オメガ×フォーゼ×ゴーカイジャー
スーパーヒーロー列伝
第8章
仮面ライダーだけでなく、スーパー戦隊も召喚したバスコ。マーベラスたちが来るのを期待しつつ、バスコは自分が負けないと確信していた。
「なかなか粘っているみたいだけど、今送った35戦隊には敵わないよね・・」
「その35戦隊、V3とRXが食い止めているぞ・・」
悠然としていた彼の前に、ネクロマンサーガルヴォルスが現れた。
「ゴーカイジャーもオメガもフォーゼもこちらに向かっている。結果、2人のライダーが倒されるのも時間の問題だろう・・」
「だろうね。マベちゃんたちがどの選択肢を選ぼうとも、全部僕の思惑通りなのさ。」
「全てお見通しの上で、それらを楽しんでいるようだな・・」
「そうさ。ある程度楽しめないと退屈になってくる。そして僕の楽しみは、騙すことと、僕の思い通りになること・・・」
ネクロマンサーガルヴォルスに答えて、バスコが歩き出した。
「そろそろ僕も、体を動かさないとね。なまったら大変だ・・」
バスコは期待と喜びを感じながら、光輝やマーベラスたちを迎え撃とうとしていた。
地下へと侵入した光輝たちは、薄暗く細い地下道を進んでいく。道は分かれ道はほとんどなく、彼らは迷うことはなかった。
「ホント胡散臭いわね・・狭いし暗いし・・」
「こんなところで敵に襲われたら大変だよ・・」
不満を口にするルカと不安を膨らませるドン。
「この先にバスコが・・オメガのベルトを取り戻して、この企みを打ち砕かないと・・・!」
光輝が心にとどめている決意を口にしていく。彼らは長く暗い廊下を抜けた。
突然差し込んできた光に、光輝は反射的に目を閉じた。再び彼が目を開いて眼前を確かめると、そこはアリーナ会場のような広場だった。
「ウソ・・・!?」
「地下にこんなところがあるなんて・・・!?」
広場の広さに弦太朗と光輝が驚きを見せる。
「こんなところじゃ、思い切り戦っても問題なさそうだ・・」
ジョーも広場を見回しながら呟いていく。広場には人や怪人の姿は見られなかった。
「わざわざ誘いに乗ってやってんだ!いい加減に姿を見せたらどうだ、バスコ!」
マーベラスが声を張り上げて呼びかけてきた。すると彼らの正面の出入り口からバスコが姿を現した。
「待っていたよ、マベちゃん。V3とRXに戦隊軍団を任せて、先にこっちに来たんだね。」
「へっ!お前が待ちくたびれてると思ってな。先を急いだってわけだ。ありがたく思え。」
バスコが悠然と声をかけると、マーベラスが不敵な笑みを見せる。
「そこまで気を遣ってくれるなら、お礼をしないとね・・」
バスコが言いかけて、ラッパラッターを吹いた。光輝たちの前に2人の仮面ライダー、G3-Xとギャレンが召喚された。
「またライダーか。バカの1つ覚えみてぇに・・」
「いや、今度は2人だけではないみたいだ・・」
愚痴をこぼすマーベラスにジョーが口をはさむ。G3とギャレンの後ろに並んだのはスカルライダーたちだった。
「あれはスカルライダー・・この世界にもいたのか・・・!」
光輝がスカルライダーたちを見て警戒を見せる。
「アイツらの相手はオレがやるぜ。さっさとベルトを取り戻そうぜ。」
弦太朗が声をかけて、スカルライダーに挑もうとする。
「お前だけじゃ手に余るぜ。鎧はそっちに回れ。」
「分かりました!オレはオレで、ひと暴れさせてもらいますよ!」
マーベラスに言われて鎧が意気込みを見せる。マーベラスたちがG3とギャレンに視線を戻す。
「メカニックとトランプ・・だったらこれで決まりね。」
ルカが言いかけて新たなるレンジャーキーを取り出した。
「やっぱりそう来たか。それじゃ派手にいくぜ!」
マーベラスが納得して、同じ戦隊のレンジャーキーを取り出した。
「ゴーカイチェンジ!」
“ジーヤッカー!”
