Silver Fairy 〜クロスオーバーエディション〜
For 月姫×空の境界×アージュ
第2話「闇と彼女と…」

 

 

白塚に着いた一同

「さて、それぞれ情報収集をお願い。1時間したらまたここに。良い?」

唯の言葉に頷くと散らばって行く一同

ふとそこに茜と千鶴だけが残る

「…どうしたの?お二人さん。」

「何故、直ぐに洋館に行かないんですか?」

「…確実性を増す為よ。もしくわ噂なのかのね。」

「でも、私はハッキリと見たんです!!!」

「それが彼女である確証と証拠は?」

「あっ。」

唯の言葉に黙り込む茜

「それじゃ、一時間後、ここで会いましょう。」

そう言うと駅から去って行く唯

 

一時間後

 

白塚駅前

 

「皆帰って来たわね。どうだった?」

唯の言葉に表情を曇らせる一同

「収穫無しか。」

唯がそう呟いた瞬間

横を通り過ぎていった昇降客の1人を見て声を上げる茜

「水月先輩!!!」

茜に気付いたらしく走って逃げる水月

「涼宮さんと御剣さん。それにフィーナとシエルは私と。後は榊さんの指示に従って

!!!」

そう言うと水月を追いかけて去って行く唯達

「おい、委員長、どうするんだ?」

「待ちましょう。彼女達を。」

 

白塚の町を疾走する水月と

それを追いかける唯達

「このままじゃラチがあかない。シエル!横から回り込んで!」

唯の言葉に横から回り込むシエル

その手には黒鍵が握られていた

それに気付く水月

「気付かれた!シエル!そのまま行って!!!」

「ブルークレセントムーン!!!」

突如聞こえた言葉に衝撃を感じ吹き飛ばされる唯達

「な、何今のは?」

疑問を感じるシエル

「水月、先輩。」

か細い声で呼びかける茜

見下したような目で見るとそこから走り去る水月

「…してやられたわね。涼宮さん、まだ動ける?」

「えっ?はい。一応は。」

「シエル・フィーナ。御剣さんをお願い。行こう、洋館へ。」

「えっ?あっ、はい。」

そう言うとそこから歩き始まる唯と茜

「…シエル、御剣さんをお願い。私は自分で何とか出来るから。」

「OK。」

そう言うと冥夜に近づくと十字架を出すシエル

「クルスヒール。」

そう言うと光が現われ、冥夜の怪我を治して行く

「これは…。」

疑問に思う冥夜

「そう言う人なの。私もフィーナも。そして唯も。」

「行きましょう。」

フィーナの言葉に頷くシエルと冥夜

 

洋館の前

 

「ここです。」

「そう。それじゃ行きましょうか。」

そう言うと館に近づく唯と茜

 

館の中

 

「飛んだ失態ね。」

「申し訳御座いません。」

「良いのよ。これでちょっとした余興が出来るから。」

そう言ってクスリと笑う女性

「アメリア。セリユと一緒に客人を持て成しなさい。」

「はい。行くよ、セリユ。」

そう言うとセリユと共に部屋を出て行くアメリア

「さて、後で私の部屋に来なさい。良いわね?」

「は、はい。」

 

洋館エントランス

 

