仮面ライダーオメガ -Spirits of Riders-
第10章
仮面ライダーとともに、地球の平和と人々の幸せを守り続けてきたスーパー戦隊。宇宙帝国「ザンギャック」との戦いで、彼らはその力を失った。
その力を受け継いだのは、ザンギャックに反旗を翻し、海賊の名を誇りとする豪快な勇者たち。
「海賊戦隊!」
「ゴーカイジャー!」
マーベラスが言い放ち、6人が声をそろえる。海賊戦隊、ゴーカイジャーが士たちの前に現れた。
「ゴーカイジャー・・スーパー戦隊の世界の、新しい戦隊か・・」
変身したマーベラスたちを見て、士が呟く。
「派手に行くぜ!」
マーベラスが叫ぶと、彼ら5人が剣「ゴーカイサーベル」と拳銃「ゴーカイガン」、鎧が槍「ゴーカイスピア」を手にして、真木たちに向かっていく。
真木が紫色の光を放つが、マーベラスたちは素早くかわしていく。巻き起こる爆発の炎をかき分けて、ドンと鎧が真木に向かって飛び込んできた。
鎧が真木に向けてゴーカイスピアを振りかざす。その一閃のひとつひとつが、光の弧を描いていた。
ドンがゴーカイガンで援護射撃を繰り出し、真木に命中させる。その隙を狙って、鎧がゴーカイスピアで切り付けていく。
翔太郎を攻め立てていたジャークミドラの前に、ゴーカイサーベルを手にしたジョーが立ちはだかった。
「剣の使い手のようだな・・ならオレが相手をしたほうがよさそうだな・・」
「ゴーカイジャーと言ったな?何者であろうと、我々の邪魔はさせぬぞ!」
落ち着いた態度で声をかけるジョーに、ジャークミドラが剣を構えて向かってくる。剣での勝負を繰り広げるが、武器の大きさからジョーはジャークミドラにパワーで押されていく。
“スーパー戦隊か。実に興味深い・・”
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ、フィリップ・・オレたちも行くぞ・・」
興味津々になっているフィリップに声をかけて、翔太郎が再びジャークミドラに向かっていく。緑の風をまとった彼の回し蹴りを受けて、ジャークミドラが突き飛ばされる。
「すまんな・・少しヤツを侮っていた・・」
「これで貸し借りなしだ。やるならさっさと片付けてしまおうぜ・・」
声をかけ合って、ジョーと翔太郎がジャークミドラに視線を戻した。
そしてルカとアイムは竜を追い詰めていたドラスの前に立ちはだかった。
「今度はお姉ちゃんたちが遊んでくれるの・・?」
「不気味な怪物の姿してて、子供っぽいしゃべり方しちゃって・・ヘンな感じ。」
声をかけてくるドラスに、ルカが挑発的な素振りを見せる。
「大丈夫ですか?ケガはしていませんでしょうか?」
「オレに質問をしないでくれ・・強がっていられるほど、余裕はなくなっていたが・・」
心配の声をかけて手を差し伸べてくるアイムだが、竜は彼女の手を取らずに自力で立ち上がる。
「こうなったのも何かの縁ってことで、ここからはあたしたちがやらせてもらうわよ。」
「ふざけるな・・と言いたいところだが、今のオレに言えるだけの力は残っていないからな・・」
ルナの呼びかけに、竜は納得していない素振りを見せながらも聞き入れることにした。
ドラスが宙に浮いて、ルカとアイムに向けてビームを放射する。ビームがぶつかり、周囲に爆発が起こる。
「物騒な攻撃してくるわね・・アイム、あたしが攻めるから援護お願い!」
「承りました!」
ルカの呼びかけにアイムが答える。2人がゴーカイガンとゴーカイサーベルを交換する。
2つのゴーカイサーベルを手にしてドラスに向かっていく。彼女をアイムが2つのゴーカイガンの射撃で援護して、ドラスの行動範囲を狭めていく。
