舞HIME –another elements- 第5話「日暮あかね」

 

 

 あの人は見ていました。とある男子と女子の恋を。

 女子は自分の持っている力のことを、その男子に知られるのが怖かったのです。

 でも、彼は受け入れました。彼女のその力が、彼女の一部であることを。

 周りから見ても、2人は結ばれる。あの人も私もそう思えました。

 

 風のざわめく竹林。その中心に堅は立っていた。

 その周辺に漂っている力。それを探って彼は視界を巡らせていた。

(この辺りに力を感じる・・これはHIMEだ・・・けど何だ?・・力を使っていない状態よりも弱々しく感じる・・・)

 堅はこの力に疑念を抱いていた。一瞬自然と感じ取れたと思ったが、力はすぐに弱くなってしまった。

「・・ズ・・く・・・」

「ん?」

 そのとき、堅はどこからかの声を耳にした。

「カズ・・くん・・・」

 研ぎ澄ます耳に届く声がわずかに強くなった。堅はついにその力の正体に気付いた。

 それはこの竹林に刻まれた記憶だった。彼の眼に、ここで起こった出来事が蘇った。

 高等部の男女がそこにいた。女子のほうは両手にトンファー型の武器を手にしていた。

 そして彼女の傍らには、虎のような姿をした獣がいた。彼女のチャイルド、ハリーは、戦意を治めて大人しくしていた。

 日暮(ひぐらし)あかねと倉内和也(くらうちかずや)である。

 あかねは自分がHIMEであることを和也に知られてしまい、嫌われてしまうという不安に陥った。しかし和也は嫌わなかった。

 むしろ彼は本当の彼女を好きでいようと思った。普段の彼女も、今の彼女も。

 その反応と言葉に、彼女は抱えていた不安を取り除くことができた。2人の想いはどんなことが起きても揺るがない。2人はそう信じていた。

 しかし、その想いは一瞬にして打ち砕かれた。

 突如現れた女子が、ハリーに挑みかかった。竹林に宿った記憶が弱いためか、その女子の顔をうかがうことが堅にはできなかった。

 その女子の左手が変形し、鋭い刃へと変わる。その刃が、ハリーの体を貫いた。

「イ、イヤアァァーー!!」

 その無残な姿を目の当たりにしたあかねが悲鳴を上げる。彼女の眼の前でハリーが炎上する。

「そんな・・・ハリーが・・ハリーが死んじゃう・・・!」

 あかねはその場に座り込んで絶望する。

 彼女はHIMEの力を覚醒させた際に忠告された。1番大切なものを賭けることになると。

「私が・・私が死んじゃう・・・!」

 それが自分の命だと思い、彼女は死を恐れた。

 しかし死が訪れたのは彼女ではなかった。

 突然、彼女の背後にいた和也が苦しみだし、昏倒して動かなくなる。

「カズくん・・・?」

 一瞬何が起こったのか、あかねは分からなかった。恐る恐る和也に近寄り、その体に手をかける。

「カズくん・・どうしたの、カズくん・・・?」

 あかねが不安を押し殺して呼びかけるが、和也は反応しない。

「眼を開けてよ、カズくん・・・カズくん・・・!」

 あまりにも悲痛な光景を、堅はただ見つめるしかなかった。恐怖を抱えながら、彼は2人に手を伸ばす。

 しかし触れるはずの彼の手は、和也とあかねの体をすり抜けた。

「えっ・・!?」

 堅は眼を疑った。そして彼はすぐにこの現象を悟った。

 今眼の前にいる2人は、竹林に宿っている記憶。その残留思念は現実と隔離されているため、見ることはできても触れることはできなかった。

「カズくん・・・カズくん・・・」

 あかねはひたすら和也の名を呼んでいた。答えてほしいという願いを込めて。

「お願いだから・・・カズくん・・・うわああぁぁぁーー・・!!」

「あっ!」

 そのとき、和也の体が淡く光りだし、彼女の腕の中で粒子になって消えてしまった。あかねが愕然となり、堅も眼を見開く。

「やめろ・・・」

 剣幕になっていく堅の脳裏に、かつての苦い記憶が蘇ってきた。

 彼の親友とその恋人。しかし彼の眼の前で、親友は同様の形で、粒子になって消えてしまった。

「やめろ・・・!」

 その悲しみと怒りが堅の心の渦巻く。

「やめろぉぉーーー!!!」

 堅が叫ぶと、その周囲に旋風が巻き起こった。風は竹や木々を揺らし、その記憶を霧散させてしまう。

 気がつくとそこには、いつもの竹林が点在していた。旋風によって散らされた葉の群れが、ゆらゆらと彼の視界の中で落ちてくる。

 感情に駆られて力を浪費した堅が、脱力して近くの竹に背を預ける。

 大きく息をつきながら視線を巡らせると、白髪の少年が彼を見つめていた。

「君にも見えたんだね。ここでおきた出来事を。」

「ああ・・」

 少年、炎凪の言葉に、堅は呼吸を整えながら頷く。

「アンタ、HIMEには伝えてきてるんだろ?HIMEの力を覚醒させるとき、1番大切なものを賭ける事になると。」

 堅の言葉に、今度は凪が頷く。

 彼が和也を失ったあかねに言った言葉が、堅の脳裏に響いてくる。

「賭けるのは君の命じゃない。君の最も大切にしているものの命だよ・・」

 HIMEの力は、大切なものへの想いが源となっている。その具現化したチャイルドが破壊されれば、その大切なものの命も尽きるのだ。

 堅がHIMEを認めない理由は、その不条理な代償にあった。なぜ自分の想いのために、その相手が傷つき倒れなければならないのか。

 その苦しみと悲しみが、彼に憎悪を植え付けてしまったのだ。

「ここに宿った悲劇の記憶か・・イヤなものを見せられたな・・だが、これが初めてじゃない・・」

 堅は呟きながら、制服のシャツの内に手を入れた。そしてそこから2つのロケットを取り出し、ふたを開けた。

 1つには堅と千草の写真が、もう1つには青年と少女の写真がそれぞれ入っていた。その青年が堅の親友であり、そしてその親友の恋人である。

 しかし2人はHIMEの悲劇に巻き込まれ、今は生きてはいない。

 2度と繰り返したくはない。HIMEに対する彼の怒りの中には、そんな心密かな願いが込められていた。

 

