オメガ×フォーゼ×ゴーカイジャー

スーパーヒーロー列伝

第7章

 

 

 ストロンガーとの勝負を受けて立つ弦太朗、V3RX。電気エネルギーを武器とするストロンガーは、弦太朗に組み付いて電ショックを仕掛ける

「ぐあっ!」

 電気ショックを受けて弦太朗がうめき、フォーゼの装甲から火花が散る。

「弦太朗くん、大丈夫か!?

「平気、平気!ちょっとしびれただけだ!」

 RXの呼びかけに、弦太朗が体のしびれを感じながら答える。彼は気を引き締めて、ストロンガーを見据える。

「電気には電気。コイツでタイマン張らせてもらうぜ!」

Elek.”

 弦太朗が新たなるスイッチ「エレキスイッチ」をベルトにセットして、エレキステイツに変身する。向かってくるストロンガーを、彼はビリーザロッドを構えて迎え撃つ。

 ストロンガーが繰り出す電パンチを、弦太朗がビリーザロッドで受け止めつつ、反撃に転ずる。彼のがむしゃらな電気の攻撃が、次々にストロンガーに命中していく。

「へっ!今回もエレキは調子いいぜ!」

「油断するな!仕掛けてくるぞ!」

 笑みをこぼす弦太朗にV3が呼びかける。ストロンガーがジャンプして、電気エネルギーを集めたキック「ストロンガー電キック」を繰り出してきた。

「こっちも必殺技と行くか!」

Limit break.”

 弦太朗もビリーザロッドに電気エネルギーを集中させる。

「ライダー100億ボルトブレイク!」

 彼が振りかざしたビリーザロッドが、ストロンガーが突き出した右足とぶつかり合う。

「まだまだこんなもんじゃねぇー!」

 弦太朗がさらに力を込めて、ビリーザロッドを振り抜いた。電気の一閃を受けたストロンガーが、爆発と閃光に巻き込まれて消滅した。

「よっしゃ!今度もうまくいったぜ!」

 弦太朗が勝利を喜んで、ガッツポーズを決める。

「そっちも終わったみてぇだな。ならさっさと先に行くぞ。」

 マーベラスが声をかけると、光輝たちが頷いた。

「建物の中が怪しいわね。大抵中の床に地下への入り口があるものよね。」

「なら早く行くとするか!アイツ、きっと待ちくたびれてるだろうからな!」

 ルカが言いかけると、弦太朗が意気込みを見せる。彼らは廃工場に足を踏み入れ、調べることにした。

 建物は3つあったが、2つはほとんど壊れていて建物と呼べるかどうか怪しかった。光輝たちが残る1つの建物の中を調べていたときだった。

「待っていたぞ、宇宙海賊。そして仮面ライダーの諸君。」

 光輝たちの前に1人の怪人が現れた。不気味かつ機械的な容姿の怪人である。

「お前は、ザイエン・・!」

 怪人、ザイエンの登場にジョーが緊迫を覚える。

「知り合いなのか・・!?

「あぁ・・ザンギャックの科学者だ・・!」

 弦太朗の問いかけにジョーが答える。ザイエンは人体改造のスペシャリストであり、バリゾーグの生みの親であると同時にシドをバリゾーグに改造した張本人でもある。

「仮面ライダーという勢力も現れたことで、私の探究心がさらに高まった。できることなら全員に施したかったが、そこのお前たちだけでも改造を行い、私の手駒にすることを決めた。」

「ライダーを手駒にか。確かに仮面ライダーは元々、ショッカーの戦力のために誕生した改造人間だった・・だが何をしてこようとも、オレたちの中にある正義の心を壊すことはできない!」

