Ogre SID

-死を背負いし剣-

第2話「覚醒 –戦場に駆られる力-

 

 

 ミリィとエリィがアポストルではないかと判断して、ヒビキたちは2人をグリムリーパーの本拠地「グレイヴヤード」に連れてきた。

「この2人がアポストルだというのか?」

「えぇ。少なくても1人は、オーガを呼び出す前兆を見せていました。」

 ハントがミリィたちを見て、ヒビキが答える。

「その彼女は確実にそうです。もう1人は調べないと分からないですが・・」

「それは私たちで調査しておきます。2人の素性も含めて。」

 ヒビキがさらに報告して、シーマが答える。

“ガルブリュー隊長、アポストルを1人発見しました!”

 そこへ別働隊のアポストルから、ハントたちに向けて通信が入った。

「グレイブヤードに連れてこい。そいつも我々の戦力になるかもしれない。」

“了解です!”

 ハントが答えて、アポストルからの連絡を終えた。

「今回はアポストルをよく見つけますね。」

 シーマがアポストルの発見の多さに首をかしげる。

「アポストルならこちらは大歓迎だ。敵に比べて、我々は数が少ないのだから・・」

 ハントは冷静に答えて、アポストルが増えることに感心する。

「ただし、我々を崩壊させようとする者ならば、それ相応の対処をする・・例外なく・・」

「・・ですね・・メフィストを倒す前に自滅するのは、滑稽ですからね・・」

 ハントが付け加えた言葉に、シーマが肩を落とした。

「シーマ、まずは2人の調査を進めてくれ。」

「分かりました。早速。」

 ハントの指示を聞いて、シーマが小さく頷いた。彼女はミリィとエリィの身体検査と個人情報の調査を開始した。

(また、忙しくなりそうだ・・だがこれも、我々の勝利のため、メフィストを滅ぼすためだ・・)

 心の中で呟いてから、ハントはグリムリーパーの指揮を続けた。

 

 報告を終えたヒビキが、ラミアの待つ自室に戻ってきた。

「お姉ちゃん、あの2人は?」

「今は眠っているわ。隊長とシーマが調べてるところよ。」

 ラミアが聞いて、ヒビキが淡々と答える。

「ひよっこどもがのこのこ出てきても、メフィストを狩るのはこのオレだ。邪魔は許さないぞ・・」

 ギギがヒビキたちに野心を見せてきた。

「つまり、ギギがいればメフィストの全滅は確実だってことだ!そうだよな、ギギ?」

 アロンが高らかに言って、ギギに目を向ける。

「そういうことだ・・アロン、これからもオレについてこいよ!」

「もちろんだ、ギギ!」

 ギギが呼びかけて、アロンが気さくに答えた。

「シドは相変わらずの単独行動なの?」

「うん・・自分の部屋に戻ったみたい・・」

 ヒビキがシドのことを聞いて、ラミアが答える。

「あの子たち、シドに嫌われて殺されなければいいけど・・」

 ヒビキがミリィたちのことを心配する。

「1人は大丈夫だと思うけど、メイドさんがねぇ・・」

「あのミリィって人のために一所懸命なんだけど、その態度が裏目に出そうで・・」

 ヒビキが肩を落として、ラミアが腕組みをして悩む。

「とりあえず様子を見たほうがよさそうだね、お姉ちゃん・・」

「えぇ。同じ女としてね・・」

 ラミアとヒビキが声を掛け合い、ミリィたちを見守ることにした。

 

