仮面ライダーオメガ -Spirits of Riders-
第8章
ドラゴンオルフェノクとなり、総司に挑んできた北崎。互角の勝負を見せていたが、総司は強気な態度を崩していなかった。
「いいね・・面白いね・・でも、勝つのは僕だよ・・・」
「それは大きな間違いだ。最初も最後も勝つのはオレだ・・」
北崎の言葉に総司は落ち着きを見せて言い返す。
「1対1の勝負をしているところ悪いが、オレも相手をさせてもらう。」
2人の前にストロンガーとスカイライダー、一真が現れた。
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!悪を倒せとオレを呼ぶ!オレは正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!」
「スカイライダー!」
「仮面ライダーブレイドだ!」
ストロンガー、スカイライダー、一真が名乗りを上げる。総司との戦いに割り込まれて、北崎は不満を感じていた。
「せっかくこの人と遊んでたのに・・でもいいよ・・みんなで攻撃してきていいよ・・僕には勝てないから・・・!」
無邪気な振る舞いから鋭く冷徹な態度と口調を見せる
「行くぞ!」
ストロンガーが両手に電気エネルギーを集めて、北崎に向かっていく。ストロンガーが威力を上げたパンチを、北崎の体に叩き込んだ。
だが北崎にストロンガーのパンチは通用していなかった。
「面白くなるかと思ったけど、期待外れってところか・・」
北崎が爪を振りかざして、ストロンガーの体を切り付けた。
「ストロンガー!」
突き飛ばされたストロンガーを援護しようと、スカイライダーが北崎に向かう。一真もブレイラウザーを構えて、スカイライダーに続く。
スカイライダーが北崎の上をジャンプして注意を引き付ける。その隙を狙って、一真がブレイラウザーを振りかざす。
ブレイラウザーの刃は北崎の体に命中した。だがこれも北崎には効いていなかった。
北崎が爪を振りかざしてくるが、スカイライダーも一真も素早くかわす。
「意外に速いんだ・・だけど・・・」
北崎が姿を龍人態へと変えた。一気にスピードを上げた彼の攻撃に、ストロンガー、スカイライダー、一真は回避することもままならなくなった。
「ワームレベルのスピードも出せるのか・・やはりオレがやったほうが確実か・・」
素早く動く北崎を見据えて、総司も超高速を仕掛けようとしていた。
「クロックアップ。」
“Clock up.”
総司もスピードを上げて、北崎に向かっていく。目にも止まらないスピードの中、2人がパンチとキックを繰り出していって、互角の攻防を繰り広げていった。
互いに距離を取って、総司も北崎も動きを止めた。
“Clock over.”
総司が超高速を解除して、北崎も魔人態へと戻った。
「スピードもパワーも互角とは、大したものではないか・・だが、独りよがりなお前は、オレに勝つことはできない・・」
総司が北崎に対して、強気な言葉を告げる。
「おばあちゃんが言っていた・・食材は1人では作ることができない、と・・野菜も果物も、育てる者の力量だけでなく、肥料や天候の恵みも必要となってくる・・」
「人も1人じゃ戦えないし、生きていけない・・そういうことだろ?」
そこへ1人の青年が総司に続けて言いかけてきた。
「何しに来た、加賀美?ここまで出てくる必要はないだろう・・」
青年、加賀美新に総司が言葉を投げかける。
「冷たいこと言うなよ・・ワームだけじゃなく、他のバケモノたちもいろいろとやらかしてるからな・・指をくわえて見てる気にはなれないって・・!」
「いいだろう・・どこまでオレについてこれるか、確かめさせてもらうぞ・・」
自分の気持ちを口にする新に、総司が落ち着いた態度で言葉を返す。
「変身!」
新がベルトにクワガタムシ型昆虫コア「ガタックゼクター」をセットして、青を基調とした仮面ライダー「ガタック」に変身した。
「キャストオフ!」
“Cast off.Change stag beetle.”
新はすぐにマスクドフォームからライダーフォームへと変身する。装甲の外装が弾け飛び、クワガタを思わせる頭部の形状をした姿へと変わる。
「また来たか・・何人が相手でも、僕は負けないけどね・・・」
北崎が龍人態になって、総司と新たに迫った。
“Clock up.”
