舞HIME –another elements- 第8話「尾久崎晶」

 

 

 その日の夜、千草は学校に忘れ物をしたというクラスメイトの女子に付き添われていた。事件を引き起こしている円盤生物が出てくるのではと、気がかりにはなっていた。

 不安を隠せないでいるその女子の前を千草が歩く。周囲には人気が感じられない。

 そんな中、奇妙な音が彼女たちの歩く林道に響いてきた。何だろうと気にする千草と、さらに不安を感じる女子。

 その直後、女子が何かに引っ張られるような感覚に襲われる。

「う、うわっ・・!」

 声とともに離れていく女子に気付いて、千草が振り向く。すると女子が数本の触手に絡め取られていた。

「ち、ちょっと・・・!?」

 千草が驚愕を見せる前で、円盤生物がその姿を現した。クラゲの姿をしたその怪物は、その触手で女子を捕まえていた。

 怪物の中心部から黄色い液体が吐き出され、触手を伝って女子に降りかかる。

「い、いや、いやあぁぁーーー!!」

 悲鳴を上げる女子が、触手に引き込まれていく。溶解性を帯びた液体は、徐々に女子の私服を溶かしながら、彼女に苦痛を与えていく。

 そして液体を地面に垂らしながら、彼女は怪物に取り込まれてしまった。

 その異様な光景を目の当たりにした千草は、完全に混乱していた。彼女のクラスメイトが、怪物に丸呑みにされてしまったのだ。

 恐怖を感じながら後ずさりする千草だが、足をつまづいてしりもちをついてしまう。そんな彼女に、怪物が触手を伸ばし始める。

「イヤッ!お兄ちゃん!」

 千草が兄、堅に対して助けを求める。

 そのとき、怪物が強い衝撃を受けて後退する。そしてその間に巨大な影が着地してきた。

 周囲の明かりに照らされたその姿は、カエルのような形状をしていた。

「ついに見つけたぞ!バケモノめ!」

 そこへ高らかと声がかかる。林道の中の1番高い木の上に、1人の人影があった。

「命を脅かす不埒な輩め、私が成敗してくれる!」

 その人影が跳躍し、そのカエルの頭の上に着地する。その人影は、1本に束ねた長い髪をしていて、忍者装束を身に付けていた。

 怪物はその忍者とカエルに臆することなく、その触手を伸ばしてきた。

(向かってくるか!)

 忍者は特殊な形状の手裏剣を出現させ、それを怪物に投げつける。しかし怪物の厚い網膜にさえぎられ、致命傷には至らない。

(効かないか。それなら!)

