Strike Knight 前編「荒廃都市」

 

 

旧羽咲地区

 

廃墟と化した駅舎に一人の女性が立っていた

「…変わったわね、ここも。」

そう言うと歩き出す女性

 

 

旧エルミナド公園

 

公園内で一番高い場所に有る丘

 

その木の下に先程の女性が居た

「…街は変わったけど、ここだけは変わらないままね。」

そう言うと人の気配を複数感じ、口を開く

「どなたかしら?」

そう言うと剣を抜く女性

「剣を治めて下さい。私達に、戦う気は有りません。」

後から聞こえた声を聞いて剣を仕舞い、振り返る女性

そこにはシスターと複数の子供達が居た

それを見て口を開く女性

「…シスター、貴女の願いは?」

女性に問われ口を開くシスター

「私はどうなっても構いません。けど、この子達を守って欲しいのです。」

シスターがそう言い終わると同時にけだたましい爆音が鳴り響く

「来た。」

そう言うと子供達を抱き抱えるシスター

その後ろに柄の悪そうな男性が複数

「おっ、まだ子供が居たか。シスター、子供を寄こせ!我らがマスターが御所望だ!

「嫌です!この子達は駄目です!」

シスターの態度に口を開く男性

「ふん、ならば力づくで連れて行くのみだ。」

そう言い手を伸ばす男性

その直後

―Magic Load−

その電子音声と共に吹き飛ばされる男性達

「な、なんだ貴様は!」

「ここも、力が横暴する場所になったのね。」

そう言うと漆黒の鎧を纏う女性

「なら私は力無き者を守るだけ。それが、この町に生きた者としての使命!」

「この町に?…まさか貴女は。」

そこ迄言うと「黙ってて」と言う仕草をする女性

「貴様!名乗れい!!!」

「これから死に逝く者に、名乗る名など、無い!!!」

そう言うと同時にその場に居た男性を全て切り裂く女性

「シスター、私の名前はシルヴィー。シルヴィー=ラス=フィーリア。

かつてこの地に存在したSaint Knightに属して居た者よ。」

 

旧海浜公園

 

公園内の中央広場に来るとフードを取るシルヴィー

裾から右手の差出すとそこには銀十字が垂れ下がっていた

「羽咲。私達が愛し守りし町よ。我が声に応えて英霊(サーヴァント)を召喚せよ。」

そう言うと地面に魔方陣が展開し光を発すると一人の女性がそこに立っていた

「…ありがとう、羽咲。我がサーヴァント、汝のクラスを告げよ。」

シルヴィーの言葉に目を開き口を開くサーヴァント

「…私は、セイバーのサーヴァント。よろしく、マスター。」

「よろしく。私は…「知っていますよ、シルヴィー。」

セイバーの言葉に「そうね」と言った態度を取るシルヴィー

「マスター。」

その言葉と共に姿を表すライダーのサーヴァント

「どうだった?ライダー。アーチャーは見つかったかしら?」

「SKAが有った場所が今現在の統治部隊のメインベースです。

それとアーチャーですが、反応は有りますが、居場所が不明です。」

ライダーの言葉を聞き口を開くシルヴィー

「ありがとう、ライダー。さて、これからどうしましょうか?」

そう呟くと同時にシルヴィー達の周囲を囲む兵士

咄嗟に構えるセイバーとライダー

そんな中でも余裕の態度を崩さず口を開くシルヴィー

「…さて、どなたかしら?そちらの行動次第ではこちらも黙っていないわ。」

「それはそれは失礼致しました。」

その言葉と同時に兵士が割れそこから女性が一人、歩いて来る

「私は旧羽咲地区統治者、蒼月葵。貴女はの名前は?」

「シルヴィー。シルヴィー=ラス=フィーリア。ここで生まれ育った者よ。」

シルヴィーの言葉を聞き合図をし、兵士を下がらせる葵

それを見て武装形態を解除するシルヴィー

「シルヴィー、ついて来て。会わせたい人が居るの。後のお二方も。」

そう言うと歩き出す葵

 

旧羽咲署

 

