オメガ×フォーゼ×ゴーカイジャー
スーパーヒーロー列伝
第2章
ゲキレンジャーにゴーカイチェンジしたマーベラスたちがスーパー1に立ち向かう。マーベラスが繰り出す拳法が、スーパー1に命中していく。
「ゲキワザ・貫貫打!」
ルカがスーパー1に詰め寄り、体の一点に集中して連続で突きを当てる。攻撃力を蓄積されて、スーパー1が突き飛ばされる。
「いくぞ!蛮蛮肘!」
ドンがスーパー1にのしかかり、ひじ打ちを叩き込む。突き倒されて地面に突っ伏すスーパー1だが、即座に起き上がってジャンプする。
「やらせるか!烈蹴拳!」
鎧が臨気を右足に集中させて飛び上がり、「スーパーライダー閃光キック」を繰り出すスーパー1を迎え撃つ。鎧の臨気に競り負けて、スーパー1が地上に落とされた。
「よし!これでフィニッシュだ!」
マーベラスが銃砲「激激砲」を手にして、ジョー、ルカと一緒に構える。
「激激砲!」
激激砲から激気が放たれ、スーパー1がその直撃を受けて爆発を引き起こした。
「うん、やった!」
危機を乗り切ったことにドンが安心する。マーベラスたちはゴーカイチェンジを解除して、ゴーカイジャーに戻る。
「それにしても、なぜ仮面ライダーが私たちを襲ってきたのでしょう・・?」
「それに今のライダーたち、心が感じられなかったです・・ヒーローとしての熱い魂が・・」
アイムと鎧がスーパー1たちに疑問を感じていた。マーベラスたちもライダーたちから違和感を感じていた。
オーロラのトンネルを通ってきた光輝。その先は自分がいる場所と変わらない世界が広がっていた。
「ここはどこだろう?・・地球、日本と変わらない・・・」
光輝は街の様子を見回していく。彼はオメガへの変身を解除していた。
「同じ世界と簡単に決めないほうがいい。パラレルワールドの可能性もある・・」
メガブレイバーが光輝に注意を促す。普段と変わらない街の風景だが、光輝もメガブレイバーも違和感と重い空気を感じていた。
そのとき、光輝の耳に爆発音が飛び込んできた。
「この音・・・!」
緊張を膨らませた光輝がメガブレイバーを走らせる。駆けつけた場所での出来事に、彼は目を疑った。
それは仮面ライダーを攻撃するマーベラスたちの姿だった。別の戦士にも変身している彼らに、光輝は世界と夢の破壊者を思い出していた。
「あの人たちももしかして・・・!」
マーベラスたちを敵視した光輝は、メガブレイバーから降りて自ら走り出した。
「変身!」
ベルトに水晶をセットして、光輝がオメガに変身する。彼はスーパー1たちを倒したマーベラスの前に現れた。
「また仮面ライダーが現れたか・・」
マーベラスが光輝に気付いて振り返る。
「仮面ライダーに攻撃するとは・・新しく世界や地球を狙う怪人か!?」
「いきなりオレたちを怪人呼ばわりか?ま、オレたちは海賊だ。正義の味方よりも、悪役のほうがお似合いかもな・・」
問い詰めてくる光輝に対し、マーベラスが不敵に振る舞う。
「来るっていうなら相手してやるぜ。かかってきな!」
マーベラスたちがゴーカイサーベルとゴーカイガン、ゴーカイスピアを手にして光輝を迎え撃つ。
「お前たちに、世界の平和とみんなの壊させてたまるか!」
光輝が怒りと正義を宿して、マーベラスたちに立ち向かう。ゴーカイサーベルやゴーカイスピアによる近距離、ゴーカイガンでの遠距離の攻撃に怯むことなく、光輝は攻撃を繰り出していく。
「やるじゃねぇか。さっきのライダーとは一味違うようだな・・」
マーベラスが光輝の力を感じ取って喜びを見せる。
「よし!今度はコイツで行くぞ!」
マーベラスがレンジャーキーを取り出して、ジョーたちが頷いた。
「ゴーカイチェンジ!」
“バートルフィーバー!”
