-乙HiME -Wings of Dreams-

12th step「ジュリエット・ナオ・チャン」

 

 

 ガルデローべの生徒たちは、オトメになるべく日々鍛錬を重ねている。だが時に休息や息抜きを考えることもあり、中には夜中に寮から外に出る人もいた。

 そして今夜も、気分転換で寮から出て散歩をする生徒がいた。外の空気をある程度吸って落ち着いたら、すぐに戻るつもりだった。

 だが、彼女の前に突然、不気味な人影が現れた。その影に、その女生徒は一気に緊迫を覚える。

 生徒が逃げ出そうとした瞬間、影は飛び上がり、彼女を捕まえる。そして口元から突き出した牙を不気味に開かせた。

 闇夜を切り裂く悲鳴。それがこの事件の始まりだった。

 

 ガルデローべでは今、不吉な噂が流れていた。あくまで一端の事件性から出た噂なのだが、それは生徒の大きな話題となっていた。

「吸血鬼が出たって!?」

 声を荒げたアリカとチグサに、イリーナが口に人差し指を当てて黙らせようとする。2人は口に手を当てて、話の続きに耳を傾ける。

「あくまで噂なんだけど、夜に吸血鬼が出て、このガルデローべの生徒を襲ってるんだって。」

 小声で呼びかけるイリーナに、アリカとチグサは声を出さずに頷く。そこへエルスティンも彼女たちの前にやってきた。

「でも生徒の何人かが、夜の間に倒れて、ヨウコ先生の看護を受けているの。その生徒全員の首筋には、噛まれたような跡があったって。」

「そ、そんな〜・・」

 チグサが愕然の反応を見せる。アリカも頭の中が真っ白になり、何を言ったらいいのか分からなくなっていた。

「でもそれはあくまで噂の段階で、事実とは言い切れないんでしょう?」

 そこへチヒロが現れ、アリカたちに呼びかける。するとチグサが不機嫌な面持ちを彼女に向ける。

「そんなことはないわよ。これだけ辻褄が合うものが出てきたら、吸血鬼はどっかに潜んでるに違いないわ。」

「あくまで可能性の問題よ。思い込みすぎるのはどうかと思うだけよ。」

「全くアンタはいちいち癪に障る言い方しちゃってー!」

「何よ!あなたが勝手にイライラしてるだけでしょう!」

 再びチヒロとチグサのケンカが始まった。それを止めるべく、アリカとエルスティンが2人に呼びかけるが、2人は全く耳にしていない。

 そこへ2本の矢が飛び込みチヒロとチグサを捉えた。矢の矛先に捕まった2人は、壁に打ち付けられて動けなくなる。

「オトメは常に清らかで神聖なるもの!みだらに争ってはいけません!」

 そんな2人に1人の女性が叱り付けてきた。身動きのできない2人は、ただただ唖然となるばかりだった。

 その女性の名は、ユカリコ・シュタインベルク。ガルデローべの教師を務めるマイスターオトメである。チヒロとチグサに放たれた矢は彼女のエレメントであり、即座にマテリアライズした彼女の手には、矢を放った弓が握られていた。

「みなさん、最近よくない噂が広まっているようですが、噂は噂。あくまで真実とは言い切れません。噂に流されていては、オトメとして、冷静な判断が取れませんよ。」

 ユカリコの言葉に、生徒たちは納得し頷いた。しかしチヒロとチグサは未だに唖然となるしかなかった。

 