建物の中に入り地下へ下ると門番が居た

「葵様、後の方々は?」

「知り合いよ。通して。」

「ハッ!」

その言葉を聞くと更に奥へと進む葵

そのまま一番奥の扉に着くと口を開く葵

「シルヴィー、ここを開けて中を見ても、驚かないでね。」

「…えぇ、解ったわ。」

「それじゃ、開けるわ。」

そう言うと扉を開ける葵

その中には一体の石像と、側に女性が座っていた

「この石像って…。」

「水代楓ですよ、シルヴィー。」

声のした方を見るシルヴィー

そこに居たのは…

「…如月、紫亜。…紫亜、何で楓が石像になっているの?私が去った後、

一体何が起きたって言うのよ!」

「米軍による、羽咲殲滅戦。羽咲は勿論、海山・咲乃宮にも被害が…。」

そう言うと俯く葵

「そしてその後は米軍のしたいがまま。なんとかしてここだけは守れたけど…。」

そう言うと天井を見上げる紫亜

「…桜月とか白里は?」

「私と楓を逃す為に…。」

そう言うと床を見る紫亜

「紫亜、戦う気は、有る?」

シルヴィーの問いに顔を上げる紫亜

「どうなの?」

「有ります。その為に私達はずっとこうして居たのですから。」

紫亜の言葉を聞き口を開くシルヴィー

「良く言ったわね。紫亜、これは貴女が持っていなさい。」

そう言うと銀十字を紫亜へと渡すシルヴィー

「シルヴィー、これって?」

「元々は貴女のでしょ?フィーナさん。」

「…そうね。」

納得すると男性が駆けて来る

「如月さん、大変です!咲乃宮方面から米軍が!」

その言葉を聞き口を開くシルヴィー

「案内して。紫亜、楓を戻しておいて。行くわよ。」

そう言うとそこから去って行くシルヴィー

 

旧海浜公園近くの廃ビルの屋上

 

そこにはシルヴィー・セイバー・ライダーの姿が有った

「あれね。セイバー・ライダー、とっとと片付けるわよ。」

そう言うと飛び立つ3人

 

旧海岸通り

 

そこにはシルヴィーの姿が有った

「…さて、来たみたいね。レヴィキス、行くわよ。」

―Magic Load―

電子音声と共に薬莢が排出される

それを確認するとレヴィキスを振り上げるシルヴィー

「駆け抜けろ!!!」

―Darkness Slash―

電子音声と共にレヴィキスを振り下ろすシルヴィー

それと同時に漆黒の衝撃波が米軍の戦車隊を直撃する

それを確認すると駆け出すシルヴィー

そのまま戦車を切り刻む

ある程度切り刻むと口を開く

「これで全部かしら?」

そう呟くとキャタピラの音が聞こえる

「くっ!一台逃した!」

そう言うと音のする方向へと駆け出すシルヴィー

直ぐに戦車を見つけレヴィキスを構えると

ふと戦車の進行方向に女性が居るのが確認出来る

「危ない!」

シルヴィーがそう叫んだ瞬間

―Lunatic Buster―

電子音声がそう告げ、若干間を置くと戦車が停止する

戦車内から米軍兵が出てくるとそのまま逃走する

それを見てレヴィキスを納めるシルヴィー

「(今のは、まさか?)…ルナ?ルナなの?」

シルヴィーの言葉に気付いたのか戦車の上に登って来る女性

その女性の姿を見て嬉しくなるシルヴィー

「シル姉。」

「ルナ、良かった。生き伸びていたのね。」

「はい。シル姉が居なくなってから、大変だったんですから。」

「ゴメンね、ルナ。」

そう言うとルナを抱きしめるシルヴィー

「それにしても、その格好。それって、ナイトオブムーン?」

ルナの格好に疑問に思うシルヴィー

現在のルナの格好は蒼い鎧を纏い右手には刃の出た手甲が装着されていた

「はい。Night Of Moon Strike Formです。」

「ストライク、フォーム。…強く、なったわね。」

そう言うと遠くで爆発音が聞こえる

「爆発音!くっ!」

そう言うと飛び出すルナ

それに続くシルヴィー

 

旧駅前地区

 

そこでは戦車隊相手に苦戦するライダーの姿が有った

「くっ、いくら英霊とは言えこれだけの数。宝具を打つ隙すら無い。」

そうぼやきながらかく乱するライダー

―ライダー、飛んで―

ふと魔力回路を通しシルヴィーの声が聞こえる

それに従い上空へと飛ぶライダー

それと同時に魔術砲撃の光が戦車隊を行動不能に陥らせる

地面に降りるとそこにはシルヴィーとルナの姿が有った

「マスター、それにルナ。」

「結構やばかった?」

シルヴィーの言葉に頷くライダー

「米軍兵は…撤退してるわね。ルナ・ライダー、セイバーと合流するわよ。」

シルヴィーの言葉に頷くとそこから移動していく

 

旧中央西地区

 

そこには破壊された大量の戦車と戦闘不能程度で行動出来る程度に負傷した米軍兵

と、

それを見降ろすセイバーの姿が有った

「…ふぅ、やっぱり殺さないってのは難しいわね。

全く、彼女も厳しい制限を付けてくれるわ。」

そう呟くと魔力回路を通じてシルヴィーの声が聞こえる

―セイバー、大丈夫?今からそっち行くけどもう片付いた?―

「…マスター。(…えぇ、片付いてます。)」

―死者は?―

「(ご安心を。誰も殺していませんよ。)」

―そう。ならこのまま旧羽咲市警に来て。―

「(了解です。)…SKをなめないで下さい。」

そう言うとその場から去って行くセイバー

 

