちを浮かべてきた。その途端、由記の表情が曇る。

 由記の母親、睦月(むつき)である。

「何しにここに来たのですか?私を見限り、私の前から出て行ったあなたが。」

 睦月の苛立たしい言動に、由記の感情が逆撫でされる。

「私の言うことだけを聞いていれば、後悔ばかりして恥をかきながらここに戻ってくることもなかったのに。実に情けない。」

「勝手なことを言わないで!」

 睦月の言葉に、ついに由記が憤慨を見せる。

「あなたは何も変わっていない!私が出て行ったときから何も!いいえ、あなたは自分の考えを変えようとせず、自分が正しいと思っている!」

「変わってない?ではあなたは変わったのですか?あなたがここを出て行って、何か変わることができたのですか?」

 憤る由記に対し、睦月は冷淡な面持ちで告げる。その言葉が由記の感情をさらに逆撫でする。

「あなたは何も変わっていない。私の言うことを聞かずに、凡人たちと馴染んでしまったあなたは、ずっと凡庸のまま変わっていない。」

「どこまで身勝手なの、あなたは!私のことだけでなく、ちはやや先輩たちのことまで・・!」

「それが凡人の考えだというのです。凡人たちが、あなたを弱いままにしてしまったのです。」

「もういい!あなたを少しでも信じた私がバカだったわ!あなたは私のお母さんじゃない!あなたは私の戒めでしかないわ!」

 大粒の涙をこぼして、由記は家を飛び出してしまった。何も変わらない自分勝手な母親を彼女は許せなかった。

 幸一郎はそんな由記の後ろ姿を見て戸惑いを見せる。その中で、睦月は冷淡な面持ちを崩さなかった。

 

 家を飛び出した由記は、近くの草原まで来ていた。そこで彼女は大木の1つにすがって、ひたすら泣き崩れていた。

 これだけの月日が流れても、母親は何も変わっていない。自分だけが正しいと思い込んでいる冷徹な人間のままだ。由記はそれが理不尽に思えて許せなかった。

 しばらく泣いていると、幸一郎がやってきて声をかけてきた。

「すまんな。睦月も悪気があったわけではないんだ。」

「・・お父さん・・・」

 すまなそうに声をかけてくる父親に、由記は感情の流れるままにすがりついた。泣きついてくる娘に、幸一郎は優しく抱きとめた。

「お前は以前と比べてずい分変わった。成長したというべきか。向こうで出会ったお前の親友や先輩が、お前の心の支えになってくれたのだろう?」

 幸一郎の言葉に励まされて、由記は次第に気持ちを落ち着けていく。

 父親は厳格な性格で頑固者だが、自分のことより他人のことを気にかける優しい人である。由記は幸一郎をそういう人間だと感じ取っていた。

 2人は散歩の意味を込めて、草原を歩くことにした。しばらく歩くと丘にたどり着き、そこから森林や田園が見渡せた。

「うわぁ。懐かしいなぁ。子供の頃はよくここに来て、バカみたいに声を張り上げてたっけ。選手宣誓!って。」

 由記がその風景に笑みをこぼすと、幸一郎に向けて敬礼し、再び照れ笑いを見せる。童心に返った娘の姿に、幸一郎も笑みをこぼした。

「由記、私はお前が我が家を出て行ったことを、自立したものと見て誇りに思っている。お前がお前自身の道を歩き出したことが、私は嬉しく思ったよ。寂しいという気持ちが拭えなかったのも確かだが。」

「私もお父さんと離れ離れになったのは寂しかったよ。でも私は自分の君を、自分で決めて進みたかった。いつまでもあの女の言いなりになっていくのは、私は我慢ができなかった・・・」

 再び表情を曇らせた由記に、幸一郎も物悲しい眼差しを向けていた。

「お前の気持ちは分かる。お前は母さんに縛られたくなかったのだろう。だが由記、少しくらいは母さんを信じてやったらどうだ?」

 幸一郎の言葉に由記は戸惑いを覚える。

「私がお前を愛しているように、母さんも母さんなりにお前のことを・・」

「やめてよ・・!」

 由記が幸一郎に対して苛立ちを口にする。思わず言葉を吐き出してしまい、彼女は気まずくなってしまう。

「ご、ごめんなさい・・お父さんはお母さんのこと信じて、愛しているんだよね・・だから2人は結婚して、私を生んでくれたんだよね・・・でも、あの人が私を娘として見ても、私はあの人を認めない・・!」