マーベラスたちはサイボーク化を施された戦隊「ジャッカー電撃隊」に変身した。
「我ら、ジャッカー電撃隊!」
彼らが高らかに名乗りを上げる。G3とギャレンが銃「スコーピオン」と「ギャレンラウザー」を手にして発砲してくる。
「ハートキュート!」
アイムが盾「ハートキュート」を手にして、G3とギャレンの射撃を防いでいく。
「スペードアーツ!」
その隙にマーベラスが鞭「スペードアーツ」を振りかざす。ギャレンはとっさにかわしたが、G3はスペードアーツに叩かれてスコーピオンを弾かれる。
「ダイヤソード!」
ジョーが剣「ダイヤソード」を手にして、ギャレンに向かっていく。ギャレンがギャレンラウザーから高出力のエネルギー弾を発射するが、ジョーは素早くよけて、ダイヤソードで切り付けていく。
「稲妻斬り!」
ジョーがダイヤソードに電気エネルギーを込めて振りかざす。切り付けられたギャレンがダメージを受けて横転する。
「ビックバトン!」
ルカがステッキ「ビックバトン」を手にして、G3に振りかざす。G3はルカの全ての攻撃を防ぎきれず、追い詰められていく。
「みんな、行くぞ!ジャッカーコバック!」
マーベラスが呼びかけて、ジョー、ドン、アイムとともにギャレンを取り囲む。彼らはそのまま原子、電子、重力、磁力の4つのエネルギーを流し込み、空中高く跳ね上げた。
エネルギーの奔流を受けて、ギャレンが爆発に巻き込まれて消滅した。
G3がルカから離れて、ガトリングガン「ケルベロス」にスコーピオンを連結させて、ロケットランチャー「GXランチャー」を完成させた。
「でっかいのを出してきたわね。だったらこっちも。ビックボンバー!」
ルカの呼びかけにマーベラスたちが頷いた。
「セット1!」
「セット2!」
「セット3!」
「行くぞ、コンバイン!」
マーベラスたちが車輪、台座、砲台をセットして、大砲「ビックボンバー」を完成させる。ルカがその砲台に弾丸を装填する。
「ジャッカー、必殺武器!ビックボンバー!」
ルカの掛け声と同時に、大砲から弾丸が発射された。G3もロケット弾をGXランチャーで撃ち出すが、ビックボンバーの弾丸に押し切られて、G3が直撃されて爆発に巻き込まれた。
「ビックワン!」
「ジャッカー!」
ルカとマーベラスたちが高らかに決めポーズを取った。
「たまにはあたしが主役っていうのもいいわね。」
ルカが自信満々に言いかけるが、バスコに目を向けると気さくさを消した。
数で攻め立ててくるスカルライダーだが、ゴーカイスピアを振りかざす鎧とがむしゃらに攻撃していく弦太朗に逆に追い詰められていた。
「お前らなんか敵じゃねぇ!」
「お、何かすげぇ迫力・・オレも負けてらんねぇ!」
鎧の気迫に押されて、弦太朗も意気込みを見せる。
「離れろ!一気に決めるぜ!」
“Drill
,rocket,limit break.”