 堅を追って学園内を駆けていた千草。いつしか彼女は色鮮やかな花々が咲いている花壇にたどり着いた。

 そこで彼女は花の世話をしていたメイド、二三を見つける。二三は彼女に気付いて、振り向いて微笑んだ。

「どうかしましたか?」

「え?あ、あの、おにい・・いえ、不知火堅さんを知りませんか?」

「不知火さん?ええ、こちらに来ましたよ。でも、もうお帰りになりましたけど。」

「そ、そうですか・・・もしかして、何か悪いことでもしましたか!?」

 千草が後ろめたさを感じながら、二三に声をかける。しかし二三は笑顔を絶やさない。

「いいえ。むしろいけないのは私のほうです。」

 答えたのは二三ではなかった。邸宅の前にいた車椅子の少女、真白だった。

「真白様?」

「えっ?もしかして・・風花理事長さんですか・・?」

 驚きの表情を見せる千草に、真白は小さく頷いた。

「堅さんの気持ちを考えなかった私に非があるのです。」

「そんな・・・」

 自分を責める真白に、逆に困惑を浮かべる千草。

「あの・・多分、お兄ちゃんがあなたたちに何かひどいことを言ったのかもしれません。でも、お兄ちゃんは、ホントはとっても優しいんです。」

 そして物悲しい笑みを真白と二三に見せる。

「いつも友達のことを第一に考えて、ときに体を張ったりもしてるんです。だから友達が傷ついたりすると、すごく感情的になるんです・・」

「分かってますよ、不知火千草さん。」

 真白も千草に優しく微笑む。

「堅さんはとても優しい人です。そのお兄さんを大切にしてあげてくださいね、千草さん。」

「理事長さん・・・」

 真白に励まされて、千草に心からの笑顔が蘇る。

「ありがとうございます、理事長さん!何だか元気が出てきました。」

「いいえ。堅さんなら学園の裏山のほうに向かいましたと思いますが・・」

「分かりました。それでは。」

 千草は真白と二三にそれぞれ感謝の一礼をして、裏山のほうに向かった。

 HIMEという強く気高くも呪われし運命。兄思いの少女にその運命を背負わせたくないと、真白は思っていた。

 

 学園の裏山から戻ってきた堅。HIMEの悲劇を再び目の当たりにした彼は、あかねと和也を思い返していた。

 そして、転入初日に見た教室の座席表を思い出していた。

 その日、なつき以外に欠席していた生徒がいた。あかねである。

 なつきにばかり気が向いていたため、同じく欠席していたあかねにはあまり気が向かなかったのである。

(なぁ・・あんな悲劇を、これ以上繰り返すわけにはいかないよな・・・)

