舞HIME –another elements- 第9話「鈴木耀」

 

 

 私は、このときがとても辛く感じていました。

 想いを賭けた乙女の闘い。私もその想いの交錯を目の当たりにしていました。

 でも、今ここで起きている出来事を、非情な運命だと私は思っていました。

 何とかして分かり合ってほしい。私の願いは、ただそれだけでした。

 

 この日もオーファンを追って、臨戦態勢を取っていた舞衣、なつき、命。相手は白い毛皮をした狼の姿をしたオーファンだった。

 しかしあと一歩というところで、彼女はオーファンを逃がしてしまった。

「もう少しだったのにーー!」

 命が両手を握り締めて悔しがる。

「まずいな。あのオーファンは体を小動物並みに大きさを変えられる。どこへ逃げたか分からなくなるぞ。」

「とにかく、まずは探さないと。」

 なつきが毒づき、舞衣が困惑の表情を見せる。一抹の不安を抱えながら、3人は別れてオーファンを探し始めた。

 

 円盤生物事件で受けた傷も癒え、千草は林道に来ていた。その途中で彼女は足を止め、1本の大木に花束を置いた。

 そこで彼女のクラスメイトは、円盤生物に襲われて亡くなった。その弔いと悲しみの噛み締めのため、彼女はここに来ていたのだ。

 クラスメイトの分まで生きていこう。彼女は心密かにそう誓った。

 悲痛の涙を拭い、寮に帰ろうとした千草。

「えっ?」

 そのとき、近くで草が揺れる音がして、千草は足を止めて振り向く。眼を凝らして音のしたほうを見ると、そこから1匹の動物が姿を見せてきた。白い毛皮をした猫にも狐にも似た姿の小動物だった。

 動物は怪我をしているのか、足がもつれて思うように動けないでいた。

「た、大変・・!」

 千草が血相を変えて、その動物に駆け寄った。

(左前足に傷が・・・他に傷はないみたいだし、病気とかはないみたいね・・・!)

 動物の症状を診て、千草は抱えて駆け出した。彼女は介護の講習を受けたばかりだったので、それを実践することができた。

 応急措置だけでもと、彼女は動物を抱えて、寮の自分の部屋に向かった。

 

 その頃、堅は日本史のテストの成績が芳しくなく、補習を受けさせられることになった。

 その最後の難関の小テスト。これでノルマの点数を取れば、帰宅が認められるというものである。

 必死の思いで勉強に励み、そして堅はテストを終えた。教卓でぐったりしている日本史担当の教師、杉浦碧(すぎうらみどり)に手渡す。

「ふぅん・・アンタもやればできるじゃない。何であんとき点が取れなかったのかねぇ・・」

「いやぁ。ちょっと調子が悪かっただけッスよ。今度は挽回するッス。」

 ぶっきらぼうに述べる碧に、堅が気さくな言動を見せる。

「ま、精進することね。努力すれば必ず成果は実るものよ!」

 碧は突然立ち上がり、午後の太陽を指差す。そんな彼女に堅をはじめ、他の補習受講生たちも唖然となる。

「まぁ、この調子で頑張んなよ。」

「は、はぃ・・・」

 碧の気さくな態度での言葉をかけられ、堅は気の抜けた返事をするしかなかった。

 

