オメガ×フォーゼ×ゴーカイジャー

スーパーヒーロー列伝

第10章

 

 

 シャドームーンに果敢に挑むマーベラスたち。だが6人全員で攻撃を仕掛けても、マーベラスたちはシャドームーンに動きを読まれて反撃を受ける一方となっていた。

「全員でかかってきてもムダだ。お前たちの命は既に我が手中にある。」

 シャドームーンがマーベラスたちの前に完全と立ちふさがった。

「ホ・・ホントに僕たちの動きを読んできている・・・!」

「普段通りに攻撃しても、返り討ちにされるだけです・・!」

 ドンとアイムが不安の声を上げる。

「だけどあたしたちの力はゴーカイジャーだけじゃない。」

「コイツで一気に切り込むぞ・・」

 ルカが言いかけると、ジョーが新たなるレンジャーキーを取り出した。

「シンケンジャーですね!オレも決めますよ!」

「おもしれぇ。それじゃ行くぞ。」

 鎧が意気込みを見せて、マーベラスが不敵な笑みをこぼした。

「ゴーカイチェンジ!」

“シーンケンジャー!”

 マーベラスたちがシンケンジャーに変身した。

「天下御免の侍戦隊!」

「シンケンジャー、参る!」

 マーベラスが名乗りを上げて、ジョーたちも声をそろえる。彼らは刀「シンケンマル」と「サカナマル」を手にして構えて、シャドーセイバーを手にしたシャドームーンに向かっていく。

 マーベラスたちが軽やかな動きを見せてシャドームーンの注意をそらしつつ、シンケンマルを振りかざす。だがシャドームーンはシャドーセイバーでシンケンマルを受け止めて切り返してくる。

「天空の舞!」

「木枯らしの舞!」

 アイムとドンがシンケンマルを振りかざして風を巻き起こす。動きを止めたシャドームーンに向けて、ドンがシンケンマルを振りかざす。

 だがシャドームーンはシャドーセイバーでシンケンマルを受け止めて、ドンを返り討ちにする。

「火炎の舞!」

 マーベラスがシンケンマルの刀身に炎をまとって振りかざす。だがこれもシャドームーンにシャドーセイバーで軽々と受け止められてしまう。

「離れろ、マーベラス!水流の舞!」

 ジョーがシンケンマルを振りかざして、水の刃を放つ。だがマーベラスを突き飛ばしたシャドームーンが、シャドーセイバーからビームを放って、水の刃をかき消した。

「今度はオレが行きますよ!」

 鎧がシャドームーンに飛びかかって、サカナマルを振りかざす。シャドームーンもシャドーセイバーを振りかざすが、鎧はサカナマルの鞘で防御しつつ反撃していく。

「サカナマル・百枚下ろし!」

 鎧が素早く動いてサカナマルで連続で切りかかる。だがシャドームーンは彼の動きと攻撃を全て見切って、回避と防御をおこなった。

「おわっ!」

 シャドームーンが放ったビームで突き飛ばされる鎧。シャドームーンはシンケンジャーの技を全て見極めていた。

「シンケンジャーの技まで読んでくるなんて・・・!」

「だったらコイツはどうだ!烈火大斬刀・大筒モード!」

 アイムが危機感を募らせると、マーベラスが烈火大斬刀を手にして、銃砲型の「大筒モード」に変形させた。彼は6枚の秘伝ディスクを烈火大斬刀にセットした。

「兜・六輪弾!」

 烈火大斬刀から閃光が放たれ、シャドームーンに向かっていく。

「シャドーフラッシュ!」

 シャドームーンがベルト「シャドーチャージャー」からエネルギーを放出した。その彼が閃光の直撃を受けて、爆発に巻き込まれた。

「やったか・・!?

 ジョーが舞い上がっている煙を見据える。煙の中から現れたシャドームーンは、平然と立っていた。

「効かない・・・!?

「光を放って攻撃をガードしたのか・・こんな形で防がれるとは・・・!」

 驚くドンと毒づくジョー。シャドームーンはシャドーフラッシュで光の壁を作り出して、マーベラスの放った砲撃を防いだのだった。

「なら今度はコイツだ!」

 マーベラスが新たなるレンジャーキーを取り出した。

「それですか!?またオレだけ仲間外れに・・!」

「おめぇにはてんこ盛りがあるだろ。それで派手に行け。」

 不満を言う鎧にマーベラスが呼びかける。

「そうですか・・ならお言葉に甘えて、派手にいかせてもらいますよ!」

 鎧が意気込みを見せて、シャドームーンに視線を戻す。

「それじゃ今度こそ決めるぞ!」

 マーベラスが呼びかけて、レンジャーキーを構えた。

「ゴーカイチェンジ!」

“ラーイブマン!”