 今は心の中にしかいない親友に、堅は誓いを語った。

 困惑を抱えていると、彼は千草が駆けてくるのに気付く。

「お兄ちゃーん!」

「あっ、千草・・」

 千草の呼びかけに、堅は気のない返事をする。

「お兄ちゃん、こんなところにいたんだ。探しちゃったよぉ〜。」

「ワリィ、ワリィ。いろいろあってな。ところで千草、オレに用か?」

「用か、じゃないよ。いきなり舞衣さんと一緒にどっか行っちゃうから、心配しちゃったよ。」

「だから悪かったって。いつかどっかでおごるから、それで勘弁してくれ。」

「ホント?やったー!」

 大喜びをする千草。完全に参ってしまった堅。

 そのとき、どこからか響いてくる歌声が2人の耳に届いた。2人はその歌にひかれて、周囲を見渡す。

「いい声だなぁ・・・どっから・・・?」

 その歌声にひかれながら、堅は少し移動する。すると視線の先の丘の上に、少女と女子がいた。

 金髪の少女は鮮やかで透き通った歌を歌い、水色の髪の女子はその歌を静かに聴いていた。

「千草、あの子、知ってるか?」

「あの子?ああ。初等部のアリッサ・シアーズちゃんだよ。そのきれいな歌声と金髪から、“黄金の天使”って呼ばれてるんだよ。でも、その横にいるのは・・・?」

 千草がアリッサの横にいる女子に眼を向ける。堅はひとつ笑みを浮かべて、彼女たちにゆっくりと歩み寄っていく。

 やがてアリッサの歌が終わり、女子が笑みを浮かべて拍手を送る。

「いやぁ、いい歌だね。」

 そこへ堅も拍手を送ってくる。2人の視線が堅と千草に向く。

 するとアリッサは不安の表情を見せて、女子の後ろに隠れてすがりつく。

「思わず聞き惚れちゃったよ。オレ、この間ここに転入してきた不知火堅っていうんだ。えっと、アンタは・・・?」

 堅がアリッサから女子に視線を移す。

「深優(みゆ)です。深優グリーア。」

 深優と名乗ったその女子は、無表情で堅たちを見つめていた。

「それにしても、深優さんとアリッサちゃんが一緒にいるなんて・・仲、いいんですか?」

 千草が唐突にたずねると、深優はアリッサを見下ろして小さく微笑む。

「ええ。アリッサお嬢様は、私にとってかけがえのない存在。太陽のような存在です。」

「お嬢様?」

 堅が疑問符を浮かべてアリッサに視線を戻す。彼女は不安な表情を消して小さく笑みを作っていた。

 アリッサは深優に「お嬢様」と呼ばれることが何よりも嬉しかった。そして深優も、アリッサのために尽くせることを至福に思っていた。

 2人は主従関係以上の強い絆で結ばれていた。

「へぇ。アリッサちゃんはお金持ちのお嬢さんなんだぁ。うらやましいなぁ。」

 いかにも庶民的なことを言ってくる堅。

「お兄ちゃん、子供にはとっても優しいんです。特に、女の子が。」

 千草が続けて堅のいいところをアピールする。堅も気さくな笑みをアリッサと深優に見せる。

 するとアリッサが再び不安を見せる。

「あら・・もしかしてオレ、嫌われてる・・・?」