弦太朗が右腕にロケット、左足にドリルを装備して飛び上がり、フォーゼドライバーのレバーを引いてエネルギーを集中させた。
「ライダーロケットドリルキック!」
急降下する彼が繰り出したキックを受けて、スカルライダーたちが爆発に巻き込まれて倒された。
「おおっ!そっちのドリルもなかなかだ!」
弦太朗のドリルと必殺技を見て、鎧が感心の声を上げた。2人も光輝もバスコに振り返った。
「なかなかやるね。それなりに楽しませてもらったよ。」
「バスコ、オメガのベルトを返せ!仮面ライダーもスーパー戦隊も、世界を支配するための道具じゃない!」
光輝が呼びかけるが、バスコは笑みをこぼすだけで聞き入れようとしない。
「悪いね。これはもう僕のものさ。それにお楽しみはまだまだこれからだよ。」
バスコが再びラッパラッターを吹いた。光輝たちの前にまた新たな仮面ライダーが召喚された。
それはクウガからオーズまでの歴代の仮面ライダー12人だった。
「またライダー呼び出しか。芸がねぇぞ、バスコ。」
「それはどうかな?」
不敵に振る舞うマーベラスだが、バスコは悠然さを崩さない。
“Survive.”
“Awakening
.”
“Revolution king.”
“Hyper cast off.”
“Climax form.”
“Kuuga,Agito,Ryuki,Faiz,Blade,Hibiki,Kabuto,Den-o,Kiva.Final kamen ride,Decade.”
“Extreme!”
“プテラ!トリケラ!ティラノ!プ・ト・ティラーノ・ザウルース!”
12人のライダーがそれぞれ最強形態への変身を果たした。
「げっ!みんなパワーアップしやがった!」
「12人のライダーの最強フォーム、アルティメットクウガ、シャイニングアギト、龍騎サバイブ、ファイズ・ブラスターフォーム、ブレイド・キングフォーム、アームド響鬼、カブト・ハイパーフォーム、電王・クライマックスフォーム、キバ・エンペラーフォーム、そして、ディケイド・コンプリートフォーム・・・!」
「W・サイクロンジョーカーエクストリーム、オーズ・プトティラコンボまで・・・!」
弦太朗、光輝、鎧が声を荒げる。光輝はディケイドに対して怒りをあらわにしていた。
「今度は量じゃなくて質だよ。この強力な戦力、止められるかな?」
バスコはそういうと、光輝たちの前から去っていった。彼は光輝たちの相手をクウガたちに任せていた。
「待て、バスコ!」
光輝がバスコを追いかけようとするが、電王とWが行く手を阻んできた。だが横から弦太朗に蹴り飛ばされる。
「このライダーたちはオレに任せろ!光輝は先に行け!」
「弦太朗くん・・・!」
呼びかけてくる弦太朗に光輝が戸惑いを見せる。
「マーベラスも先に行け。バスコともう1度決着をつけるのだろう?」
ジョーもマーベラスに声をかけてきた。
「いいのか?オレがいなかったから負けたなんて言い訳はするなよ。」
「するわけないじゃん、そんなかっこ悪いこと。」
「海賊版の仮面ライダーじゃ、どんなにパワーアップしてもオレたちに勝てないってことを見せてやりますよ!」
マーベラスが言葉を返すと、ルカが強気に振る舞い、鎧も意気込みを見せる。
「そうか・・なら先に行くとするか・・・!」
マーベラスはバスコを追って先に広場を飛び出していった。
「僕も行くよ・・弦太朗くん、ありがとう・・・!」
光輝も弦太朗に広場での戦いを託して、バスコを追って走り出していった。
「さーて、オレたちも派手にいきますよー!」
「お前が仕切るなっての!」
ポーズを取る鎧にドンがツッコミを入れる。弦太朗とジョーたちの前に、パワーアップした仮面ライダーたちが立ちふさがった。
バスコを追って通路を駆け抜けていく光輝とマーベラス。2人はさらに地下の、薄暗い広場にたどり着いた。
「まだこんなところが・・・!」
「バスコ、隠れてないで出てこい!」
光輝が声を荒げ、マーベラスがバスコに呼びかける。すると柱の陰からバスコが姿を見せてきた。
