Strike Knight 後編「絶えぬ光」

 

 

旧羽咲警察

 

「楓さん。」

楓に声を掛けるルナ

「ルナ。どうしたの?」

「出ますよ、上宮へ。」

「…はい。」

 

旧上宮市街

 

旧市街を歩くセイバーと紫亜

「紫亜、どうするつもりですか?」

「司令部を叩く。それ以外は相手にしない。」

紫亜の言葉に溜息をつくと口を開くセイバー

「OK。解ったわ。」

そう言うと同時に武装するセイバー

「久しぶりね、これ使うの。…銀装!」

そう言うと銀色の鎧を纏う紫亜

「さぁ、行きましょう。」

紫亜の言葉に飛び立つ二人

 

旧羽咲警察

 

シルヴィー達を心配する葵の元に伝令が入る

「伝令!咲乃宮の米軍が壊滅。それに伴い東部海山から米軍が侵攻を開始!以上!」

「…まずいわね。ありがとう、下がって良いわ。」

「ハッ!」

そう言うと去って行く伝令

「やばいわね。けどどうする?私が?いや、そうしたらここの守りが…。」

悩む葵

「結構、悩んでるみたいですね。」

ふと女性の声が聞こえ立ち上がる葵

すると入口に一人の女性が立っていた

「ご安心を。戦う気は有りません。それに、東部には心強い方が行っておりますか

ら。」

「…貴女、何者?」

葵の言葉に笑顔を作ると口を開く女性

「只のお節介なメイドです。」

そう言うと部屋から去って行く女性

「ちょっと待って!」

葵の静止も聞かずに足早に立ち去る女性

「もしかして彼女は…。」

 

旧羽咲市東部エルミナド教会跡地付近

 

海山からの山道を進む米陸軍

その前に立ちはだかるメイド

「…やれやれ、しばらく見ない内に物騒になったわね、羽咲も。」

―I Wake Up―(起動しますか?)

イヤリングから電子音声が聞こえる

「えぇ。行くわよ、ツヴァイベルン。」

―OK Wake Up―

電子音声の後鎧を纏い双剣を持つ女性

「ツヴァイベルン、突っ込むわよ。」

―OK Magic Guard―

電子音声の後剣に魔力が帯びる

―OK Master―

その声を聞くと突っ込む女性

それと同時に次々と戦車を戦闘及び行動不能にしていく

ある程度行動不能にすると先頭迄戻って来て再度口を開く女性

「一掃するよ。ツヴァイベルン、シューティングフォーム!」

―OK Shooting Form―

電子音声の直後鎧が魔術法衣へと変わり双剣が杖へと変わる

「魔力装填、全力で行くよ。」

Magic Load Full Drive―

「…放て、ドライブバスター。」

Drive Buster―

電子音声の後、先端から魔力が射出される

戦車隊を飲み込むと魔力の射出が止む

「このぐらいで良いか。ツヴァイベルン、待機モード。」

―OK―

電子音声の後イヤリングに戻るツヴァイベルン

今の砲撃を見て撤退して行く米陸軍

それを見て口を開く女性

「上宮か。行きますか。」

そう言うと移動を開始する女性

 

旧上宮市街中心部

 

路地裏

 

そこには紫亜とセイバーの姿が有った

「はぁはぁ、くっ、これじゃ消耗戦ね。紫亜、まだ行ける?」

「少し、辛いですね。セイバーは?」

「私も。」

セイバーの答えに悩む紫亜

「大変そうね。」

ふと女性の声が聞こえ警戒する紫亜とセイバー

「大丈夫、敵じゃないから。」

そう言って姿を表す女性

腰には日本刀を刺していた

「…フィーア。貴女も、生きていたの。」

紫亜の言葉に頷くと口を開くフィーア

「えぇ。それとアインスも生きているわ。今頃海山方面を仕留めてこっちに向かって

る筈。」

フィーアの言葉を聞き表情が緩む紫亜とセイバー

「フィーア。今海山方面を仕留めてって言ったけど、もしかして?」

疑問の声を出す紫亜

「正解。多分咲乃宮が落ちたから動いたんでしょう。…さてと。」

そう言うと剣を抜くフィーア

「少しかく乱して来るから、頃合いを見て出てってね。あとよろしく。」

そう言うと飛び出して行くフィーア

「紫亜。」

「成長してるんだね。彼女達も。」

 

とある廃ビルの屋上

 

そこにはアインスの姿が有った

「…フィーアは居る。それと紫亜と…誰だろう?風濫達は…来た。私も行きますか。

そう言うと一呼吸置いて口を開くアインス

「行くよツヴァイベルン!」

―OK Saver Form Wake Up―

電子音声の後鎧を纏い双剣を持つアインスの姿がそこには有った

「さて、行くとしましょう。」

そう言うと屋上から飛び降りるアインス

 

米陸軍旧羽咲侵攻部隊旧上宮ベース

 

そこには無数の米兵に囲まれた紫亜と楓の姿が有った

「囲まれちゃったね、紫亜。」

そう言いながらエルスハートをセイバーモードにチェンジさせる楓

「えぇ。ですが幸いなのはここが敵の本陣と言う事です。」

紫亜の言葉に何かに気付く楓

「とりあえずは、ここに居る部隊は、何とかしましょう。」

そう言うと詠唱に入る楓と紫亜

「「サンダーストーム!!!」」

そう言うと同時に無数のイカヅチが米兵を襲う

イカヅチが止む頃にはほぼ全ての米兵が倒れていた

「…中々ね。さてと、戦車隊がお出迎えよ、楓。」

「先手必勝!」

そう言うと同時に紅神装を纏う楓

それと同時に両手に気の塊を作る

「エーテルストライク!!!

