ウィッチブレイド –Shadow Gazer-
第20話「絶」
ヴォルドーの前で突如激しい頭痛にさいなまれ、意識を失った影路。彼が眼を覚ましたのは、見知らぬ大広間だった。
「ここは・・・オレは、いったい・・・」
もうろうとする意識の中、影路はおもむろに立ち上がる。その部屋から神々しいともいえる威圧感が漂っており、彼は不快感を募らせていた。
「ようやく眼を覚ましたか、シャドウよ。」
そこへヴォルドーが姿を現し、影路に不敵な笑みを見せてきた。意識をはっきりとさせた影路が、ヴォルドーに鋭い視線を向ける。
「だからオレはシャドウなんかじゃねぇって言ってんだろうがよ・・・!」
「まだそんなことを言うのか。ここがどこかさえも、お前には分かっているはずだ。」
苛立つ影路に、ヴォルドーは悠然と答える。その言葉に促されて、影路は周囲を見渡す。
大広間の壁には高貴な絵画が描かれ、天井は星空が描かれていた。まさに神殿そのものだった。
そのとき、影路は再び激しい頭痛に襲われ、その場にうずくまる。その姿を見下ろして、ヴォルドーが不敵な笑みを見せる。
「ここは私とお前の栄光の時代の舞台。ここから再び、我々の時代が始まるのだ・・」
「オレは・・・オレは・・・!」
「思い出せ、シャドウ。私と過ごした戦いの日々を。戦いの喜びを・・・」
ヴォルドーの言葉と押し寄せるビジョンに襲われ、影路は自我を保てなくなる。やがて再び意識を失い、影路はそのビジョンに操られて、おもむろにヴォルドーに歩み寄った。
「さぁ、行こう、シャドウ。我々の新しい戦いの日々を迎えるために・・・」
ヴォルドーが高らかと言い放つと、影路は小さく頷いた。もはやそこには影路はいない。ヴォルドーの同士、シャドウが存在していた。
葉月と凛の戦いに突如乱入してきたエリナ。葉月の進化した姿に感化されたのか、エリナは歓喜の笑みを浮かべて葉月に襲いかかってきた。
エリナが振り下ろしてきた刃を、葉月は平然と受け止める。2人とも戦いにおける喜びを感じて、笑みをこぼしていた。
「どうしたの?今日はえらく力が入ってるじゃない。」
「愚問ね。私は何をやるにも全力全開なの。あなたのような甘い人とは違ってね!」
葉月が言いかけると、エリナが笑みを強めて刃を振りかざす。葉月は後退して距離を取り、エリナを見据える。
2人の戦いに陥ったことで取り残された形となってしまった凛。その状況に、彼女は笑みを浮かべて2人を見据える。
「私をのけ者にするなんて、ずい分勝手なことしてくれるじゃないの!」
いきり立った凛が飛び出し、葉月の動きを見据えつつ、エリナに向けて刃を振りかざす。気付いたエリナがその一閃を受け止め、凛を弾き返す。
「どいつもこいつも、私をとことんその気にさせてくれるわね!」
エリナが眼を見開いて凛に向かって飛びかかろうとする。
そのとき、エリナは体中を駆け巡る激しい痛みを覚えて、思わず立ち止まる。激痛に耐えられなくなり、彼女はその場にひざをつく。
「こ、これは・・何なの・・・!?」
顔を歪めるエリナが必死に声を振り絞る。その前に凛が立ちはだかり、悠然とした態度で彼女を見下ろしてくる。
「どうしたの?まさかもう疲れたなんて言わないわよね?」
凛が言いかけて、エリナに向けて刃の切っ先を向ける。エリナは苦痛を拭えず、その場から動くことができない。
そこへ一条の刃が飛び込み、気付いた凛が飛び退く。葉月が飛びかかり、凛を退ける。
「何やってんのよ・・私はあなたに助けられるような・・・!」
「無視されるのがイヤなだけなの。退屈になっちゃうからね。」
苛立ちを見せるエリナに、葉月が振り返らずに答える。2人の様子を見て、凛がため息をつく。
「今日はここまでにしといてあげるわ。ヘンに水を差されて気が乗らなくなっちゃったわ。」
凛が肩を落としてみせてから、飛び上がってその場から姿を消した。葉月は戦意を消して、漆黒の鎧を解除する。
エリナは苦痛のあまりにその場に倒れ込む。力を失った彼女から漆黒の鎧が消失する。
(これはいったい・・・エリナさんに何が・・・!?)