 堅が気まずくなって、深優に聞いてみる。すると深優は小さく微笑んで、

「いえ。お嬢様は、顔見知りでない方とお話しするのは苦手なのです。なのであまり気にしないでください。」

「は、はぁ・・・」

 深優の言葉を受けても、堅は安心できず冷や汗をかくしかなかった。

「じゃ、オレはそろそろ退散しようかな。また、話ができればいいな・・・」

 照れ笑いを浮かべて、堅は2人に手を振って立ち去る。千草もひとつ笑みを送ってから、その場を後にする。

「やっぱ、オレってアリッサちゃん嫌われてんのかなぁ・・?」

「そ、そんなことないって。深優さん、言ってたでしょ?アリッサちゃん、知らない人と話すのが苦手だって。」

 ため息をつく堅に、千草が励まそうとする。しかしなかなか堅は立ち直る様子を見せない。

(お兄ちゃん、人一倍優しいけど、人一倍傷つきやすいんだよねぇ・・・)

 千草も胸中でため息をつくしかなかった。

 肩を落とす堅が、ふとアリッサと深優に振り返る。すると彼は、2人と対面しているなつきの姿を見つける。

「なっちゃん・・?」

 堅はその様子が気がかりになり、足を止める。すると千草も足を止める。

 なつきの険しい表情から、尋常でない事態になっているのは、堅の眼には明らかだった。

「!」

 そしてなつきの右手に握られていた、特殊な形をした小型銃を見て、堅は緊迫を感じた。

(あれはエレメント!)

「お兄ちゃん・・・?」

 驚愕を覚えた堅に、千草が聞いてくる。

「千草、お前は先に戻ってろ。」

「えっ?でも・・」

「いいな。」

 堅は当惑する千草に言い聞かせて、1人でなつきたちのところに向かった。

 その間にも、なつきは鋭い視線とともに、エレメントの銃をアリッサと深優に向けていた。

「おいっ!」

 なつきが銃の引き金を引こうとする直前、堅が彼女に飛び込んできた。突進を受けて体のバランスを崩したため、彼女の撃った弾はアリッサたちの前方の地面に着弾した。

「おいっ!何やってんだ、お前は!何、考えてんだ!」

 憤慨した堅が、なつきを押さえ込みながら叫ぶ。しかし彼女も苛立ちながら抗う。

「くっ!放せ!邪魔するな!」

 なつきは堅をはねつけ、再びアリッサに銃を向けようとする。しかし堅がそれを妨害する。

 耐えかねた堅が、なつきの腹部に拳を叩き込む。

「うっ!」

 なつきがうめいてバランスを崩す。その隙に堅が、彼女の手からエレメントを払いのける。

 持ち主の手元を離れた銃は、地面に落ちた直後、霧散するように消失する。

 うつ伏せに倒れてうめくなつきを、堅は息を荒げながら見下ろす。そして落ち着いたところで、アリッサと深優に視線を向ける。

「だ、大丈夫だったか?」

 堅が彼女たちに心配の声をかける。しかし2人の様子がおかしい。息詰まる雰囲気を放っている。

 アリッサが顔色を変えずに、ゆっくりと右手を上げる。すると彼女の足元からまばゆい光が放たれ、魔法陣が形成される。

 そしてそこから不気味な怪物が1体姿を現す。

(あれは・・オーファン!?)