マーベラスたち5人が新たなるスーパー戦隊「バトルフィーバーJ」に変身した。ダンスを駆使して戦うスーパー戦隊である。
「他の戦士にも変身する・・お前たちも、アイツと同じなのか・・・!」
光輝が怒りを膨らませながら、マーベラスたちに向かっていく。だがマーベラスは空手といったカンフーダンスを駆使して迎撃する。
「何っ!?」
マーベラスの重みのある打撃を受けて、光輝が驚く。彼が立ち上がったところで、ルカがコサックダンスで足元にキックを叩き込んできた。
倒されるもすぐに起き上がる光輝だが、ドンがトロピカルダンスにトリッキーな動きを織り交ぜて、彼にキックを叩き込んでいく。
世界のダンスを取り入れたバトルフィーバーの戦法に、光輝は押され気味になっていた。
「このまま畳み掛けるぞ!」
ジョーが呼びかけ、彼らが棒型の武器「コマンドバット」を手にした。
「ペンタフォース!」
マーベラスたちがコマンドバットを空に向けて投げる。5本のコマンドバットが合体して、回転しながら光輝に向かって飛んでいく。
「ここで負けてたまるか・・!」
光輝は諦めずに、ベルトの水晶を右手の甲部にセットする。
「ライダーパンチ!」
精神エネルギーを込めたパンチ「メガブレイカー」を繰り出して、光輝がペンタフォースを迎え撃つ。爆発を巻き起こして、コマンドバットが弾き返される。
「すごい・・ペンタフォースを跳ね返すなんて・・!」
鎧が光輝の力に驚きを見せる。光輝は立ち上がって、マーベラスたちを見据えていた。
「この技を跳ね返すとはな・・このまま倒しちまうのがもったいないくらいだ・・」
マーベラスが喜びの声を光輝にかける。
「まだまだ楽しめそうってことだな・・」
「ちょっと待ったー!」
マーベラスたちが光輝に向かっていこうとしたところで、声が飛び込んできた。そして1台のバイクに乗って、1人の青年が光輝たちの前に現れた。
リーゼントに学ランと、その風貌は不良そのものだった。
「久しぶりだな、オメガ!・・何だ?また世界征服を企んでる悪いヤツの登場か?」
光輝に気さくに声をかけてくる青年。マーベラスたちが1度ゴーカイジャーに戻って、青年に振り返った。
「お前、誰だ?オレたちは今、コイツの相手をしてるんだ。」
「ケンカしてたってわけか。拳で語り合うのは友情を深めるのに大事なことだけど、仮面ライダーが関わってるんじゃ黙ってらんねぇな。」
声をかけてきたマーベラスに、青年が笑みを見せてきた。
「オレも仲間に入れさせてもらうぜ!」
彼は身に着けていたベルトの4つのスイッチソケットを入れた。
“3,2,1..”
「変身!」
握ったベルトのレバーを引くと、青年の体をスーツが包み込んだ。ロケットを思わせる容姿をした白いスーツである。
「宇宙キター!」
青年が空に向けて高らかに叫ぶ。彼は構えてマーベラスを見据える。
「また仮面ライダーの登場か。オレの名はマーベラス。ゴーカイジャーのゴーカイレッドだ。」
「オレは如月弦太朗!天ノ川学園高校の生徒全員と、仮面ライダー全員と友達になる男だ!」
互いに名乗りを上げるマーベラスと弦太朗。
「ゴーカイレッド、この仮面ライダーフォーゼが、タイマン張らせてもらうぜ!」
「1対1か、面白い。コイツの相手はオレがする。ジョーたちはアイツの相手だ。」
弦太朗の挑戦を受けて、マーベラスがジョーたちに呼びかける。
「いいわよ。その代わり、コレでいくよ。」
ルカが答えて新たなレンジャーキーを取り出した。
「いいぜ。オレも丁度そんな気分だったんだ。」
マーベラスも納得して、レンジャーキーを構えた。
「ゴーカイチェンジ!」
“メーガレンジャー!”
マーベラスたちが新たなるスーパー戦隊へと変身を果たした。
「電磁戦隊!」
「メガレンジャー!」
マーベラスが名乗りを上げて、ジョーたちが声をそろえる。デジタルパワーを駆使して戦う電磁戦隊メガレンジャーとなった。
「ターボレンジャーに続く高校生戦隊ですね!あのライダー相手にナイスチョイスです!」
鎧がメガレンジャーに変身したことを喜んでいた。マーベラスが弦太朗を、ジョーたちが光輝を迎え撃つ。
弦太朗とマーベラスが一進一退の攻防を繰り広げる。互いの荒削りなパンチとキックを、2人は回避と防御を行っていく。
「ドリルセイバー!」
マーベラスが先端がドリルとなっている短剣「ドリルセイバー」を手にする。彼が先端のドリルを回転させてドリルセイバーを振りかざすが、弦太朗は後ろに下がってかわす。
「げっ!そっちもドリルかよ!だったらオレも!」
弦太朗が声を上げながら、1つのスイッチを取り出した。
“Rocket.”
