オメガ×フォーゼ×ゴーカイジャー
スーパーヒーロー列伝
第11章
スピリットフォームとなった光輝と、コズミックステイツとなった弦太朗。2人とメテオストームとなった流星の攻撃とチームワークで、バスコを追い詰めていた。
「僕の力が・・全く通用しないなんて・・・!?」
劣勢に立たされていることにバスコが苛立ちを膨らませていく。彼の前に光輝たちが立ちはだかる。
「お前は甘く見ていた・・仮面ライダーとスーパー戦隊の本当の強さを・・」
「友情と強い思いが未来をつかむ!それが仮面ライダーと、スーパー戦隊の力だ!」
光輝と弦太朗がバスコに向けて言い放ち、スピリットカリバーとバリズンソードを構える。弦太朗がバリズンソードを大剣の「スラッシュモード」に変える。
“Limit break.”
バリズンソード、そしてスピリットカリバーにエネルギーが集中していく。
「オレもこの一撃で終わらせる!」
“Limit break.”
流星が言い放ち、メテオストームシャフトにエネルギーが集まっていく。
「スピリットスラッシャー!」
「ライダー超銀河フィニッシュ!」
「メテオストームスラッシャー!」
光輝、弦太朗、流星がスピリットカリバー、バリズンソード、メテオストームシャフトを振りかざす。3つの光の刃が放たれ、バスコに叩き込まれた。
「ぐあっ!」
光の刃を受けてバスコが絶叫を上げる。ダメージが大きくなり、彼は怪人の姿から元に戻ってしまった。
「よっしゃあ!オレたち仮面ライダーの完全勝利だ!」
弦太朗がガッツポーズをして勝利を喜ぶ。だがバスコはまだ生きていた。口から緑色の血をあふれさせて、彼は立っていた。
「げっ!血が緑だぜ・・!」
「まだだ・・まだ僕は諦めちゃいないよ・・僕にはまだ、手駒が残ってるんだから・・・」
気まずくなる弦太朗と、声と力を振り絞るバスコ。バスコの後ろにディケイドが現れた。
「ディケイド・・アイツが呼び出して操っているライダーか・・!」
流星が呟いて身構える。ジョーたちとの戦いで倒されたように見せかけて、ディケイドはバスコと合流してきたのである。
「僕はここでおさらばさせてもらうよ・・せっかく手に入れた僕の世界だ・・そう簡単に手放すわけには・・・」
バスコが光輝たちを追い込もうと笑みをこぼしたときだった。
「ぐっ!」
バスコが突然激痛を覚える。彼の体を閃光が貫いていた。
「騙しと裏切りが得意技のお前が、騙されて裏切られるとはな・・」
バスコに向けて声がかけられる。彼の後ろにいたディケイドがライドブッカーをガンモードにして構えていた。
「だがお芝居はここまでだ。これで幕引きだ。」
「き・・君は、本物のディケイド・・・!?」
声をかけてくるディケイドに、バスコが息をのむ。
「まさか・・・!?」
光輝も驚きを隠せなくなっていた。バスコに攻撃したのは本物のディケイド、門矢士だった。
「いつの間に入れ替わったんだ!?・・間違いなくディケイドのライダーキーは僕の手に・・・!」
「あぁ。あのスーパーヒーロー大戦で、オレも倒されてライダーキーになったと思っただろう。だがオレはあのとき生きていて、わざとライダーキーとなった。もっとも、キーの状態のオレは仮死状態になったが・・」
問いかけるバスコに士が説明を入れる。
士は他の仮面ライダーやスーパー戦隊とともに倒れて、レンジャーキー、ライダーキーに変わる中、自らもライダーキーとなってカモフラージュした。キーの状態では意識をなくしていたが、バスコが召喚したときに意識が戻っていた。
バスコに召喚されて他のライダーたちとともにジョーたちと戦い、倒されるふりをした士は、不意を突いてバスコを攻撃したのだった。
