オメガ×フォーゼ×ゴーカイジャー

スーパーヒーロー列伝

第12章

 

 

“ゴージュージン!”

「完成!豪獣神(ごうじゅうじん)!」

 豪獣レックスが変形して、人型の「豪獣神」となった。豪獣神が繰り出すパンチとドリルが、スカルライダーに命中していく。

 追い込まれたスカルライダーがジャンプして、豪獣神に向かってキックを繰り出してきた。

「負けるか!豪獣トリプルドリルドリーム!」

 豪獣神が3形態に分身してドリルを繰り出す。スカルライダーがドリルを受けて、爆発を起こした。

「やった!やりました!」

 鎧がスカルライダーを倒したことを喜ぶ。そんな豪獣神にゴーカイオー、風雷丸、ニンジャマンが合流する。

「鎧、もっとド派手に突っ走るぞ!」

「了解でーす!」

 マーベラスの呼びかけに鎧が答える。

「来い、マッハルコン!」

「バリバリー!」

 マーベラスの呼びかけで、炎神「マッハルコン」がゴーカイオーたちの前に駆けつけた。

「またおかしな世界に呼んでくれたもんだぜ。だが相手が悪の怪人なら構わねぇぜ!」

「そうこなくちゃな・・海賊合体!」

 意気込みを口にするマッハルコンに、マーベラスが呼びかける。ゴーカイオーと豪獣神、マッハルコンが合体して、1体の人型のロボとなった。

「完成!カンゼンゴーカイオー!」

 3体が合体した「カンゼンゴーカイオー」が、ザイエンとJの前に降り立った。

 Jがゴーカイオーに向かってパンチを繰り出す。ゴーカイオーが回避と迎撃のパンチで、Jの攻撃をかいくぐっていく。

「これがオレたちの、スーパー戦隊の大いなる力だ!」

 マーベラスが言い放ち、パンチを繰り出してきたJをゴーカイオーもパンチで迎え撃つ。ゴーカイオーのパワーに押し切られて、Jが突き飛ばされる。

「ゴーカイカンゼンバースト!」

 ゴーカイオーが左手「ゴーカイビックハンド」を飛ばしてJにぶつける。ダメージを負ったJだが、立ち上がってジャンプする。

「とどめだ!」

「レンジャーキー、セット!」

 マーベラスたちが舵にレンジャーキーを差し込む。ガオライオンと風雷丸、マジレンジャーのマジドラゴンとデカレンジャーのパトストライカーがJに向かっていく。

「ゴーカイカンゼンスーパーバースト!」

 続けてゴーカイビックハントを飛ばすゴーカイオー。スーパー戦隊の大いなる力を結集させたゴーカイオーの攻撃に、キックを繰り出すJは打ち負かされて爆発を起こした。

「やった!これでバスコに呼び出されたライダーを倒したはずだ・・!」

「残るはアイツだけだな・・さぁ、どうする!」

 ドンが喜びの声を上げて、マーベラスがザイエンに向けて言い放った。

 

