Silver Factory Another Day Story 十字架の誓い

ACT1「決意」

 

 

翌日

 

俺は雫の部屋を訪ねていた

「来たわね。答えは決まったの?」

「あぁ。俺は、戦う。そう決めた。」

俺の言葉に笑みをこぼすと引出しの中から鍵の付いたネックレスを取り出した雫

一番下の部分が小さい箱になっており、箱の下部に鍵穴が付いているネックレス

「グラン式オールラウンドデバイス。結城にならこれが一番似合うと思うわ。」

「雫。すまない、ありがとう。」

俺はそう言うと雫からネックレスと鍵を受け取る

「起動させて良いのか?」

雫に尋ねると頷いてくれた

「けど、ちゃんと名前決めてからだよ。」

当たり前だ

「名前か。」

そう言いながらネックレスを手に取る

「起動する時に武器を連想してね。」

「分かった。」

雫の言葉に答えると、静かに名を告げる

「クルス・レンヴェード、起動。」

そう言うと同時に鍵穴に鍵を差し込む

―Wake Up―

電子音声が起動を告げる

それを聞いて鍵を捻る

―Set Up―

再度告げた電子音声の後、俺の手には一振りの槍が握られていた

―Nice to meet you mastering(初めまして、マスター)―

「これからよろしく頼むぞ。」

―It is consent(了解です)―

電子音声がそう告げると、またネックレスへと戻っていた

 

皇居内

 

とある部屋

 

そこには一人の女性が居た

そこにドアをノックする音が聞こえる

「どなた?」

漆黒の妖精、フェイトです。お伝えしたい事が有り、参りました

「入りなさい。」

失礼します

女性の言葉を聞くとドアを開き部屋の中に入って来るフェイト

「それで、伝えたい事とは?」

「はい。本日新たに異世界から一人、こちらへ来た模様です。性別は男性です。」

フェイトの報告を聞き口を開く女性

「フェイト、その男性の事を調べてきなさい。最悪の事を考えて戦闘許可を出すわ。

それと、兵は自由に使いなさい。」

「あいがとうございます、マスター。それでは失礼します。」

「期待しているわ。」

マスターと名乗る女性の声を聞くと退室するフェイト

 

フェイトが部屋から出てくるとそこには黒い鎧に身を包んだ女性が二人居た

その女性達に気付き口を開くフェイト

「シルヴィー、ルーナ。いつから居たの?」

「私もルーナも最初から。つまりフェイトが部屋に入った直後って事。」

シルヴィーの言葉に若干呆れるフェイト

「それで、マスターは何と?」

「こちらの世界に来た男性を調べろとの事。戦闘許可も出ているわ。」

フェイトの言葉に考えるシルヴィーとルーナ

「なら私が行くわ。」

考えた末に口を開くシルヴィー

「そう、ならお願いね。兵の数は任せるわ。私なりマスターの名を出せば大丈夫よ。」

「解ったわ、フェイト。」

 

ビル地下の秘密基地

 

修練場

 

そこでは結城が楓と剣を交わしていた

「中々やるわね。戦闘経験皆無ってのを疑いたくなるわ。」

「お世辞はよせ。まぁ、それなりのイメージはしていたがな。」

結城の言葉に考え込む楓

「う〜ん、それでも私と対等なのが少し気にかかるわね。」

そう言うと再度悩む楓

「潜在的な能力がきっと高いんじゃないのかな?楓。」

ふと女性の声が聞こえる

声のした方を見るとそこにはルナの姿が有った

「ルナ。それってどう言う事?」

「いずれ解る。結城、見回り行こう。」

「あぁ、解った。」

「んじゃ行って来るね〜。」

そう言うと結城共々修練場から去って行くルナ

 

 

外に出てくると不意に口を開くルナ

「ねぇ、結城。さっき楓が言っていた事だけどさ。」

俺と水代の強さが対等って言う話だな。それがどうしたんだ?」

結城の問いに少し間を置くと口を開くルナ

「恐らく、結城の潜在的な強さは私達をも凌駕すると思う。

今はまだ開花してないけど、何かしら有れば潜在的な能力が開花すると思う。」

「月夜、何かの冗談だろ?」

結城の問いに黙り込むルナ

「面白い事を聞いたわね。一層我がマスターの元へお連れしなければいけませんね。」

ふと女性の声が聞こえ、声のした方を見る結城とルナ

そこには漆黒の鎧に身を包んだ女性が居た

「初めまして、異世界からの来訪者。私はシルヴィー。漆黒の薔薇騎士シルヴィーよ。」

シル姉、何の用ですか?」

ルナが冷たく言い放つ

「何の用?彼をマスターの元へ。それが私が受けた命よ。」

そう言うと剣を抜くシルヴィー

「ルナ、邪魔をするのなら貴女でも。」

―Wake Up―

ふと電子音声が響き渡る

「生憎と、はいそうですか。と連れて行かれるのも癪なんでな。」

―Set On―

再度電子音声が告げると結城の手には槍が握られていた

それを見て口を開くシルヴィー

「ミッドチルダ。いえ、グランね。面白いわ。」

そう言うと剣を構えるシルヴィー

それを見て口を開くルナ

「結城、下がってて。ナイトオブムーン。」

―Wake Up Saver Form Set On―

電子音声と共に剣を持つルナ

「面白い。」

 

続く

 

 

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