 企みを口にするザイエンにV3が言い放つ。

「自分たちの科学と研究のために、罪のない人の命を弄ぶなど、オレたちが許さん!」

 RXがザイエンに向けて怒りをあらわにする。するとザイエンが笑い声をあげてきた。

「ならば力を持ってお前たちを服従させてくれる。バスコは私にライダーキーの仮面ライダーを貸し与えてくれた。そして私自身の戦力も整いつつある。」

 ザイエンが告げると、光輝たちの前にバスコが召喚した仮面ライダーが現れた。アマゾン、BLACK、シン、ZO、バースである。

 さらに光輝たちの前に2人のバリゾーグが現れた。ジョーには2人ともシドでないことは分かっていたが、シドと戦う忌まわしい宿命を思い出すことになった。

「バリゾーグの量産も秒読み段階にある。ここにいる2体もその手始めだ。性能はワルズ・ギル様に仕えていたバリゾーグと大差ないがな。」

「そのような悪巧み、見過ごすわけにはまいりません。」

 淡々と語りかけるザイエンに、アイムが真剣に言いかける。

「ジョー、あのときは1対1だったが、今度はオレたちもやらせてもらうぞ。」

「マーベラス・・あぁ。今度は一緒に戦うぞ・・」

 マーベラスの呼びかけにジョーが答える。2人のバリゾーグとZOが彼らに向かってきた。

「派手にいくぜ!」

 マーベラスがゴーカイサーベルとゴーカイガンを手にして先陣を切る。ジョーたちも彼と一緒にゴーカイガンを発砲し、ゴーカイサーベルとゴーカイスピアを振りかざす。

 だがバリゾーグの1人はゴーカイガンの射撃をものともせず、もう1人は素早い動きで攻撃をかわしていく。

「なんというパワーとスピードだ。先ほどの戦闘員たちとは比べ物にならない・・!」

「当然だ。バリゾーグは元の素材のすばらしい能力を残しつつ、我々の意のままに操れるようにしてある。並みの戦闘員などバリゾーグの足元にも及ばん。」

 驚きの声を上げるRXに、ザイエンが喜びの笑みを投げかけてくる。RXと弦太朗が同時にパンチを繰り出すが、バリゾーグは当てられても押されず、逆にパンチで2人を突き飛ばす。

「く〜!力を込めても全然効かねぇ〜!」

 バリゾーグを攻撃した右手を押さえて痛がる弦太朗。

「だったらオレたちもパワーで押し切るか!」

 マーベラスが強気に言って、新たなるレンジャーキーを取り出した。

「それですか!?それじゃオレの出番が・・!」

「お前の相手はそこにいるライダーだ。」

 抗議の声を上げる鎧に対し、マーベラスがZOを指さした。

「そういうことでしたら頼みましたよ!そっちはオレに任せてください!」

「決まりだな。行くぜ!」

 意気込みを見せる鎧に頷いて、マーベラスがバリゾーグたちに視線を戻した。

「ゴーカイチェンジ!」

“ダーイナマン!”

 マーベラスたち5人が、科学と体力を兼ね備えたスーパー戦隊「科学戦隊ダイナマン」に変身した。

「爆発!科学戦隊!」

「ダイナマン!」

 マーベラスが名乗りを上げて、5人が声をそろえた。

「パワーで勝負するなら、オレもやるしかないな。」

 RXを意を決して意識を集中する。すると彼の体が変化し、金と黒の体のより機械的な姿となった。

 RXの多段変身「ロボライダー」。RX以上のパワーを備えた姿である。

「オレは炎の王子!RX!ロボライダー!」

 ロボライダーが名乗りを上げて、マーベラスたちとともにバリゾーグに向かっていく。

「ダイナ剣!」

 マーベラスが2本の剣「ダイナ剣」を振りかざすが、バリゾーグは体から火花を散らしても怯まない。

「クロスカッター!ショットクロス!」

 ドンが2本のブーメラン「クロスカッター」を組み合わせて「ショットクロス」にして、エネルギーを集めてバリゾーグに投げつける。「ブーメランショック」を当てられたバリゾーグの体から火花が散る。

「ローズサーベル!サーベルフラッシュ!」

 アイムが剣「ローズサーベル」から閃光を放って、バリゾーグの目をくらませる。

「チェーンクラッシャー!」

 ルカがその隙を狙って、鎖鉄球「チェーンクラッシャー」を振り回して投げつける。鉄球をぶつけられてバリゾーグが突き飛ばされる。

 そこへロボライダーが距離を詰めて、重みのあるパンチを繰り出していく。RXと弦太朗の攻撃をものともしなかったバリゾーグが、ロボライダーの攻撃に押されていく。

「バカな・・このバリゾーグのパワーをねじ伏せるなど・・!?