 フォーゼ、コズミックステイツの弦太朗とメテオストームの流星に、ネクロマンサーガルヴォルスは追い込まれていた。

「全ての力を結集させる姿が、ここまでの力を発揮するとは・・・!」

 ネクロマンサーガルヴォルスが死神の鎌を振りかざして、光の刃を飛ばす。だが弦太朗と流星が振りかざしたバリズンソードとメテオストームシャフトに弾き飛ばされる。

「諦めろ。お前はここでオレたちに倒される。それ以外の末路はない・・!」

 流星がネクロマンサーガルヴォルスに向けて強く言い放つ。

「そう簡単にやられてたまるものか・・・!」

 ネクロマンサーガルヴォルスが再び鎌を振りかざして刃を飛ばす。流星が刃を弾く間に、ネクロマンサーガルヴォルスが2人から離れようとした。

 そこへ光輝がスピリットブレイバーに乗って走り込んできた。スピリットブレイバーのスピードのある突進で、ネクロマンサーガルヴォルスが突き飛ばされた。

「光輝!」

「遅れてすまない!オレも戦いに加わる!」

 声をかける弦太朗に光輝が呼びかける。スピリットブレイバーから降りた光輝が、弦太朗、流星とともにネクロマンサーガルヴォルスに目を向ける。

「これで逃げることもできなくなったな。もうオレたちに倒されるしかないぞ。」

 流星が再び言いかけて、メテオストームシャフトをネクロマンサーガルヴォルスに向ける。しかしネクロマンサーガルヴォルスは追い込まれた様子を見せていなかった。

「これで勝ったと思わないことだ。私の力は、死んだ者を生き返らせて強くするだけではない。」

 ネクロマンサーガルヴォルスが死神の鎌を空に掲げた。

「仮面ライダーとスーパー戦隊、お前たちに倒された怪人たちの力を集めて、私自身を強化する!」

 地中や空から怪人たちの力を呼び寄せて、鎌や自分の体に取り込んでいくネクロマンサーガルヴォルス。光を宿していく彼の体が大きくなっていく。

「これは、まさか・・!?

「おいおいおい、マジかよ!?

 声を荒げる光輝と弦太朗。力を吸収したネクロマンサーガルヴォルスが巨大化した。

「私は死者を司る存在!よみがえらせるだけでなく、死者の力を自分に取り込むこともできるのだ!」

 ネクロマンサーガルヴォルスが高らかに言い放って、死神の鎌を振りかざす。鎌の刃からエネルギーが放出されて、光輝たちのいる場所の地面から爆発を起こしていく。

「うわっ!」

 爆発に吹き飛ばされて、弦太朗と流星が跳ね飛ばされる。光輝もスピリットブレイバーを走らせて、爆発をかいくぐろうとする。

「ぐあっ!」

 だが爆発をさけることができずに、光輝も吹き飛ばされて横転する。

「このままではやられてしまうのも時間の問題だ・・!」

「しかし、大きさが違いすぎる・・攻撃や接近を仕掛ける前に迎撃されてしまう・・!」

 声を荒げる光輝と流星。ネクロマンサーガルヴォルスがザイエンと対峙しているゴーカイオーに振り返る。

「まずはゴーカイジャーから始末するとしよう。スーパー戦隊の力を結集させる能力は厄介だからな・・」

 ネクロマンサーガルヴォルスがゴーカイオーに向けて鎌を振りかざしてきた。

「来るぞ!」

 ジョーが呼びかけ、ゴーカイオーがネクロマンサーガルヴォルスの鎌を左手で受け止める。だが受け止められた鎌の刃からエネルギーが放出される。

「ぐあっ!」

「キャッ!」

 ゴーカイオーの胴体から爆発が起こり、マーベラスたちが声を上げる。怯んだゴーカイオーをネクロマンサーガルヴォルスが鎌で切り付けていく。

「なんてパワーだ・・カンゼンゴーカイオーが押されるなんて・・・!」

「反撃に出ないとやられてしまいます・・・!」

 鎧とアイムが声を上げる。ゴーカイオーが右手の「カンゼンドリル」をネクロマンサーガルヴォルスの体に突き立てる。

 押されるネクロマンサーガルヴォルスだが、ダメージを受けてはいなかった。

「効いてないの・・・!?

 驚きの声を上げるルカ。ネクロマンサーガルヴォルスが鎌を掲げて光線を放って、ゴーカイオーにぶつける。

「くっ・・ここまで高いパワーを出してくるとは・・・!」

「今の私は倒された怪人たちのパワーを取り込んでいる!いくらスーパー戦隊の力を結集させることのできるお前たちゴーカイジャーであろうと、このパワーを止めることはできない!」

 毒づくマーベラスに、ネクロマンサーガルヴォルスが言い放つ。

「仮面ライダーなど今の私の大きさに対応できない。ゴーカイジャー、お前たちを葬ったら、ヤツらも後を追わせてやるぞ。」

 ネクロマンサーガルヴォルスが言い放って、鎌を振りかざして光を放つ。ゴーカイオーが光をぶつけられて、マーベラスたちはピンチに立たされた。

 

 マーベラスたちをピンチに追い込んでいたネクロマンサーガルヴォルスに、光輝たちは手も足も出なくなっていた。彼らは同じくマーベラスたちを援護できないでいるV3たちと合流した。