 補習からようやく解放された堅。戻ってきた男子寮の廊下で、自室に戻ろうとしていた巧海と晶を見つける。

「おーい、晶くん、たっくん!」

 穏やかな雰囲気の廊下で、堅が巧海たちに声をかける。

「あ、堅さん。今、帰りなんですか?」

「あぁ。ちょっと補習をな。テストのときにものの見事にヤマ外しちまったからなぁ。」

 笑みを見せる巧海に、堅が気さくとも思える苦笑を浮かべる。

「ところで晶くん、ちょっと話があるんだけど・・」

 堅が満面の笑みを作って、晶を手招きする。その不気味な雰囲気に、彼は背筋が凍るような嫌悪感を感じた。

「じ、じゃ、僕は先に部屋にいるから。」

 巧海が苦笑いを浮かべて、部屋に戻っていった。不気味な雰囲気をかき消して、堅と晶が真剣な面持ちになる。

「この前はホントにありがとな、“秘密の忍者”くん。」

 堅が笑みを見せて声をかけると、晶は気恥ずかしい様子を見せる。

「たっくんは、そのことを知ってるのか?」

「まぁな。知ってから、まるで憧れの人を見てるみたいに眼を輝かせてるときがあるよ。」

 再び苦笑いを浮かべる晶。しかしすぐに真剣な面持ちに戻る。

「アンタのところの師匠は元気か?」

「まぁな。そっちは?」

 互いに問いかける2人。堅は晶の問いかけに、少し間を置いてから答えた。

「しばらく会ってねぇけど、最後に見たときは元気だったぜ。」

「そうか・・」

 晶が小さく笑みを浮かべる。

「ん?そういえば尾久崎のところの愛弟子は確か、男じゃなくて女・・・」

 堅がそう言いかけたそのとき、晶は眼を鋭くして臨戦態勢に入る。

 彼は、いや彼女は実は女である。そしてそれを知られたら、その相手を始末するように師に言いつけられていた。

 その殺気を悟って、堅はいつでも力を発動できるよう構える。

「言っとくけど、オレにはそんなことは関係ねぇ。バラしても意味ねぇし、オレのことだけで今は手一杯だからな。けど、もしたっくんが知ったら、アイツをやるのか・・・?」

 堅の言葉に晶が困惑する。波動の力を扱う武術が相手では、瞬殺することは極めて困難である。

「とにかく、そのときがいつかやってくる。お互い、覚悟は決めといたほうがいいぞ・・・」

 真剣な表情を崩さずに、堅はその場を後にした。晶が部屋に戻ったのは、彼の姿が見えなくなってしばらくしてからのことだった。

 

 傷ついた動物を抱えて女子寮に戻ってきた千草。部屋にある救急用具で応急措置を済ませ、落ち着いて安堵の吐息をつく。

「ふう。後はゆっくりのんびり治しておけば大丈夫かな?」

 活発になってきた動物の様子に、千草は笑みをこぼした。

「もう、こんなになついちゃって・・」

 なついてくる動物に、千草はまた笑みをこぼす。

「そういえば、名前まだ決めてなかったよね。ううん、そうだな・・・」

 指を1本立てて、動物の名前を考える。

「そうだ!プリス!あなたの名前はプリスだよ。」

 思い立った千草が、なつく動物、プリスを抱きかかえる。

「ヨロシクね、プリス。あっ・・でもこの子、飼い主とかいるのかな・・・?」

 いろいろと疑問を抱えながら、千草はプリスを抱えて、自室を出た。

「あ、千草ちゃん!」

 廊下でそんな彼女に声をかけてくる女子がいた。少しクセのあるはねのあるショートヘア。外見だけを見れば千草と年が変わらないように見えるが。

 高等部1年、鈴木耀(すずきあかる)である。

「うわぁ、かわいい猫ですねぇ。どこで見つけてきたんですか?」

 自分より下の学年であるにも構わず、耀が千草に敬語を使う。

「ええ。近くで怪我していたのを見つけて。でもそんな大怪我じゃなかったのでよかったです。」

「うう〜ん、ホントにかわいいですねぇ。名前は付けたのですか?」

「はい。プリスってつけました。」

「プリスですかぁ・・いい名前ですね。」

 千草にじゃれるプリスを見つめて、耀が微笑む。そのかわいさと毛並みに魅入られているようだ。

「ところで、ご飯はあげたのですか?猫だから、キャットフードでしょうか・・?」

「実は猫かどうかよく分からないんです。もしかしたら別の動物かも。」

「でしたらミルクは大丈夫でしょ。どんな動物でもミルクは飲みますから。」

「そうですね。では動物病院に連れて行く途中で買ってきますね。」

「あっ、あたしも一緒に行きます。」

 笑みを送って出かけようとした千草を、耀もついていくことにした。

 