「ここまで追ってくるなんてね・・それじゃ、マーベラスを相手にオメガの力を使わせてもらうとするか・・・」
バスコは不敵な笑みを見せて、オメガのベルトを身に着けた。
「変身。」
手にした水晶をベルトにセットして、バスコがオメガに変身する。
「コイツの相手はオレがする。とりあえずベルトをひっぺ返してやるから、うまく取り戻すんだな。」
「マーベラス・・・」
マーベラスの言葉に戸惑うも、光輝はすぐに真剣な表情を浮かべて頷いた。
「果たしてうまくベルトを取り戻せるかな?君たちの相手は僕だけじゃないよ・・」
バスコが言いかけると、光輝とマーベラスの前にシャドームーンが現れた。
「シャドームーン・・・!」
「吉川光輝、そしてゴーカイレッド、今こそ決着をつけてやる。」
身構える光輝とマーベラスに、シャドームーンが鋭く告げる。
「悪いけど、マーベラスは僕の相手だ。君の相手はそっち。」
「邪魔をするな。ゴーカイジャーはオレの獲物。邪魔をするなら、お前も地獄を味わうことになるぞ。」
呼びかけるバスコだが、シャドームーンはマーベラスから狙いを変えない。
「オレの前でケンカか?面倒だからまとめて相手してやるぜ!」
マーベラスがゴーカイサーベルとゴーカイガンを手にして、バスコとシャドームーンに向かっていく。彼のゴーカイガンでの射撃を、バスコとシャドームーンは横に動いてかわす。
「ベルトを返せ!」
光輝がバスコに向かって飛びかかるが、バスコの突き出した右手で返り討ちにされる。
「くっ・・・!」
「オメガのベルトはもう僕のものだよ。諦めるんだね・・」
緊迫を膨らませていく光輝に、バスコがオメガの力を振るってきた。
パワーアップを果たした仮面ライダーたちの攻撃に、弦太朗たちは劣勢に立たされていた。
「うっ・・さすがライダーの最強形態ってところかな・・・!」
「だからと言って、諦めるわけにはまいりません・・光輝さんもオメガに変身できないのに、ベルトを取り戻そうとしているのです・・」
ドンとアイムが諦めずに立ち上がる。
「そろそろこっちも本領を発揮するとしますか・・・!」
鎧が声と力を振り絞る。彼らが新たなるレンジャーキーを取り出した。
「ゴーカイチェンジ!」
“デーンジマン!”
ジョーたちがデンジ星の超科学の戦士「電子戦隊デンジマン」に変身した。鎧はマーベラスの代わりにデンジレッドに変身した。
「見よ!電子戦隊!」
「デンジマン!」
鎧が名乗りを上げて、ジョーたちも声をそろえる。彼らにクウガ、龍騎、キバが向かってきた。
「デンジパンチ!」
ジョーと鎧が拳型アタッチメント「デンジパンチ」を装着する。クウガが超自然発火能力を駆使して繰り出した炎のパンチを、鎧がデンジパンチで迎撃して、威力を相殺させる。
「デンジスティック!」
ルカが短剣「デンジスティック」を手にして、装備「ドラグバイザーツヴァイ」から発した刃「ドラグブレード」を振りかざす龍騎を迎え撃つ。
ルカは軽やかな動きで龍騎を追い詰めていく。
ドンもデンジパンチを装備して、魔剣「ザンバットソード」を振りかざすキバの攻撃をかいくぐっていく。
「お、おわっ!」
ドンが勢い余って前に倒れ掛かる。その弾みで彼はキバの懐に飛び込んで、パンチ「デンジクロスカウンター」を叩き込んでいた。
「よ、よーし!この調子で決めよう!」
「デンジブーメラン、行きますよ!」
ドンと鎧が呼びかけて、5人がデンジスティックを頭上にかざす。デンジスティックが組み合わさって、火花を放ちながら回転して飛んでいく。
必殺技「デンジブーメラン」を当てられて、クウガ、龍騎、キバが爆発に巻き込まれて消滅した。
「どうだ!これがオレたちの底力ってヤツだ!」
鎧が勝気に言い放つが、彼らの前にファイズ、カブト、Wが立ちふさがってきた。ファイズが射撃「ブラッディキャノン」を放つ。
「うわっ!」
飛び込んでくる光弾と爆発に、ドンと鎧が声を荒げる。
“Hyper clock up.”