ルカがゴーカイサーベルを振りかざして、ドラスを攻め立てる。体を切り付けられるドラスだが、ダメージを感じていなかった。
そしてマーベラスがシャドウに視線を向けたまま、士に近寄ってきた。
「世界の破壊者と宇宙海賊・・面白いコンビだな・・」
「何だか気が合いそうな気がするな・・お互い汚名を背負ってるし・・」
声をかけ合うマーベラスと士。シャドウが剣の切っ先を2人に向けてきた。
「お前もディケイドとオレの勝負の邪魔をするのか・・!?」
「悪いな。オレは海賊だ。相手の考えてることなんか知ったことじゃないんでな。」
鋭く視線を向けてくるシャドウだが、マーベラスは勝気な態度を崩さない。
「このタッグ、楽しませてもらうぜ・・派手に行くぜ!」
マーベラスがゴーカイガンを発砲しながらシャドウに向かっていく。射撃を防ぐシャドウに詰め寄って、彼はゴーカイサーベルを叩き付けていく。
「ジョー!」
ドンもジョーとゴーカイサーベルとゴーカイガンを交換する。ジョーが2つのゴーカイサーベルでジャークミドラと剣を交え、ドンが2つのゴーカイガンで真木を狙い撃ちにする。
真木が紫の光をドンと鎧に向けて放っていく。光をよけるのに必死になるあまりつまずいてしまうが、その弾みでゴーカイガンを発砲して、真木に命中させた。
「や、やった!」
思わず喜びの声を上げるドン。一生懸命な戦い方から繰り出されるコミカルな動きが彼の戦いでの持ち味だった。
「なかなかやるね、お姉ちゃんたち・・でも、これはどうかな・・?」
ルカとアイムに攻められていたドラスが、再び高速で動き出した。そのスピードに2人ともついてこれず、攻撃を受けることになった。
「急に速くなった・・!」
「これでは攻撃を当てられません・・・!」
ドラスのスピードにルカとアイムが声を荒げる。1度動きを止めたドラスが、2人を見つめて笑みをこぼしていた。
マーベラスとシャドウの攻防は一進一退となっていた。2人は互いに勝負に興奮を感じて、喜びを浮かべていた。
「なかなかやるじゃないか。それじゃ、そろそろ面白いものを見せてやるとするか・・」
マーベラスが言いかけて、レンジャーキーを手にした。ゴーカイレッドのレンジャーキーではなく、別のものだった。
「ゴーカイチェンジ!」
“ゴーレンジャー!”
マーベラスがそのレンジャーキーをモバイレーツにセットして回すと、別の赤い戦士へと変身した。初代スーパー戦隊、ゴレンジャーのアカレンジャーである。
マーベラスたちはゴーカイジャーの他、レンジャーキーを駆使して歴代34のスーパー戦隊に変身することができるのである。
「ほう?お前、別の戦隊にも変身できるのか・・だったらオレも、原点回帰といくか・・」
アカレンジャーとなったマーベラスを見て、士がカードを取り出して、ベルトにセットする。
“Kamen ride Kuuga.”
士もクウガへの変身を果たす。彼はディケイドの他、クウガからキバまでの仮面ライダーに変身することができるのである。
「よっしゃ!これからどんどん派手にいくぜ!」
マーベラスが叫んで、士とともにシャドウに向かっていく。果敢に攻めていく2人に、シャドウが徐々に押されていく。
「レッドビュート!」
マーベラスが鞭「レッドビュート」を手にする。彼がレッドビュートを振りかざして、シャドウの剣を叩いていく。
「それじゃ、5人そろってないが・・ゴレンジャー・ハリケーン!」
マーベラスがボール爆弾を取り出した。
「フィニッシュを任せるぞ。」
「いいだろう。やってやる・・」
マーベラスの呼びかけに士が答える。
“Final attack ride Kuuga.