「そんな・・そんなことを・・・!」
「お前なんかにオレを思い通りにできるわけないだろ。お前は仮面ライダーもスーパー戦隊も世界も支配したと思い込んでいたみたいだが、オレはその上を行っているんだ。」
愕然となるバスコに、士が強気な態度を振る舞う。
「王様ごっこは楽しかったか?続きはあの世でたっぷりやるんだな。」
「僕が・・・こんな形で、終わるなんて・・・」
士が声をかけると、バスコが力尽きて倒れる。彼は紅い霧のように消滅していった。
「いやぁ、ビックリしたぜ・・てっきりレイダーキーの仮面ライダーかと思ったぜ・・」
弦太朗が笑みをこぼして士に近づこうとした。だが光輝に左手を出されて止められる。
「またお前は・・みんなの夢を壊すようなことを・・・!」
光輝は士に向けて怒りを見せる。光輝は士の自分勝手な態度や振る舞いが、仮面ライダーという夢を壊すことになると思っていた。
「仮面ライダーの力を扱えるのはコイツじゃなくオレ。それだけのことだろうが。」
「それが夢を壊すことになるんだ!」
高飛車な態度を崩さない士に光輝が怒鳴る。
「やはりお前は世界の破壊者、いや、夢の破壊者だ・・お前は倒しておくべきなんだ・・・!」
「破壊者ということは否定しない。だがオレは倒されない。お前にオレは倒せない。」
「それでもオレは倒す・・仮面ライダーとスーパー戦隊、全てのヒーローがもたらす平和と夢を守るために・・!」
「お前は、どうしても倒さないといけないみたいだな・・」
スピリットカリバーを構える光輝を、士も迎え撃とうとする。
「おいおいおい、ちょっと待てって!」
弦太朗が2人の間に割って入って呼び止めてきた。
「オレたちは仮面ライダー!みんなを守るために戦うヒーローだろうが!」
「違う!コイツは夢の破壊者!みんなの夢を守るために、コイツを倒さなければならないんだ!」
弦太朗の呼びかけに光輝が言い返す。
「オレは今回の出来事で、仮面ライダーだけでなく、スーパー戦隊もみんなの夢や心の支えになっているヒーローということを教えられた・・この大切さは弦太朗くんも分かっているはずだ・・・!」
「あぁ、オレにも分かる!だからライダーを敵と見ることはねぇんだ!」
弦太朗が呼びかけていくが、光輝は首を横に振る。
「仮面ライダーだからこそ、ヒーローだからこそ、夢の破壊者であるコイツを倒さなければならないんだ・・!」
「光輝・・・!」
光輝の真っ直ぐな気持ちに弦太朗が戸惑いを覚える。
「オレは戦う・・邪魔をするなら光輝くん、君を倒すことになってでも・・・!」
「・・・いや、おめぇがそこまで言うなら、オレは邪魔しねぇ。ゾディアーツのスイッチみてぇなやべぇものに振り回されてるわけじゃねぇし・・」
光輝の強い意思を弦太朗は聞き入れた。
「すまない、弦太朗・・・すまないついでに、ここはオレだけでやらせてほしい・・弦太朗たちは先にマーベラスたちと合流してくれ・・・」
「分かった・・光輝もすぐに来いよな・・」
光輝にこの場を任せて、弦太朗はマーベラスたちのところに走り出した。流星も彼を追っていった。
「いいのか、如月!?2人をあのままにして・・!」
「アイツが自分をさらけ出してやろうとしてるんだ。流星、だんだんと自分を見せてきたおめぇみてぇにな・・」
声をかける流星に弦太朗が答える。弦太朗は光輝の真っ直ぐな正義感を信じていた。
士に戦いを挑むため、1人残った光輝。怒りを胸に秘める光輝の前で、士は強気な態度を崩さない。
「お前、この状況が分かっていないな。オレたちが戦う相手は他に・・」