「オレはRX以上のパワーを持つロボライダーだ!」

 毒づくザイエンに答えて、ロボライダーが両手を突き出してバリゾーグを突き飛ばした。

「今だ!ニュースーパーダイナマイト!」

 マーベラスがジャンプして腕を組み、エネルギーを高めていく。

「撃たせてなるものか!バリゾーグ、阻止しろ!」

 ザイエンが指示を出して、バリゾーグがマーベラスたちの技を阻止しようとする。

「ボルティックシューター!」

 ロボライダーが銃「ボルティックシューター」を手にして、射撃「ハードショット」でバリゾーグの迎撃を阻止した。マーベラスたちが高まったエネルギーをまとって、火の玉になってバリゾーグに飛び込んだ。

 ダイナマンの「ニュースーパーダイナマイト」の直撃を受けて、バリゾーグの1体が爆発を起こして大破した。

「やった・・」

 バリゾーグの1体を倒したことを実感するロボライダー。だがもう1体のバリゾーグに背後から羽交い絞めにされてしまった。

「くっ!」

 うめくロボライダーだが、押さえられている両腕にうまく力を入れられなくて、バリゾーグから離れることができない。

「いいぞ。まずはお前だ。徹底的に痛めつけてから、その後に脳改造を施してくれる。」

 ザイエンがロボライダーを見つめて、喜びの笑みをこぼす。

「私自ら引導を渡してくれる。ありがたく思え!」

 ザイエンが右手を突き出して、ロボライダーに攻撃しようとした。だが突然ロボライダーの体が液状となった。

「何っ!?

 この出来事にザイエンが驚く。液体となったライダーはバリゾーグの拘束から脱し、さらに2人に体当たりして攻撃を加えた。

 液体から人の形を取ったライダー。その姿はRXでもロボライダーでもない、青と銀の体のライダーだった。

「また姿が変わった・・何者だ、お前は!?

「オレは怒りの王子!RX!バイオライダー!」

 声を荒げるザイエンに名乗りを上げたライダー。RXの多段変身形態「バイオライダー」である。

 バイオライダーはロボライダーとは対照的に、スピードと特殊能力に長けている。最大の特徴は体を液化できることで、体当たりだけでなく、隙間を通り抜けることもできるのである。

「その素早い動きで不覚を取ったが、オレにはその手は通用しないぞ!」

「おのれ、バイオライダー・・!」

 言い放つバイオライダーにザイエンが苛立ちを見せる。

「バイオライダーか。だったらオレたちもバイオで行くしかないな。」

 マーベラスたちが新たなるレンジャーキーを取り出した。

「ゴーカイチェンジ!」

“バーイオマン!”