エリナの異変に不安を覚える葉月。葉月は意識を失っているエリナを連れて、ルイたちのいるアークレイヴ本部に向かった。
エリナを連れてアークレイヴ本部に到着した葉月。そこで彼女は、ルイに会おうとしていた澪士と邂逅する。
「鷹山さん・・・」
「葉月くん?・・・彼女に何があった?」
車から降りてきた澪士が、葉月が抱えているエリナを眼にして声をかけてくる。
「ブレイドを使って戦ってたら、いきなり苦しみだして・・・」
「・・・すぐに中に入ろう。早急に検査しなくては・・」
葉月から事情を聞いた澪士が、葉月からエリナを受け取り、本部に駆け込む。葉月も澪士を追って中に入った。
「やぁ、鷹さん・・あら、葉月ちゃん、それに、エリナちゃんまで・・・」
澪士から連絡を受けて出迎えようとしていたルイが、葉月とエリナの姿を見て眉をひそめる。
「ルイくん、病室を借りるぞ。それと、医療班の準備も頼む。」
「エリナちゃん・・・何かあったの・・・!?」
呼びかけてくる澪士に、ルイが深刻な面持ちを浮かべる。葉月と澪士から事情を聞いて、ルイも澪士の後を追って病室に向かおうとしたところを、葉月に呼びかけられる。
「ルイさん、電話を貸してもらえませんか?携帯電話、お店に置いてきてしまって・・」
「なるほどね・・いいよ。私の携帯使って。シエルちゃんのとこでしょ?・・さ、すぐにつながるから・・」
葉月の申し出にルイは答え、携帯電話を「シエル」につながるようにしてから葉月に手渡した。
「・・・もしもし・・シエルさん、大丈夫、ですか・・・?」
“葉月さん?・・葉月さん、大丈夫ですか?”
困惑しながら声をかける葉月に、シエルが平穏さを保って答える。
「はい。私は大丈夫です・・・でも、シエルさんとカニちゃんが・・・」
“私たちは大丈夫です。葉月ちゃんのおかげで、ケガもなかったですよ。”
「いえ、そうじゃなくて・・私のシャドウブレイドを使ったところを・・・」
葉月は、シャドウブレイド装着者としての自分の姿をシエルときぬに見られたことを気に病んでいた。あの異形の姿を見て、2人がどう思っているのかが不安でならなかったのだ。
“そのことでしたら気にしなくてもいいんですよ。私は気にしていませんし、カニちゃんも気にしていないでしょう。”
「ですけどシエルさん、私は・・・」
“たとえどんな姿をしていようと、葉月さんは葉月さん。そのことに変わりないでしょう。”
「シエルさん・・・」
優しく語りかけてくるシエルの励ましに、葉月は戸惑いを覚える。ここまで自分に優しくしてくれる相手に、彼女はかけがえのない安らぎを感じ取っていた。
「ありがとう、シエルさん・・私、あなたたちに出会えて、本当によかったです・・・」
あまりの嬉しさに、葉月は思わず涙をこぼしていた。その喜びが、電話越しのシエルにも伝わっていた。
“葉月さん、私たちは待ってます。腕によりをかけてカレーを作っていますので、必ず戻ってきてください。影路さんと一緒に・・”
「シエルさん・・・はい。必ず帰ります。影路と一緒に・・・それでは・・」
優しく受け入れてくれたシエルとの連絡を終えて、葉月は携帯電話をルイに返した。
「もしかして、ブレイドのことを知られちゃったとか・・?」
するとルイが苦笑を浮かべて問いかける。葉月が戸惑いを浮かべて口ごもり、うまく答えられないでいた。
「別に隠し事にすることでもないんだけどね。こんなこと聞いたら、怖くなるかまるっきり信じないかのどっちかだもんね。」
