オメガ×フォーゼ×ゴーカイジャー

スーパーヒーロー列伝

第9章

 

 

 バスコが呼びだしたスーパー戦隊の戦士たちに、V3RXが立ち向かう。だが200人近くもいる戦隊の相手を2人でするのは、極めて困難なことだった。

「くっ・・強がりをしてしまったか・・」

「だが・・負けるわけにはいかない・・光輝くんたちも弦太朗くんも、マーベラスたちも戦っているんだ・・・!」

 V3RXが声と力を振り絞って立ち上がる。だが彼らの前に立ちふさがる戦隊たちは、人数を減らされたものの、完全に優勢を見せていた。

「リボルケイン!」

 RXがリボルケインを手にして戦隊の出方をうかがう。アカレンジャーとゴーカイレッドが各々の武器を手にして、RXに向かっていく。

 そのとき、アカレンジャーとゴーカイレッドが突然キックを受けて突き飛ばされた。

「今のは・・!」

 V3RXもこの瞬間に驚きを感じていた。

「駆けつけるのが遅れてしまった・・すまない・・」

 2人に声をかけてきたのは仮面ライダー1号だった。バスコが呼びだしたライダーではない、本物の1号である。

「この世界への出入り口を見つけるのに手間取ってしまった・・」

 1号に続いて2号が声をかけてきた。

「先輩・・・いえ、助かりました・・・」

 RXが答えて戦隊たちに視線を戻した。

「確かに数は多いが・・数と質は、オレたちも負けてはいないぞ。」

 2号がV3RXに言葉を投げかけた瞬間、ライダーマンからオーズまでの歴代の仮面ライダーたちが姿を現した。

「みんな、来てくれたのか・・・!」

「丁度面白いとこに出くわしたみてぇだな・・!」

 喜びの声をかけるRXのそばで、電王が強気に言いかける。

“スーパー戦隊・・仮面ライダーとは違う、平和を守るヒーロー・・実に興味深い・・”

 Wに変身している(ひだり)翔太郎(しょうたろう)と意識を共有しているフィリップが、スーパー戦隊に興味を示す。

「こんなところまで来て興味本位になるなよ、フィリップ・・」

 そのフィリップに翔太郎が呆れていた。

Xライダー!」

「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!悪を倒せとオレを呼ぶ!オレは正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!!

「仮面ライダースーパー1!」

「ゼクロス!」

「仮面ライダー、BLACK!」

「オレは太陽の子!仮面ライダー、BLACKRX!」

「仮面ライダーJ!」

「オレは天の道を行き、総てを司る・・」

「オレ、参上!」

「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ・・」

「さぁ、お前の罪を数えろ。」

 エックス、ストロンガー、スーパー1、ゼクロス、BLACKRXJ、カブト、電王、ディケイド、翔太郎とフィリップがスーパー戦隊に向けて名乗りを上げる。

「オレたち仮面ライダーは、最初から最後まで、とことんクライマックスだぜ・・さあ、行くぜ!行くぜ!行くぜ!」

 電王が万能武器「デンガッシャー」を「ソードモード」にして、先陣を切ってスーパー戦隊に向かっていく。

「オレたちも行くぞ!」

 1号が呼びかけて、V3RXも、他の仮面ライダーたちも戦隊に向かっていく。

 多くの仮面ライダーが集結したが、人数においてはスーパー戦隊には遠く及ばない。だがライダーたちは戦隊を徐々に追い詰めていた。

「仮面ライダーとスーパー戦隊、どっちが強いかって思うことがあるだろうけど・・」

「強さの差に、ライダーだからとか戦隊だからとか関係ない・・!」

 龍騎とオーズが攻防を繰り広げながら言いかける。

「自由と平和、自分を貫く意思の強さ、正義の心がある者こそ勝利をつかむ・・それが仮面ライダーであり、スーパー戦隊でもあるんだ!」

 ストロンガーが高らかに正義を言い放つ。

「ダブルライダーキック!」

 1号と1号が同時にジャンプしてライダーキックを繰り出す。ダブルライダーキックがゴレンジャー5人を蹴り飛ばした。

「ライダーキック!」

RXキック!」

 BLACKRXも同時にエネルギーを足に集めたキックを繰り出して、バイオマンとマスクマンを撃破した。

「オレたち全員の力と技を、偽者の戦隊に叩き込むんだ!」

「分かりました!」

 1号の呼びかけにオーズが答える。仮面ライダー全員が同時にジャンプした。

「オールライダーキック!」

 ライダー全員が繰り出したライダーキックが、バスコが呼びだしたスーパー戦隊を一掃した。

 