 彼らはバイオ粒子を受け継いだ戦隊「超電子バイオマン」に変身した。

「超電子!」

「バイオマン!」

 マーベラスが名乗りを上げて、5人がそろえる。彼らとバイオライダーに挟まれて、ザイエンが苛立ちを隠せなくなる。

「こうなればまとめて敗北を味わわせてやる!バリゾーグ、やれ!」

「バイオソード!」

 ザイエンの命令を受けたバリゾーグを迎え撃つべく、マーベラスたちが剣「バイオソード」を手にする。

「バイオブレード!」

 バイオライダーも剣「バイオブレード」を手にして、ザイエンに立ち向かう。振りかざしてくるバイオブレードを、ザイエンが両腕で防いでいく。

 ザイエンが右手を突き出してビームを放つが、バイオライダーはバイオブレードを掲げて受け止めて、振りかざしてビームを弾いた。

「オレたちもやるぞ!」

 マーベラスが呼びかけて、バリゾーグを見据える。

「バイオソード!」

 彼らが剣「バイオソード」を手にして振りかざす。が、バリゾーグは素早い動きで攻撃をかわしていく。

「すばしっこいヤツだ!ならこれだ!ファイヤーソード!」

 マーベラスがバイオソードに炎をまとわせて振りかざす。この一閃がバリゾーグの右のわき腹に命中した。

「スパークソード!」

「エレキソード!」

「サンダーソード!」

 マーベラス、ジョー、ルカがバイオソードに電気をまとわせて解き放つ。電撃を受けたバリゾーグが爆発に襲われて怯む。

「決めるぞ!スーパーエレクトロン!」

 マーベラスたちがバイオ粒子を集中させて、エネルギー弾「スーパーエレクトロン」を放出する。バリゾーグは回避が間に合わずに、スーパーエレクトロンの直撃を受けて突き飛ばされる。

 一方、ザイエンが拘束ビームを放って、バイオライダーの動きを止めていた。

「今度こそ動きを止めたぞ・・抵抗ができないように痛めつけてくれる・・・!」

 ザイエンがバイオライダーに向けて右手を振りかざしてきた。その瞬間、バイオライダーが体を液化させて、拘束ビームから脱出して、さらにザイエンに突進して突き飛ばした。

 バイオライダーが元に戻って、バイオブレードにエネルギーを集めて、ザイエンに向けて振りかざした。そこへバリゾーグが飛び込んで、ザイエンを横に突き飛ばして庇った。

 バイオブレードの一閃「スパークカッター」を受けて、バリゾーグが倒れて爆発を引き起こした。

「おのれ、ライダー・・このままでは済まさんぞ・・・!」

 苛立つザイエンの呼びかけを受けて、BLACKがバイオライダーの前に立ちはだかった。バイオライダーはRXに戻って、過去の自分と同じ姿のライダーを見据えていた。

 

 ZOの卓越したパワーとスピードに鎧は翻弄されていた。だが鎧は反撃のチャンスをうかがっていた。

「そろそろフィニッシュを決めるか!」

 鎧がゴーカイスピアを振りかざして、ZOのパンチとキックをかいくぐっていく。そして鎧が繰り出す一閃が、ZOに命中してダメージを与えていく。

 ZOがすぐに体勢を整えて、ジャンプしてキックを繰り出してきた。

「こっちも負けねぇぞ!」

“ファーイナルウェイーブ!!”

 鎧がゴーカイスピアをガンモードにして、ZOに狙いを定める。

「ゴーカイスーパーノヴァ!」

 ゴーカイスピアからエネルギー弾を発射する鎧。ZOがエネルギー弾の直撃を受けて爆発、消滅した。

「やったー!やりましたよー!」

 勝利を喜ぶ鎧が、同じく戦いを終えたマーベラスたちと合流した。

「こっちは終わりましたよ!」

「そうか。だが休憩にはまだ早いぞ。」

 声をかける鎧に答えて、マーベラスが振り向く。彼らの前にアマゾン、シン、バースが立ちはだかっていた。

 