士がジャンプすると同時に、マーベラスが爆弾ボールをサーブする。高くあげられたボールを、士がマイティキックでシャドウに向けて蹴り飛ばす。
シャドウにぶつけられたボールが爆発を起こす。後ろに倒されたシャドウが痛みを覚える。
「おのれ・・スペードのキングであるオレが、こんなことで・・・!」
「ほう?お前がスペードのキングなら、こっちはスペードのエースだ。」
シャドウのうめき声に答えて、マーベラスが新たなレンジャーキーを取り出した。
「ゴーカイチェンジ!」
“ジーヤッカー!
レンジャーキーをモバイレーツにセットして回し、マーベラスはジャッカー電撃隊のスペードエースに変身した。
「トランプ勝負もオレが勝たせてもらうぞ。」
“Kamen ride Blade.”
士もブレイドに変身し、トランプをモチーフにした仮面ライダーとスーパー戦隊がシャドウの前に立ちはだかった。
ドラスのスピードに対応できず、ルカとアイムは劣勢に立たされていた。だが2人とも対抗の手段を持っていた。
「スピード勝負は、こっちもできるんだから。」
「そう来るのでしたら、私はこちらで・・」
ルカとアイムがそれぞれ新たなレンジャーキーを手にした。
「ゴーカイチェンジ!」
“ターーボレンジャー!”
“カーーレンジャー!”
2人がレンジャーキーをモバイレーツにセットして回して、別の戦隊へと変身する。
「イエローターボ!」
「ピンクレーサー!」
ルカがターボレンジャーのイエローターボ、アイムがカーレンジャーのピンクレーサーに変身した。2人はこれでドラスのスピードに対抗しようと考えた。
ドラスのスピードにルカとアイムが迫り、着実にパンチとキックを命中させていく。
「Bボーガン!」
「バンパーボウ!」
ルカとアイムが弓矢「Bボーガン」と「バンパーボウ」でドラスに向けて射撃する。高速をものともせず、黄色と桃色の光を宿した2本の矢がドラスの体に命中した。
ドンとともに真木と交戦していた鎧の前に、射抜かれたドラスが突き飛ばされてきた。
「おっ!スピード勝負ならオレも負けませんよー!」
意気込みを見せる鎧が新たなレンジャーキーを取り出した。
「ゴーカイチェンジ!」
“デーカレンジャー!”
ゴーカイセルラーにレンジャーキーをセットしてボタンを押して、鎧はシンボルナンバー「Y」が描かれた白い戦士に変身する。デカレンジャーのデカブレイクである。
「無法な悪を迎え撃ち、恐怖の闇をぶち破る!夜明けの刑事、デカブレイク!」
鎧がドラスに向けて、デカブレイクとしての名乗りを上げる。スピードを上げて迫るドラスに対して、鎧は左腕のブレスレット「ブレスロットル」のハンドルグリップを回す。
「高速拳、ライトニングフィスト!」
鎧が左手を突き出して、連続でパンチを繰り出す。高速の打撃がスピードを上げて動いていたドラスを捉えて、命中させていく。
「よーし!もっともっとスピードを上げるぞー!」
鎧がさらにパンチのスピードを上げていく。その速さは光に迫る勢いにまで上がっていた。
鎧が振り上げた左のアッパーが、ドラスを高く跳ね飛ばした。
ドンからもう1本ゴーカイサーベルを受け取ったが、ジョーはジャークミドラのパワーに押されていた。
「剣の腕前は褒めてやろう。だが私を阻むほどではないようだ・・」
「力では敵わないか・・ならば速さで補うまで・・・!」
言葉を投げかけるジャークミドラを見据えたまま、ジョーが新たなレンジャーキーを取り出す。
「ゴーカイチェンジ!」
“カークレンジャー!”