「無事だったんですね、先輩たち・・!」

「見ての通り、バスコの呼び出したスーパー戦隊は全員撃破した。みんなが駆けつけてきてくれたおかげだ・・」

 声をかけてきた光輝にV3が答える。1号からオーズまでの歴代の仮面ライダーたちが頷いていたが、その中にはディケイドの姿はなかった。

「士は戦隊との戦いが終わった途端に突然消えてしまった・・自分が作った分身と入れ替わったんだろうな・・」

 クウガが士のことを口にしていた。彼のことを耳にして、弦太朗と流星が困惑を覚える。

「本物のディケイドは、オレが倒した・・」

 光輝が振り絞るように声をかけてきた。彼が口にした言葉に、クウガたちが驚きと動揺を覚える。

「世界の破壊者だから、ディケイドを倒したのか・・・?」

「その理由よりも、夢の破壊者だったからです・・アイツがいるだけで、みんなの夢が壊れていくことになるから・・仮面ライダーとスーパー戦隊、最高のヒーローたちを応援してくれる、みんなの夢が・・・」

 1号の問いかけに光輝が答える。光輝は夢のためにディケイドを倒したことを後悔していなかった。

「夢を守るために、か・・だが夢を守る戦いは、まだ終わってはいない・・・」

 RXに呼びかけられて、光輝が振り返る。ネクロマンサーガルヴォルスがゴーカイオーを追い詰めていた。

「くっ・・せめてあのぐらいにまで大きくなれれば・・・!」

「それならオレに任せろ!体力も回復してきた!」

 光輝が焦りを見せたところで、Jが声をかけてきた。

「大自然の精霊たちよ、オレに力を貸してくれ!」

 大自然の精霊の力を体に受けて、Jは巨大化をした。

「すっげー!派手にブッ倒しちまえ!」

 電王が喜びの声を上げる。Jがゴーカイオーに加勢しようとネクロマンサーガルヴォルスに向かっていく。

「お前の相手はこの私だ。」

 だがザイエンが行く手をさえぎり、Jに向けて爪を振りかざしてきた。爪をかわして反撃に出るJだが、ザイエンを退けることができず、マーベラスたちに援護に向かえない。

「アイツも足止めされちまった・・!」

「おいおい、何かいい方法はないのか、フィリップ!?

“Wに大きくなる能力はないよ、翔太郎・・”

 電王と翔太郎が声を荒げて、フィリップが淡々と答える。

「ここまで来て・・オレたちは何もできないのか・・何とか、マーベラスたちの力に・・・!」

 諦めきれない光輝は、スピリットカリバーに乗り込んで走り出した。

「光輝!・・よし、オレも!」

 弦太朗もマシンマッシグラーに乗って、光輝とともにマーベラスたちの援護に向かった。

 

 ネクロマンサーガルヴォルスの強力なパワーに押されて、ゴーカイオーは反撃もままならなくなっていた。

「まずいよ・・カンゼンゴーカイオーのパワーが落ちてきてる・・!」

「このままやられてたまるか・・必ず逆転して・・!」

 声を荒げるドンとマーベラス。ダメージが大きくなっているゴーカイオーに、ネクロマンサーガルヴォルスが詰め寄ってきた。

「そろそろとどめと行こう。覚悟するがいい、ゴーカイジャー。」

「そうはいくか!・・オレたちは全てのスーパー戦隊の力と魂を預かってるんだ!」

 低く告げるネクロマンサーガルヴォルスに、マーベラスが声を張り上げる。

「それにオレたちは今回、仮面ライダーっていうヤツらの存在を知ることができた・・そいつらのためにも、オレたちは負けるわけにいかねぇんだ!」

 光輝たち仮面ライダーたちの思いを心に宿して、マーベラスが叫んだ。

 そのとき、マーベラスと鎧の手に光が現れた。2人が広げた手の中にあった光は、それぞれ鍵の姿となった。

 その姿かたちはオメガとフォーゼとそっくりだった。

「これは・・!?

「もしかして、オメガとフォーゼのライダーキー・・!?

 声を上げるマーベラスとフォーゼ。オメガとフォーゼのライダーキーが誕生して、2人の手の中に現れたのである。

「どういうことか分からねぇが、使ってみるか・・!」

 マーベラスが疑問を振り切って、ライダーキーを使うことを決意する。

「ライダーキー、セット!」

 マーベラスと鎧が舵にオメガとフォーゼのライダーキーをセットした。

 

 スピリットブレイバーとマシンマッシグラーに乗って、マーベラスたちのところに向かっていた光輝と弦太朗。その途中、2人の体が突然光に包まれた。

「これは・・!?