2人も超高速を発動して、北崎を迎え撃つ。3人のスピードは互角だが、2対1の攻防から北崎は徐々に追い詰められていく。
次第に攻撃を受けるようになっていく北崎。総司と新が突き出したキックを受けて、北崎が突き飛ばされる。
「ぐっ!・・そんな・・そんなこと・・・!」
追い詰められていることにいら立ちを覚える北崎。
「剣崎!」
動きを止めている北崎が、数発の破裂に襲われる。彼の前にダイヤをモチーフにした赤い仮面ライダーが現れた。
「ギャレン」に変身した橘朔也である。
「橘さん・・来てくれたんですか・・・!」
一真が朔也に駆け寄って声をかける。北崎を射撃したのは、銃「ギャレンラウザー」を手にした朔也だった。
「アンデッドではないが、手ごわい相手のようだ・・動きを止めていてくれたから命中できたが、あのスピードでは当てられなかっただろうな・・」
「だけど今は弱ってきている・・一気に決めましょう!」
語りかける朔也に一真が呼びかける。2人がそれぞれあるカードを取り出して、それぞれの武器にセットした。
“Absorb queen.Fusion jack.”
“Absorb queen.Evolution king.”
一真、朔也のまとうブレイドとギャレンの装甲が金色に染まる。ギャレンの背中から金の翼が広がり、ブレイドが王としての神々しさを宿す。
「ジャックフォーム」となった朔也と、「キングフォーム」になった一真。2人の仮面ライダーが北崎を見据える。
「天道、お前もアレになったほうがいいんじゃないのか!?」
「お前に言われるまでもない・・」
新の呼びかけに総司が淡々と答える。彼の手元にカブトムシ型昆虫コア「ハイパーゼクター」がやってきた。
「ハイパーキャストオフ。」
“Hyper cast off.”
ハイパーゼクターをベルトにセットする総司。彼のまとうカブトの装甲に変化が起こり、最強形態「ハイパーフォーム」となった。
「お前たちも離れていろ。オレのスピードに巻き込まれることになるぞ。」
「その心配はいらない。足手まといになるほど、オレたちは落ちぶれてはいないぜ・・」
呼びかける総司にストロンガーも強気に答える。北崎がいら立ちを見せて、高速で総司に向かっていく。
「ハイパークロックアップ。」
“Hyper clock up.”
総司もスピードを上げて北崎を迎え撃つ。その速度は北崎の龍人態や通常のクロックアップをはるかに上回るものだった。
北崎は総司の超高速に追いつけず、見えない攻撃を立て続けに受けた。地面に叩き付けられるように倒れた彼の前に、総司が立ち止まった。
「ヤツの動きが止まった!一気に決めるぞ!」
スカイライダーが言い放ち、電気エネルギーを集中させていたストロンガーと一緒にジャンプする。
「超電稲妻キック!」
「スカイキック!」
2人のライダーキックを受けて、北崎が突き飛ばされる。さらにそこへ朔也が飛び込み、炎と光を宿した両足のキック「バーニングスマッシュ」を北崎に叩き込んだ。
「剣崎!」
朔也の呼びかけに一真が頷いて、巨大な剣「キングラウザー」にカードをセットしていく。
“Spade ten,jack,queen,king,ace.Royal straight flush.”
目の前に出現した5枚のカードの光を、一真が通る。黄金の光を宿した彼が振りかざしたキングラウザーが、体力を大きく消耗した北崎を切り付けた。
「ぐあっ!・・こんな・・こんなことで・・・!」
「ライダーキック!」
“Rider kick.”
いら立ちが頂点に達している北崎に、さらに新が飛び込んできた。エネルギーを集めた新の飛び蹴りを、北崎は思うように動けずに直撃されることになった。
「1番は僕なんだ・・勝つのは僕なんだから・・・!」
「往生際の悪いことだ・・」
声と力を振り絞る北崎の前に総司が立ちはだかり、武器「パーフェクトゼクター」を構えた。
“Kabuto power,Thebee power,Drake power,Sasword power.All zector combine.”