“Drill.”
彼の右腕にロケット、左足にドリルが出現した。フォーゼは「アストロスイッチ」と呼ばれるスイッチを使って、両腕、両足に様々な装備を行う他、フォーゼを別形態へと変身させるものもある。
弦太朗はロケットを使って大きく飛び上がり、ドリルを回転させた左足を突き出す。
「負けてられるか!ドリルスナイパーカスタム!」
マーベラスがユニット「ダブルトップ」を装着した銃「ドリルスナイパー」を構える。
“Limit break.”
「ライダーロケットドリルキック!」
「ハイパーメガニックバスター!」
弦太朗のドリルを駆使したキックと、マーベラスが発射した竜巻状のビームが激しくぶつかり合う。その衝撃にマーベラスが押され、弦太朗も体勢を崩して地上に落下する。
「弦太朗くん!」
光輝が弦太朗を助けようとするが、ジョーたちが立ちはだかる。
「アンタの相手はあたしたちよ。」
「メガスナイパー!」
ルカが強気に言いかけて、ドンたちが光線銃「メガスナイパー」を手にして発射する。光輝は横に飛んで、光線をかわす。
「シルバーブレイザー!」
鎧はメガシルバーの専用武器「シルバーブレイザー」をガンモードにして、光輝に向かって走りながら光線を連射する。光線を受ける光輝に詰め寄り、鎧はシルバーブレイザーをソードモードにして振りかざす。
「ブレイザーインパクト!」
鎧の一閃を受けて光輝が突き飛ばされる。切られたオメガの装甲から火花が散る。。
「マルチアタックライフル!」
ジョーたち4人がそれぞれの専用武器を組み合わせた銃「マルチアタックライフル」を構える。その銃口から放たれた「マルチアタックビーム」を受けて、光輝が突き飛ばされる。
ダメージが大きくなって、光輝からオメガへの変身が解けた。
「おっ!?やべぇ!」
光輝のピンチに弦太朗が慌てる。だがマーベラスとの戦いを無視することもできない。
「そこまでだ!」
そこで声がかかり、弦太朗とマーベラスたちが攻撃の手を止めた。彼らの前に2人の男が現れた。
男たちの1人の顔に、鎧は見覚えがあった。だが思い出した人物と違うと、彼はすぐに悟った。
「アオレンジャーの新命明さんでも、ビックワンの番場壮吉さんでもない・・あなたは・・」
「2人のことを知っていたか・・オレの名は風見志郎。仮面ライダーV3だ。」
「オレは南光太郎。仮面ライダーBLACK RXだ。君たちが宇宙海賊、海賊戦隊ゴーカイジャーかい?」
鎧が呟く前で、2人の青年、志郎と光太郎が自己紹介をしてきた。
「お前たちも仮面ライダーってわけか。オレたちはその仮面ライダーに攻撃されている。お前たちにいい顔はできないな。」
「同感。」
「オレもだ。だまし討ちを狙っているとも限らないしな・・」
マーベラス、ルカ、ジョーが志郎と光太郎に疑いの眼差しを送る。
「君たちを襲ってきたのは本物のライダーではない。本物にあるものを感じられなかったことを、君たちも気付いているはずだ。」
志郎が口にした言葉を聞いて、マーベラスたちが緊張を覚える。
「今回の事件のこと、ご存じなのでしょうか・・?」
「全てではないが、君たちよりは知っているはずだ・・ここは1度、変身を解いてくれ・・」
アイムが疑問を投げかけると、光太郎が呼びかけてきた。
「それは、もうひと勝負してからのなりそうだな・・」
マーベラスが不敵に言いかけたときだった。彼らの前に3つの影が現れた。
2人はローブを身にまとった男たち、1人は頭が薄型テレビになっていて、その先にタワーのような突起物のある怪人である。
「何だ、コイツら!?新しいゾディアーツかよ!?」
男たちの登場に弦太朗が声を上げる。光太郎は2人の男のことを知っていた。
「お前たちは、ゴルゴムの大神官、ダロムとバラオム!」
「久しぶりだな、南光太郎・・お前たちは世界からの迫害から逃れていたか・・」
声を上げる光太郎に、ダロムが笑みを浮かべてきた。
「迫害?・・どういうことなんだ・・・?」
その言葉にドンが疑問を覚える。するとバラオムが不敵な笑みをこぼして答える。
「教えてやろう。この世界では、全ての仮面ライダー、全てのスーパー戦隊が、全宇宙の敵となっているのだ。」
