オメガx鎧武xトッキュウジャー
スーパーヒーロー・ファイナルバウト
第5章
ライオトルーパーの大軍勢に囲まれる光輝たち。そこへ紘汰たちとライトたちが駆けつけてきた。
「あれが新しいスーパー戦隊のトッキュウジャー・・そして新しい仮面ライダー、鎧武・・・」
ライトたちと紘汰を見て、光輝が戸惑いを覚える。
「それじゃ、出発進行!」
ライトが掛け声を口にして駆け出す。ライオトルーパーたちが彼らにも迫る。
「駆け込み乗車はいけないよ!」
“切りまーす。”
ライトが言いかけて、トッキュウブラスターをキリマスモードにして振りかざす。トカッチとミオも同じくキリマスモードのトッキュウブラスターで、ライオトルーパーを切りつけていく。
ライオトルーパーたちが距離を取って、アクセレイガンで射撃を仕掛ける。
“撃ちまーす。”
するとヒカリとカグラがトッキュウブラスターをウチマスモードにして迎撃する。
さらにゴレンジャーも参戦して、ライオトルーパーたちにパンチとキックを当てていく。
「ゴレンジャーも来てくれたか!」
「1号ライダー、久しぶりだな。」
1号とアカレンジャーが声を掛け合う。アカレンジャーが鞭「レッドビュート」を振りかざして、ライオトルーパーを引き離す。
「今のうちだ!全員ここから脱出を・・!」
「待て!」
アオレンジャーが呼びかけるが、V3が呼び止める。ライオトルーパーたちをかき分けて、別のライダーが現れた。
「あれはスカルライダー!」
「あんなのまで出てくるなんて!」
ガイコツ姿のライダー「スカルライダー」の出現に、光輝と紘汰が声を上げる。
「また増えちゃうの、悪い仮面ライダーが・・!?」
「ここまで数が増えるとさすがに・・」
カグラとトカッチが不安を口にする。スカルライダーたちもライトたちに迫ってきて、攻撃を仕掛けてきた。
「これじゃマジでキリがないって!」
紘汰が応戦しながら声を荒げる。
「ならば踏みとどまれ・・オレが力を出して吹き飛ばす・・!」
竜也が光輝たちに呼びかけて、全身に力を込める。
「待て、竜也!そんなことをすれば、オレたちだけでなく、周りにも被害が・・!」
ところが光輝が呼び止めて、竜也が毒づく。
「そんな物騒なことをしなくたって、オレたちには見えてる。ここを突破するオレたちの姿が。」
そこへライトが声をかけて、意識を集中していく。
「あなたたちにも見えるはずだよ。その姿が、その風景が。」
「姿が、風景が・・」
ライトの告げた言葉を受け止めて、光輝も意識を集中する。彼もライオトルーパーとスカルライダーたちの包囲網を突破するイメージを膨らませていく。
「もしかして、このイメージが・・・!」
「そうだ・・それがイマジネーションだ・・!」
呟いた光輝にライトが笑みをこぼした。
そのとき、3人の男たちが飛び込んできて、ライオトルーパーとスカルライダーたちを蹴り飛ばした。
「待たせたな、みんな!」
男の1人が高らかに声をかけてきた。光輝たちは彼らと面識があった。
「君たちは、晴人、ダイゴ、撃!」
光輝が男たち、操真晴人、桐生ダイゴ、十文字撃に声をかけた。続けてダイゴの仲間、イアン・ヨークランド、有働ノブハル、立風館ソウジ、アミィ結月、空蝉丸も駆けつけた。
「ウィザード、キョウリュウジャー、ギャバンも来てくれたか!」
1号が晴人たちに声をかける。
「事情はだいたい分かっている。オレも脱出に協力するよ。」
晴人が答えて、魔法の指輪「ウィザードリング」の1つ「ドライバーオンウィザードリング」をはめる。
“ドライバーオン。プリーズ。”
ベルト「ウィザードライバー」が音声を発して具現化された。晴人はウィザードライバーのバックル部の手形「ハンドオーサー」を左がらに傾ける。
“シャバドゥビタッチヘーンシーン!シャバドゥビタッチヘーンシーン!・・”
「変身。」
ウィザードライバーからの音声が続く中、晴人は左手の中指に赤い指輪「フレイムウィザードリング」をはめて、ハンドオーサーにかざす。
“フレイム・プリーズ・ヒー・ヒー・ヒーヒーヒー!”