 地下の広場にて、ジョーたちもバスコの呼び出した仮面ライダーと戦っていた。彼らはアギト、ブレイド、響鬼を迎え撃っていた。

「向こうも終わっちゃったみたいね。」

「では私たちも終わらせて、マーベラスさんと合流しましょう。」

 弦太朗と流星が戦いを終わらせたのを見て、ルカとアイムが笑みをこぼす。

「それじゃ最後はこれだね。」

 ドンが新たなるレンジャーキーを取り出して、ジョーたちも彼に合わせた。

「ゴーカイチェンジ!」

“ゴーーグルファーイブ!”

 ジョーたちが新体操を駆使して戦う戦士「大戦隊ゴーグルファイブ」に変身した。

「戦え!大戦隊!」

「ゴーグルファイブ!」

 鎧が名乗りを上げて、5人が声をそろえる。

「レッドルビームチ!」

 鎧が鞭「レッドルビームチ」を振りかざして、アギトに当てていく。アギトが刃「シャイニングカリバー」を2本に分けた「ツインモード」にして構えるが、レッドルビームチを1本に巻きつけられて放電を流される。

 電撃を受けたアギトが怯んで後ずさる。

「ピンクリボン!」

 アイムがリボン「ピンクリボン」を振りかざして、ブレイドの持つ剣「キングラウザー」の刀身に巻きつけて、バランスを崩させる。

「イエローボール!」

 ルカがボール「イエローボール」を持って、身動きが取れなくなっているブレイドにぶつけていく。ピンクリボンから逃れたものの、ブレイドは勢い余って横転する。

「ブラッククラブ!」

 ドンが2本の棍棒「ブラッククラブ」を手にして、剣「装甲声刃(アームドセイバー)」を構えた響鬼と攻防を繰り広げる。

「こうやって振っていると打楽器だね・・音楽勝負になっているかも・・!」

 ドンが呟きながら、ブラッククラブを打楽器の要領で響鬼とアームドセイバーを叩いていく。

「ブルーリング!」

 ジョーが輪「ブルーリング」を響鬼目がけて投げつける。ブルーリングを体に引っかけられて、響鬼がバランスを崩して倒れる。

「フィニッシュ決めますよ!ゴールデンスピア!」

 鎧が呼びかけて、全員が剣「ゴーグルサーベル」を空中で合体させて、槍「ゴーグルゴールデンスピア」を完成させる。

「ゴールデンスピア!」

 鎧が手にしたゴーグルゴールデンスピアをアギトたちに投げつける。アギトたちがゴーグルゴールデンスピアを当てられて、爆発に巻き込まれて消えていった。

「やった!ゴールデンスピア!」

 鎧が勝利のポーズを決めるが、ジョーたちは既にゴーカイジャーに戻って弦太朗、流星と合流していた。

「アンタたちが宇宙海賊のゴーカイジャーか。名前通り、海賊らしい豪快な戦い方だな・・」

「まぁな。オレたちのキャプテンが先に行っている。オレたちも追いかける。」

 流星が声をかけて、ジョーが答える。

「そろそろ光輝がベルトを取り戻してると思うが、オレたちも行ってみるか!」

 弦太朗が意気込みを見せて走り出していった。ジョーたちも流星も光輝とマーベラスを追いかけていった。

 