「オレが倒すべき相手はお前だ・・仮面ライダーやスーパー戦隊を弄ばせないために、みんなの夢を守るために、ディケイド、お前はオレが倒す!」
士の言葉をさえぎって、光輝が言い放つ。ディケイドである士を倒すことが正義と夢を守ることになる。光輝の心は純粋で揺るぎないものとなっていた。
「口で言っても分からないガンコなヤツだったな・・その揺るがない考え方だけは、正義のヒーローらしいと言っておいてやる・・」
士はため息まじりに言いかけると、ソードモードのライドブッカーを構える。
「だがオレは正義なんてもののために生きた覚えはない。オレの道はオレが決める。」
「そのためにお前は、何もかもムチャクチャにした・・お前の言う道は止めなければならないんだ・・・!」
士に言い返して、光輝がスピリットカリバーを構える。
「そこまで言うなら止めてみせろ・・オレを死ぬ気で止めてみろ!」
士が言い放って光輝に飛びかかる。彼が振りかざしてきたライドブッカーを、光輝がスピリットカリバーで迎え撃ってぶつけ合う。
光輝と士は一進一退の攻防を繰り広げる。互いの武器の刀身がぶつかり合い、互いの装甲を切り付けて火花を散らす。
「負けられない・・みんなの夢や思いを壊させるわけにはいかない・・・!」
士との戦いの中で、光輝が決意を口にしていく。彼の心には自分自身だけでなく、弦太朗の友情やマーベラスたちの信念が錯綜していた。
「マーベラスたちもスーパー戦隊も、地球や宇宙を救うことの大切さを学んでいた・・自己満足にならずに、自分たちの目指すものに真っ直ぐに向かっていって、他の戦隊たちも彼らを認めてくれている・・・!」
スーパー戦隊の思いも大切にしようとしていた光輝。自由と平和、夢と思いを守ろうとする気持ちが、彼の揺るぎない決意を強めていた。
「そんなみんなの思いを、ムチャクチャにされるわけにはいかないんだ!」
光輝が叫んでスピリットカリバーを振りかざす。士がライドブッカーで受け止めるが、スピリットカリバーに光輝の精神エネルギーが込められていって、押し込まれていく。
「オメガは精神エネルギーを力に変えるクリスタルユニットのライダー・・スピリットフォームになったことで、オメガの力が格段に上がっている・・!」
士が光輝の高まっていくパワーに毒づく。光輝と士が再びスピリットカリバーとライドブッカーをぶつけ合って、つばぜり合いを繰り広げる。
「スピリットフラッシャー!」
光輝が精神エネルギーを光にして放出する。光を受けた士がダメージを負って、ディケイドの装甲から火花が散る。
「だがな、わざわざやられてやるほど、オレはお人よしじゃないんでな・・!」
“Kiba,kamen ride Emperor.”
士がタッチパネル式携帯電話「ケータッチ」を操作すると、彼の隣にエンペラーフォームのキバが現れた。士がライドブッカーを構えるのに合わせて、投影されたキバもザンバットソードを構えた。
士がキバの力を借りて、ライドブッカーを振りかざして紅い光の刃を放つ。
「今のオレは自分だけの正義で動いてはいない・・みんなの思いを背負っているんだ!」
光輝がスピリットカリバーを振りかざして、スピリットスラッシャーを放つ。2つの光の刃がぶつかり合うが、士が光輝に押し切られる。
「ぐっ!」
光の刃をぶつけられて士がダメージを負う。彼はコンプリートフォームになっていても、光輝に太刀打ちできなくなっていた。
「負けられないのはオレも同じだ・・オレはオレの世界を・・!」
「夢を壊したお前は、自分自身の居場所さえも壊してしまったんだ!」
声を振り絞る士に光輝が言い放つ。
「そこまで言い張るなら・・これで決める!」
“Final kamen ride Decade.”