晴人の横に赤い魔法陣が現れる。彼はその魔法陣を通ることで、仮面ライダー、ウィザードに変身した。
「よし!オレたちも変身だ!」
ダイゴの呼びかけにイアンたちが頷く。ダイゴたちが恐竜型の銃「ガブリボルバー」を手にして、空蝉丸がガントレット「ガブリチェンジャー」を構える。
「ブレイブイン!」
彼らがガブリボルバーとガブリチェンジャーに乾電池型アイテム「獣電池」をセットする。
“ガブリンチョ!”
“ガブティ〜ラ!”
“パラ〜サガン!”
“ステゴォッチ!”
“ザクトール!”
“ドリケェ〜ラ!”
“プテラゴーードン!”
ガブリボルバーとガブリチェンジャーから音声が発せられる。
「キョウリュウチェンジ!」
ダイゴたちがサンバのような、空蝉丸が歌舞伎のような動きを取る。
「ファイヤー!」
ガブリボルバーとガブリチェンジャーから、装てんされた充電池に込められている恐竜の魂「キョウリュウスピリット」が放たれる。彼らがキョウリュウスピリットを身にまとって変身を果たした。
「よし。オレも行くぞ!蒸着!」
撃も構えて掛け声を上げる。
“了解。コンバットスーツ、転送シマス。”
地球の外にいた超次元高速機「ドルギラン」から光を浴びて、撃は機械的かつメタリックはスーツ「コンバットスーツ」を身にまとう。彼がギャバンのコンバットスーツを蒸着するタイムは、わずか0.05秒に過ぎない。
「聞いて驚け!牙の勇者、キョウリュウレッド!」
「弾丸の勇者、キョウリュウブラック!」
「鎧の勇者、キョウリュウブルー!」
「斬撃の勇者、キョウリュウグリーン!」
「角の勇者、キョウリュウピンク!」
「雷鳴の勇者、キョウリュウゴールド!」
ダイゴ、イアン、ノブハル、ソウジ、アミィ、空蝉丸が名乗りを上げてポーズを決める。
「史上最強のブレイブ!獣電戦隊キョウリュウジャー!」
「獣電戦隊キョウリュウジャー」に変身したダイゴたちが高らかに名乗りを上げた。
「宇宙刑事ギャバン!」
撃も構えて名乗りを上げた。
「天怒りて悪を斬る!」
「さぁ、ショータイムだ。」
「荒・れ・る・ぜ〜・・止めてみな!」
空蝉丸、晴人、ダイゴが言い放つ。彼らがライオトルーパーとスカルライダーたちに立ち向かう。
晴人、ダイゴ、撃が勢いを乗せてパンチとキックを出していく。
「腕はなまってないよね?」
「そっちこそ、間違って僕たちに当てないでよね。」
イアンとソウジが声を掛け合って、ガブリボルバーと剣「ガブリカリバー」を構える。
「ノブハルタックルー!」
ノブハルが力を込めてスカルライダーに突っ込んで投げ飛ばす。アミィも正確な打撃でスカルライダーを打ち倒していく。
空蝉丸も剣「ザンダーサンダー」を振りかざして、ライオトルーパーを退けていく。
「すごい・・宇宙刑事の力も・・!」
紘汰がダイゴたちや撃の強さを目の当たりにして、驚きを見せる。
「よし!ここから脱出するよ!」
ライトが紘汰に駆け寄って声をかける。
「スカルライダーたちが分断され始めている・・メガブレイバー!」
光輝が状況を見定めて、メガブレイバーを呼ぶ。メガブレイバーがライオトルーパーとスカルライダーたちをかき分けてやってきた。
「オレが突っ切ります!そこを抜けてきてください!」
「オメガ、分かった!君の後に続く!」