 彼らは友の魂と青春を宿して戦った戦士「超獣戦隊ライブマン」となった。

「超獣戦隊!」

「ライブマン!」

 マーベラスが名乗りを上げて、ジョーたちが声をそろえた。

「行くぜ!」

 彼らがシャドームーンに向かって飛びかかる。

「ファルコンセイバー!」

 マーベラスが剣「ファルコンセイバー」を振りかざして、シャドームーンが構えるシャドーセイバーと刃を交えていく。

「バイソンロッド!」

 アイムが槍「バイソンロッド」をシャドームーンに突き出す。が、これもシャドーセイバーを駆使してシャドームーンは防御と回避を行う。

「サイカッター!」

 その隙を狙って、ドンがブーメラン「サイカッター」を投げ飛ばす。1本のサイカッターをシャドーセイバーで弾いたが、もう1本を体にぶつけられた。

「ライオンバズーカ!」

「ドルフィンアロー!」

 ルカとジョーがバズーカ「ライオンバズーカ」と弓矢「ドルフィンアロー」でシャドームーンに向けて砲撃と射撃を繰り出す。だがシャドームーンはこれらの攻撃を全てかいくぐった。

「ライブマンの攻撃も全て見切るか・・・!」

「だったらあたしたちの力を合わせるよ!」

 ジョーが毒づき、ルカが呼びかける。2人とマーベラスがそれぞれの武器を組み合わせる。

「トリプルバズーカ!」

 3人が放ったトリプルバズーカがシャドームーンに命中した。

「手を休めねぇぞ!バイモーションバスターだ!」

 マーベラスがバズーカ砲「バイモーションバスター」を呼び出して、ジョーたちとともに構える。バイモーションバスターにエネルギーが充てんされ、銃口がシャドームーンに向けられる。

「バイモーションバスター!」

 マーベラスたちがバイモーションバスターを発射した。放たれたビームがシャドームーンに向かっていく。

「シャドーパンチ!」

 だがシャドームーンは右手にエネルギーを集めてパンチを繰り出した。パンチをぶつけられたビームが歪められて、軌道を変えられた。

「バカな!?この攻撃をパンチだけでずらしただと!?

「的確にパンチを当てて、ダメージを最小限に抑えながら攻撃を弾いたみたいです・・・!」

「そんなことまでやってしまう・・動きや技を見切っただけじゃ、そんなこと、簡単にできることじゃない・・・!」

 驚きを覚えるジョー、アイム、鎧。シャドームーンがマーベラスたちに向けてシャドービームを放つ。

「うわっ!」

 ビームの命中で爆発が起こり、マーベラスたちが巻き込まれる。アイムが吹き飛ばされて横転する。

「アイム!・・・やってくれるじゃない、アイツ・・・!」

 アイムに心配に声をかけてから、ルカがシャドームーンに視線を戻す。

「ムダだ。どの戦隊に変わろうと、オレにはお前たちの動きが全て見えている。」

 シャドームーンがマーベラスたちに平然と言葉を投げかけていく。

「どの戦隊になっても?おめぇはオレたちとスーパー戦隊を甘く見すぎだぜ。」

 マーベラスが強気に言いかけると、レンジャーキーを取り出した。

「今度は1色でやるぞ。アイツはまだ、スーパー戦隊の奥深さを分かっちゃいねぇ。」

「なら光太郎に合わせて、ブラック1色で行くぞ。」

 呼びかけるマーベラスにジョーが付け加える。

「アイムがブラックバイソンになってるから丁度いいわね。」

 ルカが呟いたところで、アイム以外の全員が黒の戦士のレンジャーキーを手にした。

「ゴーカイチェンジ!」

“ジェーットマン!”

“カークレンジャー!”

“ゴーーグルファーイブ!”

“チェーンジマン!”

“オーーレンジャー!”