 忍者は印を結び始め、集中力を高める。

「必殺!地獄釜!」

 忍者の声とともに、カエルの口から巨大な鉄球が飛び出し、怪物に直撃する。痛烈な打撃を受けた怪物は、手立てを失ったかのように黄色い噴煙を撒き散らした。

「ぐっ!眼くらましか!」

 うめく忍者。黄色いガスが治まったその場所には、怪物は姿を消していた。

 その直後、怪物を追ってきた堅が遅れて駆けつけてきた。そこで彼は、困惑している千草と、振り向いてきた忍者を目の当たりにする。

「怪我はないか?」

 忍者が千草に心配の声をかける。すると千草は何とか我に返る。

「ア、アンタは・・・?」

 堅がその忍者に対し疑念を抱く。

「晶くん・・?」

 千草が唐突に呼びかけると、忍者は突然赤面する。

「ち、違う!私は尾久崎晶ではない!そう、この学園の平和を守る“秘密の忍者”である!」

 そわそわした態度で名乗る秘密の忍者。その言動に一瞬きょとんとなる堅と千草だが、すぐに安堵の笑みを浮かべる。

「千草を助けてくれてすまないな、秘密の忍者クン。」

 堅が感謝の言葉を送ると、秘密の忍者は後ろめたさを見せる。

「い、いいか!このことは、誰にも言うなよ!」

 秘密の忍者はそう言い放ち、そそくさにその場を後にした。それをしばし見送ってから、堅と千草が顔を見合わせる。

「大丈夫だったか、千草・・?」

「大丈夫だよ、お兄ちゃん・・・でも・・でも!」

 心配の声をかけた堅に、千草が悲しみに顔を歪ませる。

 彼女は彼にクラスメイトが襲われたことを知る。仲がよかった彼女が、円盤生物に取り込まれて命を落としてしまった。

「そうだったのか・・・アイツめ・・!」

 悲しみすがり付いてくる千草を見つめながら、憤りを感じた堅が改めて誓った。この手で円盤生物を倒すことを。悲しみに暮れる妹を守っていくことを。

 そして2度と惨劇を繰り返さないために。

 そのとき、この場に周囲から明かりが集まってきた。見回りや警備員たちが集まってきたのだ。

「よかった。警察だよ。」

 安堵の表情を浮かべる千草。しかし堅は険しい顔つきだった。

「どうしたの、お兄ちゃん?」

「・・来い、千草。」

「う、うわっ!」

 眉をひそめていたところを堅に引っ張られ、千草が慌しい顔を浮かべる。人がやってくる前に、堅は千草を連れて全速力でその場を離れた。

「ど、どうしたの、お兄ちゃん!?ここは警察に任せたほうが・・!」

 人の眼の届かない場所で足を止めたところで、千草が堅に問いかける。しかし堅はその人たちを警戒していた。

「あれは警察を装っているが、警察じゃない。」

「警察、じゃない・・?」

 堅の言葉に千草が戸惑いを浮かべる。

「あれは“一番地”って言われてる連中だ。アイツらはオーファンっていう怪物の引き起こす事件に現れてその処理を行い、それに関わった人たちからその記憶を消しているんだ。」

「そんな犯人の証拠隠滅みたいな・・・」

「今やってきた警察も、一番地が変装してるんだろうよ。だから、アイツらに捕まれば、オレたちは記憶を消されることになる。。」

 集まる明かりを見据えて、堅が千草に語る。今起きた出来事を闇の中に封じ込めるこの策略に、堅は胸中で歯がゆさを感じていた。

 

「やれやれ。相変わらず注意深いものだね、堅くんは。」

 風花邸にいた凪が、慌しくなっている外の様子を見つめながら微笑を浮かべる。真白と二三もこの状況を知って、沈痛な面持ちを見せている。

「さぁて、どうしたものかな?彼は僕たちの言うことを聞きそうにないよ。このまんまじゃ、HIMEの誰かよりも先に接触することになるよ。」

 凪が振り返り、からかうような笑みを真白に見せる。

「分かっています。ですが、彼はその足を止めるつもりはないでしょう。ならせめて、影ながら力を貸してあげましょう。」

 真白は困惑を抱えたまま、電話の受話器に手を伸ばした。

 