 近くのコンビニで牛乳とプラスチックの皿を買い、千草と耀はプリスにミルクを与えた。プリスは皿に注がれたミルクを舐めた。

「やっぱりおなかが空いていたみたいですねぇ。」

 ミルクを飲むプリスの姿を見て、耀が微笑む。千草も笑みをこぼさずにはいられなかった。

「ホント、かわいいですねぇ・・・」

 簡単の言葉をもらす千草。しかしその笑みはどこか物悲しかった。

「どうかしたのですか?」

 それを見て耀が問いかける。

「あっ・・実はこのプリスって名前、昔、私が飼ってた猫の名前だったんです。でも、飼ってから2年で死んじゃって・・」

 その問いかけに千草が語りかける。この「プリス」という名前は、その飼い猫の名残だった。

「できるなら、ずっと飼ってあげたいですね、千草ちゃん。」

「はい・・ありがとう、耀さん。」

 耀の励ましの言葉に、千草は心の底から微笑んだ。

「さて、急いで病院に行きましょう!」

「はい。もしかしたら見えない病気とかあるかもしれませんし。こういうのはホントはちゃんとした医者に診てもらうのがいいんですけど。」

 ミルクをほとんど飲み終わったのを見計らって、千草はプリスを抱えて病院に向かった。

 

「くそっ!これだけ探して見つからないとは。いったいどこに隠れたんだ・・・!?」

 逃走したオーファンを探していたなつき。標的を見つけられないことに、彼女は次第に苛立ち始めていた。

「とにかく、もう少し調べてみよう。怪我してるし、そんなに遠くには行ってないと思うから。」

 舞衣が周囲を見渡しながら、オーファンの捜索の続行を案じた。まだ生徒が歩いている学園内の道には、それらしい影さえ見られなかった。

「そうだな・・舞衣、お前は寮のほうに行ってくれ。私はもう少しこの辺りを調べてみる。」

「うん、分かった。」

 なつきの指示を受けて、舞衣は女子寮のほうへと向かった。なつきもきびすを返して、捜索を続けた。

 風華学園の中は、生徒たちと教師、他の関係者たちの屈託のない日常が広がっているように見えた。しかしその中に危害の芽が潜んでいる。いや、この学園自体が陰謀で満たされているとなつきは感じ取っていた。

 風華の聖地。一番地。彼女の母の死とHIMEの謎に関わりがあると彼女は思ってならなかった。

 復讐と謎の究明。それが彼女の戦う理由だった。

 胸中でそのことを思い返していると、なつきは千草と耀を発見する。しばし視線を受けてから立ち去ろうとしていると、耀が彼女に気付いて、笑顔で駆け込んできた。

「玖我さん、玖我さん!」

「お前か・・私に何の用だ?」

 微笑んでくる耀に、なつきがぶっきらぼうな態度で答える。

「今、千草ちゃんが、とってもかわいい動物を助けたらしいですよ!」

「千草?」

 耀の元気のある声に、なつきが眉をひそめる。耀が指差すほうに視線を向けると、そこには1匹の小動物を抱きかかえた、青い髪の女子がいた。

 その小動物、プリスに彼女は眼を見開いた。プリスは彼女たちが追っているオーファンとあまりにも酷似していた。

 プリスをじっと見据えながら、なつきは千草に歩み寄った。

「あの、あなたは確か、生徒会室で・・・?」

 大人びた雰囲気を放つ女子に、千草は一瞬きょとんとなる。堅の起こした騒動で呼ばれた際、別件で呼び出されていたなつきの姿を見たのだった。しかし一緒に生徒会室にいただけで、千草は話したこともなく名前も覚えていない。

「お前、それは・・?」

「えっ?あぁ・・近くで怪我していたのを見つけたんです。応急措置をしてミルクも与えて。これから動物病院で診てもらおうと思って・・」

 千草がなつきにプリスを見せる。千草にじゃれる動物に対して、なつきは真剣な視線を崩さない。

「ちょっといいか?お前は来るな。2人だけで話したいことがあるんだ。」

 なつきが千草についてくるように、耀についてくるなと促す。千草と耀はなつきが視線を向けてくると、きょとんとしながら頷く。

 そしてなつきに促されて、また耀に見送られながら、千草はその場を後にした。

 