「吸血鬼か・・この事件で厄介な噂が広まっているようだな・・」

 報告書の整理をしていたナツキがため息混じりに呟く。これが原因で生徒たちの風紀が乱れることを心配していたのだ。

 そんな彼女の横で、シズルも深刻な面持ちを浮かべていた。吸血鬼騒動ではなく、カナデに関することだった。

「ガルデローべの生徒の何人かが夜中で倒れ、早朝に発見されている。首筋には噛み傷と思われる跡があったそうだが、どの被害者も、体にも脳にも異常が見られなかった。」

 ナツキが事件の経緯を呟いていた。しかしすぐにシズルの面持ちに気付いて眉をひそめる。

「どうした、シズル?お前らしくなくずい分と深刻だが・・・」

 軽口をかけるも、ナツキもシズルの考えを悟って笑みを消す。

「オトメになれなかった優等生、カナデ・エリザベートのことか・・」

「・・ナツキには、うちのことは何でもお見通しやね・・」

 微笑みかけるシズルに、ナツキも苦笑を浮かべる。

「カナデさんは、オトメのものとは違うナノマシンを体の中に入れていましたわ。それもかなり危険な代物や。うちらにとっても、体に入れる人にとっても。」

「人体の変形と変質・・今のカナデには、そのような力が備わっているということか・・」

 シズルの説明にナツキも頷いてみせる。

「今、ヨウコが調べてるさかい。うちらはうちらのすべきことをしはりましょ。」

「あぁ。シズル、カナデの行方を探ってほしい。お前を狙っている彼女のことだ。このまま何もしないことはないだろう。」

 ナツキの申し出にシズルは無言で頷き、学園長室を後にした。

 

 ガルデローべ内の吸血鬼騒動。それはパールクラスでも、トリアスの面々でも話題となっていた。

「全くよからぬ噂に振り回されて、コーラル生も品が下がったものね。」

 シホがあきれ果てた面持ちで語りかけている。アカネは深刻な面持ちを浮かべる横で、チエは悠然と、手にしている蒼いバラを眺めている。

「吸血鬼か・・これまたミステリアスな響きだね。」

「感心している場合じゃないよ、チエさん。このまま放っておくことでは・・」

 アカネがチエに心配の声をかける。

「そうだね。このままにしておくこともできないね。マイスターのお姉さま方が動くまでは、僕たちで生徒を落ち着かせないと。」

 アカネの呼びかけにチエも同意するが、シホは腑に落ちていない様子だった。

「そんな悠長な気分に浸っている場合ではありません!早急に手を打つ必要があります!」

「ではシホさんが見回りに出てみては?」

 そこへルナが部屋に入ってきた。彼女の声にシホが顔を強張らせる。

「突然やってきて、パール最下位のあなたが何の用ですか?今は生徒指導の時間じゃ・・」

「それは名案かもしれないね。」

 そこへチエがルナの言葉に同意をする。

「早急に手を打つには、見回りをして真相を見つける必要がある。言い出した君が先導を切るのが最もだと思うんだけど?」

 チエに言われてシホが顔を引きつらせる。しかし最もな意見に彼女は反論できないでいた。

「・・わ、分かったわよ!私が行けばよろしいのでしょ!」

 憤慨を見せたシホが、そのまま部屋を飛び出してしまった。彼女の姿にアカネたちは唖然となっていた。

「あ、あの、私、何かまずいことを言ってしまったでしょうか・・・?」

「気にしないほうがいいよ、ルナさん。」

 不安の面持ちを見せるルナに、アカネが作り笑顔で答えた。

 

「このままでは済ませないわよ!真相を暴いて、ルナもみんなまきまきしてやるんだから!」

 廊下を歩いて外で1人のなったところで、シホは再び苛立ちをあらわにしていた。

「あーらら。これまたずい分な怒りっぷりね、うずまきちゃーん。」

 そこへナオが声をかけ、シホの顔がさらに強張った。

「うるさいわよ、ジュリエット!あなたの出番はないのよ!」

「ジュリエットって呼ぶな。」

 文句を言った後、ナオはすぐに笑顔に戻る。

「まぁ、そこまでいうんなら、あたしはこれ以上は口出ししないから、よろしく♪」

 ナオは気さくに言い終わると、悠然と立ち去っていった。挑発に近い言われようを受けて、シホの怒りは頂点に達していた。

 

 その日の夜、シホは独断でガルデローべ内の捜査を開始した。事件を解決しようと、彼女は意気込んでいた。

(さあっ!吸血鬼でも何でも、この私が見つけてまきまきしてやるわよー!)