 バスコからオメガのベルトを取り返そうとする光輝。だが戦える力を持っていない光輝に、オメガに変身しているバスコに太刀打ちできるはずもない。

「諦めが悪いね。その点はマベちゃんたちと同じくらい、いや、それ以上かも。」

 何度も立ち上がってくる光輝に対して、バスコが肩を落とす。

「諦めないぞ・・ここで諦めたら、平和も正義も守れない・・自分を貫き通すこともできない・・・!」

「そういうのは往生際が悪いっていうんだよ・・そういうのを見せられるぐらいなら、そろそろ終わりにしてしまうか・・」

 立ち向かおうとする光輝に、バスコがとどめを刺そうとした。

「ぐあっ!」

 そこへマーベラスが突き飛ばされて横転してきた。彼を追い詰めて、シャドームーンも歩を進めてきた。

「どうした、ゴーカイレッド?宇宙海賊の力はその程度か?」

 シャドームーンに声をかけられながら、マーベラスが立ち上がる。

「どうなってやがる・・強いだけじゃなく、オレの動きを全て読み切っている・・・!」

「当然だよ。シャドームーンには相手の動きをモニターする能力を備えているんだよ。」

 声と力を振り絞るマーベラスに、バスコが説明を入れる。

「この世界で起こったスーパー戦隊と仮面ライダーの戦い、スーパーヒーロー大戦。その一部始終をシャドームーンは観戦していたのさ。」

「そうか・・シャドームーンは、仮面ライダーだけじゃなく、スーパー戦隊の各メンバーの戦い方や能力もモニターしていた・・だからマーベラスの動きが読まれているのか・・・!」

 バスコの話を聞いて、光輝は危機感を覚えた。今のシャドームーンを相手にするのは、スーパー戦隊といえども困難となっている。

「マベちゃんの首を横取りされるのはいい気がしないけど、シャドームーンに君たちは勝てないよ・・」

「言ってくれるな、バスコ・・たとえ全部の動きを読んでこようと、オレはその上を行ってやるまでだ・・!」

 悠然と言いかけるバスコに、マーベラスが強気に言い返す。彼も光輝も立ち向かうことを諦めていなかった。

「ホントにしょうがないことだね・・それじゃ、まずはこっちを終わらせてやるかな・・」

 バスコがベルトの水晶を右足の脚部にセットして飛び上がった。

「メガスマッシャー!」

 バスコが繰り出したメガスマッシャーから逃れようとする光輝だが、床に命中した瞬間に起きた爆発に吹き飛ばされる。

「うわあっ!」

 吹き飛ばされた光輝がその先の穴に落下してしまう。

「光輝!」

 叫ぶマーベラスが穴に駆け寄るが、その底に光輝の姿は見えなくなっていた。

「お前も地獄に落ちるがいい、ゴーカイレッド・・!」

 シャドームーンが右手から光線「シャドービーム」を放つ。ビームの直撃を受けて突き飛ばされたマーベラスが、ゴーカイレッドから元に戻ってしまい、さらにモバイレーツを穴に落としてしまう。

「しまった・・!」

「これで終わりだな、宇宙海賊・・お前も吉川光輝の後を追え・・」

 声を上げるマーベラスにシャドームーンが迫る。

「シャドーセイバー!」

 シャドームーンが長短2本の剣「シャドーセイバー」を手にして、1本の切っ先をマーベラスに向けてきた。

「ここはとどめを譲っちゃうか。どっちにしても、僕の世界は安泰なんだし・・」

 バスコもシャドームーンがマーベラスを倒すのを見届けることにした。

 そのとき、バスコが身に着けているオメガのベルトに突然鞭が巻きついた。バスコが気付いた瞬間、彼からベルトが引きはがされた。

「何っ!?

 驚きを覚えるバスコからオメガの装甲が消えた。不気味に紅く目をきらめかせて、彼はすぐに怪人の姿に変身して、ベルトが引き寄せられた穴に向けてエネルギー弾を放った。

 爆発が起こった穴から飛び出してきたのは、ゴレンジャーのアカレンジャーだった。

「アカレンジャー!?

 さらに驚きを見せるバスコ。彼らの前に現れ、オメガのベルトを奪還したのは紛れもなくアカレンジャー。レッドビュートを使って彼はベルトを巻きつけて引き寄せたのだった。

「レンジャーキーはマーベラスたちが持っていて、この世界のものは僕が全部持っている・・アカレンジャーが出てこれるはずがない・・・!」

 バスコがアカレンジャーに向けて紅いビームを放つ。爆発にあおられて、アカレンジャーの手からオメガのベルトが離れて、マーベラスの前に滑り込んできた。

「事前に教えてあったとはいえ、初めてなって使いこなすとはな・・」

 ベルトをつかんだマーベラスが不敵な笑みを見せた。するとアカレンジャーの姿がゴーカイレッドに変わった。

「ゴーカイレッド・・まさか、君は・・!?