そう言うと同時に気の塊を放つ楓

それと同時に突っ込む紫亜

エーテルストライクが命中すると同時に範囲外の戦車を行動不能に陥らせる紫亜

楓もエルスハートをセイバーモードにし、同様の状態に陥らせる

ものの数分で中隊規模の戦車隊は全て行動不能に陥った

「楓、行くわよ。」

紫亜の言葉に頷くと司令部を目指す楓と紫亜

 

旧上宮地区司令部

 

[くそっ!何をやっている。敵の数はどのくらいなのだ!]

[解りません。ですが最後の通信を聞く限りではかなりの少数かと。]

通信兵の言葉を聞き焦る司令

[くそっ。総力を尽くして炙り出して殺せ!]

[死ぬのは、そちらですよ。]

ふと入口から女性の声が聞こえる

その声に気付き入口の方を見るとそこには漆黒の鎧を纏った女性が立っていた

[どうも〜、SKで〜す。]

「レヴィキス、マジックブリッドチャージ!」

女性がそう言うと漆黒の気を纏うレヴィキス

[う、撃て!撃ちころ]

そこ迄言うと司令官の言葉が途切れる

一瞬の内に司令官を切り裂く女性

[さて、投降し、本国へ帰るのなら手出しはしないわ。そのかわりちょっと情報を貰

うわ。

けどもし、立ち向かって来るのなら、命の保証はしないわ。]

そう言うとレヴィキスを向ける女性

 

女性、シルヴィーの言葉に米軍は旧上宮・羽咲・咲乃宮・海山から撤退

「とりあえず、ひと段落かな?」

そう呟くと楓達が姿を見せる

「やっほ。もう終わったよ。それと情報も仕入れたわよ。」

風濫の言葉にざわつく楓達

「それはとりあえず羽咲署に戻ってから。ねっ。」

風濫の言葉に頷く一同

 

旧羽咲署第3会議室

 

そこには葵・風濫・紫亜・楓・ルナ・セイバー・ライダーに

アインスとフィーアの姿が有った

「さてと、説明すると。米本隊は旧霞ヶ関近辺に展開。本陣は、国会議事堂。

情報によるとここに皇族が捕えられているとの事。故に目標は議事堂。」

風濫の言葉に頷く一同

それを見て再度口を開く風濫

「けど、問題なのが配備されてる部隊。

米陸軍第1機甲戦術大隊。人型の機動兵器を配備した部隊よ。」

「マスター、どう相手をするのですか?」

思わず疑問の声をあげるライダー

それに対し口を開く風濫

「大丈夫。大隊と言っても中隊規模しか配備されてないみたいだから。

私一人で何とかするわ。」

風濫の言葉にざわつく一同

「大丈夫。手は有るから。歩兵部隊は2部隊に分けて旧池袋と旧台場方面から侵攻。

それに合わせて私も動くわ。此処までで質問は?無ければ歩兵部隊の選出に入る

わ。」

風濫の言葉に頷く一同

「先ずは旧池袋A小隊。紫亜を頭に楓・ルナ・ライダーで。

旧台場B小隊はセイバーを頭にアインスさんとフィーアさんで。」

風濫の言葉に再度頷く一同

「翌0100移動を開始。配置に着き次第連絡を頂戴。以上解散!」

 

屋上

 

そこには風濫と葵の姿が有った

「お話とは、何ですか?間宮さん。」

「少し確かめたい事が有ってね。ちょっと無理言っちゃった。」

そう言うと同時に銀装を纏う風濫

「あら纏えた。臨機応変なのかしら?…っと、さっさと用件済ましちゃおう。」

「あ、あの、間宮さん?」

少し不安がる葵

「とぼけないで。私も最初会った時は解らなかったけど良く探れば納得したわ。」

「間宮さん?」

風濫の言葉に疑問い思う葵

「お芝居はやめにしましょう。それでも続けるなら、シルヴェイトが貴女を貫くわ。

蒼月葵。いえ、我が親友にして神話の精霊獣、フェンリル!」

風濫の言葉に間を置くと口を開く葵

「流石風濫だね。お久しぶり。」

「私もよ、雪。生きて、いたんだね。」

風濫の言葉に首を横に振る雪

その行動に疑問に思う風濫

「氷那雪と言う個人は既にこの世にいない。今の私はフェンリルを元に作り上げた人

格。

氷那雪の記憶は、受け継いだに過ぎないの。」

そう言うと俯く雪

「良いのよ。こうして生きていてくれたのだから。」

「風濫。…けど、青葉は…。」

「解ってる。私の元に銀十字が来た時点で理解したから。」

そう言うと雪の方を軽く叩く風濫

「雪。いえ、フェンリル。羽咲を、お願い。」

風濫の言葉に頷く雪

それと同時に風濫の背後に現れる漆黒のヴァルキリー

「それじゃ、行って来るね。」

そう言うと漆黒のヴァルキリーに乗り込む風濫

 