 シホは眼を見開いて周囲をうかがい、細大漏らさぬ警戒を行っていた。しかし彼女のその姿はあまりにも感情的すぎた。

 そんな彼女の前に、数人の生徒が姿を見せた。気付いた彼女が振り返り、悠然さを振りまく。

「どうしたんですか、そろいもそろって?もう消灯時間ですよ。早く寮に戻り・・」

 言いかけたシホが、生徒たちの異変に眉をひそめる。すると生徒たちが不気味な笑みを見せ、襲いかかろうという体勢で彼女に迫ってきた。

「何なのよ、あなたたちは!?」

 シホが声を荒げるが、生徒たちの不気味な動きは止まらない。

「や、やめなさい・・やめなさい、あなたたち!・・・い、いや・・」

 生徒たちに襲われ、悲鳴を上げたシホ。この吸血鬼騒動で、初めてパール生からの被害者が出た。

 

 ガルデローべの吸血鬼騒動は、カナデも遠くから拝見していた。彼女の背後にギースが現れ、彼女は振り返る。

「おかしなことを仕掛けてきているじゃないの。」

 からかうように言いかけてきたカナデに、ギースが不敵な笑みを見せる。

「ほう?えらく気に入ってもらえたようだな。だが喜ぶのはこれからだ。」

「へぇ。どんなことを考えているのかしら?」

 カナデが妖しい笑みを浮かべて答えると、ギースは笑みを崩さずに答える。

「ガルデローべに内紛を起こし、混乱を引き起こす。それが今回の私の目的だ。」

「内紛ねぇ。そううまくいけばいいんだけど。」

 からかうように言ってくるカナデに、ギースが鋭い視線を向けてきた。逆撫でするのはまずいと考えた彼女は肩をすくめた。

「そうカッカしないでよ。今回は私は高みの見物でもさせてもらうわ。まだ腕が治りきってないし。それに・・」

 カナデは言いかけて、唐突に笑みを消した。

「それに、そろそろアイツがこっちに来る頃だから・・・」

「・・そうだな・・・」

 彼女の言葉にギースも頷いた。そして彼は次の計略に移るべく、行動を開始しようとしていた。

 

 シホまでもが事件に巻き込まれた。トリアスの1人でも手に負えない事件に、生徒たちはさらなる不安を募らせていた。

「何だか、とんでもないことになってきたわね・・・」

 エルスティンも事件の拡大に動揺を隠せないでいた。それを見たアリカが笑顔で励まそうとする。

「だ、大丈夫だよ、エルスちゃん。きっとシズルさんたちが何とかしてくれるよ。」

「・・ありがとう、アリカちゃん・・・」

 アリカの呼びかけに笑みを作るエルスティン。

「そうね。お姉さまたちも本格的に動き出したようだし、ヴィントブルームでも、この事件を警戒するらしいわ。」

 そこへ二ナがやってきて、アリカたちに淡々と答える。そしてチヒロも微笑んで近寄ってきた。

「城にはお兄さんがいるし、きっと何とかしてくれると思うから・・・」

「できれば他の人に頼ることはしたくないけど、事が大きいからね・・」

 チヒロの口にした言葉に二ナも同意した。しかしこの事件を軽んじている人は少なくなっていた。

 

 そして再び夜が訪れた。

 ガルデローべの敷地には、ヴィントブルーム城の兵士が数人、警護に当たっていた。それ以外はいつもの通りであり、コーラルオトメたちは睡眠に入っていた。

 二ナ、エルスティンがベットに入っていた頃、アリカは手紙を書いていた。身寄りのない彼女に援助を続けている人物に当ててのものだ。彼女はその人物を「おじさま」と称している。