「いったい、どうしたっていうんだ・・!?

 光輝と弦太朗が体の光に驚く。2人の体が宙に浮かびあがり、スピリットブレイバーとマシンマッシグラーから離れていく。

「おいおい、どうなってんだ、オレたち!?うわあっ!」

 悲鳴を上げる弦太朗。彼と光輝を包む光が強まって、ゴーカイオーに向かって飛んでいった。

 2つの光はゴーカイオーの前に来たところで一気に大きくなった。光が消えると、大きくなった光輝と弦太朗が立っていた。

「えっ!?・・オレたち、大きくなった・・・!?

「夢じゃねぇ・・オレたち、マジで大きくなっちまってるぞ!」

 動揺を覚える光輝と、喜びを見せる弦太朗。2人はゴーカイオーと同じ大きさになっていた。

「2人が大きくなった・・これが、このライダーキーの力か・・!」

 マーベラスが光輝と弦太朗の巨大化に笑みをこぼした。

「何だかよく分かんねぇが、これで助太刀ができるぜ!」

 弦太朗が喜びを見せて、ネクロマンサーガルヴォルスに振り向く。

「仮面ライダーオメガ!」

「ビックフォーゼ、みんなの絆で、宇宙をつかむ!」

 光輝と弦太朗がネクロマンサーガルヴォルスに向けて高らかに言い放つ。巨大化した2人に、ネクロマンサーガルヴォルスが苛立ちを感じていた。

Jだけでなく、オメガとフォーゼも巨大化しただと!?・・2人には巨大化する能力はなかったはずだ・・!」

「これが、仮面ライダーとスーパー戦隊、2大ヒーローが作り出した絆の強さだ!」

 声を上げるネクロマンサーガルヴォルスに、光輝が言い放つ。

「ライダーと戦隊の絆!?・・それがお前たちに、新たな力を与えたというのか!?

「さぁな・・だけど、そういうのだったらいいなってオレは思うぜ!」

 声を荒げるネクロマンサーガルヴォルスに、弦太朗も喜びの声を上げた。

「さぁ、こっから反撃開始だ!ド派手に突っ走るぜ!」

 マーベラスが強気に言い放つ。ゴーカイオーが光輝、弦太朗の横に並んでから、ネクロマンサーガルヴォルスに向かっていく。

「2人が加わった程度で調子に乗るな!」

 ネクロマンサーガルヴォルスが鎌を振りかざすが、ゴーカイオーにかわされる。ゴーカイオーがネクロマンサーガルヴォルスに組み付いたところで、光輝が飛び出した。

 光輝が繰り出すパンチがネクロマンサーガルヴォルスに叩き込まれていく。

「よっしゃ!オレも行くぜ!」

 弦太朗も飛び出して、ネクロマンサーガルヴォルスに向かって飛びかかる。光輝と一緒に攻撃する弦太朗に、ネクロマンサーガルヴォルスが押されていく。

「こんなことが・・だが私は、多くの怪人の力を取り込んでいるのだ・・お前たちに負けることが、あるはずがない!」

「ホントの友情ってもんが分かってねぇおめぇに、オレたちの友情を壊すことはできねぇ!」

 声を荒げるネクロマンサーガルヴォルスに、弦太朗が高らかに言い放つ。

「どんな巨大な敵が現れても、仮面ライダーとスーパー戦隊がいる限り、好きにはさせないぞ!」

「おのれ・・ならば力をさらに集めて、お前たちをまとめて葬り去る!」

 光輝が言い放つと、ネクロマンサーガルヴォルスが鎌を掲げて、エネルギーを集め出した。

 

 Jの足止めをしていたザイエンだが、逆にJのパワーに追い込まれていた。

「これが、自然の精霊の力だというのか・・!?