光輝の呼びかけに答えて、1号も呼びかける。光輝がメガブレイバーに乗って、前を見据える。
「メガブレイバー、スピードフォームで突っ切るぞ!」
「分かった!」
光輝の呼びかけにメガブレイバーが答える。メガブレイバーがスピード重視の「スピードフォーム」に変わる。
光輝がメガブレイバーを走らせて、一気にスピードを上げる。その突撃がライオトルーパーとスカルライダーを突き飛ばして、活路を作る。
「今だ!」
紘汰が掛け声をあげて駆け出す。ライトたちも続いていって、ライオトルーパーとスカルライダーたちの包囲網を突破した。
「よし!ここを抜けたぞ!」
紘汰が喜びの声を上げる。彼らはついに脱出に成功したのだった。
撃、晴人、ダイゴたちの加勢で、光輝たちは窮地を脱した。邪悪な存在の気配のない場所で、彼らは足を止めた。
「助かったよ。君たちが来てくれなかったら、オレたちは数に押されて危なかった・・・」
「何とか見つけられてよかった・・どこでも大変なことになっているから・・」
光輝が安堵を口にすると、晴人が微笑んで答える。
「オレたちも耳にしている。ディケイドが他の仮面ライダー、スーパー戦隊、宇宙刑事を倒していることを・・」
撃が口にした言葉に、光輝たちが息をのむ。
「オレたち以外の恐竜の戦隊もやられちまった・・!」
「今、何人のライダーや戦隊が残っているか、見当がつかない・・!」
「他の宇宙刑事もやられた・・ディケイドによって・・・!」
ダイゴ、V3、撃が現状を口にして歯がゆさを浮かべる。彼らの話を聞いて、光輝はディケイド、士への激情を強めていく。
そんな光輝の肩を、竜也がつかんできた。
「お前はオレに正義とは何かを伝えてくれた。そのお前が正義を見失うな。」
「竜也・・」
竜也が投げかけた言葉に光輝が戸惑いを覚える。
「ディケイドが他の仮面ライダーたちを倒している。それがお前の正義としては正しいことなのか?」
「そんなことはない!アイツのやること、考えること、全てが正義にはならない!」
竜也に問い詰められて、光輝がたまらず声を荒げる。
「アイツは世界の破壊者というだけじゃない・・みんなの心を踏みにじる・・夢の破壊者だ・・!」
「ならばヤツをもう1度倒すしかない。今のヤツは世界や夢だけではない。全ての破壊者となっているのだから・・」
士への怒りを噛みしめる光輝に、竜也が言いかける。光輝は改めて決意を固めた。
「このままじゃディケイドによって、全ての戦士たちが消滅されてしまう。そうなれば、世界や宇宙そのものも破滅してしまうだろう・・」
「止めなければ・・仮面ライダーではない・・平和を脅かす敵として・・・」
1号と2号がディケイドの危惧と打倒を口にする。
「我々が把握すべき情報は2つ。ディケイドの行方と、他の戦士たちの安否だ。」
「それなら大丈夫だ。今ミッチが、オレの仲間が情報を集めてる。」
アカレンジャーが言いかけると、紘汰が光実のことを口にする。
「そうだな・・彼がディケイドの手にかかっていないことを祈るしかない・・」
「ミッチなら大丈夫です。頭がいいし、簡単にやられたりはしない。」
丈瑠の言葉に、紘汰が光実への信頼の言葉を送る。
「おい、誰かこっちに来るぞ!」
そのとき、モモタロスが声を上げて指さす。光輝たちもその方向に振り向く。
光輝たちに向かってくる1つの人影があった。