「・・シエルさんとカニちゃんには、ブレイドのことだけは前に話しておいたのですが・・その姿を見せたのは、今回が初めてで・・・」
「なるほどね・・・ま、シエルちゃんもカニちゃんも、ちょっとやそっとじゃへこたれたりしないから。」
事情を聞いたルイが、気さくな笑みを浮かべて葉月を励ます。
「そうですか・・・そうですね・・・」
葉月もシエルたちを改めて信頼して、安堵を込めた笑みを浮かべた。
その頃、病室にて精密検査を受けていたエリナ。その様子を、専門ドクターたちとともに澪士も見据えていた。
ドクターによって次々とエリナの身体が調べられていく。その検査結果を目の当たりにして、澪士は驚愕を覚えた。
その後、彼はドクターたちに、葉月にこの結果を見せないよう促した。
エリナの身体はブレイドの使用と戦いの連続によって、崩壊寸前に陥っていた。先ほどの激痛も、それが表面化したものといえる。彼女の心やブレイドが望もうとも、彼女の体は限界を訴えていた。
しばらくしてエリナは眼を覚ました。痛みは和らいでいたが、彼女はもうろうとしていた意識を何とか覚醒させようとしていた。
「ここは・・・?」
「ここはアークレイブ本部、その病室の1室だ。」
周囲を見回すエリナに声をかけてきたのは澪士だった。
「お前は戦闘中に痛みを訴え、意識を失ったところを助けられたのだ。」
「どういうつもりなのよ・・・誰が助けてほしいなんて頼んだのよ・・・」
「勘違いするな。お前を助けたのは葉月くんだ。私が丁度この本部を訪れたときに、彼女がお前を抱えてここにやってきたんだ。」
眼つきを鋭くするエリナに、澪士は淡々と状況を説明する。
「葉月が・・・あのお人よし・・相変わらず甘いんだから・・・」
「お前と葉月くんの間に何があるかはあえて聞かない。だがこれだけはお前に言っておく。お前に関することだ・・」
毒づくエリナに澪士が告げる。その言葉にエリナは眉をひそめる。
「お前が苦痛を覚えたのは、ブレイドの使用によって肉体が悲鳴を上げたからだ。」
「何・・!?」
「ブレイドが強大な力と、その戦いでの喜びを与えるものということは分かっているな。その代償として、肉体が崩壊を引き起こすことも・・お前が味わった激痛はその前兆だろう。もはやお前の体は、ブレイドの行使に耐えることができないほどに蝕まれている。このままブレイドを使えば、お前自身が滅びることになるだろう・・」
「私が滅びる?・・・笑わせないでよ。私は死なないわ。影路をものにするまでは、誰も私を殺せない。たとえ私のシャドウブレイドであってもね・・・」
澪士からの忠告をエリナはあざ笑う。そして彼女はベットから起き上がり、病室から出ようとする。
「自分以外信じていないならそれでもいい。だが次にお前がブレイドを発動させた瞬間が、お前の最期だ・・・!」
澪士が再び警告するが、エリナは聞かずに病室を出て行ってしまった。
それから澪士は葉月たちの前にやってきた。葉月と魅兎の前ではあえて別状はないと告げたが、澪士はルイと2人だけの時になると、エリナの身体に関する真実を告げた。
「なるほど・・恐れてたことが現実になってきたってワケか・・」
事情を聞いたルイが困り顔で言いかける。
「けどエリナちゃんもあんまり信じちゃいない様子だったってのも、問題なんだけどね・・」
「口ではああ言っているが、この深刻さを彼女は否が応でも受け入れていることだろう・・ブレイドの運命は、誰にも拒むことはできない。それは彼女も重々承知しているはずだ。」
