オメガ×フォーゼ×ゴーカイジャー
スーパーヒーロー列伝
第1章
仮面ライダーとスーパー戦隊。
ともに地球と宇宙の自由と平和、人々の夢を守り続けてきたヒーローである。
だが、ある世界で、仮面ライダーとスーパー戦隊が全面対決を行っていた。
「私は赤の戦士の魂を導く者!スーパー戦隊、アカレッド!」
地球上のある場所で、赤いスーツと仮面を身に着けた戦士、アカレッドが名乗りを上げた。彼の前にいたのは、サメを思わせる姿をした怪人、サンダールである。
「お前があの噂のアカレッドか。ぜひとも手合わせしたいと思っていた・・」
サンダールが喜びの笑みをこぼして、大刀「赦悪彗星刀」を手にする。
「見せてもらおうか。スーパー戦隊、赤の戦士の実力とやらを・・」
サンダールが赦悪彗星刀を構えて、アカレッドに向かっていく。アカレッドも剣「ゴーカイサーベル」と銃「ゴーカイガン」を手にして迎え撃つ。
アカレッドがゴーカイガンを発砲するが、サンダールは素早く動いてかわす。アカレッドとの距離を詰めたサンダールが、赦悪彗星刀をゴーカイサーベルにぶつけ、アカレッドがゴーカイガンを構えた左手をつかんで止める。
「さすがは伝説の赤の戦士。力と速さを兼ね備えた攻撃だ。だが、当たらなければどうということはない。」
サンダールから膝蹴りを叩き込まれるアカレッド。だがサンダールが赦悪彗星刀を振り上げた一瞬を見計らって、アカレッドがサンダールを突き飛ばして距離を取った。
「その剣、受けただけでもただでは済まないだろう・・ならば・・!」
サンダールの力を実感したアカレッドが意識を集中する。
「シンケンレッド!」
“シーンケンジャー!”
アカレッドが別の赤の戦士への変身を行う。
アカレッドはスーパー戦隊の歴代の赤の戦士に変身することができる。彼はその能力で、侍戦隊「シンケンジャー」の赤の戦士、シンケンレッドへと変身したのである。
「大きな刀を使えるのはお前だけではないぞ、サンダール・・烈火大斬刀!」
アカレッドがサンダールに言い放ち、大刀「烈火大斬刀」を手にする。
「面白い。この赦悪彗星刀に勝るかどうか、試してみるか。」
サンダールが赦悪彗星刀を構えて、アカレッドに迫る。2人が振りかざす大刀が重くぶつかり合う。
つばぜり合いを繰り広げてから、サンダールがさらに赦悪彗星刀を振りかざした。この一閃を、アカレッドが身をかがめてかわした。
その一瞬の隙をアカレッドは見逃さなかった。彼は炎を宿した烈火大斬刀を振りかざして、サンダールを切りつけた。
「何っ!?」
痛みとともに驚きを感じたサンダールが膝をつく。シンケンレッドへの変身を解いたアカレッドが、サンダールに振り返る。
「フッ・・私もよくよく運のない男だ・・ここで隙を作ることになるとは・・・」
「不運ということはない。わずかでも違っていれば、やられていたのは私のほうだ・・」
笑みをこぼすサンダールに、アカレッドは落ち着きを見せる。
「だが、運がないのはお前も同じのようだ・・」
「何っ・・・!?」
サンダールが口にしたこの言葉を聞いて、アカレッドが声を上げた。
そのとき、街で次々に爆発が起こった。アカレッドが緊張を覚えて、爆発のしたほうに向かっていった。
サンダールが倒れたのは、アカレッドの姿が見えなくなってからだった。
街では今、人々が想像もしていなかった事態が起きていた。仮面とスーツに身を包んだ戦士たちが、入り乱れての戦いを繰り広げていた。
一方は仮面ライダー、もう一方はスーパー戦隊と呼ばれている戦士たち。ともに地球と宇宙の平和を守るために戦ってきたヒーローたちである。
だが仮面ライダーたちもスーパー戦隊も、お互いを平和を脅かす敵だと認識していた。結果、彼らはヒーロー同士の戦いをすることになった。
仮面ライダー1号が繰り出したライダーチョップを、「特捜戦隊デカレンジャー」のデカマスターが剣「ディーソードベガ」で受け止める。
「秘密戦隊ゴレンジャー」のアオレンジャーと「ジャッカー電撃隊」のビックワンを、仮面ライダーV3が迎え撃つ。
「救急戦隊ゴーゴーファイブ」のゴーグリーンと仮面ライダーデルタが、「ファイブレイザー」と「デルタフォン」による銃撃戦を繰り広げる。
巨大化した仮面ライダーJと「恐竜戦隊ジュウレンジャー」の守護獣「ティラノザウルス」が激闘を続けていく。