 別働隊によって、また新たに1人の少年が運ばれてきた。

「所持していた免許証で、すぐに身元は判明しました。夜桜(よざくら)テル。発見した地域にある高校に通っていた学生です。」

「オーガを具現化させる前兆が見られましたが、呼び出せないまま気を失ってしまいました。まだ力を使えていないようです。」

 グリムリーパーの兵士たちが、ハントに報告をする。

「その2人のうち、1人はミリィ・エスポランス。エスポランス家の娘です。もう1人はエスポランス家のメイド、エリィ・ハーツです。」

 兵士が続けてミリィたちのことも報告する。

「そうか・・だがエスポランスの本家はあの地点ではなかったはず。別荘のある場所でもない・・」

「家族旅行の途中だったようです。そこでメフィストに襲われ、2人だけ生き延びたようです・・」

 疑問を感じていくハントに、兵士がさらに報告する。

「メフィスト、見境がないですね。街単位で破壊行為を行うとは・・」

 シーマがメフィストの行動に、疑念と不快感を覚える。

「たった1人の反抗的な人間を始末するためだけに、その町を丸ごと炎上させた例は、1つや2つではない。ヤツらは自分に逆らう存在を、断固として認めていない節がある・・」

「完全に独裁的な支配ですね。戦力も絶対的なので、世界の人間は逆らえないでいる・・」

「そこに一石を投じたのが我々だ。メフィストに対抗できる力を備え、ヤツらの数を減らしている・・」

「特にシドの加入は、メフィスト打倒に対して大きいです・・性格面の評価は難しいですが・・・」

 メフィストとグリムリーパーのことを語る中、ハントは落ち着きを保ち、シーマが肩を落とす。

「我々とシドの目的は同じ。メフィストの殲滅だ。その目的を完遂するためには、シドの力が必要不可欠だ。」

「もしも我々を脅かす事態になれば、我々が生き延びるために彼を排除しなければならない・・」

「そうならないことを、私は願うだけだが・・」

「ヒビキたちだけでなく、引き続きシドの行動にも注意します。」

 シドの行動に引き続き目を光らせることを、ハントとシーマは考えていた。

 

 グレイブヤードに連れてこられてから一晩が過ぎた。意識を取り戻したミリィとエリィが、ベッドから起き上がった。

「ここは・・・?」

「確か私たちは、街にいたあの女の人たちに・・・」

 ミリィとエリィが周りを見回して、記憶を思い返す。

「気が付きましたか。」

 2人のいる部屋に、シーマがヒビキとともに入ってきた。

「あ、あなたは・・!?

 エリィがヒビキを警戒して、ミリィを守ろうとする。

「何もしなければ、私たちはあなた方に危害を加えません。まずはお互いに情報交換をしましょう。」

 シーマが落ち着きを払って、ミリィたちに話しかけてきた。

「私たちはグリムリーパー。ここはその本部、グレイブヤードです。」

「グリムリーパー・・メフィストに反逆している、アポストルの集団・・・!」

「ここが、その本部・・・!?

 シーマの話を聞いて、エリィとミリィが緊張を覚える。

「グリムリーパーのことは聞き及んでいます・・あなたたちのために、世界が混乱に陥っていると・・」

 ミリィがグリムリーパーのことを思い出すミリィ。

「でもあのとき、その考えが変わったかもしれない・・メフィストは、関係のない私たちまで・・・」

 街を襲ったメフィストを思い出すミリィ。彼女とエリィはメフィストへの不信感を感じていた。

「私たちがあなたたちを発見したとき、アポストルがオーガを呼び出すときに出る光が出ていた。そこのメイドさんはまだ分かんないけど、お嬢さんは間違いなくアポストルよ。」

 ヒビキも続けて話を投げかける。

「私がアポストル!?・・そんなはずは・・!?

 彼女の言葉が信じられず、ミリィが困惑して震える。

「ふざけたことを言わないでください!ミリィお嬢様はエスポランス家の王女様!崇高な立場にある方ですが、身体は普通の人間!あなたたちのような異様な能力はありません!」

 エリィが怒りを覚えて、シーマたちに反論する。

「私たちのことを人間と全然違う怪物みたいに思ってるみたいだけど、アポストルは普通の人間と変わんない状態から、突然力が覚醒することもあるのよ。」

 ヒビキがアポストルについて説明をする。しかしエリィは信じようとしない。

「いい加減にしてください!そう言ってお嬢様を思い通りにしようとしても、そうはいきません!」

「そう言い張っても、王女がアポストルという事実は変えられません。私たちでも・・」

 さらに怒鳴るエリィに、シーマが口調を変えずに言葉を返す。

「あなたは覚醒した自分の力の使い方を知らなければならない。さもなければ力を制御できず、自分ばかりか周囲の人を傷付けることになりかねません。」

「私が、みんなを傷付ける・・・!?