 マーベラスたちが黒の戦士、ブラックコンドル、ニンジャブラック、ゴーグルブラック、チェンジグリフォン、キングレンジャーに変身した。吹き飛ばされていたアイムも、ブラックバイソンの姿のまま合流した。

「黒の戦士を選んでそろえてきたか。だが同じことだ。」

「同じかどうか試してみたらどう?」

 平然とするシャドームーンにルカが言い返す。マーベラスとジョーが先に飛び出して、ルカたちが続けて飛び出すと同時にシャドームーンの横をすり抜けて後ろに回る。

「違う戦隊の組み合わせが、戦隊の中では出せない違った力と技を生み出すこともできる。」

 ジョーがカクレマルを手にして飛び出す。マーベラスもブリンガーソードを手にして飛び上がり、シャドームーンに向かって降下する。

 だがシャドームーンはシャドーセイバーでブリンガーソードとカクレマルを受け止めて、マーベラスとジョーを切り付けて突き飛ばす。

「ぐっ!」

 マーベラスとジョーがうめきながらも、体勢を整えて着地する。

 ルカとアイムがブラッククラブとバイソンロッド振りかざして当てていって、シャドームーンの動きを封じようとする。

「グリフォンマグマギャラクシー!」

 ドンが右手に力を込めて地面に叩きつける。叩かれた地面が割れてマグマが噴き出すが、シャドームーンはシャドービームを地面にぶつけて、マグマを爆発させて噴出を止めた。

「そんな!?

 全力の一撃を跳ね返されてドンが驚く。バラバラな戦隊に変身しても、シャドームーンに全て攻撃を読まれてしまっていた。

「だったらお前にふさわしい戦士をそろえてやる・・みなさん、今度はこれでいきますよ!」

 シャドームーンに向けて声を振り絞ってから、鎧がレンジャーキーを取り出した。

「今度はそれか・・やってみるか!」

 マーベラスが同意して、レンジャーキーを取り出した。

「ゴーカイチェンジ!」

“メーガレンジャー!”

“デーカレンジャー!”

“ガーオレンジャー!”

“ボーウケンジャー!”

“ゴーーオンジャー!”

“ゴーセイジャー!”

 彼らは銀の戦士、メガシルバー、デカマスター、ガオシルバー、ボウケンシルバー、ゴーオンシルバー、ゴセイナイトに変身した。

「今度はアンタみたいに銀1色よ!」

「どっちの銀が上か、決着をつけてやるぜ!」

 ルカと鎧がシャドームーンに向けて言い放つ。

「サガスナイパー!」

「ロケットダガー!」

 ドンがサガスナイパーで射撃しながら、シャドームーンに向かっていく。シャドームーンがシャドーセイバーでドンの射撃を弾いていくが、そこを狙ってアイムがロケットダガーを振りかざしてきた。

 シャドームーンはアイムの動きに気付いて、横に動いてロケットダガーをかわす。だが彼が動いた先で、ジョーと鎧がディーソードベガとレオンレイザーソードを手にして待ち構えていた。

「甘い。」

 シャドームーンはシャドーセイバーからビームを放って、ジョーと鎧を絡め取って突き飛ばす。

「サガストライク!」

「シューティングダガー!」

 ドンがサガストライクを、アイムが真空の刃「シューティングダガー」を放つ。2人の遠距離攻撃をぶつけられて、シャドームーンが押される。

「ブレイザーインパクト!」

「銀狼満月斬り!」

 マーベラスがシルバーブレイザーで射撃しながらシャドームーンに詰め寄り、ジャンプしてガオハスラーロッドを振り下ろしてきたルカと同時にシルバーブレイザーを振りかざす。

 だがシャドームーンは2人の一閃をすり抜けて、シャドーセイバーで切り付けた。

「ぐあっ!」

「うわっ!」

 突き飛ばされるマーベラスとルカ。続けてシャドームーンがシャドービームを放ち、ジョーとともに爆発に巻き込まれて吹き飛ばされる。

「マーベラス!」

 叫ぶドンの前にシャドームーンが立ちふさがる。

「マーベラスさんたちはすぐに戻ってきます・・・!」

「それまで、オレたちが立ち向かいます・・・!」

 アイムと鎧が声と力を振り絞って立ち上がる。

「僕たちも負けていられない・・・!」

 ドンが声を上げて、アイム、鎧とともにレンジャーキーを取り出した。

「ゴーカイチェンジ!」

“サーンバルカン!”