「もしかして、ディケイドってヤツかな・・!?」
ミオが言いかけて警戒を見せる。
「いや、あれはミッチだ。ミッチが帰ってきたんだ!」
目を凝らす紘汰が、光実の姿を見て声を上げる。彼が鎧武への変身を解除して、光実に駆け寄っていく。
そのとき、歩いていた光実が突然ふらついて倒れた。
「ミッチ!?」
紘汰が慌てて光実に駆け寄る。光実は体力を消耗していて、息を切らしていた。
「ミッチ、しっかりしてくれ!ミッチ!」
「こ・・紘汰さん・・僕の前に、ディケイドが・・・」
呼びかける紘汰に光実が声を振り絞る。彼は紘汰に支えられた中で、意識を失った。
「ミッチ!」
紘汰が光実に向けて声を張り上げた。
疲れ果てて意識を失った光実。彼はデンライナーの食堂車で目を覚ました。
「ミッチ、気が付いたか!・・よかったぁ〜・・」
紘汰が光実の意識が戻ったことに、安心の笑みをこぼす。
「紘汰さん・・・僕は・・・ここは・・?」
戸惑いを見せる光実が辺りを見回す。
「ここはデンライナーっていう時の電車の中だ。倒れたお前をここまで運んで手当てしたんだ。」
「時の電車・・・?」
紘汰の説明を聞いて、光実が疑問符を浮かべる。彼の視線がデンライナーでくつろいでいるモモタロスたちに向いた。
「インベス!?」
モモタロスたちイマジンをインベスと勘違いして、光実が起き上がって身構える。
「ちょちょちょ、違うんだ、ミッチ!モモタロスたちはインベスじゃないって!」
ブドウロックシードを手にした光実を紘汰が止めに入る。
「アイツらも仮面ライダーに変身してんだよ。この良太郎くんの体にイマジンが入ってから、ライダーになるんだ。」
紘汰が良太郎に目を向けて、光実にさらに説明をする。
「それよりミッチ、いったい何があったんだ?ディケイドを見つけたのか・・・!?」
紘汰が真剣な面持ちになって、光実に問いかける。すると光実が深刻な面持ちを見せる。
「はい・・見つけたどころか、僕の前に現れて・・・」
「危ないところだったってことか・・・」
打ち明ける光実にヒカリが頷きかける。光実は兄、貴虎や他のアーマードライダーがディケイドの手にかかったことまでは打ち明けなかった。
「でも無事でよかった・・ディケイド相手に、単独や少数で行動するのは危険だ。」
「それぞれの思惑もあるのだろうが、まずはディケイドや他の戦士のことを気にするのが先決だ。」
1号とアカレンジャーの言葉に紘汰たちが頷く。その中で光輝は士への思惑を募らせていた。
「光輝さん・・・?」
良太郎に声をかけられて、光輝が我に返る。
「ゴ、ゴメン・・そうだ・・今度こそアイツを倒す・・2度とみんなの前に出てこないように・・・」
「それがお前の言う正義・・自由と平和のためになるのだろう・・・」
謝る光輝に竜也が言いかける。
「ヤツは全てをぶち壊そうとしている・・それ以前に正義というものを見失っていたのだが・・・」
「竜也・・これはアイツに対する怒りだけじゃない・・全ての世界、全てのヒーローの存亡を賭けた戦いなんだ・・」
竜也に言われて光輝が頷く。紘汰たちもライトたちも決意を胸に秘めて頷いた。
「よーし!まずはディケイドやみんなのところへ行くぞー!」
「あぁ!また一緒に戦おうぜ、ライト!」
ライトと紘汰が声を掛け合って、手を取り合った。