 警察の眼をかいくぐった堅は、千草を連れて病院を訪れた。そこで左手に軽いすり傷を負った彼女の応急措置を医者に頼んだ。

 彼はあえて、道端で転んだと説明した。怪物に出くわしたという説明だけで、一番地によって事件の記憶を消されると警戒していた。

「もう大丈夫ですよ。腕の傷は全治1週間です。」

「そうッスか。ありがとうございます。」

 医者の通知に堅が一礼する。千草を連れて診察室を出ると、その廊下には困惑の面持ちの舞衣と命がいた。

「堅くん、千草ちゃんの具合は・・?」

「軽いすり傷だけだ。けど、体の痛みより心の痛みのほうが辛いだろうな・・・」

 舞衣の問いかけに、堅は沈痛の面持ちで答えて千草に視線を移す。千草は親友を失った悲しみを顔に表していた。

「みんなが円盤生物だって言っている怪物は、間違いなくオーファンだ。このまま放っておけば、また誰かが犠牲になる。オレはこれからヤツを追って倒す。」

「だったら私も・・」

「これはオレの戦いだ。アンタたちの力は借りねぇよ。」

 力を貸そうとする舞衣の言葉を振り切って、堅は独断専行を決め込んで歩き出した。

「舞衣、いいのか?堅をそのままにして・・」

 命が舞衣に声をかける。しかし舞衣は困惑を拭えない。

「行ってください、舞衣さん。」

 そこへ千草が声をかけ、舞衣たちが彼女に振り向く。彼女は沈痛の中で小さく笑みを浮かべていた。

「お兄ちゃんは、私のことを思って戦っていたんです。いつもはだらしがなくてがさつで不器用にしてるけど、ホントは優しくて心の強い人なんです。でも、傷だらけになっても、何かを思って戦い続けようとも思えるんです。このままじゃ、いつかお兄ちゃんは・・・」

「千草ちゃん・・・」

「力を貸してあげてください、舞衣さん。」

 千草のこの声に、舞衣の戸惑いがさらに広がる。

「舞衣さんがいろいろと悩んでいることは、何となく分かってました。巧海くんのこととか、勉強や仕事のこととか。でもそれだけじゃない。もっと違うことに巻き込まれてるんじゃないかって。」

「それは・・」

「もしもオーファンっていう怪物と関わっているのなら、お兄ちゃんを助けて!お願い!」

 千草の悲痛の願い。その叫びに舞衣の心が打たれた。

 彼女は堅から、HIMEやオーファンに関することを聞かされていた。世界の運命を賭けた風華の闘い。HIMEである舞衣や命がその当事者であることを。

 その闘いと宿命に、堅も身を投じていることを。

「分かったわ、千草ちゃん。お兄ちゃんは私が無事に連れ戻してくるから。」

「私も行くぞ、うんっ。」

 千草の願いを受け入れて、舞衣は笑みを見せた。命も自信のある笑みを見せて頷く。

「千草は堅と一緒にいるときが1番笑っている。堅がいないと千草は悲しい。千草が悲しいと私も悲しい。だから私も堅を連れ戻す。」

 自分なりに考えを言葉にする命。2人の言葉に、千草は抱えていた悲しみが和らいだような気分を感じた。

 そんな安堵の表情の彼女に見送られて、舞衣と命は堅のところに向かった。

 

 真白からの1本の電話。それを受けたのは雪之だった。

 その内容は、堅の安否と行方をくらましたオーファンの位置の確認だった。この2つを割り出すには、雪之が最も簡単なことだった。

 HIMEである彼女が。

(私にもできるよね、遥ちゃん・・・?)

 学園の中庭に来ていた雪之は、胸中で遥のことを想った。彼女は普段は自信がなかった。しかし遥のことを、親友のことを思えば、何とかなる気がしていた。

 新しく友達になってくれた堅を追うため、雪之は夜空に赤々と輝いている“媛星”を見つめ、念じた。

「ダイアナ。」

 雪之が意識を傾けると、彼女の足元から緑色の触手が生えてくる。そして彼女の背後に冬虫夏草を思わせる姿の生物が現れる。

 これが彼女のチャイルド、ダイアナである。彼女の周囲に展開される鏡型のエレメントと一体となり、触手から放出され散らばる胞子が捉えた映像が、その鏡に映し出されるのである。

 ダイアナがその胞子を学園中に拡散する。その胞子たちが捉えた様々な映像が、雪之の周囲の鏡に映し出されていく。

 真剣に事件調査を続行している遥たちのいる生徒会室。警備が強化されている林道。血眼になって敵の行方を追っている堅。

 そしてついに、学園の裏山に潜む円盤生物の姿を捉えた。

「いた!」

 雪之は間髪置かずに、自分の携帯電話を取り出した。

 

 一方、円盤生物の行方を追って、堅はバイクを走らせていた。そのとき、バイブにしてあった携帯電話に振動が起こる。

(何だ?こんなときに誰からだ?)