ダークネスヴァルキリーコクピット

 

「…久しぶりね、これも。システムオールグリーン。プログラム、問題無し。

行きましょう、フィーリアさん。」

風濫の言葉にその場から飛翔するダークネスヴァルキリー

 

旧台場沖

 

そこに滞空するダークネスヴァルキリー

―シルヴィー、紫亜です。A小隊準備OKです。―

―B小隊セフィリアです。こちらも、良いわよ。―

両小隊長の言葉を聞き口を開くシルヴィー

「了解。A小隊は行動開始。B小隊は10分後行動を開始して下さい。」

―了解!―

その言葉に通信が切れる

「…さてと、行きますか。」

 

旧浜松町近辺

 

米軍を蹴散らしながら突き進むセフィリア・アインス・フィーアの3人

「アインス、フィーア、このまま進んでA小隊と合流するわよ!」

「「了解!!!」」

そう答えると尚も突き進む3人

 

旧九段下近辺

 

ふと口を開く紫亜

「さて、ここまでは順調に来れたけど、本番はここからだからね。」

紫亜の言葉に頷く

「さぁ、宴の時間よ。」

そう言うと銀装を纏う紫亜

エルスハートコードヴァルキリーを起動させる楓

ナイトオブムーンセイバーフォームを起動させるルナ

ライダーはいつでも行ける体勢

「それじゃ、行くよ。」

紫亜の言葉に駆け出す一同

 

公邸前

 

周囲を警戒する米軍兵

 

それを見降ろすように屋根に陣取る紫亜・楓・ルナ・ライダー

「さてアーチャー、どう行きますか?」

「ライダー、それは愚問。私と貴女が囮になってる間に楓とルナで抑える。

サーヴァントはサーヴァントらしくしましょう。」

紫亜の言葉を聞き口を開くライダー

「成る程。では、そうしましょうか。」

ライダーのその言葉と同時に飛び降りる紫亜とライダー

「ルナ、行こう。」

楓の言葉に頷くルナ

 

公邸廊下

 

廊下を走る楓とルナ

ふと楓が口を開く

「ルナ、あそこ!ドアの前に米軍が居る!」

楓の言葉と同時に廊下の交差路迄駆け、付くと同時に魔力を射出する

「…滅茶苦茶ね。」

「手っ取り速いって言って。」

そう言いながらとあるドアの前迄来る2人

「多分、ここだね。楓。」

ルナの言葉の後、ドアをノックする楓

「…失礼、します。」

そう言うとドア開け中を見る楓とルナ

そこには今の天皇一家と総理が居た

米軍兵が居ないのを確認して部屋の中に入る楓とルナ

「君達は、一体何者だね?」

総理が疑問の口を開く

それに対し口を開く楓

「羽咲市警特殊機動隊所属水代楓。」

「海山市警特殊機動課所属月夜瑠那。」

楓とルナの言葉を聞き再度口を開く総理

「そうか、君達が噂の。…わざわざすまない。私が不甲斐無いばかりに…。」

「総理。それは言わないで下さい。私達にも、非があるのですから。」

そう言うと俯く楓

[そこまでだ。]

その声と共に入口には多数の米軍兵が立っていた

[そのまま大人しくしろ!]

「だってさ。どうする?ルナ。」

「別に従ったって良いんじゃないんですか?」

ルナの返事を聞くと再度口を開く楓

「…それもそうね。」

楓がそう言い終わると同時に廊下に魔力が射出される

その光景に驚く楓とルナを除く一同

[だ、誰だ!]

[誰だ?この顔と声を忘れたとは言わせませんよ。アルス=フィクセン少尉!]

そう言いながら姿を現したのはアインスだった

[…生きていたか。ならばここで引導を渡してやる!]

そう言うと同時に銃を構えるフィクセン

それと同時にフィクセンの首筋に剣を当てる楓と

銃を弾きナイトオブムーンを腹に当てるルナ

[チェックメイト。]

[フィクセン少尉!]

[止めろ!俺達の、負けだ。]

 

旧羽田空港から撤退して行く米軍

それを見守るシルヴィー・紫亜・楓・ルナ・アインスにフィーア

その中で口を開くシルヴィー

「さてと、やる事はまだ有るわよ。アインスさん、一緒に残って貰って良いですか?

シルヴィーの問い掛けに疑問に思うが直ぐに口を開くアインス

「…私で、良ければ。」

「済みません。羽咲・咲乃宮・海山は紫亜・楓・ルナを中心に復興させて。良い?」

シルヴィーの言葉に頷く紫亜・楓・ルナの3人

「それじゃ、行きましょうか?」

「はい。」

 

終わり

 

 

 

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