旧羽咲市警前

 

シルヴィー達が戻って来るとそこにはセイバー・紫亜・葵に、楓の姿が有った

その姿を見て兜を取るシルヴィー

「…久しぶりね、楓。」

「…こちらもです。間宮先生。」

その言葉だけ交わすと中へと入って行く一同

 

旧刑事課

 

そこにはシルヴィー・楓・紫亜にルナの姿が有った

その中で一番最初に口を開く楓

「…間宮先生。今迄ずっと、魔界に、居たんですか?」

「…えぇ。まさかその間にこんな事が起きるなんてね。」

そう言うと俯くシルヴィー

「今この世界がどうなっているかは、紫亜から聞きました。間宮先生もご存知で?」

楓の言葉に頷くシルヴィー

それを見て口を開く紫亜

「それと補足です。現在米軍の旧日本制圧部隊の本陣は霞ヶ関に居ます。

間宮先生なら言っている意味がお解りで?」

「えぇ。けどその前にここらへんの部隊の本陣を叩いておきたいわ。」

シルヴィーの言葉を聞き再度口を開く紫亜

「南の咲乃宮に先陣。それと北の上宮(かみみや)に本陣が有ります。」

「紫亜、海山は?」

シルヴィーの疑問に口を開くルナ

「私が潰して来ましたよ、シル姉。」

ルナの言葉に若干驚く一同

「…そ、そう。それならば二つで済むわね。」

シルヴィーの言葉に驚く一同

「私とライダーで咲乃宮を。残り紫亜・楓・ルナとセイバーで上宮の本陣を。

私とライダーはなるべく早く終わらせるわ。良い?」

シルヴィーの言葉に頷く一同

「本音言うと上宮の本陣にはもう一人か二人欲しいんだけどね。」

そう言うと席を立つシルヴィー

 

屋上

 

鎧を解き旧市街地を見ながら煙草を吸うシルヴィー

「(…私達が消えたと同時に侵攻。この代償は高いわよ。)」

そう心の中で言うと煙草を消すシルヴィー

「さて、いつから居たの?紫亜。」

そう言うと同時に姿を表す紫亜

「最初からです。私のマスターと雪さんからの伝言を伝えます。」

「えっ?」

紫亜の口から出た名前に驚くシルヴィー

「共に同じ事を言っていましたよ。後を、お願い。そう、言っていました。」

紫亜の言葉を聞き口を開くシルヴィー

「そうか。…ライダー。」

シルヴィーの呼びかけに姿を表すライダー

「今から行くわよ。紫亜、そっちは頼んだわよ。」

そう言うと飛び出して行くシルヴィーとライダー

「…相変わらずね、風濫。…そう言う訳ですけど、どうしますか?セイバー。」

「さぁ?私は何も言えないわ。それで、行くの?」

セイバーの言葉に頷く紫亜

「それじゃ、お付き合いするわ。」

そう言うと武装するセイバー

それを確認して飛びだす紫亜とセイバー

 

旧咲乃宮市内

 

米軍ベース

 

旧市内を歩き周る米軍兵

そんな米軍兵の前に姿を表すシルヴィー

[誰だ?そのまま両手を上げろ!]

「五月蠅い!」

そう言うとレヴィキスで一閃するシルヴィー

「雑魚を相手にしている暇など、無い!」

そう言うと駆け出すシルヴィー

 

米軍ベース中央司令部

 

テントで作られたその中は、まるで地獄絵図だった

血がついたレヴィキスを持ち、返り血を浴び、血染めの死体達の中に立つシルヴィー

 

ふと気が付きテントから出るとそこには米軍兵が銃を構えて立っていた

[司令官が死んだって言うのに、まだやるの?]

[司令官の敵だ!]

米軍兵の言葉に溜息をつくとレヴィキスを地面に刺すシルヴィー

[生憎と、手加減は出来ないのよ。]

そう言うと一度だけ深呼吸をし、再度口を開く

「レヴィキス。」

シルヴィーがそうとだけ言うと突如周囲の地面が隆起し、米軍兵を飲み込む

それと同時に雨が降り出す

「…雨、か。…全て洗い流してくれるわ。」

「…マスター。」

ふとライダーが声を掛けてくる

「ライダー。…行きましょう。上宮へ。」

「…はい。」

 

旧上宮地区

 

上宮市

と書かれた看板を目の前にセイバーと紫亜の姿が有った

「行きましょうか?セイバー。」

「えぇ。」

紫亜の言葉に答えると旧上宮市街へと入って行く紫亜とセイバー

 

後編へ続く

 

 

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