「ライダーと戦隊が、全宇宙の敵!?」
驚きの声を上げる鎧。マーベラスたちも光輝も疑念を膨らませていた。
「世界や宇宙の平和を守り続けてきた仮面ライダーとスーパー戦隊が、人間どもに牙を向け、襲いかかる存在となった。」
「お前たちがこことは別の世界からやってきたことは知っている。そのお前たちでさえ、この世界の人間たちは敵と見るだろう・・」
バラオムとダロムが語って、光輝たちをあざ笑ってくる。
「そんなはずはない・・仮面ライダーが、世界のみんなを襲って敵に回るなんて・・!」
光輝が立ち上がって、ダロムたちに言い返してきた。
「確かめるがいいと言いたいところだが、お前たちはここで地獄に落とされることになる・・」
バラオムが言いかけて、ダロムとともにローブを外した。2人が光輝たちに大怪人としての姿を現した。
三葉虫の大怪人、ダロムとサーベルタイガーの大怪人、バラオムである。
「仮面ライダー、ゴーカイジャー、ここをお前たちの墓場にしてやろう!」
「今回のことで何か知っているみてぇだな。聞かせてもらおうか・・」
言い放つダロムにマーベラスが言い返す。
「おっと!オレたち仮面ライダーの敵を、ほっとくわけにいかねぇな!やってやるぜ!」
弦太朗も前に出て、ダロムたちに挑もうとしていた。
「わざわざダロム様とバラオム様の手を煩わせるまでもありません。ここはこのテレビ仮面にお任せを。」
そこで怪人がダロムたちに声をかけてきた。「秘密戦隊ゴレンジャー」と戦ったテレビ仮面であるが、ブラウン管テレビに東京タワーをつけた形をした頭は、薄型テレビと平面状の東京スカイツリーの形に変わっていた。
「アナログから地上デジタルに進化した、この新生テレビ仮面の力を思い知らせてやるぞ!」
「アナログ?」
「地上デジタル?」
高らかに言い放つテレビ仮面だが、彼が口にした言葉の意味が分からず、マーベラスとジョーが疑問符を浮かべる。宇宙人である彼らは、地球での文化を、地球人である鎧ほど分かってはいなかった。
「考えるのは後です!まずはアイツらを倒すのが先です!」
鎧がマーベラスたちに呼びかけて、ダロムたちを見据える。
「先輩、オレたちも戦いましょう・・!」
「もちろんそのつもりだ。ヤツらの陰謀を叩き潰さないとな。」
光太郎の呼びかけに志郎が答える。2人がテレビ仮面を見据えて、意識を集中する。
「変身・・V3!」
「変身!」
それぞれポーズを取って、志郎と光太郎が仮面ライダーへと変身した。
「仮面ライダーV3!」
「オレは太陽の子!仮面ライダー、BLACK!RX!」
名乗りを上げるV3とRXを見据えて、テレビ仮面が笑みを見せる。
「たとえ仮面ライダーが相手だろうと、オレは負けないぞ。」
「それはどうかな?仮面ライダーを甘く見ないことだな。」
V3がテレビ仮面に言い返して、RXとともに立ち向かっていく。力と技、太陽エネルギーを備えた2人が繰り出すパンチが、テレビ仮面に命中する。
「それじゃ、こっちも派手にやらせてもらうぜ!」
マーベラスたちもゴーカイサーベルとゴーカイガンを手にして、バラオムを見据える。
「ゴーカイジャー、私が貴様らを楽にしてやるぞ!」
「同じセリフを返してやるぜ!」
バラオムに言い返して、マーベラスがゴーカイガンを発砲する。ダロムが横に動いて、バラオムがスピードを上げて射撃をかわす。
バラオムに加勢しようとするダロムの前に、弦太朗が立ちはだかる。
「お前の相手はオレだ!仮面ライダーの敵は、オレの敵だ!」
「フォーゼか・・まずは貴様を始末し、他のライダーたちも地獄に送ってやろう!」
強気に振る舞う弦太朗に言葉を返して、ダロムが右手を突き出す。すると弦太朗が突然体の動きを止められた。
「な、何だ、こりゃ!?・・体が言うことを・・!」
声を荒げる弦太朗。ダロムが右手をひねると、弦太朗が体を回転させられて地面に倒される。
「くっ・・念力ってヤツか・・そいつはちょっと厄介だな・・」
ダロムの放つ念動力に毒づく弦太朗。彼は打開のために、1つのスイッチを取り出した。
「だったらコイツはどうだ!」
“Giant foot.”