ジョーがカクレンジャーのニンジャブルーに変身した。彼はカクレンジャーの刀「カクレマル」を引き抜いた。
ジャークミドラが頭の角からビームを発射する。ジョーは素早く動いてビームをかわしてカクレマルを振りかざすが、ジャークミドラが剣で防いでいく。
「速さは上がったが、前のほうがパワーがあったぞ。」
ジャークミドラが反撃に出て、剣を振りかざしてジョーを切り付けていく。ジョーはかわし切れず、ジャークミドラに追い詰められていく。
そしてジャークミドラが突き出した剣が、ジョーに刺さったように見えた。
「ぬっ!?」
ジャークミドラは目を疑った。彼の剣が刺さっていたのは、ジョーではなく1本の丸太だった。
その隙を狙って、背後に回っていたジョーがカクレマルでジャークミドラを切り付けていく。この連続切りで、ジャークミドラは一気に追い込まれた。
「貴様、いつの間に・・!?」
「変わり身の術ってヤツだ・・」
声を荒げるジャークミドラに、ジョーが淡々と言葉を投げかけた。
ゴーカイガンでの連続射撃とコミカルな動きで真木に攻撃するドンだが、徐々にそれも通用しなくなってきた。
「ふざけた戦い方ですが、それもここまでのようです。まずはあなたから完結の瞬間を迎えなさい。」
「悪いけど、これでもマーベラスたちに負けないくらい、諦めが悪いんでね・・」
淡々と言いかける真木に言い返して、ドンが新たなレンジャーキーを手にする。
「ゴーカイチェンジ!」
“ラーイブマン!”
そのレンジャーキーをモバイレーツにセットして、ドンがサイをモチーフにした緑の戦士に変身した。ライブマンのグリーンサイである。
「サイカッター!」
ドンがブーメラン「サイカッター」を投げつける。真木の放った紫のエネルギーに弾き返されたが、ドンはサイカッターを受け取って、サイにたがわない突進を仕掛ける。
真木が全身からエネルギーを放出して、ドンの突進を迎え撃つ。2人の衝突が爆発、相殺し、互いに後ろに押される。
「ドンさん、大丈夫ですか!?」
しりもちをついたドンに鎧が駆け寄ってきた。ルカとアイムも2人に並び立つ。
「アイツ、破壊の力の中に、恐竜の力も宿してる・・・!」
「恐竜・・でしたらこれでいきましょう。」
ドンが口にした言葉を聞いて、アイムがレンジャーキーを取り出した。
「それじゃ、あたしはこれでいくわよ!」
ルカもドンとアイムとは違うレンジャーキーを取り出した。
「ゴーカイチェンジ!」
“ジュ−レンジャー!”
“アーバレンジャー!”
ドンとアイムがジュウレンジャーのドラゴンレンジャーとプテラレンジャー、ルカと鎧がアバレンジャーのアバレイエローとアバレキラーに変身した。
「恐竜対恐竜!大勝負と行きますよー!」
「といっても、こっちは爆竜だけどね。」
鎧が高らかに、ルカが気さくに言いかける。
「どのような姿になっても、通用しなければ意味はありませんよ・・」
真木がドンたちに向けて淡々と言いかける。
「それを決めるのはまだ早いです・・プテラアロー!」
アイムが真木に向けて光の矢を放つ。矢に右腕をかすめられたが、真木はすぐに上空に浮遊する。
「アバレイザー!」
ルカも空を飛んで、真木を追って銃「アバレイザー」で射撃する。ビームの射撃でけん制して距離を詰めて、彼女は「ソードモード」にしたアバレイザーで真木を切り付けた。
「うっ!」
体勢を崩して地上に叩き落とされた真木。そこへ鎧が飛びかかって、両手の甲から伸びた刃で真木を切り付けて追い打ちをかけた。
「ドンさん、今です!」
「獣奏剣!」
鎧の呼びかけを受けて、ドンがドラゴンレンジャーの剣「獣奏剣」を手にして飛びかかる。彼はがむしゃらに剣を振りかざして、真木を連続で切り付けていった。
“Attack ride Blade.”
マーベラスが鞭「スペードアーツ」でシャドウの剣を縛っている間、士が電撃を帯びた一閃「ライトニングスラッシュ」で切り付けていく。ダメージを負ったシャドウだが、まだ戦う力を失ってはいなかった。
「けっこうしぶといな・・そろそろコイツでやらせてもらうとするか・・!」
士が言い放って、タッチパネル式携帯電話「ケータッチ」を取り出した。
“Kuuga,Agito,Ryuki,Faiz,Blade,Hibiki,Kabuto,Den-o,Kiva.Final kamen ride Decade.”