 シーマの言葉を耳に入れて、ミリィが困惑を強める。

「そうならないために、私たちが教えてあげるわ。いろいろとね。」

「お嬢様をあなたたちの危険な戦いに参加させるわけにいきません!」

 微笑んで手を差し伸べるヒビキだが、エリィが拒絶する。

「あくまで拒否しようとするなら、私たちは秘密保持のため、あなたたちを処置しなければならなくなります。」

「言ったはずです!お嬢様に危害は加えさせません!」

 警告を告げるシーマに対し、エリィはあくまでミリィを守ろうとしていた。

「私に気絶させられたの忘れちゃったの?つまり・・息の根を止めることだって、簡単だってこと・・」

 ヒビキもエリィに告げて、目つきを鋭くする。気まぐれのような雰囲気を見せていたヒビキが、ミリィたちに殺気を向けていた。

「あのとき無礼を働いたのはあなたでしたね・・あのときは油断しましたが、たとえ命に代えても、私はお嬢様をお守りいたします!」

 エリィが身構えて、シーマたちと対峙しようとする。

「待って、エリィ・・私の中にある力を、私が使いこなせるようになるのですか・・?」

 ミリィがエリィを呼び止めて、シーマたちに問いかけてきた。

「確証はないわ。人それぞれだから・・でもアポストルの先輩として、使い方を教えることはできる。使えないより使えた方が便利だとは思うけど?」

 ヒビキが答えて、また微笑みかける。

「そんな口車に乗る必要はありません!ミリィ様、あなたが戦わなくても、私があなたをお守りいたします!」

 エリィがミリィに呼びかけて、シーマたちと対峙する。

「いつまでも考えの追いつけはやめろ・・・!」

 そこへシドがやってきて、ミリィたちが振り向いた。

「シド、私たちのこの話を聞いていたのですか・・!?

「聞きたくなくても聞こえてきたんだよ・・それよりも・・」

 シーマが驚きを見せて、シドが彼女たちに鋭い視線を向ける。

「そいつ自身の考えを聞いてないのに、勝手にやることを決めるな・・自分の生き方は自分が決めるものだぞ・・」

 シドがミリィに自分の選択を進言する。

「だから、ミリィ様があなたたちの戦いに加わる必要は・・!」

「お前じゃなくてそいつに聞いているんだ・・」

「ミリィ様があなたたちの言うことを聞くことはありません!あなたたちの思い通りには・・!」

「そいつの考えを勝手に決めるなと言っている・・!」

 ミリィの代わりに言い放つエリィに、シドが鋭く言う。彼が詰め寄って、エリィの左肩をつかんで壁に押し付けた。

「お前はアイツに従っているようだが、それならばまずはアイツの言葉を聞くことぐらいしろ・・問答無用を押し付けるなら、オレも問答無用でやることになるぞ・・・!」

 シドから敵意を向けられて、エリィが緊迫を募らせる。彼女はシドの殺気が今まで感じたことのないものと痛感していた。

「やめて・・エリィ、もういいよ・・」

 ミリィがエリィをなだめて、シドからシーマに視線を移す。

「教えてください・・私にあなたたちの言う力があるのなら、その使い方を・・」

 ミリィが落ち着きを取り戻して、シーマに頼んだ。

「兵士以上の訓練を課すことになる。その覚悟はありますか?」

「私は多くの武術を教わってきました。その訓練がそれ以上のものだとしても、全く耐えられないということはないかと・・」

 シーマからの忠告に、ミリィが正直に答える。

「大きく出たね。さすがエスポランス家のお姫様ね。」

 ヒビキがミリィの覚悟を聞いて、笑みをこぼした。

「シーマ、私とラミアが教えてあげるわ。力の使い方とか戦い方とかをね。」

 ヒビキが微笑んで、ミリィを手招きして歓迎した。

「お嬢様、よろしいのですか!?・・お嬢様が、このような戦いに参加されるなんて・・!?