「ハァ・・全身グルグル巻きにして拘束したほうがいいと思うんだけど、禁断症状みたいになって、違う意味でまずいことになっちゃうかも。」
澪士が深刻に考える横で、ルイがあえて気さくな笑みを浮かべてみせた。だが澪士の不満を煽ることとなり、ルイは苦笑した。
「とりあえず、葉月くんと魅兎くんには話さないほうがいいだろう。とはいえ、2人とも薄々感づいていることだろうが・・ところで、2人はどうしてる?」
「えっ?2人とも本部の外に出てるけど。」
澪士の質問にルイは淡々と答える。
「それじゃ、2人の様子でも見に行くとしますか。」
「それなら僕も一緒に行きますよ。」
外に出ようとしていたルイに、デュールが声をかけてきた。
「デュールくん、何か分かった?」
「はい。とても重要なことが・・フェイツの本拠地が分かりました。」
デュールのこの言葉に、ルイと澪士が驚きを覚える。
「本当なのか!?本当にフェイツの居場所が・・!?」
「はい。彼らは特殊な浮遊艇で常に飛翔していたのです。しかもその移動のほとんどが海上、しかも雲の上でしたので、エネルギー探知も目視も難しく、今まで発見できないでいたのです。」
問い詰める澪士に、デュールは収集した情報を述べる。
「なるほど。どうりで居場所が分からなかったわけよね・・」
「では葉月くんと魅兎くん、影路にも伝えておかなくては・・・ルイくん、デュールくん、私も一緒に行かせてもらう。」
笑みをこぼすルイに澪士が呼びかける。ルイとデュールは頷き、3人は葉月のところに向かった。
その頃、葉月は魅兎とともにアークレイヴ本部の外に出ていた。近くの公道で、葉月は自分の腕輪を見つめながら魅兎に声をかけた。
「魅兎ちゃん、魅兎ちゃんはブレイドについてどう思ってるの・・・?」
「どうしたんですか、葉月さん?急に・・」
葉月の唐突の問いかけに、魅兎が逆に疑問を投げかける。
「この前、私はブレイドの新しい力を引き出したみたいなの。今までよりも力があふれてきて、フェイツのブレイド装着者を退けた・・」
「新しい力?・・もしかして、ブレイドがバージョンアップしたということですか・・・!?」
「バージョンアップ・・・?」
「はい。ブレイドのバージョンアップは、ウィッチブレイドや他のブレイドでも過去に起こったデータが残されています。」
当惑する葉月に、魅兎が説明を入れる。
「ブレイドはバージョンアップを果たして、その力を従来のものを大きく上回ることがあるのです。ですが強大な力を発動させる分、体への負担も大きくなるのです。」
「それじゃ、ブレイドで死ぬのが早まると・・・」
魅兎からの説明に、葉月は不安を募らせる。自分自身に死が迫ってきていることに、落ち着きを保てなくなっていた。
すると魅兎が微笑んで、葉月の手に自分の手を重ねた。
「死ぬのが怖くない人なんていません。だから私たちみんな、生きようと必死になっているんですから・・」
「魅兎ちゃん・・・ありがとうね。魅兎ちゃんに言われて、何だか元気が出てきたみたい・・・」
魅兎に励まされて、葉月は笑顔を取り戻した。限りある命の中で、優しく支えてくれる親友や家族がいることを、彼女は実感していた。
「じゃ、私はいったんお店に戻るね。魅兎ちゃん、ルイさんとデュールくん、鷹山さんにもよろしくね。」
「はい、分かりました。みなさんに伝えておきます。」
葉月が言いかけると、魅兎も微笑んで頷いた。
「そろそろ影路も帰ってくる頃だと思うし・・・えっ・・・?」
言いかけたところで、葉月が見つめる先に眼を凝らした。気になった魅兎もその方向に眼を向ける。