構える士の前に10枚のカードの光が現れる。
「ライダーキック・・仮面ライダーには欠かせないものだ・・・!」
光輝は皮肉を口にして、スピリットカリバーを地面に突き立てた。彼は右足に精神エネルギーを集めて、士と同時にジャンプした。
「スピリットライダーキック!」
光のカードを通過してキック「ディメンションキック」を繰り出す士を、光輝もスピリットスマッシャーで迎え撃つ。2人のキックがぶつかり合い、激しい衝撃をもたらす。
「オレは負けない・・これ以上お前に、世界と夢を壊させてたまるか!」
光輝が一気にエネルギーを上げる。オメガの装甲からあふれる光が強まって、士を押し切っていく。
「ぐっ・・こ、こんな・・!」
光輝の放つ大きな力に押されて、士が床に押し付けられる。
「オレは負けられない・・オレは、ここで立ち止まるわけには・・・!」
「終わらせる!お前の破壊も、全て!」
抗う士を全力で押し込む光輝。光輝のキックと精神エネルギーが爆発を巻き起こして、士がその光の中に消えた。
光が消え、周囲に砂煙が舞う。その中心には息を乱している光輝だけがいた。
「・・・もう2度と現れるな・・どの世界にも・・・!」
噛みしめるように言いかける光輝。彼は士に、ディケイドに本当の仮面ライダーの正義をぶつけたのだった。
砂煙が治まっても、光輝はしばらくその場に立ち尽くしていた。そこへメガブレイバーが駆けつけてきた。
「光輝、大丈夫か・・!?」
メガブレイバーに声をかけられたところで、光輝は我に返って落ち着きを取り戻した。
「メガブレイバー・・オレは大丈夫だ・・力を使いすぎただけだ・・・」
「そうか・・それならいいんだが・・・」
呼吸を整える光輝にメガブレイバーが答える。
「こうするべきだったんだ・・アイツを野放しにすれば、アイツに仮面ライダーだけでなく、スーパー戦隊もムチャクチャにされてしまうところだった・・・」
「光輝・・・」
「行こう、メガブレイバー・・弦太朗くんやマーベラスたちが待っている・・・」
光輝がスピリットカリバーを地面から引き抜いて、メガブレイバーに乗る。スピリットフォームとなっているオメガの力を受けて、メガブレイバーが強化、変身をして「スピリットブレイバー」となった。
光輝はスピリットブレイバーを走らせて、弦太朗たちを追いかけていった。
シャドームーンとの戦いを終えたマーベラスたちに、弦太朗と流星が合流してきた。
「こっちは何とか終わらせてきたぜ。」
「バスコをやっつけてきたか。さすがだな。」
声をかけてきた弦太朗に、マーベラスが不敵な笑みをこぼした。
「光輝はどうしたの・・?」
「あぁ・・それなんだが・・」
ドンの質問に流星が答えようとしたときだった。
「まさかバスコとシャドームーン、数多くのライダー、戦隊、怪人を打ち倒すとは・・」
弦太朗たちの前にネクロマンサーガルヴォルスが現れた。
「偽者のライダーや戦隊、1度死んだヤツらを何度呼び出しても、オレたちに勝てるわけねぇだろ。」
「手品はおしまいよ。あの世に送り返してやるから。」
マーベラスとルカがネクロマンサーガルヴォルスに言い放つ。しかしネクロマンサーガルヴォルスは追い詰められた様子を見せていない。