街全体にまで激化していくライダーと戦隊の戦いを、アカレッドは目撃した。
「これは・・何ということだ・・・!」
「スーパーヒーローのお兄さんとお姉さんたちをうまく戦わせただけさ。」
声を上げるアカレッドに向けて、紅い光の球が飛び込んできた。その爆発に巻き込まれて、アカレッドが突き飛ばされた。
この大混戦の戦火に巻き込まれる形で、アカレッドは消息不明となってしまった。
仮面ライダーとスーパー戦隊の戦いはさらに激しくなり、双方に壊滅的な被害をもたらすこととなった。この戦いが終わりを迎えたとき、ライダー、戦隊の消息も分からなくなってしまった。
この戦いを、世界は「スーパーヒーロー大戦」と呼んだ。
宇宙を航行する1隻の赤い船。中では6人の若者がそれぞれの有意義な時間を過ごしていた。
彼らは宇宙海賊にして、35番目のスーパー戦隊「海賊戦隊ゴーカイジャー」である。
「宇宙最大の宝」を追い求めて地球に立ち寄ったゴーカイジャー。このときは船長であるキャプテン・マーベラスをはじめとして、ジョー・ギブケン、ルカ・ミルフィ、ドン・ドッコイヤー、アイム・ド・ファミーユの5人だったが、新たに伊狩鎧が加わることになった。
宇宙帝国「ザンギャック」との攻撃を迎え撃ちながら、マーベラスたちは宇宙最大の宝の鍵となる34のスーパー戦隊の大いなる力を手にしていった。
全ての大いなる力を集めて、宇宙最大の宝を目にしたマーベラスたち。ザンギャックとの全面対決を乗り越えた彼らは、宇宙で2番目の宝を求めて、旅を続けていた。
「宇宙で2番目の宝を探すのも、手間のかかることだな・・」
「しかもザンギャックの残党まで襲ってきて・・ホント面倒なんだから・・」
ジョーが呟き、ルカが不満の声を上げる。宇宙で2番目の宝を探すのも長い道のりである上、ザンギャックの残党を返り討ちを繰り返す日々も続いていた。
「でも皇帝が健在だった頃と比べたら気が楽じゃないかな?面倒なのは僕も思うけど・・」
「いいじゃないですか。確かに残党の襲撃はありますけど、それでも以前よりは落ち着いてきていますよ。」
肩を落とすドンと、有意義に紅茶を口にするアイム。
「そうですよ、アイムさん!こうして悪を倒していくのも、スーパー戦隊であるオレたちの使命なんですから!」
鎧がアイムに同意して、声高らかに言い放つ。
「オレたちにはそんな使命は二の次だが、もう少しでお宝探しに集中できるってもんだ。ま、懲りずにオレたちを狙ってくるヤツがいても返り討ちにしてやるまでだ。」
マーベラスが不敵な笑みを浮かべる。ザンギャックの残党の襲撃をかいくぐり、彼らゴーカイジャーの旅は順調に進んでいくかに思われた。
「こっちに何かが近づいてくるよ!」
オウム型のロボット、ナビィが騒ぎ立てる。その直後、マーベラスたちの乗る海賊船「ゴーカイガレオン」が大きく揺れた。
「どうした!?」
「これ、爆発の音だ!また攻撃をされたのかな!?」
声を荒げるマーベラスとドン。
「またザンギャックなの!?しつこいわね!」
「いや、違うぞ・・!」
怒鳴るルカの言葉にジョーが言い返す。ゴーカイガレオンを攻撃してきたのはザンギャックではなかった。
「あれは・・!?」
マーベラスが一瞬、ゴーカイガレオンの窓の外に見えた人影を目撃した。それはスーパー戦隊とは違う仮面とスーツだった。
「ガレオンの進行方向が変わってる!強い力に引っ張られてる!」
ドンがゴーカイガレオンのコンピューターを見て声を上げる。ゴーカイガレオンが引き寄せられているほうに、巨大なオーロラがあった。
「オーロラ!?」
「まさか、これは・・!」
声を荒げる鎧とマーベラス。舵の利かないまま、ゴーカイガレオンはオーロラの姿かたちをしたトンネルに引きずり込まれていった。
街の中を走行する1台のバイク。1人の青年がバイクでの散歩を楽しんでいた。
吉川光輝。正義感が強くヒーローに憧れを抱いている。その性格や振る舞いが子供染みていると思われていることがある。
(平和はいいものだ・・この平和がいつまでも続いていってほしいものだけど・・・)
平和な日常を感じて喜ぶ光輝だが、本当の平和がまだ訪れていないことも実感していた。
「光輝、何かがこっちに近づいてきている。」