そこへカブトが目にも止まらないスピードで飛びかかり、ジョーたちを一蹴してきた。そのスピードはクロックアップを大きく超えていた。
「スピード勝負ね・・だったらこっちもスピードで行くわよ・・・!」
立ち上がったルカが新たなレンジャーキーを取り出し、ジョーたちもそれに合わせた。
「ゴーカイチェンジ!」
“ターーボレンジャー!”
ジョーたちは暴魔と戦った戦士「高速戦隊ターボレンジャー」に変身した。
「高速戦隊!」
「ターボレンジャー!」
鎧が名乗りを上げて、ジョーたちが声をそろえた。
「これで少しはあっちに追い付けるかな?」
ルカが気さくに言いかけると、剣「プリズムソード」と盾「ビッカーシールド」を手にしたWが向かってきた。
「Tハンマー!」
「GTソード!」
ドンがハンマー「Tハンマー」を振り下ろして、Wにビッカーシールドで受け止めさせる。そこを狙って鎧が剣「GTソード」を振りかざすが、Wにプリズムソードで受け止められる。
「まだまだ!」
ドンと鎧が同時に足を出して、Wを蹴り飛ばす。
“Extreme,maximum drive!”
Wが緑と黒の2色の竜巻を起こして飛翔して、両足にエネルギーを集めたキック「ダブルエクストリーム」を繰り出してきた。
「このっ!」
ドンがTハンマーをWに向けて振りかざす。ダブルエクストリームに弾き飛ばされるが、ドンもWを弾き飛ばしていた。
「Jガン!」
「Bボーガン!」
ジョーが銃「Jガン」で、ルカがボーガン「Bボーガン」でファイズを狙い撃ちする。
“Exceed charge.”
ファイズが武器「ファイズブラスター」を銃砲型の「フォトンバスターモード」にしてエネルギーを集中させる。
「まずい!」
ジョーとルカが素早く動いて、ファイズが発射した光弾「フォトンバスター」をかわした。着弾した床が巨大な爆発に巻き込まれた。
「Wステッキ!」
アイムがステッキ「Wステッキ」を手にして、カブトを迎え撃つ。素早く動くカブトに対して、アイムは下手に動かずに攻撃を受ける瞬間に反撃に出ることにした。
「そこです!」
カブトのパンチを受けつつ、アイムがWステッキを振りかざしてぶつける。素早い動きをしていたカブトに、彼女の打撃は命中していた。
「どんなに速くても、攻撃してくることは分かっていますので、受け身を取って反撃すればいいだけです。」
アイムが穏和に言いかけて、ジョーたちと合流する。
「みなさん、コンビネーションアタック、行きますよ。」
「OK!」
アイムの呼びかけにルカが明るく答える。
ルカとアイムが両手を出して、ジョーとドンの足場にして2人を押し出す。ジョーとドンがその勢いでファイズとWにパンチを叩き込む。
続けてルカとアイムが鎧の肩を踏み台にしてジャンプして、ファイズとWにキックを当てた。
さらに鎧が飛び出して、GTソードを突き出してカブトに命中させた。
「一気に決めるぞ!Vターボバズーカ!」
ジョーがバズーカ砲「Vターボバズーカ」を呼び出した。
「Vターボエンジン、オン!」
鎧がVターボバズーカに「Vターボエンジン」をセットして起動させる。
「レディー!」
「マックス!」
ジョーたちが掛け声をあげて、鎧も続ける。Vターボバズーカの狙いがファイズたちに定まった。
「ゴー!」
Vターボバズーカからビームが放出される。飛び込んだビームの爆発に巻き込まれて、ファイズ、カブト、Wが吹き飛ばされて消えていった。
「よっしゃ!ビクトリー!」
鎧が勝利を喜んでVサインを見せた。