「私の死者蘇生の能力はこの程度ではない。スーパー戦隊が戦った相手は、等身大だけではないぞ。」
ネクロマンサーガルヴォルスが死神の鎌を手にして振りかざす。鎌の刃からエネルギーがあふれ出すと、弦太朗たちのいる広場が揺れ出した。
「な、何だ!?何をしやがったんだ!?」
声を荒げる弦太朗。マーベラスがネクロマンサーガルヴォルスに駆け寄ろうとするが、ネクロマンサーガルヴォルスは飛び上がって姿を消してしまった。
「待て!逃げる気か!」
「外に出るがいい!あの世に行くのはお前たちのほうだ!」
言い放つマーベラスにネクロマンサーガルヴォルスも言葉を返す。彼らは地下から外に向かった。
バスコの呼び出したスーパー戦隊を撃破した歴代の仮面ライダーたち。光輝たちの帰還を待っていたRXたちだったが、彼らの前に現れたのは巨大な敵だった。
巨大化したJとスカルライダー、ピカリ眼、ザイエンが立ちはだかった。倒されたはずのザイエンたちだったが、ネクロマンサーガルヴォルスの力でまた再生して巨大化されたのである。
「倒したはずの怪人たちが巨大化した・・・!」
「またコレかよ!だからそんなんじゃ攻撃できねぇって!」
声を上げるRXと電王。巨大化したザイエンたちに、仮面ライダーたちは大きさの差から太刀打ちできなくなっていた。
「仮面ライダーの諸君、お前たちの命運もここまでだ。我々の手で葬り、改造して手駒にしてくれる。」
「あたしが踏んづけてペシャンコにしちゃうんだからー♪」
不敵な笑みを浮かべるザイエンと、明るく振る舞うピカリ眼。ピカリ眼が出してきた右足から、電王が慌ててよける。
「おい、コラ!あぶねぇじゃねぇか!」
「危なくて当然じゃない。あたし、踏みつぶそうとしてんだから。」
怒鳴る電王をあざ笑うピカリ眼。JもスカルライダーもRXたちに詰め寄ってきた。
「たとえどのような相手でも、オレたちは逃げたり諦めたりしない。たとえこの身が砕けようとも、お前たちの好きにはさせない!」
RXが言い放ち、V3たちもザイエンたちに立ち向かおうとしていた。
「強がりはするな。ここはオレたちに任せろ。」
そこへマーベラスたちが現れて、RXたちに声をかけてきた。
「おいおい、ちょっと待て!人の獲物、勝手に横取りすんな!」
「今のありさまでまともに戦えるのか?ここはオレたちにやらせてもらうぞ。」
不満の声を上げる電王に、ジョーが言葉を返す。マーベラスがモバイレーツを取り出してボタンを押す。
“ゴーーカイガレオン!”
マーベラスに呼ばれてゴーカイガレオンが駆けつけた。彼ら5人はつるされたロープをつかんでガレオンに乗り込んだ。
「オレも行きますよー!来い、豪獣ドリル!」
“発進!ゴージュードリル!”
鎧がゴーカイレルラーのボタンを押して、ドリルタンク「豪獣ドリル」を呼び出して乗り込んだ。
ゴーカイガレオンからゴーカイマシン「ゴーカイジェット」、「ゴーカイトレーラー」、「ゴーカイレーサー」、「ゴーカイマリン」が発進して、ガレオンと変形、合体をする。
「完成!ゴーカイオー!」
ゴーカイガレオンと4機のゴーカイマシンが合体して、人型のロボ「ゴーカイオー」となった。
“ゴージューレーックス!”