そのとき、バイク「メガブレイバー」が光輝に向けて声をかけてきた。警戒した光輝がメガブレイバーの速度を落とそうとした。
次の瞬間、光輝とメガブレイバーの前をひとつの人影が横切った。彼はブレーキを強くかけてメガブレイバーを止めた。
光輝が視線を移した先には、歯車のような頭部をした怪人が倒れていた。
「ガルヴォルス!?・・いや、何か違う・・別の怪人・・・!?」
メガブレイバーから降りた光輝が、起き上がってきた怪人を警戒する。
「おのれ・・このガイアーク2代目害統領、ババッチーノの邪魔をするとは、言語道断であーる・・!」
怪人、ババッチーノが苛立ちを見せる。彼のそばに戦闘員、ウガッツが駆けつけてきた。
「お前たち、世界征服を企んでいる怪人たちか!?」
光輝がババッチーノたちに向けて声をかけてきた。
「ぬっ!?余がガイアーク2代目害統領、ババッチーノのことを知っているとは・・!」
「お前たち悪の好きなようにはさせない!ここでお前たちを止める!」
声を荒げるババッチーノに言い放ち、光輝が1つの水晶を取り出した。
「変身!」
光輝が水晶を、腰につけているベルトの中心部にセットする。すると彼の体を赤い装甲が包み込む。
これがクリスタルユニットの1機「オメガユニット」である。水晶に込められたエネルギーを戦闘力に変換するクリスタルシステムを盛り込んだクリスタルユニットは、装着者の精神と連動して機能する。装着、各必殺技の使用の際は、水晶「ソウルクリスタル」を介する。
使用には使用者の強靭な精神力が必要で、精神力が弱いとシステムにエラーを来たしてしまい、最悪死に至ることもある。
「その姿、どのスーパー戦隊とも違う・・貴様、何者であーるか!?」
「仮面ライダーオメガ!」
身構えるババッチーノに、光輝が高らかに名乗りを上げた。
「スーパー戦隊とは違うようだが、邪魔をするならば処罰あるのみであーる!行けい、お前たち!」
ババッチーノの命令で、ウガッツがスパナを持って光輝に襲いかかってきた。オメガとなった光輝がパンチを繰り出して、ウガッツを突き飛ばして打ち倒していく。
「何っ!?」
次々にウガッツを攻撃して退けていく光輝に、ババッチーノが驚きを見せる。
「たとえ何者であろうと、我らの作戦を阻むことはできないのであーる!」
ババッチーノがウガッツを退けた光輝に迫ってきた。ババッチーノがドライバーの形をした右手を突き出してきた。
「ぐっ!」
オメガの装甲から火花を散らしながら、光輝が突き飛ばされる。続けてババッチーノが振り下ろしてきた、スパナの形をした左腕を、光輝は体制を整えて受け止めた。
ババッチーノの右腕もつかんで押さえて、光輝が動きを止める。
「これで攻撃はできない・・!」
「その考えは甘いのであーる!」
動きを止めてくる光輝に、ババッチーノが強気な態度を見せる。彼の体にある「ババッチーノバルカン」が火を噴いた。
「うわっ!」
ババッチーノの連続射撃で、光輝が再び突き飛ばされる。怯んだ彼に向かって、ババッチーノが右手を突き出してきた。
「メガフラッシャー!」
光輝のベルトから閃光が放出され、ババッチーノが目をくらまされて後ずさりする。
「今だ!」
光輝がベルトにセットされていた水晶を、右足の脚部にセットして、大きくジャンプする。
「ライダーキック!」
精神エネルギーを右足に集めた光輝のキック「メガスマッシャー」が、ババッチーノの体に命中した。
「がああっ!」
絶叫を上げて激しく突き飛ばされるババッチーノ。光輝が着地したところで、倒れたババッチーノが1度立ち上がる。
「ま・・まさか、貴様のような輩にやられるとは・・一生の不覚であーる・・・!」
声を振り絞ったババッチーノが再び倒れ、爆発を引き起こした。
「やった・・・」
ババッチーノを倒し、ウガッツたちを退けた光輝。平和を脅かす敵を撃退した彼だが、ババッチーノたちの登場に疑問を感じていた。
「それにしても、何者だったんだ・・ガルヴォルスでも、歴代のライダーが戦ってきた怪人でもない・・また新しい怪人が現れたのか・・・?」
「私にも情報がありません。何か大きなことの前触れでなければいいんだが・・」
光輝の呟きを聞いて、メガブレイバーが言葉を返す。光輝も一抹の不安を感じていた。
そのとき、光輝とメガブレイバーは奇妙な感覚を覚えた。
「何だ、この感じ・・・!?」