「…誰も居ないのかな〜?でも確かに水月先輩はここに入ってったのに。」

「涼宮さん。とりあえず落ち着きましょう。」

「あっ、はい。」

そう言うと大きく一度だけ深呼吸をする茜

「涼宮さん、当たり前のような事聞くけど、本物の銃なんて、触った事すら無いわよ

ね。」

「えっ?そりゃそうですよ。普通に生活してれば。」

「…なら、今から非日常の世界になるわ。」

そう言うと銃を取りだし正面の階段の上へ向けて構える

「誰?出てきなさい!」

唯の言葉に姿を表す2人の女性

「乱暴な言葉使いね。この館に何の用かしら?」

「速瀬水月と言う女性を追って来てね。ここに入ったみたいなんだけど、知らないか

しら。」

「…知らないね。それより、用が済んだのなら早く出て行って。

客人以外はもてなさないから。」

「レナス。」

唯がそう言うと鎧を纏った小さなサイズの女性が出て来た

「彼女に着いてあげて。私が良いと言う迄よ。」

「了解しました。マスター。」

「…後、任せたよ。」

そう言うとそこからレナス毎消える茜

「…どう言うつもり?」

アメリアの言葉に銃を仕舞う唯

「力付くって事よ!!!」

そう言うと一気に飛び上がりアメリアに突撃する唯

「ハァァァァァァァ!!!」

アメリアに唯の剣が当る瞬間

独特の金属音が響く

「誰だ!!!」

「は〜い、そこ迄ですよ〜。翡翠ちゃん、GO♪」

「暗黒翡翠流、ご奉仕推奨破。」

そう言うと紫色の気弾が唯に向って飛んで来る

最初に声を出した女性毎蹴り飛ばし宙へ浮くと小太刀を取り出し逆手で持つ唯

「双連撃!!!」

そう言うと紫色の気弾を弾く唯

「翡翠ちゃん一緒に行きますよ〜。」

そう言うと手に持っていた竹箒から剣を抜く和服に割烹着の女性

「仕込み杖!チッ。」

そう言うと着地し構える唯

その構えは、独特の構えだった

「も〜らい♪」

そう言いながら唯に向って来る和服に割烹着の女性

その瞬間

「双龍連撃!!!」

そう言ってすれ違った後、倒れる和服に割烹着の女性

「強過ぎる!!!何なのこいつは!」

「アメリア、どいて。私がやるわ。」

「マリー、大丈夫なの?」

「えぇ。」

そう言うマリーと呼ばれた女性の手には剣が握られていた

唯もそれに気付いたらしく階段の上を睨みつける

「姉さん!」

翡翠と呼ばれた女性が唯に向って来る

「甘い。」

そう言うと唯の左側に五芒星が描かれる

「手加減はするわよ。ファルスレイトアロー!!!」

そう言うと五芒星から光の矢が放たれ翡翠に命中する

「さぁ、サシでやりましょう。」

 

白塚駅前

 

フィーナ達が戻り、唯と茜の帰りを待っていた

ふとそこに光が浮かび上がる

「転移魔法陣。誰かが来る。」

フィーナの言葉にその光を見る一同

そこに現われたのは………

涼宮茜だけだった

「茜、唯さんは?それに先輩も。」

千鶴の言葉に突然涙を流す茜

「…後を、お願いと。それだけ言って、私を。私を…。」

そう言うとその場に泣き崩れる茜

「フィーナ。」

「…シエルさん。ルイさんとうちのお母さんに連絡取ってくれます?」

「…解った。」

そう言うとそこから去って行くシエル

「御剣さん。少し良いですか?」

 

駅前から少し離れた線路脇

 

「それで、話とは何だ?」

「…探して欲しい、人が居るんです。」

 

結局、今日は明日に響くと言う事で、皆帰って行った

御剣さんは、私の申し出を快く引き受けてくれた

結局この日、唯姉は戻らなかった

 

翌日、唯姉は欠席。

涼宮さんは昨日の事も有り大事を取って休んだ

 

その日の放課後

 

橘町にある、海岸の公園に、私達は集まった

 