豪獣ドリルが変形して、ティラノザウルス型の「豪獣レックス」となる。
「完成!豪獣レックス!」
鎧の乗る豪獣レックスがゴーカイオーに並び立つ。
「ゴーカイジャーが立ちふさがるか。今度こそお前たちを葬り去ってくれる。」
ザイエンが笑みをこぼして、ゴーカイオーと豪獣ドリルに向けてビームを放つ。2機がビームをかわすが、ピカリ眼とJ、スカルライダーが立ちはだかった。
「さっきはやってくれちゃったけど、今度はあたしがボッコボコにしちゃうんだからね!」
ピカリ眼がゴーカイオーに襲いかかる。マーベラスたちの操縦でゴーカイオーがピカリ眼を押し返すが、ピカリ眼が目からビームを放ってきた。
「うわっ!」
ゴーカイオーが爆発に襲われて、マーベラスたちが声を上げる。
「大きくなっただけじゃない・・予想以上にパワーアップしてる・・・!」
「あの怪人がパワーを送ったのでしょうか・・・!?」
ドンとアイムが声を荒げる。ピカリ眼がさらに目を光らせて、ゴーカイオーの周りに爆発を起こしていく。
「ボンボンやりやがって・・来い、風雷丸!」
マーベラスがゴーカイオーの舵にハリケンジャーのレンジャーキーを差し込んだ。すると空からカラクリ武者「風雷丸」が駆けつけてきた。
「古代の妖怪のようだが、心配ご無用!この風雷丸が成敗いたす!」
風雷丸が巨大な手裏剣を手にしてピカリ眼に向かっていく。
「今のあたしは一味違うよ〜♪ピカピカピカリン!」
ピカリ眼が風雷丸に向けて目を光らせてきた。光を受けた風雷丸が突然動きを止めた。
「どうしたんだ、風雷丸・・!?」
ドンが声をかけるが、風雷丸は立ったまま反応しない。
「さー、ゴーカイジャーをやっつけちゃって!同士討ちよ!」
ピカリ眼が呼びかけると、風雷丸がゴーカイオーに振り返って飛びかかってきた。彼の振り下ろした手裏剣を受けて、ゴーカイオーが火花を散らす。
「おい、何やってんだ、風雷丸!?敵はあっちだぞ!」
マーベラスが怒鳴るが、風雷丸は彼の言うことを聞かずに襲い掛かってくる。
「ムダムダ!そいつはもうあたしの言いなりなんだから♪」
ピカリ眼が大喜びする前で、風雷丸がゴーカイオーに迫る。
「もしかして、操られているのではないでしょうか!?あの土偶さんの目の光を浴びてからです!」
「カラクリ忍者にそんなカラクリをするなんて・・!」
アイムとルカも声を上げる。
「こうなったら、忍者には忍者だ!来い、ニンジャマン!」
マーベラスが舵にカクレンジャーのレンジャーキーを差し込んだ。カクレンジャーとともに妖怪と戦った戦士、ニンジャマンが筋斗雲に乗って現れた。
「正義の味方、ニンジャマン!」
ニンジャマンが背中に背負っていた刀「ニンジャソード」を手にして、ピカリ眼に目を向ける。
「また古風な妖怪が出てきたな!このニンジャマンが成敗してやるぞ!」
「みんなして妖怪呼ばわりしちゃってー!あたしは土偶だっての!」
言い放つニンジャマンにピカリ眼が不満を見せる。彼女に操られた風雷丸がニンジャマンの前に立ちふさがった。
「お前は風雷丸!?何で敵になっている!?」
ニンジャマンが驚きの声を上げるが、風雷丸は耳を貸さずに手裏剣を振りかざしてきた。ニンジャマンがニンジャソードで手裏剣を受け止める。
「くっ!あの妖怪に操られているのか・・!」
ニンジャマンがピカリ眼に目を向けて毒づく。加勢に出るゴーカイオーだが、Jが立ちはだかってきた。
風雷丸に攻撃をすることができないニンジャマン。彼は風雷丸の手裏剣に立て続けに切り付けられていく。
一方的に攻め込まれて倒れるニンジャマン。呼吸を乱す彼を、ピカリ眼が見下ろしてあざ笑ってきた。
「おやおや?最初の威勢はどうしちゃったの〜?」
「くそー・・卑怯なマネをしているくせに・・!」
「よわっちいのに調子に乗ってんじゃねぇよ!この青ダルマの青二才!」