 その手紙を書き終えたときのことだった。突然ドアがノックされた。

「あれ?誰だろう、こんな時間に?」

 この時間、とっくに消灯時間は過ぎている。突然の訪問者に、アリカはかすかばかりの警戒心を抱きながら、ドアをゆっくりと開けた。

 するとそこにいたのはチヒロだった。彼女は不安そうな面持ちを浮かべていた。

「えっ?チヒロちゃん?」

 アリカはチヒロの訪問に驚きの表情を浮かべた。チヒロはそんな彼女に何とか言葉を切り出した。

「アリカちゃん、こんな時間で悪いと思ったんだけど・・・」

「どうしたの、チヒロちゃん?何か、悩みでも・・?」

 アリカが沈痛の面持ちで問いかけると、チヒロは突然彼女に寄り添ってきた。その抱擁にアリカが大声を上げそうになるが、みんなが寝ていることを考慮してそれを踏みとどまらせた。

「アリカちゃん、ちょっと、私の話にもらっちゃっても、いいかな・・・?」

 小さく微笑むチヒロに、アリカは小さく頷いた。

 

 ひとまず寮の出入り口まで移動したアリカとチヒロ。アリカは改めて、チヒロの話に耳を傾ける。

「それでチヒロちゃん、話って何?」

 アリカの言葉を受けて、チヒロが笑みを作ってから言葉をかける。

「アリカちゃんは、身寄りもなくてお金もあまりないんだよね・・?」

「えっ?・・う、うん。そうだけど・・・」

 チヒロの問いかけにアリカは照れながら答える。

 祖母と一緒に暮らしていた田舎から出てきたアリカには、ヴィントブルームやその近辺に身寄りがない。「おじさま」からの援助を受けているものの、彼女は生活や学園での費用に必要な所持金を稼ぐため、ナオから紹介されたバイトで頑張っていた。

「すごいね、アリカちゃんは・・いつも一生懸命で、どんな困難にも立ち向かっていって・・」

「そ、そんなことないよ!確かにオトメになるために一生懸命だけど、まだまだ二ナちゃんやチヒロちゃんには敵わないよ・・」

 微笑むチヒロにアリカは謙遜する。しかしチヒロはアリカの力を評価していた。

 アリカの潜在能力を高く評価している人間は少なくない。シズル、ハルカ、ナツキ、そして二ナも表には出さないが彼女のことを気にかけている。

「私もエルスさんと同じで、アリカちゃんの頑張りに励まされてるんだよ・・・ありがとう・・」

「そ、そんなことないよ、チヒロちゃん。チヒロちゃんからいろいろ教わっていることいっぱいあるし・・」

「それはアリカちゃんだからかもしれないね・・」

 チヒロが笑顔を見せると、アリカも落ち着いて笑みを見せた。

「キャアッ!」

 そのとき、寮内から悲鳴が上がり、アリカとチヒロが緊迫を覚えて立ち上がる。

「今の声、エルスちゃんだよ・・何かあったんだ!」

 アリカが切羽詰った面持ちで駆け出した。チヒロもたまらず彼女の後を追った。

 

 月が雲に隠された闇夜の下に、1つの不気味な影があった。影は不気味であり妖しい笑みを浮かべて、ガルデローべの学生寮を見つめていた。

「そろそろ頃合いねぇ。私のナノマシンが、かなりの生徒に感染したはずだからね・・」

 影は呟いた後、1回指を鳴らした。それが策略と悲劇の始まりの合図だった。

 

 エルスティンの悲鳴を聞いて、アリカは自分の部屋へと駆け戻った。すると身構えながら二ナが彼女の前に後退してきた。

「二ナちゃん!」

「ア、アリカ!」

 アリカが呼びかけると、二ナが声を荒げる。2人の眼の前には2人の生徒が忍び込んでいて、ベットの上でエルスティンに襲い掛かっていた。

「エルスちゃん!」

 アリカがたまらず駆け寄ろうとすると、突然エルスティンがベットから起き上がった。しかし彼女の様子がおかしいと感じ、アリカは緊迫を覚える。

「エ、エルスちゃん・・・!?」

 不安の面持ちを浮かべるアリカ。その瞬間、エルスティンが突然アリカに襲い掛かってきた。

「どうしたの、エルスちゃん!」

 アリカが後退しながら呼びかけるが、エルスティンは答えない。彼女の眼に紅い不気味な光が宿っていることに、二ナが気付いた。

「アリカ、気をつけて!エルスは操られているみたいよ!」

「えっ!?」

 二ナの呼びかけにアリカが驚愕する。エルスティンと同様に、横の2人の生徒も不気味な眼光を放っていた。

(どうしよう・・相手がエルスちゃんたちじゃ戦えないよ・・・!)