パーフェクトゼクターが「パーフェクトモード」となり、エネルギーが集まっていく。そのエネルギーが巨大な光の刃となっていく。
「お前の敗因は2つ。1つは自分の力を過信したこと。もう1つは、相手がオレだったことだ・・」
言いかける総司がパーフェクトゼクターを振りかざす。エネルギーを集めた光の刃が、北崎の体を真っ二つにした。
命さえも両断された北崎の体が崩壊を引き起こし、灰になって消滅していった。
「やったな、天道くん・・同じカブトムシの仮面ライダーとして、これからも世界のために頑張っていこう・・」
「世界はオレを中心に動いている・・本当の強さの持ち主はオレだ・・」
声をかけてきたストロンガーに、総司は強気な態度を見せる。
「昨日の自分より今日の自分は強く、今日の自分より明日の自分は強い。その考えにはオレも賛成だ・・」
「言ってくれるぜ。だが、それでこそ天の道を行くライダーだ。」
言葉を交わして背を向けあう総司とストロンガー。
「まったく・・素直に仲良くすればいいのにさ・・」
総司の強気な態度に新は呆れていた。
「まだ戦いは終わっていない。みんなの援護に行こう・・!」
スカイライダーの呼びかけに一真たちが頷く。彼らは他の仮面ライダーたちの援護に向かうのだった。
良太郎、侑斗、スーパー1、ゼクロスの前に、地獄大使が立ちはだかった。4人の仮面ライダーを前にしても、地獄大使は不敵な笑みを浮かべたままだった。
「何笑ってやがる?ずい分と余裕じゃねぇかよ。」
モモタロスが憑依している良太郎が、地獄大使に挑発を投げかける。
「余裕だと?余裕も余裕。お前たちが束になっても、この私に勝つことはできぬわ。」
「このヤロー・・偉そうにして調子に乗りやがって〜!」
あざ笑ってくる地獄大使に、良太郎がいら立ちを見せる。
「だったら言っておく!オレはかーなーり、強い!」
「そこまでいきがるならいいだろう!電王、ゼロノス、まずはお前たちから始末してくれる!」
高らかに言い放つ侑斗に、地獄大使が鞭を手にして迫ろうとした。
「まずはオレが相手をする!」
そこへゼクロスが立ちはだかり、地獄大使に挑もうとした。
「おい、コラ!勝手に決めんな!アイツを倒すのはオレだ!」
「せめてオレに先陣を切らせろ。援護を任せたぞ!」
良太郎の不満の声を背にして、ゼクロスが地獄大使に向かっていく。
地獄大使が振りかざした鞭をジャンプでかわし、ゼクロスはそのまま地獄大使の上を飛び越える。着地したと同時に振り返り、ゼクロスが十字手裏剣を投げつける。
だが地獄大使が左手のかぎ爪で十字手裏剣をなぎ払う。
「甘いぞ!」
地獄大使が振りかざした鞭が、ゼクロスの首に巻きついた。鞭から電撃が放たれ、ゼクロスが苦痛を覚える。
「ゼクロス!・・冷熱ハンド!冷凍ガス、発射!」
スーパー1がすかさず、ファイブハンドの1つ「冷熱ハンド」を装備する。彼は左手から冷凍ガスを地獄大使に向けて放つ。
冷凍ガスは地獄大使を一瞬凍てつかせただけでなく、白いガスが視界をさえぎることになった。
「おのれ!小賢しいマネを!」
ライダーたちを見失って、地獄大使が毒づく。彼はゼクロスが鞭から逃れたのを察知していた。
「いくぜ、いくぜ、いくぜ!」
白い煙をかき分けて、良太郎がソードモードのデンガッシャーを構えて飛び込んできた。不意を突かれた地獄大使が、良太郎に連続で切り付けられていく。
舞い上がる煙から抜け出して、地獄大使は良太郎たちの姿を確認した。だがその中に侑斗の姿がない。
侑斗は地獄大使の背後に回り込んでいた。彼が振りかざしたサーベルモードのゼロガッシャーが、地獄大使のかぎ爪を傷つけた。
「オレのことを忘れるからそうなる。忘れなくても負けは決まってはいるがな・・」
「なかなかやるではないか、ゼロノス・・仮面ライダーたちよ・・ハイパーショッカーを代表して礼を言うぞ・・」
強気に言いかける侑斗に、地獄大使が笑い声を上げる。
「その力に敬意を表して、私も本当の力を見せるとしよう・・・!」
地獄大使が目を見開いて、全身を震わせる。荒々しい光を放ちながら、彼の姿がヘビのような怪人へと変わった。最強怪人、ガラガランダへと変身したのである。
「覚悟するがいい、仮面ライダー!貴様らの本当の地獄はここからだ!」
言い放ったガラガランダが、鞭が一体化している右手を振りかざす。伸びてきた鞭を良太郎が素早くかわす。
「へっ!姿が変わっても戦い方は同じじゃねぇか!やっぱフィニッシュを決めるのはオレだ!」