 人気のない林の中に、なつきに連れてこられた千草。

「あの、ここで何でしょうか?2人だけで話をしたいように思えるんですが・・」

 千草がプリスを抱えたまま、なつきに声をかける。

 するとなつきが振り向きざま、両手をかざして構える。その手のひらに、特殊な形の小型銃が出現する。

「あの、これって・・!?」

 眼の前で繰り広げられていることに、千草が愕然となった。

「お前の持っているその動物、今すぐ放すんだ。」

「な、何を言って・・・!?」

 なつきの鋭い声音に、千草が動揺を見せる。

「お前が抱えているのはオーファンと呼ばれるバケモノだ。」

(オーファン・・!?)

 なつきが発したその言葉に、千草はさらに困惑する。学園で引き起こされている数々の事件。それにオーファンが深く関わっている。彼女は兄、堅からそう聞かされていた。

「すぐにそいつを引き渡せ。これ以上そいつが何か仕出かす前に、私が始末する。」

 そう言い放って、なつきが千草の抱えるプリスに銃口を向ける。

 すると千草はプリスを放そうとせず、後ずさりを始めた。

「お兄ちゃんから、オーファンとかいろいろなことは聞いてます。そのオーファンが、学園やみんなを危険な目に合わせていることも。でもこのプリスは違います!こんなにかわいくて、こんなになついてくる子が、オーファンであるはずがないんです!」

 千草が必死になつきに訴えかける。プリスがオーファンでないことを彼女は信じていた。

 しかしなつきは真剣な視線を崩さなかった。

「その足の包帯は何だ?」

 なつきがプリスの足に巻かれていた包帯に眼を向けた。

「その足は、私たちが負わせたものだ。あと一歩というところで取り逃がした。ヤツは体を小動物ほどに変えることができる。その毛の色、その足の包帯、そいつがそのオーファンである何よりの証拠だ。」