 バスコが思い立つと、ゴーカイレッドがポーズを決めてきた。

「ゴーカイ、レッド!」

 そのポーズはオメガに変身したときの光輝と同じ。今のゴーカイレッドは光輝が変身していた。

「うまい具合に変身することができた・・おかげでオメガのベルトを取り戻すことができた・・」

 ベルトを取り戻せたことに光輝が笑みをこぼした。

 

 バスコに吹き飛ばされて穴に落ちた光輝。だが落ちた先がダンボールの山で、それがクッションのようになったことで床に落ちる衝撃を和らげたのだった。

「イタタタ・・危ないところだった・・落ちて死ぬかもしれなかった・・・」

 九死に一生を得たことに光輝は安心していた。彼は自分が落ちてきたほうを見上げた。

「早く戻らないと・・このままじゃマーベラスが、バスコとシャドームーンに・・・!」

 光輝がそばにある階段を上ろうとしたときだった。マーベラスのモバイレーツが光輝のそばに落ちてきた。

「これは、マーベラスの・・・!」

 モバイレーツを拾ったとき、光輝はゴーカイガレオンでのゴーカイジャーの話を思い出した。

 モバイレーツとレンジャーキーがあれば、誰でもゴーカイジャーや歴代のスーパー戦隊に変身することはできる。ただし変身する人に相応の力がなければ、変身した戦隊の戦闘能力を発揮することはできない。

「やってみるしかないか・・ゴーカイチェンジ!」

“ゴーーカイジャー!”

 モバイレーツにレンジャーキーを差し込んで、光輝がゴーカイレッドに変身した。

「ゴーカイジャー以外にも、他のスーパー戦隊にも変身できたはず・・ベルトを取り戻すのに最適な武器を持つ戦隊は・・・!」

 光輝は考えを巡らせた結果、アカレンジャーのレンジャーキーを選択した。

「ゴーカイチェンジ!」

“ゴーレンジャー!”

 光輝はアカレンジャーに変身して、マーベラスのところへ戻った。

 

 アカレンジャーになってレッドビュートでバスコからオメガのベルトを奪い返した光輝。ゴーカイレッドに戻った光輝を見据えて、バスコが笑みをこぼす。

「まさか1発でスーパー戦隊の力を使いこなすとはね。オメガとして戦ってきた経験が活きたってことか・・」

「へっ。やるじゃねぇか。曲がりなりにもスーパー戦隊の力を使いこなすとはな。」

 バスコに続いてマーベラスも笑みをこぼす。

「それじゃ、オレはコイツを代わりに使わせてもらうか。」

 マーベラスがオメガのベルトを身に着ける。

「待て!強い精神力がなければ、オメガに変身したら・・!」

「変身。」

 光輝の呼びかけを聞くことなく、マーベラスがベルトに水晶をセットしてオメガに変身した。

「仮面ライダーオメガ。派手にいくぜ!」

 マーベラスが名乗りを上げて、光輝の横に並んだ。

V3たちからオメガのベルトのことは聞いている。強い精神力があれば誰でもオメガになれるってことだろ?」

 マーベラスはオメガのことを知った上で変身した。

「それじゃ反撃開始といくか!」

 マーベラスの呼びかけに光輝が答える。光輝がゴーカイサーベルとゴーカイガンを手にして、マーベラスとともにバスコに向かっていく。

 光輝がゴーカイガンで発砲しながら、ゴーカイサーベルをバスコに向けて振りかざす。だがバスコは銃「カリブラスター」と剣「カリブレード」で軽くあしらっていく。

 そこへマーベラスが飛び込んで、パンチとキックを繰り出していく。2人に攻撃されて、バスコが押されていく。

「2人がかりなんてひどいじゃないか?」

「ライダーや戦隊を駒にしているお前が言うな!」

 皮肉を口にするバスコに言い返して、光輝とマーベラスが足を突き出す。蹴り飛ばされたバスコが後ろに押される。

「いっちょ技を出してみるか・・!」

 マーベラスがベルトの水晶を右足の脚部に移す。

「オレもやってみるか・・・!」

 光輝もゴーカイガンとゴーカイサーベルにレンジャーキーを差し込んだ。

“ファーイナルウェイーブ!!”

 彼はエネルギーを集めたゴーカイガンを発砲して、同じくエネルギーを集めたゴーカイサーベルを振りかざして光の刃を放つ。同時にマーベラスがジャンプして、右足にエネルギーを集める。

「メガスマッシャー!」

 バスコに光輝の弾丸と光の刃、マーベラスのキックが命中した。後ろに押されたものの、バスコは大きなダメージを受けてはいなかった。

「バスコ相手に、簡単には勝てないということか・・・!」

 焦りの声を上げる光輝。そこへ、バスコが呼びだした仮面ライダーたちを撃破してきた弦太朗たちが駆けつけてきた。

「こっちは全員片づけてきましたよ、マーベラスさん!」

 鎧が声をかけてきたのは、ゴーカイレッドに変身している光輝だった。鎧は今の光輝をマーベラスと勘違いしていた。

「こっちはマーベラスじゃないわよ。マーベラスはそっち。」

 ルカが鎧に呼びかけて、オメガに変身しているマーベラスを指さす。

「えっ!?それじゃ2人は、変身アイテムを交換したってことですか!?