「ライトは相変わらずなんだから・・」
「ここは僕たちがしっかりしないといけないですね・・」
ヒカリと光実が2人の姿を見て苦笑をこぼしていた。
「紘汰くん、ライトくん、よろしく・・いや、鎧武、トッキュウジャー。僕は吉川光輝。仮面ライダーオメガだ。」
光輝が紘汰とライトに声をかけて、手を差し伸べる。2人が頷いて彼と手を合わせて結束を確かめた。
デンライナーから降りて、光輝たちは捜索を再開した。ダイゴと光太郎が世界で起こっている異変を感知していた。獣電竜との呼応と改造人間としての高い身体能力によるものだった。
「この辺りに強い力を持ったヤツがいるみたいだが・・」
「気配を殺して近づいている可能性も否定できない。注意したほうがいい。」
呟くダイゴに光太郎が言いかける。晴人も撃も情報収集に集中する。
「我々やみんなを襲撃しているのはディケイドだけではない。悪の仮面ライダーたちもよみがえっている・・」
「あの紫のヘビのライダーみたいなのが、ですか・・?」
言いかける2号に紘汰が聞いてくる。
「王蛇のことか。悪の心を持ったライダーは他にも・・」
V3が紘汰に答えていたときだった。紘汰の後ろに金の装甲をした仮面ライダーが現れた。
「紘汰くん、後ろ!」
「えっ・・?」
V3に呼びかけられて、紘汰が振り返る。金色のライダー、オーディンが伸ばしてきた右手に紘汰が突き飛ばされる。
「紘汰くん!」
光輝が声を上げて、オーディンを見据える。
「よみがえったライダーか・・!」
「金の鎧を身にまといながら悪の道に走るとは・・許せぬでござる・・!」
オーディンを見て、イアンが見据えて、空蝉丸が怒りをあらわにする。
「さぁ、戦え。ライダー同士で・・最後の1人になるまで・・」
オーディンが光輝たちに向けて声をかける。しかし光輝たちは誰もオーディンの言葉を聞こうとしない。
「確かにライダー同士で戦うこともあるだろうけど、それは少なくても、誰かの筋書き通りってわけじゃない!」
「オレたちはオレたち自身の意思で戦っている!お前たちの操り人形になるつもりはない!」
紘汰と光輝がオーディンに言い放つ。
「オレたちの行き先の風景は、まだハッキリと見えているわけじゃない。だからお前にはついていかない。いっても目的地にたどり着けないしね。」
ライトも続けてオーディンの言葉を拒絶する。晴人たちもオーディンに従う気はない。
「脱落を望むなら、私の手で敗北を与える。」
オーディンが杖「ゴルトバイザー」を手にして構えた。
「気を付けたほうがいい。アイツはとても異質な力を備えている・・」
晴人が光輝たちに注意を呼びかける。オーディンの頭上に金色の不死鳥「ゴルトフェニックス」が舞い降りてきた。
「変身!」
“オレンジアームズ・ハナミチ・オンステージ!”
“バナナアームズ・ナイトオブスピアー!”
“ブドウアームズ・リュウ・ホウ。ハッハッハッ!”
“フレイム・プリーズ・ヒー・ヒー・ヒーヒーヒー!”
“Sword form.”
光輝、紘汰、戒斗、光実、晴人、良太郎、光太郎がオメガ、鎧武、バロン、龍玄、ウィザード、電王、RXに変身して、オーディンに向かっていく。
「トッキュウチェンジ!」
“変身いたしまーす。白線の内側に下がってーお待ちくださーい。トッキュウ1号。2号。3号。4号。5号。”
“ガブリンチョ!”