「何っ・・・!?」
ピカリ眼が口にした言葉がニンジャマンの逆鱗に触れた。
「うわー!それを言ったらダメだー!」
鎧が慌ただしく声を上げるが、既に手遅れだった。
「青二才・・青二才だとー!?それを言っちゃあおしめぇよー!」
怒鳴り声を上げたニンジャマンの目に怒りの炎がともった。
「海より広いオレの心も、ここらが我慢の限界でーい!怒り爆発!」
ニンジャマンの体が変形し、鎧武者のような姿となった。
「ウソッ!?変身した!?どうなってんのよ!?」
「これがオレの真の姿、サムライマンだ!」
驚きの声を上げるピカリ眼の前で、ニンジャマンが変身したサムライマンが言い放つ。サムライマンがニンジャソードの柄に鞘を組み合わせて、「サムライジャベリン」にした。
「この姿になったオレは、誰だろうと止められないぞ!」
ピカリ眼に操られて襲い掛かってきた風雷丸を、サムライマンが足を出して蹴り飛ばした。風雷丸が倒れている間に、サムライマンがピカリ眼に向かっていく。
「こうなったら、あたしがやっつけてやる!」
ピカリ眼が目からビームを出すが、サムライマンはジャンプしてビームをかわす。下りてきた勢いでサムライマンがサムライジャベリンをピカリ眼に振り下ろす。
「うわっ!」
切られてダメージを負うピカリ眼を、サムライマンが立て続けに切り付けていく。一気にダメージを大きくして、ピカリ眼が倒れる。
「これでもくらえ!必殺!サムライ激怒斬り!」
サムライマンがサムライジャベリンを振り下ろして、ピカリ眼を切り付けた。切り付けられたピカリ眼が激しく横転する。
「今だ、ゴーカイジャー!」
サムライマンがゴーカイオーを動かしているマーベラスたちに声をかけてきた。
「レンジャーキー、セット!」
マーベラスたちがシンケンジャーのレンジャーキーをセットする。ライオン型パワーアニマル「ガオライオン」が駆けつけて分離し、ゴーカイオーと合体した。
「完成!シンケンゴーカイオー!」
侍を思わせる姿の形態「シンケンゴーカイオー」となり、長刀「ゴーカイナギナタ」を手にする。
「ゴーカイ侍斬り!」
ゴーカイオーが炎をまとったゴーカイナギナタをピカリ眼目がけて振り下ろした。
「うわあっ!またやられちゃうなんてー!」
絶叫を上げて倒れたピカリ眼が爆発を引き起こした。彼女が倒れたことで、操られていた風雷丸が元に戻った。
「これは・・拙者はいったい・・!?」
「おぉ・・目が覚めたか、風雷丸・・!」
困惑を見せる風雷丸に、サムライマンから元に戻ったニンジャマンが声をかけた。
「おぬしに助けられた・・感謝するぞ、ニンジャマン殿・・!」
「困っているときはお互い様だ・・」
謝意を見せる風雷丸にニンジャマンが言葉を返した。
巨大化した怪人たちを相手にするマーベラスたちを、ネクロマンサーガルヴォルスは地上から見守っていた。
「大きくして力を与えても、力を結集させたゴーカイジャーには太刀打ちできないか・・」
ゴーカイジャーが発揮するスーパー戦隊の大いなる力を実感するネクロマンサーガルヴォルス。
「もはや私が直接葬り去るしかなさそうだ・・」
「こんなとこにいたか・・!」
怪人たちに加勢しようとしたところで、ネクロマンサーガルヴォルスが声をかけられる。彼の前に弦太朗と流星が現れた。
「フォーゼとメテオ・・こうも早く見つけてくるとは・・」
左腕にレーダーを装備して探し出してきた弦太朗に、ネクロマンサーガルヴォルスが振り返る。
「今回の事件の黒幕、このオレ、仮面ライダーフォーゼが、タイマン張らせてもらうぜ!」
「死んだヤツを散々呼び起こしてきたようだが、今度はお前の番だ。お前の運命は、オレが決める・・!」
弦太朗と流星が高らかに言い放つ。2人のライダーをネクロマンサーガルヴォルスが迎え撃とうとしていた。