「あぁ。成り行きだけどな・・」

 驚きの声を上げる鎧にマーベラスが答える。

「それにしても、やっぱコイツはオレの性に合ってねぇな・・」

「オレも同じことを考えていた・・オレに海賊らしい戦い方はできない・・」

 マーベラスと光輝が互いの能力に納得していなかった。2人は同時に変身を解除して、オメガのベルトとモバイレーツを返した。

「オメガのベルトが返ってきた・・ここから反撃開始だ!」

 決意を言い放つ光輝が、マーベラスたちとともにバスコとシャドームーンに視線を向けた。

「変身!」

「ゴーカイチェンジ!」

“ゴーーカイジャー!”

 光輝とマーベラスがオメガとゴーカイレッドに変身した。

「ゴーカイレッド。」

「ゴーカイブルー。」

「ゴーカイイエロー♪」

「ゴーカイグリーン!」

「ゴーカイピンク。」

「ゴーーカイ、シルバー!」

 マーベラス、ジョー、ルカ、ドン、アイム、鎧が名乗りを上げる。

「海賊戦隊!」

「ゴーカイジャー!」

 マーベラスの声にジョーたちがそろえた。

「仮面ライダーオメガ!」

「仮面ライダーフォーゼ、タイマン張らせてもらうぜ!」

「オレの運命(さだめ)は嵐を呼ぶぜ!」

 光輝、弦太朗、流星も高らかに言い放つ。

「バスコ、シャドームーン、仮面ライダーとスーパー戦隊の本当の強さを見せてやる!」

 光輝が言い放ってバスコに向かっていく。

「ホントに懲りないね・・それじゃ今度こそ本気で倒させてもらうよ・・・!」

 バスコが光輝に向けてカリブラスターを発砲する。光輝は素早い動きで射撃をかわして、バスコにパンチを繰り出していく。

「このままじゃまたベルトを取られちまう・・オレも!」

 弦太朗も意気込みを見せて、光輝に加勢する。マーベラスたちも続こうとするが、彼らの前にシャドームーンが立ちはだかった。

「シャドームーン・・・!」

「全員そろったか、ゴーカイジャー。全員まとめて葬ってくれる・・」

 ジョーが警戒を強めると、シャドームーンが右手を伸ばしてシャドービームを放つ。光輝、弦太朗、流星と離れ離れとなったマーベラスたち。

「あたしたちの力、甘く見ないほうがいいわよ。」

 ルカが強気に言いかけるが、マーベラスとジョーはシャドームーンを警戒していた。

「ヤツはオレたちの動きをモニターしている。仮面ライダーもスーパー戦隊も、全ての戦士の動きを読んできている・・」

「下手に攻撃しても返り討ちにされるということだ・・」

 言葉を返すマーベラスとジョー。彼らは警戒しつつも、シャドームーンとの戦いに立ち向かおうとしていた。

 

 光輝と弦太朗、さらに流星がバスコに立ち向かっていく。しかし3人がかりでもバスコに太刀打ちできないでいた。

「やはり手ごわい・・!」

「流星が加わってるのに、追い詰められてるのはこっちのほうだ・・・!」

 光輝と弦太朗が呼吸を整えながら、バスコを見据える。バスコは余裕の態度を崩していなかった。

「オメガとフォーゼ、そしてメテオか・・君たちの力、ここで全部いただくことにしようか・・」

「そう簡単にメテオは渡さん!」

 言いかけるバスコに流星がメテオストームシャフトを振りかざす。バスコはカリブレードでメテオストームシャフトを受け止め、駆るブラスターで射撃して、流星を突き飛ばす。

「メテオでも僕には敵わないということだね・・」

「オレの力はこんなものじゃない・・いや、オレたちの力はな・・!」

 バスコに言い返して、流星が光輝と弦太朗に視線を向ける。

「同時攻撃、行くぞ!」

「やるしかないか、仮面ライダーの必殺技で!」

 流星の呼びかけに光輝が答えた。

Rocket,drill,limit break.”