 鎧たちがサンバルカンへの変身を果たした。

「輝け!太陽戦隊!」

「サンバルカン!」

 鎧が名乗りを上げて、ドンとアイムが声をそろえる。

「シャークジョーズ!」

「パンサークロー!」

 ドンとアイムが飛び出して、シャドームーンに一気に詰め寄る。アイムがヒョウのような手つきのパンチをシャドームーンの体に叩き込み、ドンがサメの歯と顎のように両手を顔面に叩き込んでいく。

 だがシャドームーンが両手を突き出して、ドンとアイムを突き飛ばす。

「バルカンスティック!イーグルファイヤー!」

 鎧が棒「バルカンスティック」を手にして炎を放ち、シャドームーンを怯ませる。

「太陽電撃剣!」

 鎧がバルカンスティックを地面に突き立てて、火花を飛ばす。シャドームーンの眼前まできた火花が爆発を起こす。

「決めますよ!ニューバルカンボール!」

 鎧が呼びかけて、ドン、アイムとともにラグビーボールを手にして蹴り飛ばし、合体させてボール型爆弾「ニューバルカンボール」を完成させる。

「1!」

「2!」

 ドンとアイムがバレーボールの要領でニューバルカンボールを空中に上げていく。

「アタック!」

 舞い上がったニューバルカンボールを、鎧がシャドームーンに向けてアタックする。シャドームーンがニューバルカンボールをぶつけられて、爆発に巻き込まれた。

「これでもダメージを与えられないのか・・・!」

 鎧たちは警戒を解かずに、舞い上がる煙の中を見据える。スーパー戦隊の技と能力をことごとく跳ね返してきたシャドームーンが、簡単に倒せる相手でないことを、彼らは痛感していた。

 そのとき、煙の中からビームが飛び出してきた。

「うわっ!」

 ビームの爆発に巻き込まれて、鎧たちが吹き飛ばされた。ゴーカイジャーに戻って倒れた彼らに、シャドームーンがゆっくりと近づいてくる。

「本当にダメージを受けていない・・・!」

「これだけやってもダメなら、どうやったら・・・!?

 危機感を膨らませるアイムとドン。立ち上がることもままならなくなっていた鎧の眼前に、シャドームーンがシャドーセイバーの切っ先を突き付けてきた。

「まずはお前から地獄に叩き落としてやる。」

「そんなことはさせねぇよ。」

 鎧にとどめを刺そうとしていたシャドームーンに、マーベラスがジョー、ルカとともに姿を見せてきた。

「マーベラス・・・!」

「無事だったんですね・・・!」

 ドンとアイムが安心を覚える。だがシャドームーンの前では心から安心することができなかった。

「まだ生きていたか。そろそろお前たちに敗北を与えるとしよう。」

「そうはいかない・・オレたちはまだ倒れるつもりはない・・!」

「あたしたちは何があっても諦める気ないわよ・・!」

 シャドームーンにジョーとルカが言い返す。

「レジェンド戦隊は今回、オレたちに再び力を託してくれた・・そのオレたちが世界というお宝を守れないわけにはいかねぇんだよ!」

 マーベラスがシャドームーンに向けて言い放ったときだった。

 マーベラス、ジョー、ルナの手に光が現れた。その光の中から現れたのはレンジャーキー。しかも今まで見たことのない戦隊のキーだった。

「このレンジャーキーは・・!?

「もしかして、あたしたちの後のスーパー戦隊の・・・!?

 ジョーとルカがそのレンジャーキーを見つめて、驚きの声を上げる。

「とにかく、コイツに賭けてみるしかねぇみてぇだ・・・!」

 マーベラスは動揺を振り切って、レンジャーキーとモバイレーツを構えた。

「ゴーカイチェンジ!」

“ゴーーバスターズ!”

It's Morphin Time.”

 モバイレーツにレンジャーキーをセットすると、モバイレーツの音声の他に、別の音声も発せられた。同時にマーベラスたちの体を新たなスーツが包み込んだ。

「レッツ・モーフィン!」

 さらにヘルメットを装着するマーベラスたち。3人はエネルギー「エネトロン」を狙う組織「ヴァグラス」に立ち向かう特殊部隊「特命戦隊ゴーバスターズ」となった。

「バスターズ、レディー・ゴー!」

 マーベラスたちが構えて、シャドームーンに向かって飛び出していく。シャドームーンが彼らを迎え撃つ。

 今までマーベラスたちに優勢を見せていたシャドームーン。だがゴーバスターズになった彼らに、シャドームーンは初めて劣勢になった。

「どうなっているんだ・・・!?