声を上げる光輝が振り返った先には、オーロラのようなトンネルが出現していた。
「あれ・・まさか、またアイツが・・・!」
光輝はある人物を思い出して、感情をあらわにする。彼はメガブレイバーに乗って、オーロラを見据える。
「慎重になったほうがいい。この先がどこにつながっているのかも分からない・・」
「だが、その先にアイツがいるんだ・・またアイツが勝手なことをしているかもしれないんだ・・・!」
メガブレイバーが注意を呼びかけるが、光輝は踏みとどまろうとしない。
「みんなが抱いている仮面ライダーをはじめとしたヒーローへの夢を、壊させてたまるか・・・!」
光輝が声を振り絞って、メガブレイバーを走らせた。彼らはオーロラのトンネルの中に飛び込んでいった。
オーロラのトンネルに引きずり込まれたゴーカイガレオン。宇宙を流れていたガレオンの中で、気絶していたマーベラスたちが意識を取り戻した。
「うう・・ここは・・・?」
ドンが意識をハッキリとさせて、ゴーカイガレオンの現在位置を調べる。ルカ、アイム、鎧が周りの様子をうかがい、マーベラスとジョーは冷静を保っていた。
「揺れも攻撃もないみたいね・・ガレオンが引っ張られてなきゃ、返り討ちにしてやったのに・・」
「でも、本当に誰だったのでしょうか?・・ザンギャックとも違ったようですが・・・」
不満を見せるルカと、疑問を感じているアイム。
「あの姿・・もしかしたら、仮面ライダーかもしれないです・・」
「仮面ライダー・・オレたちがあのとき会ったヤツらのことか・・・?」
鎧が口にした言葉を聞いて、ジョーが呟く。
マーベラスたちは以前に次元のトンネルを通って、仮面ライダーの世界に来たことがあった。鎧は以前から仮面ライダーのことを知っていたが、この出来事でマーベラスたち5人も仮面ライダーの存在と知識を得たのである。
「だけど、仮面ライダーもスーパー戦隊と同じで、地球や宇宙の平和を守っている戦士のはずだよね?それがどうして・・・」
「そんなことはどうでもいい・・とにかくオレたちにケンカを売ってきたんだ・・」
ドンが疑問を見せると、マーベラスが不敵な笑みを見せてきた。
「今度またやってきたらもう逃がさねぇ・・派手に叩きのめしてやるさ・・」
「オレもキャプテンと同じ意見だ・・」
「あたしも♪」
マーベラスの言葉にジョーが落ち着いたまま、ルカが勝気に答える。
「また厄介なことに関わることになりそうで、僕は気が引けるよ・・」
「私も、できれば穏便に話を進めたいところですが・・・」
ドンとアイムは争うことに消極的な素振りを見せていた。
「あっ!見てください!地球です!」
そのとき、鎧がゴーカイガレオンの窓の外を指さした。ガレオンは地球の上に流れ着いていた。
「いつの間にか地球に来ていたようだな・・」
「せっかく地球に来たんだ。ひと暴れの前に、腹ごしらえのカレーでもいただくか。」
ジョーが呟き、マーベラスが笑みを見せる。彼らは1度地球へと降り立つことにした。
「久しぶりの地球だー!ひゃー、懐かしいー!」
鎧がゴーカイガレオンの外に出て、地球の空を眺める。故郷に戻ってきた彼は興奮を抑えられなくなっていた。
「だが、何かがおかしい・・地球を旅立ってからそれほどたってはいないはずだというのに・・」
同じく外に出ていたジョーが、以前に訪れた地球と違う感覚を覚えていた。
「おかしいって・・この青空にこの空気、間違いなく地球ですよ。ザンギャックも悪さをする怪人もいない。すっかり平和だっていうのに・・」
鎧が言葉を返すが、ジョーは違和感を拭うことができないでいた。
そのとき、再びゴーカイガレオンの周りで爆発が起こった。
「ま、また攻撃!?」
声を荒げる鎧。彼とジョーが視線を移した先には、3つの影があった。
それは仮面ライダー、スーパー1、ナイト、ガタックだった。
「仮面ライダー!?」
「やはりアイツらだったか・・!」
驚く鎧と目つきを鋭くするジョー。スーパー1たちが2人に向かって迫ろうとしたとき、その間に破裂が起こる。
「オレたちの船に土足で踏み込むとはいい度胸だな。」
マーベラスがルカ、ドン、アイムと一緒にスーパー1たちの前に現れた。彼がゴーカイガンを発砲して、スーパー1たちの行く手を阻んだのである。
「今度は逃がさないわよ。コテンパンにしてやるからね。」