Limit break!”

 弦太朗がロケットとドリルを装備して飛び上がり、光輝と流星も高くジャンプする。

「トリプルライダーキック!」

 光輝のメガスマッシャー、弦太朗のライダーロケットドリルキック、流星の「メテオストライク」がバスコ目がけて同時に繰り出された。だがバスコはカリブラスターを発砲しながらカリブレードを振りかざして、光輝たちをなぎ払った。

「ぐあっ!」

 床に叩きつけられて、光輝が声を上げる。3人のライダーの力を集中させても、バスコに通用しなかった。

「このままではやられてしまう・・・メガブレイバー!」

 光輝が立ち上がってメガブレイバーを呼んだ。彼がオメガのベルトを取り戻したことで、メガブレイバーが彼の呼びかけに応えて駆けつけてきた。

「メガブレイバー・・来てくれたのか・・・!」

「今のオメガは光輝だ。なら私は君の味方だ・・」

 喜びを覚える光輝にメガブレイバーが答える。

「しかし光輝、今の相手がかなりのパワーを持っている。私と力を合わせても勝てるという確証はない・・」

「分かっている・・だからこれを使うんだ・・・!」

 光輝がメガブレイバーが背負っていた剣を手にした。オメガの力を引き出す剣「スピリットカリバー」である。

「如月、コズミックになるんだ!フォーゼのパワーを上げる必要がある!」

「おう!」

 流星の呼びかけに弦太朗が答える。彼はスイッチ「コズミックスイッチ」をフォーゼドライバーにセットした。

Cosmic.”

 弦太朗が身に着けているフォーゼの装甲にアストロスイッチが入り込んでくる。同時にフォーゼの装甲に変化が起こる。

 フォーゼの究極の形態「コズミックステイツ」。友情と40種類全てのアストロスイッチを宿した宇宙の力を発揮することができる形態である。

 そして光輝がベルトの水晶をスピリットカリバーの柄にセットした。するとスピリットカリバーから光があふれ出し、オメガの装甲を包み込んでいった。

 オメガの赤い装甲の一部分に、金のラインが入っていく。精神エネルギーをより高い戦闘能力に変えることのできるオメガの最強の形態「スピリットフォーム」である。

「みんなの絆で、宇宙をつかむ!」

 弦太朗が剣型の武器「バリズンソード」を手にして高らかに言い放った。

「オメガもフォーゼもパワーアップしてきたか・・全力を出さないとさすがにやられるか・・・」

 バスコが余裕を消して光輝たちに挑もうとする。光輝が先陣を切って、スピリットカリバーをバスコ目がけて振り下ろす。

 カリブレードで受け止めようとするバスコだが、スピリットカリバーのパワーを受け止めきれずに後ろに押される。

 バスコがとっさに左手を出して紅いエネルギーを放つ。エネルギーの直撃を受けてオメガの装甲から火花を散らした光輝だが、押されただけでダメージを受けてはいなかった。

「スピリットフォームでも、一筋縄じゃ行かないか・・!」

「だったら今度はオレが、タイマン張らせてもらうぜ!」

 弦太朗がバスコに向かっていって、槍型の「ブースとモード」のバリズンソードを突き出す。バスコは素早く動いて弦太朗の攻撃をかわす。

 バスコは一気にスピードを上げて、弦太朗に連続で打撃を与えていく。

「すばしっこいヤツだ!だったらコイツで!」

Aero.”

 弦太朗が装甲胸部のタッチパネルをタッチして、エアロスイッチの力を発動する。強力な吸引力が発生して、バスコがスピードを押さえ込まれていく。

「これは・・!」

 バスコが引き寄せられていることに声を上げる。動きを封じられている彼に向けて、流星がメテオストームシャフトを振りかざす。

 流星の打撃を連続で受けて、バスコがダメージを蓄積させていく。

「このっ!」

 バスコが全身からエネルギーを放出して、弦太朗の吸引力と流星の攻撃から抜け出した。その先には光輝が待ち構えていて、スピリットカリバーに突かれた。

 ダメージを受けながらも、空中で体勢を整えて着地したバスコ。彼の前に光輝たちが立ちはだかった。

「バスコ、これ以上お前に、仮面ライダーとスーパー戦隊の力を悪用させはしないぞ!」

 光輝がバスコに向けて高らかに言い放つ。弦太朗も流星も全力でバスコに立ち向かおうとしていた。

 

 

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