Silver Fairy 〜クロスオーバーエディション〜
For 月姫×空の境界×アージュ
第4話「それぞれの戦い前編〜冥夜vsあゆ〜」

 

 

海浜公園

 

そこで対峙する御剣冥夜と大空寺あゆ

「今日こそ、決着をつけようじゃないのさ。」

「…そうだな。」

冥夜の言葉に構える両者

そんな両者の目の前を葉っぱが一枚散って行く

少しだけ相手の顔が隠れ、直ぐに移った瞬間

同時に駆け出していつ両者

独特の金属音がその場に響く

「へぇ、中々やるんじゃないさ。」

「大空寺もな。」

そう言うと離れ、近づき鍔迫り合いをくり返す2人

しばらく経つと間を空ける両者

「剣術に関しては、中々の上出来じゃないかさ。」

「…珍しいな。他人を誉めるなんて。」

「なっ!あ、あに言ってるのさ!それだけ、やりがいがあるって事さ!」

「…確かに。」

「けど、非科学的な現象には、どう対処出来るのか、楽しみさ。」

そう言うとあゆの杖の先端に気が溜まる

「喰らうが良いさ。」

そう言うと杖の先端を冥夜に向け、気の塊を放つあゆ

(避けれらない!)」

心の中でそう確信した瞬間

冥夜の視界に人影が入る

気の塊を受ける人影

「つ、月詠!」

その人影は冥夜が最も信頼する、

侍従長の月詠だった

「月詠。月詠―――!!!」

「冥夜…様。…御剣財閥に、栄光、あ…れ……。」

「…。月詠―――!!!」

それを見て口を開くあゆ

「ハン、たかがメイド一人でそこまで泣くなんて、らしくないさ。」

そう言うと杖を構えるあゆ

「死ぬが良いさ!!!」

そう言うと杖の先端から気の塊を打ち出すあゆ

それを刀で弾く冥夜

「なっ!」

その光景に驚くあゆ

そのまま立ち上がるとあゆを睨む冥夜

「く、来るなさ―――!!!」

そう言うと気の塊を乱射するあゆ

それをことごとく避け、あゆに接近する冥夜

「大空寺―――!!!」

怒りを表し、あゆに切りかかる冥夜

「先輩!!!」

そこに割ってはいる一つの声

そして、辺りに鮮血が、ほとばしる

呆然とする、冥夜とあゆ

「…まゆ、まゆ?」

疑問系で、まゆの名を口にするあゆ

「・・・良かったです。・・・先輩が、無事…で。」

そう言うと地面に倒れその周囲が紅く染まる

「ま、まゆまゆ―――!!!」

その場でしゃがみ込み、絶叫するあゆ

一方冥夜は

「…斬った。私が、人を。…そして、殺した。あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

!!!」

冥夜の絶叫が、あゆの泣き声と共に、その場に響く

その光景を、見守る事しか出来ない、フェルミナ

「・・・こんな、こんな事って。」

尚も立ち尽くすフェルミナ

ふと泣き叫ぶのを止めると互いを睨みつけるあゆと冥夜

「御剣―――――!!!」

「大空寺―――――!!!」

そう言うと互いに突撃する

「しまった!!!」

それに気付き間に割って入ろうとするフェルミナ

(くっ!間に合わない!)」

フェルミナがそう思った瞬間

独特の金属音と共にあゆと冥夜の間に割って入る二つの人影

一人は日本刀に和服

もう一人は小刀に制服

「遠野。それに両義。」

「遅くなったな。」

「いいえ、ナイスタイミングよ。そして、離れて。」

そう言うと同時にあゆと冥夜の前で小さい爆発が起きる

「全く。冷静になればちゃんと解るのに。危うく私も騙されてたわ。」

フェルミナの言葉に疑問に思うあゆと冥夜

「全く、何処で仕入れてきたんだが、魔界のモンスター、ドッペルゲンガー。」

そう言うと立ち上がる月詠とまゆ

そして姿を変える

その光景に驚くフェルミナ以外の一同

「まゆまゆは?本物のまゆまゆは何処に居るのさ!」

「月詠は?月詠も何処に?」

「とりあえず、これ片付けちゃおうか?」

フェルミナの言葉の後ドッペルゲンガーの横を通る両義と遠野

「相変わらずね。直死の魔眼は。」

フェルミナがそう言うと消失する2体のドッペルゲンガー

「さてと、リース。」

「はい。側に。」

フェルミナの言葉に悪魔の羽が生えた女性が現れる

「例の二人は?」

「はい。こちらに。」

そう言うとその場に現れる月詠とまゆ

「まゆまゆ。」

「月詠!」

「先輩。」

「冥夜様。」

それぞれ駆け寄り抱きつく

「・・・良いわね、こういう光景。」

「何言ってるんだが。」

「両義!」

じゃらけあうフェルミナと両義

ふと何かに気付きフェルミナの方に来る月詠

「ん?何?」

「フィーナ様から頼まれて探していた女性の方ですが。」

「見つかったの?」

「はい。もうまもなくすればここに入るかと。」

「そぅ。リース。」

「はい。」

「今の事をフィーナに伝えて。なるべく早くね。」

「はい。承知致しました。」

そう言うとそこから飛び立つリース

「さてと、御剣さん、月詠さん。これからどうしますか?」

「無論共に行く。」

「冥夜様がそうおっしゃるのなら月詠も。」

「そぅ。大空寺あゆ、玉野まゆ。貴女達二人は?」

そういうとあゆまゆに顔を向けるフェルミナ

「しばらく考えるさ。まゆまゆ、あんたは私に付いて来ても良いし、

御剣達の方に行っても良いし、自分で考えるさ。」

「まゆは先輩にお供します。」

「勝手にするさ。・・・御剣、互いに失うと悲しい人を、持っているんだな。」

「・・・そうだな。」

「・・・死ぬなさ。私も死なないから。」

「あぁ。」

その言葉を聞くとその場から去っていくあゆとまゆ

「さて、これからどうするのだ?」

「とりあえず白塚に向かうわ。フィーナ達も向かってる筈だから。」

「解った。」

そう言うと海浜公園から移動するフェルミナ達

 

フィーナ達が去った直後の橘町駅前

 

「それじゃ、始めましょうか?」

「えぇ。強いですよ、私は。」

そう言うと構える二人

 

続く

 

次回予告

橘町の駅前で始まったセラフィと穂村愛美と名乗る女性の戦い

二人の戦いは壮絶な物になった

次回第5話「それぞれの戦い〜セラフィ対穂村愛美」

 

 

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