「今まで攻撃が通じなかったのがウソみたいです・・・!」

 この状況にドンもアイムも驚いていた。

「あのゴーバスターズというスーパー戦隊は、シャドームーンの知らない戦隊・・戦い方や能力をモニターしていないから・・・!」

 鎧はこの状況の理由を推測していた。

 彼の推測は当たっていた。シャドームーンが仮面ライダーとスーパー戦隊の動きをモニターしていたスーパーヒーロー大戦に、ゴーバスターズの姿はなかった。

 ゴーバスターズの能力を熟知していないため、シャドームーンはゴーバスターズとなったマーベラスたちに苦戦させられることになった。

「イチガンバスター!」

 マーベラスがビームガン「イチガンバスター」を手にして、ビームを発射する。ビームをかわしきれずに当てられ、シャドームーンが怯む。

「ソウガンブレード!」

 ジョーが剣「ソウガンブレード」を振りかざす。シャドームーンがシャドーセイバーで防ごうとするが、対応しきれずに切り付けられていく。

 シャドームーンがとっさにシャドーセイバーの1本を投げつけるが、ジョーはソウガンブレードが叩き落とす。その隙を狙ってシャドームーンがシャドービームを放つ。

 爆発に巻き込まれたジョー。巻き上がった煙をかき分けて、ジョーが飛び出してきた。

「正面から来て勝てると思うな・・シャドーパンチ!」

 シャドームーンがジョーに向けてシャドーパンチを繰り出す。だがパンチはジョーの体をすり抜けた。

「何っ!?

 驚きを見せたシャドームーンに、ルカがイチガンバスターを発射する。ビームを撃たれたシャドームーンが突き飛ばされる。

「ホログラムってヤツよ。慌てて見抜けなかったみたいね。」

 ルカがイチガンバスターを構えて言いかける。彼女がイチガンバスターでジョーのホログラムを投影したのである。マイティアイで見抜けるはずのシャドームーンだったが、冷静な判断を揺さぶられていた。

「一気に攻め立てるよ!」

It's Time for Buster.”

 ルカがイチガンバスターにエネルギーを集めて発射する。シャドームーンはジャンプしてビームをかわす。

It's Time for Buster.”

 その先にソウガンブレードにエネルギーを集めたマーベラスとジョーが待ち構えていた。2人が振りかざしたソウガンブレードが、シャドーセイバーの刀身を叩き折って、シャドームーンの体を切り付けた。

「ゴーバスターズのとっておきを見せてやるぜ!」

 マーベラスたちがイチガンバスターにソウガンブレードを組み合わせる。

It's Time for Special Buster.”

 3人が「スペシャルバスターモード」にしたイチガンバスターにエネルギーを集中させて、シャドームーンに銃口を構えた。

「派手にいくぜ!」

 マーベラスたちが放ったビームがシャドームーンに命中した。ダメージが大きくなり、シャドームーンが膝をついた。

 ドン、アイム、鎧がマーベラスたちと合流する。マーベラスたちがゴーカイジャーに戻り、輝きを宿しているゴーバスターズキーを見つめる。

「お前たちのおかげで助かったぜ・・・」

 マーベラスが感謝の言葉を口にすると、ゴーバスターズキーが彼らの手元から消えていった。

「よーし!このチャンス、逃すわけにはいかない!」

 鎧が意気込みを見せて、ゴーカイセルラーと15の追加戦士のレンジャーキーを組み合わせた「ゴールドアンカーキー」を取り出した。

「ゴーカイチェーンジ!」

 彼がゴーカイセルラーにゴールドアンカーキーをセットした。

“ゴーーカイシルバー!ゴールドモード!”

 鎧の体を15の追加戦士の顔が描かれた金色の鎧が包み込んだ。ゴーカイシルバーの強化形態「ゴールドモード」である。

「これがオレとスーパー戦隊の底力だ!」

 鎧が先端が錨型になった「アンカーモード」となったゴーカイスピアを構えて、シャドームーンに飛びかかる。彼は立て続けにシャドームーンをゴーカイスピアで切り付けていく。

「鎧だけの手柄にはさせねぇぞ。」

 マーベラスが言いかけて、彼らがゴーカイガンとゴーカイサーベルにレンジャーキーをセットした。

“ファーイナルウェイーブ!”

 鎧がシャドームーンから離れたのを見計らって、マーベラスたちがエネルギーを集めた光の刃と弾を放った。光の刃と弾はシャドームーンに直撃して突き飛ばした。

「こっちも行きますよ!」

“ファーイナルウェイーブ!”