「勝利の余韻に浸るのはまだ早いぞ。」
そんな鎧にジョーが声をかける。彼らの前にさらにアギト、ブレイド、響鬼が立ちはだかった。
その頃、弦太朗は電王、ディケイド、オーズの攻撃に追い込まれていた。
「やべぇな・・このままじゃ光輝に追い付く前にやられちまう・・・!」
焦りを募らせていく弦太朗に、オーズが全身に力を込めてから飛びかかってきた。
そのとき、オーズが弦太朗に攻撃する前に横から突き飛ばされた。彼らの前に新たな仮面ライダーが現れた。
「何を手こずっているんだ、如月?」
そのライダーが弦太朗に声をかけてきた。弦太朗はライダーの姿と声を知っていた。
「まさかおめぇもこっちの世界に来てたとはな、流星・・」
弦太朗が気さくに声をかける。
現れた仮面ライダーはメテオ。その正体は弦太朗の通う天ノ川学園高校に編入してきた青年、朔田流星である。
流星は「反ゾディアーツ同盟」からベルト「メテオドライバー」を与えられて、メテオとなった。メテオの正体を知られないようにと釘を刺されていた流星だったが、弦太朗たち「仮面ライダー部」に正体を知られており、例外的に了承されている。
「まさかオレたち以外の仮面ライダーだけじゃなく、仮面ライダーと違う、世界や地球を守る戦士がいたとは・・しかもこの世界は、どちらもが世界の敵となっている・・」
「あぁ。だがそいつらも、ここにいるライダーたちも、本物みてぇだけど偽者だ・・」
呟きかける流星に弦太朗が電王たちを見据えたまま答える。
「本物だろうと偽者だろうと関係ない。攻撃してくるなら倒すだけだ。」
流星が強気に言いかけて、電王たちに視線を戻す。
「オレが本物の仮面ライダー、メテオ。お前たちの運命は、オレが決める。」
流星が電王たちに向けて強気に言い放つ。彼は向かってきた電王に向けて、鍛錬させた武術による速く重い打撃を繰り出していった。
「へっ!心強いダチが来てくれたもんだぜ!」
弦太朗が笑みをこぼして、武器「メダガブリュー」を斧型の「アックスモード」にして向かってきたオーズを迎え撃つ。
弦太朗が力を込めたパンチを繰り出すが、戦闘力が増しているオーズは彼の力をはねのけてしまう。
「くー!なんてパワーだ・・あのパワーを押し返すには、アレしかねぇか・・・!」
弦太朗が思い立って、携帯電話型端末機「NSマグフォン」を取り出して、握るように持つ。
「割って挿す!」
彼はNSマグフォンを分割させて、それぞれをフォーゼドライバーにセットした。
“Magnet.”
彼のまとうフォーゼの装甲が銀を基調としたものへと変化した。磁力を操る能力を備えた形態「マグネットステイツ」である。
「どんなパワーで来ても、コイツのパワーを押し切れねぇよ!」
言い放つ弦太朗に、オーズがメダガブリューを振り上げて飛びかかる。弦太朗は2機のレールガン「マグネットキャノン」を射出して、磁力を集中させていく。
磁力を込めたエネルギー弾をぶつけられて、オーズが磁力に押されて弾き飛ばされていく。
「さっきの重たい攻撃がウソみてぇだ・・!」
驚きを込めた喜びの声を上げる弦太朗。
“プ・ト・ティラーノ・ヒッサーッツ!”
オーズがメダガブリューを「バズーカモード」にして、エネルギーを集中させていく。
「そう来るなら、オレもこれで決めるぜ!」
弦太朗がマグネットキャノンを組み合わせて、U字型磁石の形をした「NSマグネットキャノン」として、磁力のエネルギーを集中させていく。
“Limit break.”