 堅はバイクを止め、携帯電話を取り出した。メールを受信していた。

(非通知?・・・ん?ダイアナ?)

 堅は眉をひそめた。相手のメールアドレスは不明。ダイアナと名乗る人からだった。

 

“円盤生物は学園の裏山に潜伏しています。くれぐれもご無事で。”

 

 それがメールの内容だった。

(ダイアナ?・・・いや、気にしてる場合じゃない。早く裏山に。)

 堅は携帯電話をしまい、再びバイクを走らせた。それから数十秒後、ダークグレーのバイクが横に並んできた。

「見つけたのか?」

「ああ。」

 駆けつけたなつきに、堅は小さく頷いた。

「HIMEの力は借りない。これは、オレの戦いだ!」

 堅はそう言い放ち、スピードを上げて先行する。林道を突き抜け、クラゲの姿をした怪物を捉える。

「見つけた!」

 堅は右手をかざし、波動の刀を具現化する。最高速のまま、その刃を怪物に叩きつける。

 怪物は怯みはしたが、厚い網膜のため傷は受けていない。

「くそっ!なんて体してるんだ、コイツは!」

 怪物の強度に舌打ちする堅。

「デュラン!」

 そこへデュランを駆るなつきが飛び込んできた。銀の狼の突進を、怪物は上空に飛び上がることで回避する。

「手を出すな、なっちゃん!」

「なっちゃんと呼ぶな!」

 面と向かい合った直後、いきなりいがみ合う堅となつき。その間に、怪物が2人に向かってゆっくりと降下してきた。

「くっ!ロードクロードカートリッジ!」

 毒づくなつきの号令で、デュランが銃身に弾丸を装てんする。

「ってぇ!」

 銃口から2発の弾丸が発射される。しかし怪物はそれを簡単にかわしてしまう。

「見かけによらず、何て速い動きなんだ!」

「だったら・・!」

 うめくなつきをよそに、堅が屈んで右足に波動を送り込んだ。

「10秒・・一気にカタをつけてやる!」

 10秒間、脚力を最大限に増大させる波動の力。その引き金を堅は引いた。

 眼にも留まらぬ速さで彼は飛び上がり、一気に間合いを詰めて怪物に一蹴を浴びせる。怯む怪物に、堅はさらに足の猛襲を仕掛ける。

(なかなか突き破れない・・間に合うか・・!)

 焦りを感じ始める堅が、最大最後の一撃を叩き込む。その直後、彼の両足を取り巻いている波動の渦が紅く染まり、そして霧散する。

 持てる全ての力を使い果たした堅。しかし怪物にはまた動く力が残っていた。

「何っ!?」

 精根尽き果てた堅が驚愕する。同時に怪物の触手が彼の足を捕らえる。

(やられる!)