 鎧がエネルギーを集中させると、15の追加戦士の幻影が彼の横に現れた。

「ゴーカイレジェンドリーム!」

 15の戦士がシャドームーンに向けて射撃、打撃、斬撃を繰り出し、鎧が最後に飛びかかってゴーカイスピアを振りかざした。ダメージを蓄積させて、シャドームーンがふらつく。

「このままでは済まさんぞ・・私は負けんぞ・・・!」

 シャドームーンが力を振り絞り、マーベラスたちに向かっていく。

「しつこいヤツだ。だがこれで終わりだ!」

 マーベラスが言い放つと、彼らがゴーカイジャーのレンジャーキーを取り出した。するとゴーカイガレオンと同じ姿かたちをした銃砲が召喚された。

「ゴーカイガレオンバスター!」

 マーベラスが銃砲「ゴーカイガレオンバスター」を手にして構える。

「レンジャーキー、セット!」

“レーッドチャージ!”

 彼らがゴーカイジャーのレンジャーキーをゴーカイガレオンバスターにセットする。その照準がジャンプしたシャドームーンに向けられた。

「シャドーキック!」

 エネルギーを集めた両足のキック「シャドーキック」を繰り出すシャドームーンを迎え撃つマーベラス。彼の背中をジョーたちが支える。

「ゴーカイガレオンバスター!」

“ラーイジングストラーイク!”

 ゴーカイガレオンバスターから赤い閃光が放たれて、シャドームーンのキックとぶつかり合う。両者のパワーは拮抗し、周囲を揺るがしていた。

「アイツの友であるお前の魂だけでも、オレたちが解放する・・・!」

“ブルーチャージ!”

 ジョーが言い放つと、ゴーカイガレオンバスターがさらにエネルギーを集中させた。

「あたしたちは、こんなところでもたもたしてるわけにはいかないのよ!」

“イエローチャージ!”

「僕たちは、どんなことがあったって、絶対に諦めない!」

“グリーンチャージ!”

「信じ続けていれば、この思いと願いは伝わるものです!」

“ピーンクチャージ!”

 ルカ、ドン、アイムも言い放ち、ゴーカイガレオンバスターがさらにエネルギーを高めていく。放たれている閃光は各色のエネルギーが混ざり合って虹色に近づいていく。

「オレたちは諦めない!スーパー戦隊のみなさんだけでなく、仮面ライダーのみなさんが諦めていないのに、オレたちが諦めるわけにはいかねぇんだよ!」

“スペシャルチャージ!”

 鎧の叫びとともに、ゴーカイガレオンバスターに宿るパワーが最大限に高まった。シャドームーンがマーベラスたちの放つ意思と閃光に押されていく。

「まさか私が、このようなことで敗れるとは・・だが私は、必ずよみがえる・・何度でも・・・!」

 断末魔の言葉を口にして、シャドームーンが閃光の中に消えていった。

 シャドームーンに辛くも勝利を収めたマーベラスたち。だがゴーカイガレオンバスターはチャージの連続とその膨大なエネルギーの放出でオーバーヒートしてしまった。

「ふぅ・・危ないところだったよ・・・」

 戦いが終わってドンが大きく息をついた。

「でも・・ガレオンに戻ったら修理しないと・・・」

 ドンがゴーカイガレオンバスターを手に取って、ため息をついた。

「今回は助かったぜ・・礼を言うぞ、ゴーバスターズ・・・」

 自分たちの力をレンジャーキーにして一時的に託したゴーバスターズに、マーベラスは感謝の言葉を口にした。

「さて、光輝たちが戦いを終わらせてるかどうか確かめに行くぞ。」

「終わっていなくても、助けるかどうかは気分次第だがな・・」

 呼びかけるマーベラスと呟くジョー。

「きっと終わらせてますよ。3人もオレたちに負けてないですから。」

 笑みをこぼす鎧。マーベラスたちが歩き出す中、ジョーがシャドームーンが消えたほうに目を向けていた。

「アンタの友はオレたちが救ったぞ、光太郎・・・」

 親友の魂を改めて実感するジョー。

「ジョーさん、行きますよ・・」

「あぁ・・・」

 アイムに声をかけられて、ジョーも歩き出した。

 

 

第11章へ

 

小説

 

TOP

inserted by FC2 system