 RXの前に立ちふさがるBLACK。2人のライダーを見て、ザイエンが笑みをこぼしてきた。

「過去の自分との対決、実に見ものだな。単純な能力はお前のほうが上だろうが、バリゾーグとの戦いでエネルギーを消耗していては、確実に勝てるとは言えんな。」

「お前たちは勘違いをしている。仮面ライダーの強さは、単純な力で測れるものではない。」

 強い意思を見せるRXBLACKRXに飛びかかって、パンチとキックを繰り出してくる。

 体力を消耗していたはずのRXだが、BLACKの攻撃をものともせずにはねのけていく。逆にRXのパンチとキックを受けて、BLACKは追い詰められていく。

「キングストーンフラッシュ!」

 BLACKRXが同時にベルトから、体内にあるキングストーンのエネルギーを放出した。2つの閃光はぶつかり合い、きらめいて相殺した。

 一瞬怯んだBLACKだが、エネルギーを右手に集めたライダーパンチを繰り出してきた。RXがこの直撃を受けて数歩押される。

 BLACKが続けてジャンプして、右足にエネルギーを集めてライダーキックを繰り出す。

RXキック!」

 RXもジャンプして、両足にエネルギーを集めたライダーキック「RXキック」を繰り出す。2人のキックがぶつかり合いで競り負け、BLACKが爆発に巻き込まれて消滅した。

「バカな!?私の計算が覆っただと!?

 驚愕するザイエンにRXが振り返った。

「リボルケイン!」

 RXがベルト「サンライザー」から剣状のスティック「リボルケイン」を引き抜いた。ザイエンが両手から放ったビームをジャンプでかわして、RXがリボルケインを突き出した。

 リボルケインの光輝く刀身が、ザイエンの体を貫いた。

「あのBLACKとの1番の差は強さや能力ではない!自由と平和を守ろうとする正義の心だ!」

「心・・そんなものが、私の科学力を上回るというのか・・・!?

 言い放つRXにザイエンが愕然となる。

 RXがザイエンからリボルケインを引き抜いた。リボルケインによる突き「リボルクラッシュ」を受けたザイエンが、貫かれた体から火花を散らして倒れ、爆発を引き起こした。

「友の心と体をも弄ぶ悪と、オレたちはこれからも戦っていく・・・」

 改めて決意を心に秘めて、RXは歩き出していった。

 

 アマゾンとシンの素早い動きと切り裂き攻撃、さらにバースの銃「バースバスター」からの射撃に、マーベラスたちは翻弄されていた。

「鬱陶しいやり方してくるじゃない。」

「まずはあの金属ライダーをやっつけるとしよう・・!」

 ルカが不満を口にして、ドンが呼びかける。

「でしたらこちらで参りましょう。」

 アイムが新たなるレンジャーキーを取り出して、マーベラスたちが頷いた。

「ゴーカイチェンジ!」

“ジューレンジャー!”

 彼らは恐竜人類の戦士「恐竜戦隊ジュウレンジャー」に変身した。

「恐竜戦隊!」

「ジュウレンジャー!」

 マーベラスが名乗りを上げて、6人が声をそろえる。彼らはアマゾンとシンの後方から援護攻撃を仕掛けているバースに狙いを定める。

「プテラアロー!」

 アイムが弓矢「プテラアロー」を構えて、バースバスターから放たれたメダルの弾丸ごとバースを射止めた。

「サーベルダガー!」

 ルカが2本の短剣「サーベルダガー」を投げつけて、バースバスターに当てて弾き飛ばす。

「トリケランス!」

「モスブレイカー!」

 ジョーとドンが槍「トリケランス」と斧「モスブレイカー」を手にして、バースに向かっていく。アマゾンとシンが行く手を阻もうとするが、アイムのプテラアローに逆に阻まれる。

Caterpillar leg.”

Drill arm.”

 バースが両足にキャタピラ「キャタピラレッグ」を、右腕にドリル「ドリルアーム」を装備して突進を仕掛ける。ドンがモスブレイカーでバースの突進とドリルを受け止め、ジョーがトリケランスを突き出してバースを怯ませる。

「龍撃剣!」

 マーベラスが剣「龍撃剣」を手にして、バースに飛びかかる。彼がすれ違い様に龍撃剣を振りかざして、バースを切り付ける。

「この2人はオレが食い止めます!今のうちにとどめを!」

 鎧が短剣「獣奏剣」を手にして、シンが繰り出してきた爪「ハイバイブネイル」を受け止める。

「5つの武器を合わせるぞ!」

 マーベラスの呼びかけで、5人がモスブレイカー、プテラアロー、サーベルダガー、トリケランス、龍撃剣を組み合わせて、バズーカ砲「ハウリングキャノン」を完成させた。

Cell burst.”