「大自然の精霊たちだけの力ではない・・仮面ライダー、そしてスーパー戦隊の力が、オレを後押ししてくれている!」

 うめくザイエンにJが言い放つ。Jが大きくジャンプして、突き出した右足にエネルギーを集める。

 ザイエンが両手からビームを放出するが、Jの繰り出す「ジャンボライダーキック」がビームを弾いて、ザイエンに叩き込まれた。

「この私が・・この私があぁ!」

 絶叫を上げるザイエンが爆発を起こして倒れた。力を消耗したJが元の大きさに戻った。

「オレの、オレたちの戦いはここまでのようだ・・・」

 Jが光輝たちの姿を見守り、他のライダーたちと合流した。

「後はオメガとフォーゼ、ゴーカイジャーに任せよう・・」

「彼らなら、必ず何とかしてくれるでしょう・・」

 V3の呼びかけにRXJが頷いた。彼らは光輝たちの勝利を信じて、見守ることにした。

 

 死神の鎌に死んだ怪人のエネルギーを集めて、ネクロマンサーガルヴォルスが光輝たちに向けて放つ。放たれる閃光が爆発を起こして、光輝たちを追い込んでいく。

「どうした!?さっきの威勢はどこへ行った!?

 笑い声をあげながら、さらに閃光を放つネクロマンサーガルヴォルス。マーベラスたちは彼が異変を起こしていることに気付いていた。

「アイツ、最初の冷静さがなくなってきている・・」

「パワーを取り込みすぎて、制御できなくなってるみたいね・・」

 ジョーとルカがネクロマンサーガルヴォルスの様子を見て言いかける。

「何にしても、どんな攻撃してきても、オレたちには通用しねぇってことだ!」

 マーベラスが言い放って、ゴーカイオーがネクロマンサーガルヴォルスに狙いを定める。

「レンジャーキー、セット!」

 ドンとジョーがチェンジマンとマスクマンのレンジャーキーをセットする。

「ゴーカイオーラバズーカ!」

 チェンジマンのアースフォースとマスクマンのオーラパワーを掛け合わせたエネルギー弾を発射するゴーカイオー。ネクロマンサーガルヴォルスがエネルギー弾を受けて、その拍子で集めていたエネルギーを拡散させてしまう。

「集めた力が・・こんなことが・・・!」

「このまま攻めていきますよ!」

 ネクロマンサーガルヴォルスがうめく中、アイムが呼びかける。

「レンジャーキー、セット!」

 ルカとアイムがダイナマンとジェットマンのレンジャーキーをセットした。光輝、弦太朗と交戦しているネクロマンサーガルヴォルスに向かうゴーカイオーが、巨大な火の玉となった。

「ゴーカイスーパーダイナマイト!」

 火の玉となったゴーカイオーがネクロマンサーガルヴォルスに突進する。ネクロマンサーガルヴォルスが倒される中、火の玉となっていたゴーカイオーがそのまま火の鳥となる。

「ゴーカイジェットフェニックス!」

 火の鳥となったゴーカイオーが再びネクロマンサーガルヴォルスに突進した。ネクロマンサーガルヴォルスは集めていたエネルギーをほとんど拡散させてしまっていた。

「そろそろフィニッシュを決めるとしようぜ!」

「だったらおめぇらにふさわしいやり方でやってやるぜ!」

 弦太朗が意気込みを見せると、マーベラスが強気な態度で言ってきた。

「ライダーキー、セット!」

 マーベラスと鎧が再びオメガとフォーゼのライダーキーをセットした。大きくジャンプしたゴーカイオーの右足にエネルギーが集まっていく。

「そういうことか・・ならオレたちも!」

 光輝が言い放ち、続いて空高くジャンプする。

「これがオレたちの、仮面ライダーとスーパー戦隊の友情だ!」

Limit break.”