良太郎が勝気に言い放ってガラガランダに向かっていく。するとガラガランダが右手の鞭を地面にくぐらせた。
鞭は地面の下を突き進み、良太郎の背後から飛び出してきた。
「後ろだ!」
「何っ!?」
スーパー1の呼び声を受けて、良太郎が声を上げる。次の瞬間、ガラガランダの鞭を首に巻きつけられて、良太郎が持ち上げられる。
「くそっ!放せ、このヤロー!・・があっ!」
振り払おうとした鞭から電撃が放たれ、良太郎が苦痛を覚える。
「手間をかけさせてくれる!」
侑斗がガラガランダに飛びかかり、ゼロガッシャーを振りかざす。だがガラガランダはその一閃をかわして、左手の爪で侑斗のまとうゼロノスの装甲を切り付けた。
「ぐっ!」
ゼロノスの装甲から火花が散り、侑斗がうめく。
「まだだ!私の力はこんなものではないぞ!」
ガラガランダが右手の鞭を振りかざして、侑斗と叩いていく。さらにガラガランダは左手を振りかざして閃光を放出して、侑斗を吹き飛ばした。
ダメージが大きくなり、侑斗のゼロノスへの変身が解けた。
「侑斗!」
駆けつけたデネブが倒れている侑斗に声をかける。彼が差し伸べた手を振り払って、侑斗が立ち上がる。
「どうした、ライダー?さっきの勢いはどこに消えた?」
良太郎たちを見回して、ガラガランダがあざ笑ってくる。
「どこまでも調子に乗りやがって・・後悔させてやるぜ!」
良太郎がいきり立って、ガラガランダに飛びかかる。
「くらえ、オレの必殺技!」
良太郎が振りかざしたデンガッシャーの刀身だが、ガラガランダの鞭につかんで取られてしまう。
「何っ!?」
「ハッハッハ!これでは自慢の剣も使い物にならんな!」
驚きの声を上げる良太郎に向けて、ガラガランダがさらに哄笑を上げる。ガラガランダのかぎ爪から放たれた閃光で、良太郎も吹き飛ばされる。
「どあぁっ!」
激しく横転する良太郎。傷つきながらも立ち上がろうとする彼の前に、ガラガランダが立ちはだかった。
「まずは貴様から始末してやるぞ、電王・・他のライダーもすぐにあの世に送ってやる!仲良くあの世に行くがいい!」
ガラガランダが良太郎に向けて右手の鞭を振り下ろそうとした。だが次の瞬間、ガラガランダの体が炎に包まれた。
「ぐおっ!」
体にまとわりついた炎を振り払うガラガランダ。彼と良太郎たちが振りむいた先には、鬼のような風貌をした2人の男たちがいた。
「よっ。何だか大変なことになっているみたいだな・・」
男の1人、響鬼が気さくに声をかけてきた。
「今まで見てきた限りでも、大変なのは火を見るより明らかですよ、ヒビキさん・・」
もう1人の男、威吹鬼が呼びかけてくる。ヒビキはイブキに笑みをこぼすと、良太郎に視線を向けた。
「久しぶりだな。鬼同士、今回も仲良くやろうや。」
「おめぇなんかと一緒にすんな!鬼は鬼でもイマジンだぜ、オレは!」
右手で敬礼のように見える軽やかなポーズを見せるヒビキに、良太郎が言い返す。
「まぁいいや・・今はあのヘビヤローを片付けるのが先だぜ・・!」
良太郎が立ち上がってガラガランダに目を向ける。
「また新しい仮面ライダーが現れたか・・何人来ようとオレには勝てんがな!」
「甘く見たいほうがいいぞ。これでもオレ、鍛えてるから・・」
あざ笑ってくるガラガランダに、ヒビキは気さくな態度のまま答える。
「ヒビキさん、時間がありません。ここは一気に終わらせるべきです。」
「真面目だねぇ・・ま、確かにその通りだからね。今回は準備運動なしで行くとするか・・」
イブキに呼びかけられて、ヒビキは体を動かしていく。彼は音撃増幅剣「装甲声刃」を手にした。
「響鬼、装甲!」
アームドセイバーの力を得て、ヒビキの姿が紫から紅い鎧のような形へと変わっていく。彼は最強形態「装甲響鬼」へと変身したのである。
「そのような姿になろうと、私の前では無意味だ!」
ガラガランダが右手を地面に突きつけて、鞭を伸ばしていく。鞭はヒビキの背後の地面から飛び出してきた。
その瞬間、ヒビキが後ろに振り向いて、ガラガランダの鞭をアームドセイバーで切り裂いた。
「何だとっ!?」
「だから言ったじゃない。このくらいのこと、見切るのは簡単だ・・」
驚愕の声を上げるガラガランダに、ヒビキが淡々と言いかける。
「勝手に割り込んで、手柄を横取りするなんて図々しいマネ、気安くさせてたまるか・・!」
侑斗も負けじと新たなるカードを取り出した。
「変身。」
“Zero form.”