「ライダー超電磁ボンバー!」
弦太朗はNSマグネットキャノンから強力なエネルギー弾を発射する。オーズもエネルギー砲「ストレインドゥーム」を発射して、弦太朗のエネルギー弾とぶつけ合う。
磁力のエネルギーはオーズのエネルギーを裂くように弾いていく。
「いっけー!」
弦太朗がさらに力を込める。磁力のエネルギー弾を受けたオーズが、歪められるような衝撃に襲われて、爆発を引き起こして消滅した。
「よっしゃ!決まったぜ!」
オーズを撃破したことに、弦太朗がガッツポーズをして喜んだ。
電王との攻防を繰り広げていく流星。攻め立てる彼に向かって、ディケイドが飛びかかってきた。
「お前が世界の破壊者か。だが今回破壊者となるのはオレのほうだ・・」
流星が低い声音でディケイドに言いかける。ディケイドが本型武器「ライドブッカー」を剣型の「ソードモード」にして構えて、流星に向かっていく。
流星は素早く的確な動きと打撃で、ディケイドと電王の攻撃をかいくぐって反撃を命中させていく。
「次でお前の運命が決まる。」
“Meteor,limit break!”
流星が青いエネルギーを左足に集めてジャンプする。怯んでいる電王が、流星が繰り出したキック「メテオストライク」を受けて吹き飛ばされて消えていった。
着地した流星がディケイドに振り向いた。
「次はお前だ。特別にコイツで決めてやる。」
流星がベルト「メテオドライバー」にセットされていた「メテオスイッチ」を「メテオストームスイッチ」と入れ替えた。
“Meteor storm!”
彼のまとうメテオの装甲の形が変化し、金色があしらわれていった。メテオの最強形態「メテオストーム」である。
「オレの運命は嵐を呼ぶぜ!」
流星が言い放って、ロッド「メテオストームシャフト」を手にする。メテオストームシャフトの周りを、青と金の風が取り巻く。
流星がメテオストームシャフトを振りかざして、ディケイドに叩き込んでいく。速く重い打撃を受けて、ディケイドが押されていく。
「今回破壊されるのはお前のほうだったな。」
流星がメテオストームスイッチをメテオストームシャフトにセットする。
“Limit Break!”
メテオストームシャフトに青と金の風が巻き起こる。同時にメテオストームスイッチからコマ状の武器「ストームトッパー」が射出される。
ストームトッパーはコマのように回転しながら、自動でディケイドに向かっていく。連続でストームトッパーをぶつけられていくディケイドに、流星が飛びかかってメテオストームシャフトを突き出した。
青と金のエネルギーを注ぎ込まれて、ディケイドが起こった爆発に巻き込まれていった。流星がメテオストームシャフトを振りかざして炎を振り払うが、その中にディケイドの姿はなかった。
「こんなところか・・」
流星がひとつ息をついて、弦太朗に振り返った。
「助かったぜ、流星・・おめぇが来てくれなかったら、ちょっとやばかったかも・・」
弦太朗が流星に気さくに声をかけてきた。
「オレもオーロラのようなトンネルを見つけたので来てみたら・・オレたちがいた世界とは別の世界につながっていたとは・・」
「あぁ・・この世界は、仮面ライダーもスーパー戦隊っていう別のヒーローも、世界の敵になってる世界みてぇなんだ・・・」
言いかける流星に弦太朗が説明をしていく。
「そういえば、この地下の入り口の前で、V3とRXが戦隊たちと戦ってたはずだ!流星、2人はどうなったんだ!?」
弦太朗が地上での戦いを思い出して、流星に問いかけてきた。
「それなら心配いらない。心強い味方が集まってくれた・・・」
「心強い、味方・・・!?」
流星の答えに弦太朗が疑問符を浮かべた。
「今は気にするな。今は奥に進むのが先だ・・」
「あ、あぁ・・・!」
流星に呼びかけに弦太朗が答えた。