ケータッチを操作して、士はディケイドの最強形態「コンプリートフォーム」に変身した。
「それじゃ、こっちも真剣勝負といくか・・ゴーカイチェンジ!」
“シーンケンジャー!”
マーベラスも新たなレンジャーキーをセットして、シンケンジャーのシンケンレッドに変身した。
士がソードモードのライドブッカーを、マーベラスがシンケンレッドの刀「烈火大斬刀」を構えて、シャドウを見据える。
「2対1だが、真剣勝負といかせてもらうぜ!」
マーベラスが言い放ち、士とともにシャドウに立ち向かう。それぞれの剣がぶつかり合い、火花が散る。
だがマーベラスの振りかざす烈火台斬刀の刀身は大きく、シャドウの剣で受け止められるものではなかった。
「おのれ!・・パワーが格段に上がっている・・・!」
一気に追い込まれてシャドウが毒づく。
“Blade.Kamen ride King.”
士がブレイド・キングフォームの力を宿す。彼の隣にはキングフォームのブレイドの姿が映し出されていた。
「こっちも行くぜ!百火繚乱!」
炎をまとった烈火大斬刀を振りかざすマーベラス。
“Final attack ride King.”
士も5枚のカード状のエネルギーを通って、シャドウにライドブッカーを振り下ろす。炎と光の巨大な2つの刃を受けて、シャドウが突き飛ばされた。
士とマーベラスの攻撃で、シャドウはかなりのダメージを負うことになった。そこへ真木、ドラスが突き飛ばされ、ジャークミドラもジョーに押され気味になっていた。
「調子いいな、お前ら。」
「当然!」
笑みをこぼすマーベラスに、ルカが明るく答える。
「オレたちも戦隊なんですから、戦隊らしいところを見せないと!」
「わざわざそんなことをする必要はないが・・そろそろ力を合わせるか・・」
鎧が呼びかけて、ジョーが落ち着いた素振りを見せて答える。
「まずはコイツだ・・」
マーベラスが手にしたレンジャーキーに、ジョーたちも合わせた。
「ゴーカイチェンジ!」
“ダーイレンジャー!”
彼らは全員そろって別の戦隊へと変身を果たした。
「ハカセ、たまにはお前が決めろ。」
「えっ!?僕!?・・よ、よーし!」
マーベラスに促されて、ドンが意気込みを見せる。
「天に輝く五つ星!」
「五星戦隊、ダイレンジャー!」
ドンが高らかに言い放ち、6人がそろって名乗りを上げる。マーベラスたち5人がダイレンジャーの武器「スターソード」と「スターカッター」を、キバレンジャーに変身している鎧が剣「百虎真剣」を手にする。
ドラスがマーベラスたちを迎え撃つが、再生能力が受けているダメージに追いつかなくなってきていた。長短の2刀流の攻撃がドラスの体に刻まれていく。
「そんな・・僕が・・僕が・・・!」
ドラスがいら立ちを見せながら、右手を刃に変えて反撃を仕掛ける。だが刃はジョーとルカにかわされ、2人が同時に放った気力の打撃を体に叩き込まれた。
「天風星・一文字竜巻!」
「ダイレンロッド!孔雀斬り!」
アイムがいくつもの竜巻を出現させてドラスを取り囲み、そこへ棒「ダイレンロッド」とスターソードに気力を注いだドンが飛び込んできた。2つの刃を突き立てられて、ドラスが押される。
「今度はオレです!白虎一閃!」
鎧がドラスに素早く飛びかかり、白虎真剣で切り付けた。深手を負って膝をついたドラスに対し、マーベラスたちが集合する。
「スーパー気力バズーカ!」
6人の気力を集めたバズーカ砲「スーパー気力バズーカ」が発砲された。強力なエネルギー砲を受けて、ドラスが爆発に巻き込まれ、大ダメージを受けた。
「ドラスをここまで・・ならば私が、あなたたちの最後を飾ることにしよう・・」
そこへ真木がドラスの前に現れて、マーベラスたちの前に立ちはだかった。
「しつこいヤツだ・・鎧、そっちは任せたぞ!」
「了解しましたー!」
マーベラスの呼びかけに鎧が答える。マーベラスたち5人が真木に目を向ける。
「今度はこちらで行きましょう。」
アイムが取り出したレンジャーキーにマーベラスたちが合わせた。
「ゴーカイチェンジ!」
“ファーイブマン!”