「キョウリュウチェンジ!ファイヤー!」
「一筆奏上!」
「一貫献上!」
ライトたち、ダイゴたち、丈瑠たちもトッキュウジャー、キョウリュウジャー、シンケンジャーに変身する。すると彼らの周りをライオトルーパーとスカルライダーたちが取り囲んできた。
「こんなときに大勢で押しかけてくるなんて・・!」
「大勢の相手なら戦隊にお任せってな!」
アミィと流ノ介が声を上げる。
「お前たちの相手に時間を費やしている場合ではない・・!」
「超特急で終わらせるからね!」
「オレたちを止められるもんなら、止めてみな!」
丈瑠、ライト、ダイゴが言い放つ。彼らが各々の武器を手にして、ライオトルーパーとスカルライダーに立ち向かう。
紘汰と戒斗がオーディンに攻撃を仕掛けるが、オーディンは金色に輝く羽根を散らしながら瞬時に移動してかわした。
「は、速い!?」
「素早いというわけではない・・瞬間移動か・・!」
紘汰と戒斗がオーディンに対して声を上げる。
「だったら当たるまで攻撃するだけだ!いくぜ、いくぜ、いくぜ!」
モモタロスがソードモードのデンガッシャーを構えて、オーディンに飛びかかる。だが彼が振りかざしたデンガッシャーは、オーディンに軽々とかわされる。
「ちっくしょ〜!ちょこまか動きやがって〜!」
攻撃が当たらないことにモモタロスが地団太を踏む。
“Sword vent.”
オーディンがゴルトバイザーにカードをセットして、2本の剣「ゴルトセイバー」を手にする。振りかざしてきたゴルトセイバーを、紘汰たちが大橙丸、無双セイバー、バナスピアーで受け止めていく。
だがオーディンの速く重い剣さばきに、紘汰たちが徐々に追い込まれていく。
「くっ!・・マジで強いぞ、コイツ・・・!」
紘汰がオーディンの強さを痛感して毒づく。
「ならばコイツをくらえ!」
“バナナオーレ!”
戒斗が言い放って、戦極ドライバーのカッティングブレードを2回倒す。彼が構えたバナスピアーの切っ先にエネルギーが集まる。
戒斗がオーディンに向けてバナスピアーを振り下ろす。オーディンがゴルトセイバーを振りかざして、バナスピアーを跳ね返した。
「何っ!?」
攻撃を跳ね返されて、戒斗が驚愕の声を上げる。オーディンが彼に詰め寄って、ゴルトセイバーで切りつける。
「ぐあっ!」
「戒斗!」
突き飛ばされてうめく戒斗に、紘汰が声を上げる。
「アイツを倒すには、アイツの動きをしっかりつかまないと・・・!」
打開の糸口をつかもうと、紘汰が新たにロックシード「ピーチエナジーロックシード」を取り出して、戦極ドライバーにセットした。
“ピーチエナジー。ロックオン。”
“ミックス!オレンジアームズ・ハナミチ・オンステージ!ジンバーピーチ!ハハーッ!”
紘汰が新たな鎧を身にまとう。彼はジンバーピーチアームズとなった。
紘汰が意識を集中して、オーディンの動きをうかがう。ジンバーピーチアームズとなった彼は聴覚が鋭くなっていた。
ゴルトセイバーを構えて近づいてくるオーディンの動きを、紘汰が捉えた。
「そこだ!」
紘汰が振り向きざまにソニックアローを振りかざして、オーディンの体に当てる。怯んだオーディンに紘汰だけでなく、戒斗もバナスピアーを振りかざして攻め立てる。
だがオーディンは素早く動いて、紘汰と戒斗に反撃を仕掛ける。
「紘汰くん!」
光輝が飛び込んでオーディンを迎え撃つ。その間に紘汰が体勢を整える。
「今度はコイツで一気に攻める!」
“チェリーエナジー。”
“ジンバーチェリー!”
紘汰が「チェリーエナジーロックシード」を戦極ドライバーにセットして、「ジンバーチェリーアームズ」を身にまとった。
一気に素早さを上げた紘汰が、オーディンに果敢に攻め立てる。追い込まれていくオーディンがゴルトバイザーにカードをセットする。
“Final vent.”
オーディンの頭上にゴルトフェニックスが舞い降りる。彼はゴルトフェニックスと一体化して、金色の炎を発する。
“オレンジスカッシュ!”