 アリカは戦うことに迷いを感じていた。迂闊に攻撃すれば、エルスティンたちを傷つけることになる。

「ここはひとまず逃げたほうがよさそうね・・アリカちゃん!二ナさん!」

 チヒロの呼びかけにアリカと二ナが頷く。3人は同時に部屋を飛び出した。

 だがその廊下にも、異様な雰囲気を放っている生徒たちが立ちはだかっていた。その中にはヤヨイやミーヤの姿もあった。

「うわぁっ!こんなにいっぱい・・・!」

 焦りを覚えたアリカが顔を引きつらせる。

「こうなったら強行突破するしかないわね!」

「えぇ!このままじゃ私たちもお仕舞いだから・・!」

 二ナの指示にチヒロが毒づきながら答える。真正面から切り抜けることを目論んで、アリカたちが身構える。

「行くよ!」

 アリカの掛け声で、3人がいっせいに駆け出した。牙をむく生徒たちの群れを突き抜けて、彼女たちは一気に寮を飛び出した。

 そして休む間を置かずに、3人は学園長室を目指す。そこならナツキたちマイスターオトメがいるはずだ。

 だが、その途中の道の中で、アリカたちは1つの人影に阻まれた。黒い衣服に身を包み、黒髪を束ねた紅い眼光の女性だった。

「悪いけど、オトメのお嬢さんたちはここでストップよ。」

「何者!?」

 気さくに声をかけてくる女性に、二ナが問いかける。

「私はユーリ。吸血鬼よ。」

「吸血鬼・・!?」

 吸血鬼と名乗った女性、ユーリに対して、二ナが眉をひそめる。この近代世界に吸血鬼などという過去の話の登場人物が出てくるはずがないと思っていたからだ。

「今、このガルデローべの生徒たちのほとんどは、私の毒牙を受けて吸血鬼となり、私の操り人形となっているのよ。私を倒さない限り、彼女たちは元に戻らないわよ。」

「それを聞いて安心したわ。あなたを何とかすれば、みんなが元に戻るってわけね。」

 ユーリの言葉を聞いて、チヒロが笑みをこぼす。しかしユーリは笑みを消さない。

「その通りよ。でもあなたたちにそれはできないわ。」

 彼女の言葉にアリカたちが周囲を見渡す。数人の生徒たちが、彼女たちを狙っていた。

「さて、この状況でどうやって私を倒すのかなぁ?」

「そんなの簡単よ。」

 妖しい笑みを見せるユーリに答えたひとつの声。彼女が振り返ると一蹴が飛び込み、彼女は後退してそれを回避する。

 体勢を立て直した彼女の前に立ちはだかったのは、不敵な笑みを浮かべているナオだった。

「ナオお姉さま!」

「はーい、二ナ。何だか大変そうね。」

 声を荒げる二ナに、ナオが気さくに答える。そしてナオはユーリを鋭く見据える。

「あたしらのシマで、ずい分ナメたマネしてたじゃないの・・」

 鋭く言い放つナオ。彼女と妖しく微笑むユーリの周りには、血に飢えた生徒たちが取り囲んでいた。

 

 

次回

13th step「マリア・グレイスバード」

 

「いつの間にか広まってしまったな・・」

「これは吸血鬼ではないわ。」

「邪魔するヤツは誰だろうと容赦しねぇ・・・!」

「行くわよ、チヒロ!」

「オトメ同士の本当の戦いは、このような生半可なものではありません。」

 

 

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