ルカが強気に言って、マーベラスたち6人が並び立つ。彼らは携帯電話「モバイレーツ」、「ゴーカイセルラー」を取り出した。
「ゴーカイチェンジ!」
モバイレーツ、ゴーカイセルラーに鍵「レンジャーキー」を差し込んで回す。
“ゴーーカイジャー!”
音声が発せられると同時に、マーベラスたちが特有のスーツを身にまとう。その姿も海賊を連想させるものとなっていた。
「ゴーカイレッド。」
「ゴーカイブルー。」
「ゴーカイイエロー♪」
「ゴーカイグリーン!」
「ゴーカイピンク。」
「ゴーーカイシルバー!」
マーベラス、ジョー、ルカ、ドン、アイム、鎧がそれぞれ名乗りを上げる。
「海賊戦隊!」
「ゴーカイジャー!」
マーベラスが言い放ち、6人が声をそろえる。彼らはゴーカイジャーに変身して、仮面ライダーたちの前に立ちはだかった。
「派手にいくぜ!」
マーベラスたち5人がゴーカイサーベルとゴーカイガンを、鎧が槍「ゴーカイスピア」を手にしてスーパー1たちに立ち向かう。彼らは攻防を繰り広げながら、ゴーカイガレオンから地上に降り立った。
マーベラスと鎧がスーパー1に立ち向かう。マーベラスがゴーカイサーベルとゴーカイガンを巧みに使って攻撃し、鎧がその隙を狙ってゴーカイスピアを振りかざすが、スーパー1は赤心少林拳を駆使した素早い動きで攻撃をかわし、的確に反撃の打撃を当てていく。
「くっ!思ったよりやるじゃねぇか・・」
「いえ、仮面ライダースーパー1のすごさは、それだけじゃないですよ!」
声を上げるマーベラスと鎧。スーパー1の両手が銀から青に変わった。
その両手から電気の光線を放つスーパー1。マーベラスと鎧が横に動いて電撃をかわす。
「スーパー1の手は“ファイブハンド”になっていて、5種類の能力を持った手に切り替えることができるんです!」
「おもしれぇ。仮面ライダーならこのくらいのことはやってくれないとな。」
鎧からの説明を聞いても、マーベラスは物怖じせずにスーパー1に立ち向かっていこうとする。
剣「ダークバイザー」を構えるナイトを、ジョーとドンが迎え撃つ。ジョーとナイトの剣による一騎打ちが行われる。
「お前も剣の腕に自信があるようだが・・」
ジョーが呟いて、ゴーカイサーベルでダークバイザーをはねのけて、ナイトの装甲を切り付けていく。
「剣に魂がこもっていない。それでも地球を守ってきた戦士・・?」
倒れたナイトを見下ろして、ジョーが言葉を投げかける。彼は地球や宇宙を守ってきたスーパー戦隊や仮面ライダーにあるものが、目の前にいるライダーたちにないことを実感していた。
ルカとアイムがガタックを迎え撃つ。ガタックが振りかざす刃「ガタックダブルカリバー」を、ルカがワイヤーを伸ばしたゴーカイサーベルを振りかざして弾き返していく。
「ほらほら、どんどんペース上げてくよー!アイム!」
ルカがゴーカイガンを渡してきたのを見計らい、アイムもゴーカイサーベルを渡す。
「承りました!」
アイムと武器を交換して、ルカがゴーカイサーベル2本を振りかざしていく。この連続攻撃に対応できず、ガタックが突き飛ばされる。
「さて、そろそろフィニッシュを決めるか・・」
マーベラスがスーパー1たちのとどめを刺そうとしたときだった。
彼らの身に着けているベルト「ゴーカイバックル」から光が飛び出してきた。マーベラスたちがその光をつかむと、スーパー戦隊の戦士の姿かたちをした鍵になった。
「これは、レンジャーキー・・!?」
「何で・・レンジャーキーは、僕たちの分以外はみんな・・・!」
マーベラスとドンが驚きの声を上げる。彼らの手元にゴーカイジャー以外のレンジャーキーがやってきた。
「レンジャーキー」はスーパー戦隊の力を引き出す鍵で、マーベラスたちはレンジャーキーを使うことでゴーカイジャーだけでなく、歴代のスーパー戦隊にも変身することができるのである。
だがマーベラスたちにとって、自分たち以外のスーパー戦隊のレンジャーキーを手にすることはありえないことだった。彼らは地球を旅立つときにレンジャーキーを手放し、持ち主に戻していた。
「マジで何かあるってことだが、せっかくまたつかんだ力だ・・喜んで使わせてもらうぜ!」
マーベラスは迷いを振り切り、手にしたレンジャーキーを使うことにした。
「ゴーカイチェンジ!」
“フラーッシュマン!”