「違う!プリスはみんなを襲ったりしない!ヘンな言いがかりはやめて!」

「早く渡せ!オーファンをかばい立てするなら、お前も傷つくことになるぞ。」

 プリスを守ろうとする千草に、なつきがエレメントの銃を突きつける。

「プリス、逃げて!」

 そこへ千草が飛び込み、プリスを逃がすように促す。

「くそっ!どけ!」

 なつきがしがみついてくる千草を振り払う。倒れた千草にさらに銃口を突きつける。

「全く!世話を焼かせてくれる!」

「ダメ!これ以上、プリスを傷つけないで!」

 苛立つなつき。それでも千草はプリスをかばい立てする。

 なつきはいきり立って、千草に向けて銃を向け引き金を引こうとする。その瞬間、ひとつの刃の接近に気付き、彼女は後ろに跳躍する。

 直前まで彼女がいた場所を、波動の刃が行過ぎる。振り向くとそこには、波動の刀を構えた堅がいた。

「いったいどういうつもりだ、なっちゃん・・・!?」

 堅が低い声音でなつきに言い放つ。千草は今の衝動で意識を失ったようだ。

「千草を襲うとはどういうつもりなんだ!」

 堅の声の語気がさらに強まる。しかしなつきは動揺を見せないばかりか、堅にエレメントの銃口を向けた。

「そいつがオーファンをかばい立てした。だから力ずくで倒そうとしたまでだ。」

「ふざけるな!そのオーファンを倒すために、オレの妹に危害を加えようとしたのか、アンタは!」

 淡々と語るなつきに苛立つ堅。

「なつき!堅くん!」

 そこへ舞衣と命が駆けつけた。眼の前の現状が把握できず、舞衣は困惑し命はきょとんとしていた。

「これって、どういう・・・?」

 動揺を見せながら前に出ようとする。その瞬間、なつきがエレメントを発砲し、堅が刀を構えて飛びかかる。弾丸はいくつかは地面に着弾し、残りは抜刀によって弾かれる。

 その振り抜かれた刀を、なつきは飛び上がってかわす。堅の背後に着地した彼女は、意識を集中する。

「デュラン!」

 なつきの前方に銀色の狼が現れる。デュランは背にある銃砲を、身構えている堅に向けて唸りを立てている。

「ロードシルバーカートリッジ!ってぇ!」

 その銃口から弾丸が放たれ、無数の水晶の刃へと拡散する。ところが堅は刀を地面に突き立てる。彼の周囲に空気の渦が巻き起こり、向かってくる刃の群れを弾き飛ばす。

「どんなに手数、弾数が多くても、当たらなきゃ意味ないぜ。」

 刀を引き抜いた堅が鋭くなつきを見据える。

「くっ!デュラン、ゴー!」

 なつきの号令を受けて、デュランが飛び出す。同時に堅も飛び出し、狼の突進と刀の刃が衝突し火花を散らす。

「バカだとは薄々思ってはいたが、ここまでだとはな!」

「千草を狙ったアンタに言われたくないね!」

 なつきと堅が怒号をぶつけ合う。

「オーファンをかばった娘を、お前はまたかばっている!どこまでバカなんだ、お前は!」

「バカバカ言うな!」

「いい加減にして!」

 怒号とともに砲撃とかまいたちを放つなつきと堅の間に、炎の腕輪をまとった舞衣が飛び込んできた。炎の壁が2人の攻撃をさえぎった。

 突然の舞衣の乱入に、2人の動きが止まる。

 そのとき、周囲の木々が揺さぶられ、その緑の中から巨大な獣が現れた。白い毛の狼の姿をしたオーファンである。

「とうとう姿を現したか!」

 なつきが毒づきながら、獣を見据える。

「あっ!千草!」

 堅の眼に気絶して倒れたままの千草が飛び込んだ。

「千草!」

 堅は後先考えず、千草に駆け寄った。同時に獣が大きな前足を振り上げてきた。

「危ない!堅くん!」

 舞衣の叫び。堅はその声を耳にはしていたが、進めている足を止めることはできなかった。

 千草の体を起こして抱え、そこから立ち去ろうとした。そこへ獣の前足が振り下ろされた。

「ぐあっ!」

 弾き飛ばされた堅と千草。近くの大木に背から叩きつけられる堅。

「堅くん!」

「ぬああぁぁーー!!」

 声を荒げる舞衣。命が堅たちの危機に、剣を構えて獣に飛びかかった。しかし獣のかざした前足の爪に剣が弾かれる。

「ぐっ!」

 押されて後退する命。彼女の体勢が整わないまま、獣が動けないでいる堅たちに牙を向ける。

 舞衣たちが飛び込もうとするが間に合わない。獣が容赦なく、堅たち目がけて足を振り下ろす。

 その瞬間、獣が横からの強い衝撃を受け、弾き飛ばされる。

「えっ!?」

 今の出来事に舞衣たちが一瞬唖然となる。

「この学園の平和を脅かすオーファン!この杉浦碧が、正義の鉄槌を下してやるわよ!」

 どこからか響いてくる声に振り向く舞衣、なつき、命。その先には赤いサイのような生物の上に乗る碧の姿があった。

「み、碧ちゃん!?」

 驚きの声を上げる舞衣。彼女たちの視線の中で、碧が不敵な笑みを見せる。

「愕天王、吶喊(とっかん)!」

 碧の駆るチャイルド、愕天王(ガクテンオー)が、再び獣に向かって突進を開始した。

 

 

次回

第10話「杉浦碧」

 

「アンタは休んでたほうがいいって。」

「HIMEの力は借りねぇよ。たとえ教師であるアンタでもな。」

「お兄ちゃんは、プリスを助けてくれるよね・・?」

「迷うな、堅くん!」

「オレは、オーファンを倒さなくちゃいけないんだ・・・!」

 

 

その他の小説に戻る

 

TOPに戻る

inserted by FC2 system