 その隙にバースが全ての武装を装備した形態「バース・デイ」となって、銃砲「ブレストキャノン」の銃口にエネルギーを集中させる。

「ハウリングキャノン!」

 バースがブレストキャノンから発射した「ブレストキャノンシュート」をマーベラスたちが迎え撃つ。2つのビームがぶつかり合い、激しい衝撃を巻き起こす。

 だがバースが次第に押されて、マーベラスたちの閃光にのみ込まれて消えていった。

「やった!」

 ドンがバース撃破を喜ぶ。だが彼らの前にアマゾンとシンが立ちはだかった。

「しつこいヤツらだ。まだ暴れ足りないようだな・・」

「だったらコイツで、オレたちもひと暴れするか・・」

 ジョーに答えてマーベラスが取り出したのは、「爆竜戦隊アバレンジャー」のレンジャーキーだった。

「それで行くのは了承しかねます。またあのような格好をするのは・・」

 するとアイムが不満の声を上げてきた。以前にアバレンジャーに変身した際、アイムはアバレピンクに変身した。ところがスーツがあまりにも恥ずかしくて、彼女は戦意を喪失して戦えなくなってしまった。

「そんなにイヤなら他の戦隊にしてみたら?たとえばこれとか。」

 ルカがアイムに気さくに声をかけて、別の戦隊のレンジャーキーを差し出した。そのレンジャーキーはマジレンジャーのマジマザーだった。

「仕方ありませんね・・では今回は私はこちらで行きます。」

 アイムはルカからマジマザーキーを受け取った。

「ゴーカイチェンジ!」

“アーバレンジャー!”

“マージレンジャー!”

 マーベラスたちがアバレンジャーとマジマザーに変身した。

「荒ぶるダイノガッツ!爆竜戦隊・・ぐあっ!」

 マーベラスが名乗りを上げようとしたとき、アマゾンとシンが飛びかかられて爪で切り付けられた。不意打ちを受けたマーベラスたちが地面に倒される。

「もう・・アバレキラーみたいなことをしてくれやがって・・・!」

 かつてアバレキラーがやったような名乗りの妨害をされて、鎧が不満を見せる。

 そのとき、振り返ったアマゾンとシンの両足が凍り付いた。アイムが放った氷の魔法の冷気が、2人の動きを封じたのである。

「名乗りは戦隊の鉄則です。邪魔をするのは言語道断です。」

「サンキュ、アイム。やっぱあたしの選択は正しかったわね。」

 強気に言いかけるアイムに感謝して、ルカが満足を見せる。

「それじゃ仕切り直しだ・・爆竜戦隊!」

「アバレンジャー!」

 マーベラスたちが名乗りを上げて、5人が声をそろえた。アマゾンとシンが両足の氷を打ち破って、再びマーベラスたちに襲いかかってきた。

「アバレイザー!」

 マーベラス、ジョー、ルカが銃「アバレイザー」を手にして射撃するが、アマゾンとシンは素早い動きでかいくぐっていく。

「ダイノスラスター!」

「ウィングペンタクト!」

 ドンがサーベル「ダイノスラスター」を、鎧が羽根ペン型の武器「ウィングペンタクト」を手にして、アマゾンとシンに向かっていく。

 アマゾンがカッターのついた腕を振りかざす「大切断」を、ドンがダイノスラスターで防いでいく。鎧もウィングペンタクトを剣型の「ブレードモード」にして、シンの繰り出すハイバイブネイルを防いでいく。

「ティラノロッド!」

 マーベラスが棍棒「ティラノロッド」を手にしてドン、鎧、アマゾン、シンの間に割って入る。ペースを乱されたアマゾンとシンが、マーベラスが振りかざすティラノロッドに叩きつけられていく。