 エリィがシドの手を振り払い、ミリィを心配する。

「ゴメンね、エリィ・・私、お父様とお母様の仇であるメフィストを野放しにはできない・・」

「ミリィお嬢様・・・!」

 謝るミリィに、エリィが困惑を募らせていく。

「もちろん、私の敵討ちを他の人に任せることもね・・これは、私の戦い・・・」

「お嬢様・・分かりました!私はミリィお嬢様にお仕えする身!どこまでもお供させていただきます!」

 ミリィの決意を聞いて、エリィが笑みを浮かべて頷いた。

「それとあなたに言っておきます!私が従うのはミリィお嬢様です!たとえあなたでも、お嬢様に危害を加えることは許しませんし、私もお嬢様も、あなたに殺されたりはしません!」

 エリィがシドに対して鋭く言い放つ。さっきは気圧されたエリィだが、シドと対立することもいとわないつもりになっていた。

「人任せでなければ、それでいい・・」

 シドはひと息ついてから、ミリィたちの前から去っていった。

「最も聞き入れてほしいことは、彼、岸間シドを刺激しないことです。彼は自分の許せない相手には、殺してでも思い知らせようとします・・」

 シーマがため息まじりに、ミリィとエリィにシドのことを告げる。

「シドの行動には手を焼かされています。グリムリーパーのアポストルを手に掛けたことも、1度や2度ではありません・・」

「でもシドくんの力がずば抜けてて、メフィスト退治に必要不可欠なのも確かなのよね・・」

 シーマに続いてヒビキも肩を落としながら言いかける。

「シドはメフィストに対する憎しみが強い。他のアポストルのほとんどはメフィストへの恨みを持っていますが、彼はそれがずば抜けています・・」

「だから2人とも、シドくんを下手に刺激しないようにね。」

 シーマが話を続けて、ヒビキが気さくに言って笑みをこぼした。

「では早速訓練をしてもらいましょう。ヒビキさん、指導をお願いします。」

「了解。こっちだよ、2人とも。」

 シーマが指示して、ヒビキがミリィとエリィを手招きで呼ぶ。ミリィは戸惑いを、エリィは不快感を抱えたまま、ヒビキについていった。

 

 ミリィとエリィが連れてこられたのは、岩場の広がる屋外の訓練場。その中心で彼女たちとヒビキは足を止めた。

「ここで力の使い方を覚える。まずはオーガを呼び出せるようにしないとね。」

 ヒビキがミリィたちに説明をしていく。

「ここならもし力が暴走しちゃっても、被害を少なくできるからね。」

 ラミアも訓練場に来て、続けてミリィたちに声を掛けてきた。

「それで、ここで何を・・?」

「そうね・・まずはアポストルだってハッキリしてるお姫様から始めようか。」

 ミリィが疑問を投げかけて、ヒビキが気さくなまま答える。

「というわけだから、メイドさんは私と一緒に離れてた方がいいよ。」

 ラミアが言いかけて、エリィを連れてミリィたちから離れていく。

「アポストルがオーガを呼び出せるようになるのは、強い感情が必要なの。私もラミアもみんなそうだったから・・」

「それで、オーガを呼び出すにはどうしたら・・・?」

 説明をするヒビキに、ミリィが問いかける。

「1番手っ取り早いのが・・」

 ヒビキが顔から笑みを消すと、体から光を発した。彼女の後ろに彼女のオーガが姿を現した。

「精神的に追い詰めることだね・・」

 ヒビキが低い声音で告げると、オーガがミリィに向かって前進してきた。

「えっ・・!?