マーベラスたち5人がレンジャーキーをモバイレーツにセットして回して、別の戦隊へと変身した。
「シャットゴーグル!」
ヘルメットのアイマスクが閉まって変身が完了する。マーベラスたちは強化服「プリズムスーツ」を身にまとうスーパー戦隊「フラッシュマン」に変身した。
「超新星!」
「フラッシュマン!」
マーベラスが高らかに言い放ち、5人が声をそろえる。彼らが再び手にしたレンジャーキーは本物だった。
「ゴーカイチェンジも、武器も能力も本物だ・・」
「どういうことかは分かんねぇが、派手にやらせてもらうぜ!」
ジョーがゴーカイチェンジを実感し、マーベラスが勝気に言い放つ。彼らはナイトとガタックに立ち向かっていった。
フラッシュマン特有のプリズムパワーで、マーベラスたちが攻め立てていく。そのパンチに押されて、ナイトとガタックが押されていく。
「プリズムシューター!」
マーベラスたちが光線銃「プリズムシューター」でナイトとガタックを射撃する。
“Clock up.”
だがガタックは超高速能力「クロックアップ」を使ってきた。目にも止まらない速さのガタックの攻撃に、マーベラスたちが押される。
「またこの動き・・ホントにすばしっこい・・!」
「だが見抜くことは不可能ではない・・フラッシュスコープ!」
ルカが不満を見せたところで、ジョーが透視能力「フラッシュスコープ」を使用した。高速で動いているガタックを、ジョーは見抜いた。
ジョーはプリズムシューターを剣に変形させて、向かってきたガタックを切り付けた。
「使い方をうまくすれば、手を焼くことはない。」
「よし!コイツで一気に決めるぞ!」
ジョーに続いてマーベラスが言いかける。彼らが手にしたバルカン砲を組み合わせて、銃砲「ローリングバルカン」にした。
「ルカ、サーチだ!」
「OK!」
マーベラスの呼びかけを受けて、ルカが標準をナイトとガタックに合わせる。
「ローリングバルカン!」
ローリングバルカンから5色の光線が放射された。この光線を受けてナイトとガタック吹き飛ばされた。
「残りはアイツ1人ね!拳法には拳法でね!」
ルカが新たなレンジャーキーを取り出してきた。
「オレもゴーカイチェンジしたいですよー!」
鎧も興奮を抑えられない様子で口を挟んできた。
「だったらお前もついてこい、鎧!」
マーベラスが鎧に言いかけて、レンジャーキーを構えた。
「ゴーカイチェンジ!」
“ゲーキレンジャー!”
新たにゴーカイチェンジをして、マーベラスたちは獣拳戦隊「ゲキレンジャー」となった。鎧はゲキレンジャーと戦った臨獣殿の当主、リオに変身した。
「燃え立つ激気は正義の証!」
「獣拳戦隊ゲキレンジャー!」
マーベラスが言い放ち、5人が声をそろえる。ゲキレンジャーとなった彼らと、スーパー1との対決が始まる。
マーベラスたちと仮面ライダーたちとのこの戦いを、この世界に来ていた光輝が目撃していた。