5人が新たなる戦隊、ファイブマンへの変身を果たす。
「地球戦隊!」
「ファイブマン!」
マーベラスが高らかに言い放ち、5人が声をそろえる。
「何になろうとムダなことです・・!」
真木が紫の光の球を放つが、マーベラスは軽やかに動いてかわす。
「兄弟じゃないが・・兄弟戦士、ブラザーアタック!」
マーベラスが真木を見据えたまま呼びかける。
「メロディータクト!」
ルカがファイブイエローの武器「メロディータクト」からリボンを伸ばして、真木の体を縛る。
「キューティーサークル!」
「パワーカッター!」
「ツインアレイ!」
アイム、ドン、ジョーがファイブマンの武器「キューティーサークル」、「パワーカッター」、「ツインアレイ」で、身動きの取れない真木に攻撃を仕掛けていく。
「Vソードアタック!」
マーベラスがファイブレッドの剣「Vソード」にエネルギーを集めて、真木を切り付ける。
「ぐっ!」
全身をまとうエネルギーでも防ぐことができず、真木が苦痛を覚える。
「よし、これで行くぞ!」
「スーパーファイブボール!」
マーベラスがボール爆弾「スーパーファイブボール」を取り出し、5人が真木を取り囲む形に展開する。彼らがボールをパスしていくことで、ボールにエネルギーが蓄積されていく。
そしてジョーがエネルギーが満たされたボールを真木に向けて投げた。真木も紫のエネルギーの球を放って迎え撃つが、スーパーファイブボールにかき消された。
「ぐあっ!」
スーパーファイブボールの爆発に巻き込まれて、真木が吹き飛ばされて激しく横転する。追い込まれた彼を守ろうと、ジャークミドラがマーベラスたちの前に立ちはだかった。さらに戦闘員たちも現れて、マーベラスたちを取り囲んだ。
「しつこいヤツらだ・・それじゃ、コイツで一気に攻めるか!」
マーベラスが言いかけて、5人が新たなるレンジャーキーを取り出した。
「ゴーカイチェンジ!」
“チェーンジマン!”
レンジャーキーをモバイレーツにセットして、マーベラスが新たなる戦隊、チェンジマンに変身した。
「電撃戦隊!」
「チェンジマン!」
マーベラスが高らかに言い放ち、5人が声をそろえる。
「行くぜ!」
彼らがチェンジマンの武器「チェンジソード」を手にして、同じく剣を構えるジャークミドラに向かっていく。
マーベラスがジャークミドラの剣を押さえている隙に、ジョーとルカがジャークミドラを切り付けた。離れようとしたジャークミドラをドンとアイムが射撃する。
チェンジソードは剣だけでなく、銃をはじめとした様々な形に変形させることができるのである。
「ドラゴンアタック!」
「ペガサスアタック!」
「グリフォンアタック!」
マーベラス、ジョー、ドンが空高く飛び上がり、降下の勢いでジャークミドラに切りかかる。怯んだジャークミドラを助けようと、チャップたちがマーベラスたちに迫る。
「ダブルハリケーンソード!」
ルカとアイムが背中合わせになって回転しながら、チェンジソードでチャップたちを射撃していく。戦闘員たちは彼女たちに近づくこともできないでいた。
「よし!パワーバズーカ、セット!」
マーベラスの掛け声で、5人がそれぞれの専用のバズーカ砲を組み合わせて、合体バズーカ「パワーバズーカ」へと完成させる。
「マーク!」
ルカが狙いをジャークミドラへと定める。
「ファイア!」
マーベラスの掛け声でパワーバズーカからエネルギー弾が放たれた。ジャークミドラが剣を振りかざして迎え撃つが弾き返せず、巻き起こる爆発と同時に彼の手から剣が飛んで、落下して地面に突き刺さった。
ドラスに単身挑んでいく鎧。果敢に攻め立てていく彼だが、ドラスの体力と再生力は底が知れなかった。
「ホントにタフな相手だ・・だったらこれでフィニッシュだ!」
集中力を高めた鎧が、金色のレンジャーキー「ゴールドアンカーキー」を取り出した。
「ゴーカイチェーンジ!」
“ゴーーカイシルバー!ゴールドモード!”