「お母様。」

「フィーナ。シエルを通じて呼び出すから、早く来ちゃったわ。」

「そうですか。」

「事情はシエルから聞いたわ。両義に遠野君も、協力してくれるそうよ。

それと、そちらの方々は?」

「御剣冥夜さんと、その侍従の月詠真那さん。」

「フィーナの母イリアです。よろしく。」

「こちらこそ。」

そう言うと握手を交わすイリアと冥夜

「んでこっちが涼宮茜さんと、お姉さんの遙さん。」

「よろしく。」

今度は茜と握手をするイリア

「事は知ってると思います。涼宮遙さんは速瀬水月さんの友達ですので、同席してい

ます。」

「ルイ達には言ってあるの?」

「シエルさんを通してですけど。言ってあります。」

「そぅ。姉さんについてだけど、戻って来てない所を見ると、

向こうの手に落ちたと考えるのが妥当ね。」

「何か、何か手は無いんですか?」

「私も、水月の事心配だし…。」

茜と遙が口を開く

「御剣さん、探し人はどうなっていますか?」

フィーナの言葉に冥夜に耳打ちをする月詠

「男性の方は明日の昼にでもこちらに着くそうだ。

ただ女性の方は何処に居るかが解らないそうだ。」

「そうですか。けど、これで何とか出来るかも。」

「フィーナさん。」

ふとフィーナを呼ぶ声がする

「ルイ。それにフェルミナも。あっ、両義に遠野さんも。」

「妹の秋葉も居るんだが…。全く琥珀さんと翡翠が見つからないからって来る事無い

のに。」

「兄さん、何か言いましたか?」

「いえ、何も。」

「…妹に弱い兄なんて初めて見た。」

ふと率直な感想を口にするフィーナ

「両義、シエルは?」

「もう少し独自に情報を集めると言っていた。」

「そう。」

イリアの問いに答える両義

「とりあえずこれで明日の昼にあの人が合流してくれれば何とか出来そうです。」

フィーナの言葉で明日の夜がその時と気付く全員

「言っときますけど、この場に居る全員を、私は戦力と考えてます。

そして、共に戦う仲間である事も。」

「…結構、恥ずかしい事を言いますね。」

「秋葉。…まっ、そうかもな。」

「…気楽で良いですわね、兄さんは。」

秋葉の言葉に黙り込む志貴

それを見て笑うフィーナ達

「さて、笑った事ですし、今日は解散しましょう。明日の夜9時に、白塚で。」

その言葉にそこから去って行く一同

だがイリア・ルイ・フェルミナに両義が残る

「…どうしたんですか?」

「無謀な事しようとしたでしょ?」

「何の、事ですか?」

イリアの問いを誤魔化そうとするフィーナ

「全く。誤魔化すのが下手ね。…居るのなら、出て来て下さい。姉さん。」

イリアのその言葉に姿を表す唯

「…黒装。フェイトですか。」

「正解。」

イリアの問いに答えるフェイト

「ね…、フェイト。何しに来たのかしら?」

「決まってるわ。我が主に楯突く者を摘み取りに。」

そう言うと剣を抜くフェイト

それを見て構えるフィーナ

「フィーナ。彼女の相手は、私がする。」

イリアの言葉に驚くフィーナ

「大丈夫よ。直ぐ、戻るから。」

「でも。」

そう言った瞬間気を失うフィーナ

そのまま倒れ込むフィーナを抱えるフェルミナ

「…悪いわね、フェルミナ。」

「良いのよ、イリア。」

「…先祖も含めれば、聖や、祐奈が居た時代からの、付き合いだもんね。」

「…そうね。」

「フィーナの事、お願いね。」

「うん。ルイ・両義・志貴・秋葉、行くよ。」

そう言うとそこから去って行くフェルミナ達

「…イリア、本当にやる気?無謀も良い所よ。」

「確かに、イリアとしては無謀な事です。」

そう言うと修道服を脱ぎ去るイリア

その下には…

「魔導法衣。成る程。」

そう言うと剣を納める

「魔法戦、受けて立つわ!」

「…雷神イシュタル。参る!!!」

 

結局その日、母様が帰って来る事は、無かった

 

続く

 

次回予告

いくら経っても戻って来ないイリア

それに耐えかね決意するフィーナ

それを制したのは、以外な人物だった

次回第3話「魔導騎士と黒魔術師の師弟」

 

 

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