 母親に対する苛立ちを抑えきれず、由記は歯がゆい面持ちを見せる。母を信じたい気持ちを心のどこかで抱いているが、それを拒む気持ちが別のどこかで渦巻いていた。

「キャッ!」

 そのとき、由記の耳に悲鳴が響いてきた。彼女の突然の緊迫に、幸一郎が眉をひそめる。

「どうした、由記?」

「ごめんなさい、お父さん・・私、行くから・・・!」

 由記は幸一郎の制止を聞かずに、悲鳴のしたほうへと駆け出した。

 

 田園近くの草道で、1人の女性が悲鳴を上げた。彼女の眼前には、蜘蛛の姿をした怪物が立ちはだかっていた。

 怪物は口から白い糸状の液体を吐き出してきた。女性はその液に包み込まれ、巻きつけられて固められてしまった。

 怯えた表情で立ち尽くしたまま固まった女性を見て、怪物が不気味な哄笑をもらしている。

「待ちなさい!」

 そこへ由記が駆けつけ、怪物が吐息をもらしながら振り返る。由記は固められた女性を目の当たりにして、眼を見開いた。

「これ以上、誰かを傷つけることは許さない・・・!」

 いきり立つ由記がフェイトへと変身する。剣を具現化し、怪物と対峙する。

(そう・・私みたいに不条理な運命に振り回される人を、これ以上増やしたくない・・・!)

 胸中で決意を秘めながら、由記は戦いに赴く。しかしその感情の中には、母親に対する憤りが込められていたことに彼女は気付いていなかった。

 怪物が口を開き、由記に向けて液体を吐きかける。糸状の液は由記の剣の刀身に巻きつき、彼女の動きを止める。

 怪物が背中から数本の爪を伸ばし、その先端から液体を吹き付けてきた。液体は由記の体にも巻きつき、さらに彼女を拘束していく。

 糸状の液体が容赦なく彼女を包み込んでいく。完全に彼女を取り込んだ液体は硬化し、彼女を固めてしまう。

 由記を糸で固めて、怪物は歓喜の哄笑をもらしていた。だがそれはぬか喜びに過ぎなかった。

 糸で体を完全に巻きつけられていた由記の背中から輝きを帯びた翼が飛び出した。翼の光を強調するかのように、糸が弾け飛ぶ。

 一変して驚愕をあらわにする怪物に、由記は鋭い眼光を向ける。糸を振り払い、彼女は剣を振りかざして飛び込み、怪物を一気に両断する。

 悲鳴を上げる間もなく怪物は絶命。糸を巻きつけられて固められていた女性も、硬化していた糸が殻のようにはがれて解放された。

 自分の身に降りかかったことに恐怖してこの場を逃げ出していく女性。彼女が無事だっただけでもよかったと思いながら、由記は人間の姿に戻る。

「ゆ、由記・・・!?」

 そのとき、彼女の背後から幸一郎の声が聞こえてきた。驚きを覚えながら彼女が振り返ると、驚愕を隠せないでいる幸一郎の姿があった。

「お、お父さん・・・!」

 父親に正体を見られ、動揺を隠せなくなる由記。だが、幸一郎はすぐに落ち着きを取り戻していた。

「今の姿・・・もしやお前が、フェイトなのか・・・!?」

「えっ・・・!?」

 幸一郎が発した言葉に由記は眉をひそめた。フェイトに関する何かを知っているのではと、彼女は感じていた。

 

 

次回

第14話「娘と母」

 

「まさか世界の命運が、私の娘に委ねられているとはな・・」

「お父さんも知っていたんだね、フェイトを・・」

「出てきなさい、フェイト!」

「由記、あなたは・・・」

「ほんの少しでも、心が通じ合えればそれでよかったんだね・・・」

 

 

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