ベルトにスイッチを入れると、弦太朗の右足に巨大な足型の装置が装備された。彼はダロムを見据えたまま、その右足で地面を踏みつけた。
するとダロムに向かって足型の重力がのしかかってきた。
「こ、これは・・!?」
押し寄せる重力にダロムがうめく。彼は触覚からビームを放って、弦太朗をけん制する。
弦太朗とダロムの戦いは拮抗していた。
V3とRXと戦うテレビ仮面。テレビ仮面の頭のテレビに映し出されたミサイルが、画面から飛び出して実体化してきた。
だがV3もRXも素早く動いて、ミサイルをかわしていく。
「そんな攻撃、オレたちには通用しないぞ。」
「やるな、仮面ライダー・・だがこのテレビ仮面の攻撃は、この程度では終わらんぞ!」
互いに強気な態度を見せ合うV3とテレビ仮面。テレビ仮面の画面に映し出されたのは、無数の黒く小さな弾だった。
「小さいが威力は大きい小型爆弾だ!いくらライダーや戦隊でも、これだけの数はよけきれないだろう!」
テレビ仮面が勝ち誇って、爆弾を発射してきた。V3とRXが素早く動いて、爆弾と爆発をかわしていく。
「これだけの数の相手は問題がある・・何とかしなければ・・!」
「ヤツは頭のタワーで電波を受信する形で画面に映し出し、具現化している!ヤツの受信を絶てば、ヤツの攻撃力が落ちるはずだ!」
打開の糸口を探るRXとV3。
「受信を絶つ・・これならば・・!」
V3の言葉を受けてRXが思い立った。
「キングストーンフラッシュ!」
RXがテレビ仮面に向けて閃光を放出する。彼の体内にある太陽の石「キングストーン」のエネルギーが、テレビ仮面の受信を妨げる妨害電波の効果をもたらした。
「こ、これは!?・・これでは、電波がキャッチできない!」
「今だ!」
混乱しているテレビ仮面に向かって、V3がジャンプする。
「V3反転キック!」
V3がテレビ仮面にキックを当て、そこから空中で反転してさらにキックを命中させる。突き飛ばされたテレビ仮面が起き上がるも、再び倒れて爆発を引き起こした。
「オレたち仮面ライダーを甘く見たのが、お前の最大の敗因だ。」
勝利の言葉を口にするV3。RXも頷いて、勝利を確かめていた。
マーベラスがゴーカイガンでの射撃とゴーカイサーベルでの接近攻撃で、バラオムを狙う。だがバラオムは素早い動きで、マーベラスたちの攻撃をかわしていく。
「すばしっこいヤツだ・・オレたちの攻撃を軽々と・・」
バラオムに毒づくマーベラス。鎧がゴーカイスピアを振りかざすが、この一閃もバラオムにかわされる。
「どうした、ゴーカイジャー!?貴様たちの力はその程度か!?」
バラオムがマーベラスたちに向けて哄笑を上げてくる。
「調子に乗っちゃって・・だったらこっちも本領発揮といくわよ!」
ルカが不満を見せながら、レンジャーキーを取り出した。
「獣には獣ということだね・・」
ドンも頷いて、同じ戦隊のレンジャーキーを取り出した。
「ゴーカイチェンジ!」
“ギーンガマン!”