侑斗が再びゼロノスに変身する。だが彼が今変身したゼロノスは、形状はアルタイルフォームと同じだが、色は赤銅色をしていた。
ゼロノスの形態のひとつ「ゼロフォーム」である。パワーではベガフォームに劣るが、それ以外はアルタイルフォームを大きく上回っている。
デネブが姿かたちを変えて、ガトリングガン「デネビックバスター」に変わった。デネビックバスターを手にして、侑斗がガラガランダを見据える。
「よーし!オレもさらにクライマックスといくぜ!」
良太郎が負けじと携帯電話「ケータロス」を取り出す。
“Momo,Ura,Kin,Ryu,Climax form.”
ケータロスのボタンを押してベルトにセットする良太郎。するとロッドフォーム、アックスフォームの仮面が両腕に、ガンフォームの仮面が胴体に装着され、電王の仮面も開くように新しくなる。
良太郎は電王の強化形態「クライマックスフォーム」への変身を果たした。
「オレたち、参上!」
良太郎が高らかにポーズを決める。彼の両隣にスーパー1とゼクロスが並び立つ。
「ヤツの腕に振り回されては敵わん。全員の力を合わせて、一気に決めるぞ・・!」
「偉そうに指図すんなって!・・けど、それしか方法はねぇみてぇだな・・・!」
スーパー1の言葉に良太郎が答える。
「オレが切り込む。その間に一気に攻撃を叩き込め!」
侑斗がデネビックバスターを構えて、ガラガランダに向かっていく。前進しながら弾丸を連射していくが、ガラガランダが右手の鞭で弾丸を弾き飛ばしていく。
「この攻撃を防ぐのか・・だがこれは防げないだろ!」
“Full charge.”
侑斗が構えたデネビックバスターにエネルギーが集まり、放射される。だがガラガランダが地面に潜って、彼の砲撃をかわした。
侑斗から少し離れた場所から、ガラガランダが飛び出してきた。
「強力な攻撃だったようだが、当たらなければ意味はない!」
「それはどうかな?」
高らかに哄笑を上げるガラガランダに、侑斗が不敵に笑った。ガラガランダの目の前にヒビキが飛び込んできた。
「鬼神覚声!」
ヒビキが音を刃に変えて、アームドセイバーを振りかざす。音撃刃「鬼神覚声」がガラガランダに叩き込まれた。
「ぐおっ!」
大きなダメージを受けて、ガラガランダがうめいて後ずさりする。
「いくぜ、オレたちの必殺技!」
そこへ良太郎がスーパー1、ゼクロスとともに高らかにジャンプする。
「スーパーライダー閃光キック!」
「ゼクロスキック!」
「えっとえっと・・クライマックスキック!」
スーパー1とゼクロスに合わせようとして、良太郎も高らかに必殺キックの名前を言い放つ。「スーパーライダー閃光キック」、「ゼクロスキック」、「ボイスターズキック」がガラガランダに叩き込まれた。
3人のキックを受けて、ガラガランダが激しく突き飛ばされる。決定打を受けたが、ガラガランダはゆっくりと立ち上がってきた。
「あのヤロー、しぶといぜ・・ヘビみてぇにしつこいヤツだ・・!」
まだ倒れないガラガランダに、良太郎が不満を口にする。
「本当に予想を大きく上回る力を見せてくるな、仮面ライダー・・礼を言うぞ・・・」
ガラガランダが良太郎たちに不気味な笑みを見せる。
「このような戦いをさせてくれたこと、感謝しているぞ・・・ハイパーショッカー・・バンザーイ!」
ガラガランダが高らかに叫ぶと、倒れて爆発を引き起こした。
「どうやら、そこまでしぶとくもしつこくもなかったということか・・」
侑斗が肩を落として呟きかける。
「やりましたね、ヒビキさん・・」
「そうだな・・って言いたいとこだけど、このぐらいじゃ体がなまりそうだ・・」
声をかけるイブキに、ヒビキが不満の声を上げてきた。
「ヒビキさん、こんな状況でそういうこと言わないでください・・気が重くなりますよ・・」
「相変わらず真面目だね・・でも、気が重くなりそうなことになりそうだ・・」
ため息をつくイブキにヒビキが言葉を返す。彼らの周りをショッカーの戦闘員とクライシス帝国の兵士「チャップ」、マスカレードドーパントと屑ヤミー、さらにはガイコツの姿をしたスカルライダーが取り囲んできた。