 弦太朗もジャンプして、ネクロマンサーガルヴォルスに向けて右足を突き出した。

「ジャンボスピリットライダーキック!」

「ライダージャンボコズミックキック!」

「ゴーカイレンジャーキック!」

 光輝、弦太朗、ゴーカイオーがエネルギーを集めたキックを繰り出した。彼らのキックがネクロマンサーガルヴォルスに叩き込まれた。

 ネクロマンサーガルヴォルスが地面に叩き落とされて、体から稲妻のような光をあふれさせていた。

「これが、仮面ライダーとスーパー戦隊の、本当の力・・・これほどまでとは・・・」

 決定打を受けたネクロマンサーガルヴォルスが、声を振り絞った直後に倒れた。彼の宿していたエネルギーが爆発を引き起こした。

「やったー!やりましたよー!」

「へっ。ま、こんなもんだ。」

 喜びを見せる鎧と笑みをこぼすマーベラス。

「よっしゃあー!オレたちの勝利だぜー!」

 同じく喜びを見せる弦太朗。彼がマーベラスたちの乗るゴーカイオーと、拳をぶつけ合って結束を確かめ合った。

 次の瞬間、光輝と弦太朗の体から再び光があふれ出した。2人の体が小さくなって、元の大きさに戻った。

「戻ったか・・何で大きくなれたか分かんねぇけど、これで乗り切れたな・・」

 元に戻ったことを実感して、弦太朗が笑みをこぼす。だが彼は光輝が勝利を実感しきれていないことに気付く。

「どうした?勝ったってのに嬉しくねぇのか?」

「いや・・勝って嬉しいはずだ・・怪人たちを倒して、ディケイドも倒したのに・・・」

 弦太朗が声をかけるが、光輝は納得できない様子を見せる。

「アイツを倒さなければ、みんなの夢が壊される・・だからオレは・・・」

「夢を守るために戦ったんだろ?」

 自分に言い聞かせていた光輝に声をかけてきたのは、降りてきたマーベラスたちだった。彼らはここで変身を解いた。

「夢を壊されたくなかったから戦った。そいつに悪いことなんかないと思ったんだろ?」

「それは、そうだけど・・・」

「世界の平和ってヤツを守ることが、夢を守ることになる。そう思ったから、おめぇは今まで戦ってきた。だから今のおめぇがある・・」

 マーベラスからの励ましの言葉を受けて、光輝が戸惑う。彼は自分が貫いてきた正義を思い返していく。

 オメガになってから、光輝は戦うことと本当の正義について考え、悩まされてきた。数々の苦難を乗り越えて、彼は本当の正義が何なのかを見出すことができた。

「自分を見失ったり自分勝手になってなけりゃ、それは確実に間違ってるとはいえねぇよ・・」

「そういうものか・・僕は今までオメガとして戦ってきて、自由と平和、夢のために戦うことを学んで貫いてきたじゃないか・・」

 迷いを振り切った光輝に、マーベラスが不敵な笑みを見せた。ジョーたちも弦太朗も笑みをこぼしていた。

「昔のことを蒸し返すのは悪いことじゃないが、前に向かって進んだほうがワクワクするってもんだ。なぜならその先に・・」

 マーベラスがジョーたちと一緒に空を見上げた。

「ビックリするようなお宝が待ってるからな・・」

「お宝・・そういえば君たちは海賊だったね・・・」

 遠くで待っている宝や冒険を楽しみにするマーベラスたちに、光輝も笑みをこぼした。

「海賊やスーパー戦隊って違いはあるけど、オレたちの友情は本物だぜ。」

 弦太朗が笑顔を見せて、光輝たちとの友情を分かち合う。

「友情か・・確かにスーパー戦隊は、メンバー同士のチームワークが大事だね・・」

「今回も歴代の戦隊の力を借りちゃったしね・・」

 ドンとルカが笑みをこぼして、ジョーとアイムが頷く。

「地球や宇宙、夢を守るのは、スーパー戦隊も仮面ライダーも同じです。これからもがんばっていきましょう。」

「お互いの健闘ってヤツを祈るとするか。それぞれの夢のためにな・・」

 鎧とマーベラスが言いかけると、光輝と弦太朗が頷いた。光輝、弦太朗、マーベラスが握り拳を出して打ち付け合った。

「さて、戻るとするか、オレたちの世界へ・・」

 マーベラスがジョーたちとともにゴーカイガレオンに戻ろうとする。

「またどこかで会えるか・・・?」

 光輝が声をかけると、マーベラスが足を止めて振り向いて、不敵な笑みを見せてきた。

「オレたちの友情は本物、なんだろ?だったら会うときになったらまた会うことになるさ・・」

「マーベラス・・・僕は信じているよ・・みんなとまた会えることを・・・」