 堅がその怪物に眼を見開いた。アリッサは力を解放し、オーファンを召還したのである。

 オーファンは鋭い眼光を光らせ、堅に向かって降下してくる。

「くそっ!」

 堅は毒づきながら波動を操り、半透明の刀を出現させる。そして突進してくる怪物を、真っ二つに両断する。

 絶命したオーファンが彼の背後で消滅する。愕然を抱えながら、彼は刀を捨てるように手放してアリッサを見つめる。

 黄金の天使は、その大人しさからは想像できないような妖しい笑みを浮かべていた。

「アリッサちゃん・・・アンタは・・・」

 堅の中に、再びオーファンに対する憎悪が湧き上がっていた。

 

 千草を追ってきた舞衣。やっとの思いで千草を見つけることができた。

「千草ちゃん!」

 舞衣に呼ばれて千草が振り返る。

「舞衣さん・・」

「千草ちゃん・・・え?お兄さんは?」

 舞衣が千草にたずねると、千草は困惑の表情を見せる。

「さっき会えたんですけど、また・・・先に戻ってろって・・」

 それを聞いた舞衣が丘のほうに振り向くと、そこで淡い光が発したのが眼についた。

「舞衣さん!」

 千草が呼び止めるのも聞かずに、舞衣は光のほうに駆け出した。その丘の上では、憤慨の表情を浮かべている堅が、アリッサに向かって殴りかかろうとしていた。

「不知火くん!」

 それを見かねた舞衣が叫ぶ。その先で堅が拳を振り下ろす。

 しかし振り下ろされた拳は、アリッサの眼前で止まり、それ以上踏み込まれることはなかった。

「くっ・・・!」

 堅は躊躇していた。オーファンを召還したものの、相手は少女。非情になって彼女に拳を向けることは、堅にはできずにいた。

 それでもオーファンは憎き敵。倒さなければ、また誰かが傷つく。

 必死に迷いを振り切ろうとしながら、堅は再びアリッサに拳を入れようとする。だが、その拳を深優によって止められる。

「み、深優ちゃん・・・!?」

 腕をつかまれた堅が当惑する。深優はその彼の腕を振り払い、鋭い視線を向ける。

「アリッサお嬢様に危害を加える者は・・」

 鋭く言い放つ深優。

 

 Multiple

 Intelligential

 Yggdrasil

 Unit

 

 彼女の脳裏にある、戦闘態勢へのスイッチが入る。

「・・容赦はいたしません。」

 言い終わると同時に、深優の右足が堅に叩き込まれる。不意を突かれた堅が、強い衝撃を受けて吹き飛ばされる。

「み、深優ちゃん・・・」

「深優さん・・・」

 うめく堅、2人の様子を目の当たりにした舞衣が困惑の声をもらす。そんな堅に、深優が間髪入れずに飛び込んでくる。

 振りかざした左手が変形を始め、鋭い刃を形成する。

「なっ!?」

 驚愕を覚える堅に、深優が刃を振り抜く。とっさに回避しようとした堅の左頬に刃がかすめ、かすり傷を負わせる。

 危機感を覚えた堅が、再び波動の刀を出現させる。そして再び振り下ろされた深優の刃を受け止める。

 しかし彼女と対峙することにためらいを抱いている堅は、防戦一方に陥る。その深優の刃を受けて、ついに堅は刀を弾かれる。

 突き飛ばされて昏倒する堅。彼の手から離れて地面に突き刺さった刀が消失する。

(なんて速さだ・・それにその殺気・・力を全く感じない敵意・・・まさか!?)

 さらなる驚愕を感じた堅が、痛みをこらえて、アリッサを守るように立ちはだかる深優を見据える。

 竹林の記憶の中で見たあかねと和也の悲劇を思い返す。2人の恋とともに彼女のチャイルドを破壊したのは、眼前で刃を構える女子だったのだ。

 

 

次回

第6話「アリッサ・シアーズ」

 

「って、ただのいいわけにしかならないか・・」

「あなたがこれから行く場所は、ここです!」

「あ、母ちゃん・・・」

「イチかバチか、やってみるかねぇな!」

「新たなる黄金の時代を迎えるため、あなたを破壊します。」

 

 

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