「ストームインフェルノ!」

「サークルムーン!」

 ドンがダイノスラスターを振りかざして旋風を巻き起こして、アマゾンとシンを巻き上げる。マーベラスがティラノロッドで円を描いて生み出したエネルギーを、2人のライダー目がけて放った。

 身動きが取れないままエネルギーをぶつけられて、アマゾンとシンが地上に落とされる。すぐに起き上がったアマゾンの前に、アイムが立ちふさがった。

「私がいることをお忘れなく。マジ・マジュナ!」

 アイムが呪文を叫んで、強烈な冷気を放出する。冷気に巻き込まれたアマゾンが、回避がままならずに凍り付いた。

「チェックメイト。」

 アイムが指を鳴らすと、凍り付いたアマゾンが砕け散って消滅した。

「こっちも決めるぜ!スーペリアダイノボンバー!」

 マーベラスたちがそれぞれの武器を合体させたバズーカ砲「スーペリアダイノボンバー」を構えて、立ち上がったシンに狙いを定める。

「必殺!スーペリアダイノダイナマイト!」

 スーペリアダイノボンバーからエネルギー弾「スーペリアダイノダイナマイト」を発射する。ふらついているシンがこの直撃を受けて爆発の中に消えた。

「これだけやれれば満足だろう。」

「こっちのザコ掃除も丁度終わったぜ。」

 笑みをこぼしたマーベラスに弦太朗が声をかけてきた。彼とV3はザイエンが従えていたドゴーミンを撃退していた。

「そっちも終わったか。こっちはいろいろと楽しませてもらったぜ。」

「そうか。オレは地下への入り口を見つけたぜ。」

 互いに笑みをこぼすマーベラスと弦太朗。弦太朗たちは戦いの最中に、地下への入り口を発見していた。

「やりましたよー!このままバスコのところへ・・・!」

 鎧が喜びを見せて言いかけたときだった。彼は廃工場の外を目にして、驚愕のあまりに言葉を詰まらせた。

「ウソ、だろ・・!?

「こんなのって・・こんな数・・・!」

 弦太朗と光輝が驚愕する。彼らの前に現れたのはスーパー戦隊の大群。ゴレンジャーからゴーカイジャーまでの35戦隊、約200人の戦士たちだった。

「一気に現れたわね。あたしたちゴーカイジャーまでいるよ。」

「バスコが呼びだしたんだね・・」

「だがオール戦隊の相手は初めてじゃねぇ。派手にやらせてもらうぜ!」

 ルカ、ドン、マーベラスたちが戦隊たちを見回して言いかける。

「いや、お前たちは先に行け。」

 そこへ声をかけてきたのはV3だった。

「ここの相手はオレと先輩だけでいい。君たちが戦うべき相手はその先にいるだろう・・」

 RXも戦隊たちに立ち向かおうとしていた。

「ムチャです、V3RX!あれだけの数を2人だけで相手をするなんて!」

 光輝が声を荒げるが、V3RXも意思を変えない。

「たとえ敵わない相手でも、倒れる以外の末路がないと言われても、正義のために立ち向かう。光輝くん、君もそのことを頭に入れて戦ってきたはずだ。」

V3・・・」

「オレたちを心配してくれるお前の気持ちは嬉しい。だが今は自分のすべきことをするんだ。お前のすべきことは、オメガのベルトを取り戻すことだ。」

 戸惑いを覚える光輝にV3が呼びかける。彼の励ましを受けて、光輝は頷いた。

「その選択をしたことを後悔しないようにしてくれよな。」

 マーベラスがV3RXに言いかけて、ジョーたちと一緒に地下に入っていった。

「オレたちも行くぜ、光輝。」

「弦太朗くん・・・うん。」

 弦太朗の呼びかけに、光輝が真剣な表情で頷いた。2人も地下へと降りていった。

「さてやるぞ・・アイツらが自分たちの戦いに集中できるように・・・!」

 V3の呼びかけを受けてRXが頷く。2人のライダーが、バスコが呼びだしたスーパー戦隊を迎え撃とうとしていた。

 

 

 

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