「オレも信じるぞ!仮面ライダーもスーパー戦隊も、かけがえのないオレのダチだ!」

 マーベラス、光輝、弦太朗が言葉を交わす。マーベラスたちがゴーカイガレオンに乗り込んだ。

 空間のトンネルを通って自分たちの世界に戻っていったマーベラスたちを、光輝と弦太朗は見送った。

「行ったか、ゴーカイジャーは・・」

 そこへV3RXと一緒に現れて、光輝と弦太朗に声をかけてきた。他の仮面ライダーたちも合流してきた。

「自由と平和、夢を守ること、その正義と魂が未来へ受け継がれていくこと・・オレたち仮面ライダーだけでなく、スーパー戦隊にもある・・」

「みんなにも伝えていきましょう。それがオレたちヒーローの使命でもあります・・」

 仮面ライダーとスーパー戦隊、2つのヒーローの存在意義を、1号とRXが口にする。2人の言葉に光輝たちが頷いた。

「ではオレたちもそろそろ、自分たちの世界に戻りましょう・・」

 オーズが光輝たちに呼びかけたときだった。

「仮面ライダー!」

「ゴーカイジャー!」

 光輝たちに向けて声がかかった。彼らが振り返った先には、応援を投げかけてきている人々の姿があった。

「ありがとう、みんなー!」

「仮面ライダーもスーパー戦隊も、僕たちのヒーローだー!」

「助けてくれてありがとー!これからも応援してるからー!」

 これまで仮面ライダーとスーパー戦隊を敵だと思ってきたこの世界の人々。全てがバスコやネクロマンサーガルヴォルスの企みであると知った彼らは、世界を救ったライダーと戦隊への信頼と憧れを取り戻したのである。

「みんな・・ありがとう・・これからも僕たちは・・・」

「あぁ・・これからも、自由と平和、そしてみんなの夢のために戦っていこう・・・」

 喜びを覚える光輝に、RXが励ましの言葉をかけた。真剣な表情を見せた光輝に、しっかりと頷いた。

「よし、行こう。自分たちの世界を守るために・・」

 V3の呼びかけを機に、仮面ライダーたちがそれぞれの世界へと戻っていった。

「たとえ離れ離れでも、オレたちはいつまでもどこまでもダチだぜ。」

「そして何かあったら、僕たちはまた一緒に戦う・・」

 友情を分かち合い、拳を打ち付け合う弦太朗と光輝。光輝と別れて、弦太朗も流星とともに自分の世界へと帰っていった。

「本当にありがとう・・先輩・・弦太朗くん・・ゴーカイジャーのみんな・・・」

 歴代の仮面ライダーとスーパー戦隊に感謝して、光輝はスピリットブレイバーから戻ったメガブレイバーのところへ戻った。

「帰ろう、メガブレイバー・・みんなが待ってる・・みんなの夢が・・・」

 光輝はメガブレイバーに乗って、空間のトンネルを通って自分の世界へと戻っていった。

 

 仮面ライダーとスーパー戦隊への声援は、旅立ったマーベラスたちにも届いていた。

「ああいうふうに信頼されるっていうのも悪くねぇな・・」

「そうね。あくまであたしたち自身のためにやってることなんだけどね・・」

 マーベラスとルカが世界を見下ろして笑みをこぼす。

「スーパー戦隊以外に、世界を守っている人たちのことも知ることができたし・・」

「弦太朗さんの言う通り、みなさんともお友達になることができてよかったです・・」

「またどこかで、仮面ライダーのみなさんと会えますよ!そして今回みたいに、一緒に戦って・・!」

「そうなることを、期待するか・・」

 ドン、アイム、鎧、ジョーも言葉を交わしていく。

 そのとき、マーベラスたちが持っていたレンジャーキーが光を放った。

「今回の役割が終わったってことか・・」

「今回も助けられたな。助かったぜ・・預かっていたものを返すぞ・・・」

 ジョーが呟く前で、マーベラスがゴレンジャーからゴセイジャーまでのレンジャーキーを手放した。放たれたレンジャーキーはそれぞれの戦隊に力として戻っていった。

「さて、ずいぶん寄り道を食っちまったが、オレたちのお宝探し、派手に再開するぜ!」

 マーベラスの呼びかけにジョーたちが笑みを見せる。彼らを乗せたゴーカイガレオンが、新たなる冒険に向けて進んでいった。

 

 仮面ライダーとスーパー戦隊。

 ともに世界や宇宙の平和を守り続けてきたヒーローたち。

 長い歴史と強い正義を伴って、彼らの戦いはこれからも続いていく。

 人々の思いと夢を守るために。

 

 

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