 ミリィが動揺を覚えて、後ずさりしてオーガから逃げようとする。

「何をするんです!?お嬢様に危害を加えることは許しません!」

 エリィがミリィを助けに行こうとすると、ラミアが止めに入る。

「近づいたら巻き込まれちゃうって・・」

「放しなさい!お嬢様に危害を加えることは許しません!」

 呼び止めるラミアの手を振り切って、エリィがミリィのところへ急ぐ。

 オーガが下ろしてきた足を、ミリィが慌ててよける。

「やめて・・私に何をするの!?

 ミリィが悲鳴を上げて、迫るオーガから離れていく。

「やめなさい!お嬢様に危害を加えるなら、私が許しません!」

 エリィがヒビキに詰め寄って、つかみかかって止めようとする。

「私を取り押さえても、私のオーガが止まることはないよ・・」

 ヒビキが投げかけた言葉を聞いて、エリィがオーガに振り向く。オーガは止まることなく、ミリィを襲い続けていた。

「それにそのくらいじゃ、私を止めるのはムリだよ・・」

 ヒビキがエリィの腕をつかんで、振り回して地面に叩きつけた。

「うっ!」

 エリィが体に激痛を覚えて、立ち上がれなくなる。

「お姫様本人を攻めても効果的じゃないかも・・それなら・・」

 ヒビキが呟き、オーガがミリィからエリィに振り返った。ヒビキはエリィに狙いを変えた。

「まさか、あなた!?・・エリィ、逃げなさい!」

 ミリィが緊迫を募らせて、エリィに呼びかける。

「う、うわっ!」

 走ろうとしたエリィだが、オーガが伸ばした手に捕まってしまう。

「エリィ!」

 叫ぶミリィの前で、エリィがオーガに両手でつかまれて苦痛に襲われる。

「放して!エリィは関係ないでしょう!?

「だったら力を出して助けに行けばいい・・」

 必死に呼びかけるミリィを、ヒビキが挑発する。オーガが両手に力を加えて、エリィをさらに締め上げる。

 ミリィがオーガの足にしがみついて登ろうとする。しかしオーガに簡単に振り払われて、地面に落とされる。

(敵わない・・私では、エリィを助けることもできない・・・!)

 自分の無力を痛感させられて、ミリィが絶望していく。

(お父様もお母様も失った・・その上、エリィまでいなくなる・・・そんなのは・・そんなのは・・・!)

 メフィストに襲われたときのことを思い出して、ミリィが激情に駆られていく。

「そんなのは、イヤアッ!」

 感情をあらわにして絶叫を上げるミリィ。そのとき、彼女の体から青い光があふれ出した。

 ミリィの光は膨らんで、巨大な人の形へと変わっていく。

「やっとオーガになった・・・!」

「あれが、お姫様のオーガ・・・」

 ラミアとヒビキがミリィのオーガを見て、戸惑いを覚える。ミリィのオーガは背中から白い翼を生やしていて、その姿は悪魔とは相対的な天使のようだった。

 ミリィのオーガがヒビキのオーガの腕をつかんで締め付ける。エリィをつかんでいる手の力が弱まっていく。

 ミリィのオーガがヒビキのオーガの手からエリィを取り戻して、ミリィのそばに下ろした。

「エリィ・・よかった・・・」

 エリィが無事なのを確かめて、ミリィが安心する。

「あれが・・私のオーガ・・・」

 自分のオーガの姿を目の当たりにして、ミリィが戸惑いを覚える。その直後、ミリィがふらついてその場に倒れて、彼女のオーガも姿を消した。

「荒療治になったけど、これでお姫様も目覚めたわね・・」

 ミリィを見下ろすヒビキが笑みをこぼす。ミリィはアポストルの力を覚醒させた。

 その様子を、ハントとシーマだけでなく、シドも遠くから見届けていた。

 

 

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