「へっ!このぐらいじゃものたんねぇって思ってたとこだ!まだまだオレのクライマックスモードは、終わっちゃいねぇぜ!」
良太郎が強気に言い放って、戦闘員たちに立ち向かっていった。
竜也を止めるため、光輝と太一は映司たちから離れてメガブレイバー、クリスレイダーを走らせていた。その途中、ギガブレイバーに乗った一矢が2人に合流してきた。
「海道竜也のところに行くのだろう?お前たちが何を考えているか知らないが、オレはヤツを倒す。このままヤツを野放しにして、くるみさんに何かあっては困るからね・・」
「くるみちゃんもヒカルちゃんも守る・・そして竜也くんを止める・・・」
強気に言いかけてくる一矢に、光輝が決意を口にする。
「止める?お前はまだそんな甘いことを考えているのか・・その考えで止められないことを、いい加減に理解したらどうだ?」
「竜也くんはまだ人間の心を持っている。彼の心にある怒りと憎しみが、彼と彼の力を暴走させているんだ・・その竜也くんが、倒されていいなんてことはない・・・!」
「いいか悪いかはオレが決める。ヤツを倒すことはオレには簡単でも、お前たちには荷が重すぎる・・」
「それでも、僕がやらなくちゃいけない・・竜也くんを止めたいと思ったんです・・・!」
嘲笑してくる一矢だが、光輝は決心を変えようとしない。
「絶対に救い出すんだ、竜也くんを・・怒りと憎しみの連鎖から・・・!」
振り絞るように改めて決意を口にする光輝。ヒカルもそれを望んでいると、彼は確信していた。
だが竜也のいる場所に向かう途中で、3人は突然止まった。彼らの前に1つの影が立ちはだかっていた。
「お前は・・・!」
メガブレイバーから降りてメットを外した光輝が、緊迫を浮かべる。彼らの行く手をさえぎったのはシャドームーンだった。
「オメガ、ギガス、クリス、お前たちを先へは行かせんぞ・・」
「シャドームーン・・こんなときに・・・!」
声をかけてくるシャドームーンに、光輝が危機感を覚える。動きを読まれ、光輝たちはシャドームーンに対して劣勢を強いられていた。
「あのときのヤツか。この前は不意を突かれたが、それは奇跡でしかない。」
「僕は会うのは初めてだよ・・強そうな相手だけど、やるしかない・・・!」
強気な態度を見せる一矢と、怖さを振り払おうとする太一。
「ヒカルちゃんと竜也くんのところに行くんだ・・・変身!」
「変身。」
「変身・・!」
光輝、一矢、太一がベルトに水晶をセットして、オメガ、ギガス、クリスに変身する。
「仮面ライダーオメガ!」
「オレに敵などいない。なぜなら、オレは無敵だから・・」
「もう僕しか、未来を切り開けないんだ・・・!」
3人がシャドームーンに向けて言い放つ。
「そこをどいてもらう!お前たちに邪魔されるわけにはいかないんだ!」
「ムダだ。お前たちはここで地獄に堕ちるしかない・・」
言い放つ光輝に、シャドームーンは冷徹に言葉を返す。すると彼の後ろから2体の怪人が姿を現した。
「私はハイパーショッカーの蜂女!」
「オレはハイパーショッカーの怪魔ロボット、シュバリオン!」
2体の怪人、蜂女とシュバリオンが名乗りを上げる。
「お前たちはオレたちの手で葬ってやるぞ!」
「それは不可能だと言っているだろう・・口で言っても分からないとは、哀れなものだな・・」
一矢がため息をついて、迫ってくるシュバリオンを迎え撃つ。
「クリスは私が仕留めさせていただきます。ハイパーショッカーの全世界征服のため、覚悟してもらおう!」
「僕、おっかない女の人の相手をするのはイヤなんだけど・・・」
フェンシングの剣を構える蜂女に、太一が不満を口にする。
「1対1では、なおのこと私には勝つことはできないぞ。」
「それでもオレは負けるわけにはいかない・・ヒカルちゃんと竜也くんを救わなければいけないんだ!」
ヒカルと竜也のため、世界の平和と人々の自由のため、光輝はシャドームーンに挑もうとしていた。