マーベラスたちが新たな戦隊へと変身した。「ギンガの森」の戦士「星獣戦隊ギンガマン」である。
「銀河を貫く伝説の刃!」
マーベラスがバラオムに向けて指さして、高らかに言い放つ。
「星獣戦隊!」
「ギンガマン!」
彼の名乗りにジョーたちも声をそろえる。
「他の戦隊にも変身できる能力・・小賢しいことだ!」
バラオムがあざ笑いながら、マーベラスたちに飛びかかる。ギンガマンに変身したマーベラスたち5人のスピードと、黒騎士に変身した鎧のパワーと防御力は上がっていた。
バラオムが素早く振りかざした爪を、マーベラスたちも素早くかわし、鎧が剣「星獣剣」を構えて受け止める。
「スーパー戦隊の力を甘く見ないことだな!」
鎧が言い放って、星獣剣を振りかざしてバラオムを退ける。
「流水の鼓動!」
ジョーが地面に手を付けて、地下から水流を呼び起こす。バラオムはジャンプして水流をかわすが、ルカとアイムが待ち構えていた。
「雷の雄叫び!」
「花びらの爪!」
2人が放った電撃と花びらの形をしたエネルギーが爆発を起こして、バラオムに襲いかかる。
「ごあっ!」
体勢を崩したバラオムが地上に落ちる。その彼をドンが待ち構えていた。
「嵐のはばたき!」
ドンがバラオムに向けて旋風を巻き起こす。バラオムは横に動いて旋風をかわすが、マーベラスと鎧が飛び込んできていた。
「炎のたてがみ!」
2人が放った炎を受けて、バラオムがダメージを負って地面に膝をつけた。
「今だ!」
マーベラスたちが獣の牙の形をした自在剣「機刃」を手にする。
「機刃の激輪!」
彼らは機刃を星形に組み合わせて放つ。バラオムが両手からビームを出して機刃を弾き返すも、その衝撃で彼も突き飛ばされる。
「おのれ、ゴーカイジャー・・だがこんなことでやられはしないぞ・・・!」
立ち上がったバラオムが声と力を振り絞る。
「しぶといな。だったらコイツでやってやるぜ。」
マーベラスが新たなレンジャーキーを取り出し、ジョーたちも納得した。
「ゴーカイチェンジ!」
“ガーオレンジャー!”
彼らは新たなる戦隊「百獣戦隊ガオレンジャー」へと変身した。
「命あるところ、正義の雄叫びあり!百獣戦隊!」
「ガオレンジャー!」
マーベラスが名乗りを上げて、ジョーたちが声をそろえる。バラオムが両手から放ったビームを、彼らはスピードを上げてかわす。
バラオムも素早く動いてジョーに向かって爪を振りかざしてきた。ジョーも手袋に装備されている爪で迎え撃ち、爪と爪のぶつかり合いが火花を散らしていく。
「シャークカッター!」
ジョーがサメの角の形をしたナイフ「シャークカッター」を手にして、バラオムを切り付ける。怯んだバラオムが体勢を崩して地上に落下した。
「バイソンアックス!」
「タイガーバトン!」
ドンが斧「バイソンアックス」を、アイムが棒「タイガーバトン」を手にして、バラオムに向かう。バラオムが反撃に出て振りかざしてきた爪を、アイムがタイガーバトンで受け止める。
「今です、ハカセさん!」
アイムの呼び声を受けて、ドンがエネルギーを集めたバイソンアックスを振り下ろしてきた。
「アイアンブロークン!」
ドンに切り付けられて、バラオムが突き飛ばされる。立ち上がった彼に向かって、マーベラス、ルカ、鎧が飛び込む。
バラオムが牙を模したサーベルを手にして迎え撃つが、マーベラスたちの素早い動きと爪に対応できず、攻撃を連続で受けることになった。
「おのれ・・このままでは済まさんぞ・・・!」
バラオムが諦めずに戦おうとする。だが彼が負っているダメージは大きい。
「とどめだ!破邪百獣剣!」
「破邪聖獣球!」
マーベラスたち5人がそれぞれの武器を組み合わせて、巨大な剣「破邪百獣剣」を完成させ、鎧がブレイクモードの「ガオハスラーロッド」を構える。
「邪鬼退散!」
マーベラスが破邪百獣剣を振りかざして光の刃を飛ばし、鎧がビリヤードの要領でガオハスラーロッドでエネルギーの球を打ち出す。彼らの攻撃の直撃を受けて、バラオムが倒れて爆発を引き起こした。
「バラオム!・・おのれゴーカイジャー、仮面ライダー・・バラオム、お前の恨み、必ず晴らしてくれるぞ!」
バラオムが倒されたことに怒りを感じながら、ダロムは弦太朗との戦いを中断して姿を消した。
「逃げられた・・厄介な相手だったぜ・・」
愚痴をこぼしながら、弦太朗がフォーゼへの変身を解く。志郎と光太郎、マーベラスたちも変身を解除した。
「ここはまず、オレたちの話を耳に入れてくれ・・」
志郎の呼びかけにマーベラスが頷く。状況を把握できず、光輝は困惑するばかりになっていた。