 堅は胸中で覚悟を決める。

「カグツチ!」

 そのとき、舞衣の声と同時に、赤々とした火炎の球が怪物に向けて飛び込んできた。

 火炎を受けた怪物は全身を炎上。その衝動で堅が空中に放り出される。そこへ炎の竜を駆る舞衣が、落下してきた堅を救い出す。

「堅くん、大丈夫!?」

 心配の声をかけられた堅が、おぼろげな意識を何とか覚醒させようとしながら眼を開く。そこには、炎の腕輪を身に付けた舞衣の姿があった。

「ま、舞衣ちゃん・・・?」

 堅が舞衣を見て驚きの声をもらす。彼は彼女のチャイルド、カグツチに助けられたのだった。

 そのとき、かん高い叫びを上げながら、月が輝く夜空から舞い降りてくる人影があった。剣を構えて怪物に向かって飛び込んでいく命だった。

 命は炎上する怪物に向けて剣を突き立てた。焼かれて強度の落ちた網膜は簡単に刃に貫かれ、怪物の心臓部が突き刺される。

 そしてすぐさま剣を引き抜き、怪物から離れる。傷口から黄色い体液が噴き出し、周囲の木々に接触して湯気を発する。

 絶命した怪物が地上に落下し、紅蓮の炎に包まれて焼失する。

「舞衣ちゃん・・命ちゃん・・・どうして、ここが分かったんだ・・?」

 体を起こした堅が、炎の竜から降りた舞衣に問いかける。竜は彼女が力を抑えたことで姿を消した。

「教えてくれた人がいるの。円盤生物がここに隠れてるって。」

「そういえば、オレにもそんなメールが届いたな。なっちゃんと合流する直前に。確か相手は・・」

「ダイアナ。」

 堅と舞衣の声が重なる。直後、2人はきょとんとなる。

「もしかして、アンタの携帯にもそんなメールが来たのか?」

「うん。病院から出て、数分後に。」

「多分、そのダイアナというのも、HIMEの1人と考えてもいいだろう。」

 堅と舞衣の会話に、なつきが割り込んでくる。

「HIMEって、どういうことなんだ?」

「一番地や学園でも見つけられなかったあのオーファンをこうもたやすく見つけ出せるのは、何者かのHIMEの力と考えるのが妥当だろう。それも、情報収集力に長けているチャイルドだ。」

 堅の問いかけになつきが淡々と答える。

 ダイアナとなる人物からのメールは、舞衣の携帯電話にも届いていた。円盤生物の位置と堅の動きを伝えてきたものだった。

 それを受けて、舞衣と命もこの裏山に駆けつけることができたのであった。

「それより、千草は今は・・・?」

「千草なら大丈夫だ。舞衣と私に、堅を無事に連れ帰ってきてくれと頼んでくれたぞ。うんっ!」

 堅の唐突な問いかけに、命が自信ありげな態度で答えた。

「そうか・・・」

 堅は小さく笑みを浮かべた。2人に頼み事をするくらいなら大丈夫なのだろうと、彼は胸中で安堵していた。

(けど、いったい誰が・・・オレの携帯の番号とアドレスを知ってるのは、限られたヤツしかいないはず・・・)

 そんな中で、彼はひとつの疑念を抱いていた。彼らを助けたダイアナと名乗る人物を、彼は気にかけていた。

 

 円盤生物事件の終幕を迎えた朝。病院を出てきた千草と堅は合流した。

「怪我は痛くないか?」

「うん・・でも、やっぱり腕より心のほうが痛いかな・・・」

 千草が沈痛な表情を浮かべる。堅もそれを見て同様の面持ちになる。

 彼女のクラスメイトは、学園を騒がせた円盤生物に襲われて、命を落としてしまった。堅や舞衣たちが倒したとしても、失った命は帰らない。

 オーファンが引き起こす悲劇。HIMEの悲劇。非情ともいえる運命を繰り返してはいけない。

 堅の決意はさらに深まった。

「お兄ちゃん・・・危ないことしちゃ、ダメだよ。」

 千草が願いを込めて堅に言いとがめる。すると堅はひとつ笑みをこぼして、

「そいつは保障できねぇな。ムチャのひとつやふたつやんねぇと、いろいろ渡り合えねぇからな。」

「んもう・・お兄ちゃんが辛い顔をすると、私まで悲しくなる。なんてね。」

 堅が気さくな笑みを見せると、千草が命の真似をしてさらに言いとがめる。

 たとえ聞かないと分かっていても、その願いから、彼女は言わずにはいられなかった。

 

 あの人は今、心の中でこう思っていました。

 これ以上、大切なものを失くしたくない、と。

 そのために自分の身を危険に投げようとしていました。

 でも、私はこう願っていました。

 あの人が無事でいてくれることを。

 

 

次回

第9話「鈴木耀」

 

「あなたの名前はプリスだよ。」

「プリスですかぁ・・いい名前ですね。」

「オーファンをかばい立てするなら、お前も傷つくことになるぞ。」

「ダメ!これ以上傷つけないで!」

「愕天王、吶喊(とっかん)!」

 

 

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