“チェリーエナジー。”
紘汰がソニックアローを構えて、エネルギーを集めた光の矢を放って迎え撃つ。2人の攻撃が相殺されて、オーディンが突き飛ばされる。
「ここで終わらせる・・!」
“チョーイイネ!キックストライク!サイコー!”
晴人がストライクウィザードリングをはめて、ウィザードライバーのハンドオーサーにかざす。大きくジャンプした彼の前に赤い魔法陣が現れる。
立ち上がったオーディンに向かって、晴人が魔力を込めたキックを繰り出した。キックを受けたオーディンが突き飛ばされて、空中で爆発を引き起こした。
「やった!金のライダーを倒したぜ!」
「あぁ。今度こそ、アイツのフィナーレだ・・」
紘汰が喜びの声を上げて、晴人が微笑む。
「勝利に酔うのはまだ早いぞ!」
戒斗が呼びかけて、光輝たちが振り返る。ライオトルーパーとスカルライダーたちが1人ずつ向かってきた。
「レーザーブレード!」
そこへ撃が飛び込んできて、ライオトルーパーに切りかかった。
「撃さん!」
光輝が声を上げて、スカルライダーに飛びかかる。一気に反撃して、彼はオメガドライバーからオメガクリスタルを取り出して、右手の甲部に移す。
「ライダーチョップ!」
光輝が繰り出したチョップ「メガスラッシャー」に切り裂かれて、スカルライダーが倒れて爆発を起こした。
「ギャバンダイナミック!」
撃がレーザーブレードにエネルギーを集めて振りかざす。この一閃を受けて、ライオトルーパーが倒れて爆発を起こした。
「ありがとう、撃さん。助かったよ・・」
「みんなも無事でよかった・・」
光輝と撃が声を掛け合って頷き合う。
「どうやら向こうも決着がつくようだ。さすが戦隊というところか。」
晴人がライトたちの戦況を見て呟く。
「よし!フィニッシュ行くぜ!」
ダイゴが呼びかけてイアンたちが頷く。
「獣電池、装てん!」
空蝉丸がザンダーサンダーに獣電池を3つセットする。
“ガブリンチョ!ザンダーーサンダー!”
「ブレイブフィニッシュ・雷電残光!」
エネルギーを集めたザンダーサンダーを振りかざす空蝉丸。雷光をまとった一閃がライオトルーパーたちを一掃する。
“ケーントロスパイカー!”
ダイゴたちがそれぞれの武器を組み合わせて、剣「ケントロスパイカー」を完成させる。ダイゴがイアンたちが組んだ腕車に乗ってジャンプして、ケントロスパイカーを手にする。
「獣電ブレイブフィニッシュ!」
“スポポーン”
ダイゴがケントロスパイカーを投げつける。ケントロスパイカーを叩き込まれて、スカルライダーたちが吹き飛ばされた。
「すっごーい!これが先輩戦隊の力・・!」
ライトがダイゴたちの活躍と強さに感動の声を上げる。彼らに光輝たちが合流してきた。
「こっちも終わった。だけど手がかりはつかめなかった・・」
「あくまで自分の考えや本能に忠実だった・・」
撃と晴人がライトたちに言いかける。
「他にもこんなライダーがよみがえって、この辺りをウロウロしてるっていうのかよ・・」
紘汰が世界の現状に歯がゆさを感じていた。
「ディケイド・・これもお前の仕業・・どこまでお前はみんなを・・世界を・・・!」
光輝も士への憤りをさらに膨らませていた。
「おい、また誰か来るぞ・・・!」
モモタロスが指さして声をかける。彼らに向かって1つの人影が近づいてきた。
その正体を目の当たりにした光輝が怒りを一気に膨らませる。
「久しぶりだな、お前たち・・」
「お前・・・!」
声をかけてきた人物に光輝が激情に駆られる。彼らの前に士が現れた。