その先には影路がいた。彼はゆっくりと葉月たちに近づいてきていた。
「影路・・影路もここに来たんだ・・・」
葉月が影路に駆け寄ろうとするが、突然魅兎に手で制される。
「待ってください!何か様子がヘンです!」
「えっ・・・!?」
葉月が驚きの声を上げた直後、影路が突然銃を取り出し、銃口を彼女たちに向けてきた。その行為に葉月が驚愕を覚える。
「ど、どうしたの、影路・・いきなり、そんな・・・!?」
葉月は影路のこの行為が信じられなかった。影路は彼女たちに鋭い視線を向けながら、低い声音で言い放つ。
「オレは影路などではない・・オレはシャドウ・・フェイツを束ねる黒き影・・」
「影路・・・!?」
影路の発した意味深な言葉に、葉月と魅兎が眉をひそめる。
「何を言ってるの・・影路は影路!影路であることに何も変わりはないよ!」
「・・シャドウゲイザーよ。持てる力の全てを振るい、オレと戦え・・・」
葉月が必死の思いで呼びかけるが、影路は顔色を変えず、彼女に戦うよう促す。
「やめて・・私は、影路とは戦いたくない・・・」
「戦わないというならそれでもいい・・お前の持つブレイドの闘争本能を呼び覚ますまでだ・・・」
あまりの悲痛さに涙する葉月に向けて、影路がついに発砲する。弾丸の迫り来る先の葉月を、魅兎が飛び込んで助ける。
「葉月さん、しっかりしてください!ここは引いたほうが・・・!」
「ダメだよ、魅兎ちゃん!それじゃ影路が・・!」
魅兎の呼びかけを葉月が頑なに拒む。その2人に銃を向けて、影路がゆっくりと近づく。
「お願い・・影路、眼を覚まして!」
「何を言っている・・オレは既に眼を覚ましている・・・オレはシャドウ・・霧雨影路という夢は、既に終わりを迎えた・・・」
「その通りだ。」
葉月の呼びかけを聞き入れようとしない影路。そこへ声をかけてきたのはヴォルドーだった。
「ヴォルドー・・あなたが、影路を・・・!?」
「お前たちにも言っておく。この男はシャドウ。私とともにフェイツを束ねる者であり、戦いを生きがいとする者・・」
「ウソ!・・影路は影路・・シャドウなんて人じゃない・・・!」
不敵な笑みを浮かべるヴォルドーに向けて、葉月が叫ぶ。
「私は信じない・・あなたたちフェイツのいうことなんて・・影路がフェイツということなんて・・・!」
激昂し高ぶる葉月の感情。それに呼応するかのように彼女の身につけている腕輪に宝玉が淡く光りだす。
「ようやくその気になったようだな・・・」
淡々とした面持ちを浮かべていた影路がようやく笑みを見せる。葉月の体を漆黒の鎧が包み込む。
「あんまりややこしいことしないでくれるかな?あたしはストレートなのが好きなのよ。」
妖しい笑みを浮かべてヴォルドーに言い放つ葉月。彼女の右手から刃が飛び出し、不気味な光を放つ。
「さて、楽しむためにはアンタが鬱陶しそうだからね。悪いけど先に仕留めさせて・・」
ヴォルドーに言いかけたところで、葉月は突然奇妙な感覚を覚える。それは失われていた何かが頭の中によぎってきたものだった。
廃墟と化している街の中でたたずむ自分。その眼前に立ちはだかっている1人の男。
その男こそ、今も自分の前に立ちはだかっているヴォルドーだったのだ。
次回
正直、アイツのオレへの態度は鬱陶しいことこの上なかった。
けど、それでもアイツの気持ちは真っ直ぐだった。
だからって、オレのために体張ることはねぇだろ・・・!
・・どこまでも、バカなんだからよ・・・