ゴーカイセルラーにセットしたゴールドアンカーキーが装甲となって鎧を包み、強化形態「ゴーカイシルバー・ゴールドモード」へと変身させた。
パワーアップを果たした鎧が振りかざすゴーカイスピアが、ドラスをさらに切り付けて追い詰めていく。
「一気に決める!」
“ファーイナルウェイーブ!!”
鎧がエネルギーを集中させると、スーパー戦隊の15人の追加戦士たちの姿が現れた。
「ゴーカイ、レジェンドリーム!」
15人の追加戦士たちがドラスに射撃と斬撃を叩き込み、最後に鎧がゴーカイスピアで斬り込んだ。これがとどめとなり、ドラスが倒れて爆発を引き起こした。
「ふぅ・・何とか倒せたぞ・・」
「そっちは終わったか、鎧・・」
ひと息ついたところで、鎧がマーベラスに声をかけられた。彼らはチェンジマンへの変身を解いて、ゴーカイジャーへと戻っていた。
「では私たちも終わりといたしましょう。」
「そうだな・・」
アイムの呼びかけにジョーが答える。真木が最後の力を振り絞って、彼らに迫ってきた。
“ファーイナルウェイーブ!!”
5人がゴーカイガンの射撃とゴーカイサーベルを振りかざしての光の刃を立て続けに放ち、真木を一斉攻撃した。
「結末こそ、完成の瞬間・・あなた方が求めているものを探す旅も、たどり着いたときのみに、価値があるのです・・・」
断末魔の言葉を口にして、真木が紫の霧となって消滅していった。
「お・・おのれ・・・!」
そしてマーベラスの前にジャークが立ちはだかった。チェンジマンの攻撃に耐えた彼だが、力を使い果たしてしまい、ジャークミドラから元に戻っていた。
「あれだけの攻撃を受けてまだ立ってるなんてね・・」
「もしも違う出会い方をしていたら、互いに理解しあえたかもしれないな・・」
ルカとジョーがジャークに目を向けて言いかける。
「悪いが同情はしない・・ここで倒させてもらうぞ!ゴーカイガレオンバスター!」
マーベラスが言い放ち、エネルギー砲「ゴーカイガレオンバスター」を呼び寄せた。
“レッドチャージ!”
マーベラスがゴーカイガレオンバスターにレンジャーキーを差し込んで、エネルギーを充填する。
「派手に行くぜ!」
“ラーイジングストライーク!”
ゴーカイガレオンバスターから赤いエネルギー弾が発射され、ジャークに命中した。
「ぐおっ!・・まさか、仮面ライダー以外のヤツらに敗北を喫すとは・・・」
決定打を受けたジャークが、マーベラスたちに向けて声を振り絞る。
「仮面ライダーたちもお前たちも、覚えておくことだ・・世界の闇は決して消えはせぬ・・世界の闇の前で、お前たちは世界を守れるか・・己自身の目的を果たせるか・・・」
哄笑を上げながら、ジャークが爆発を起こして最期を迎えた。ゴーカイジャーの介入で、3人の大怪人、最強怪人が倒されることになった。