仮面ライダーマックス
第21話「ダークな憎悪!」
マックスとフォックスのビースドライバーとアニマルカードを奪えないシュンとララに、ジンキは怒りを感じるようになっていた。
「エックスビースの上層部に属するお前たちが、こうも立て続けに失敗するとは・・」
ジンキがシュンに言いかけて、ため息をつく。
「申し訳ありません・・処罰をお与えになるなら、甘んじてお受けします・・」
「その覚悟があるならば、すぐにでもベルトとカードを手に入れろ。でなければ、私が直接手を下すことになる。こんなことで私の手をわずらわせるな・・!」
頭を下げるシュンにジンキが命令を下す。シュンは再び一礼してから、社長室を後にした。
(生半可に力を上げたところでムダだぞ、マックス、フォックス。自分たちのしているのがムダな努力であることを思い知ることになる・・)
マックスとフォックスへの敵意を抱くジンキ。彼の戦意がだんだんと増していた。
ジンキの怒りに触れていることに、シュンは苦悩を深めていた。廊下で待っていたララも、不安を感じて体を震わせていた。
「ゴメンなさい・・私のせいで・・私のせいで・・・!」
「謝るくらいなら早くベルトを取り返せるようにしておくことだな・・」
動揺しながら謝るララに、シュンが注意を呼びかける。
(社長はお怒りだ。もう失敗をするわけにはいかない・・私が処罰されるだけならいいが、社長の手をわずらわせることになるのは避けたい・・・!)
強い危機感を感じていたシュン。彼は今、普段の冷静沈着を崩さないようにするのに精一杯になっていた。
(私が、命懸けでやるしかないようだ・・・!)
自分の存在意義を賭けてノゾムたちに挑むことを、シュンは心の中で誓った。
タコの怪物、オクトパスビースターを追走するノゾムとソウマ。マックス、フォックスとなっている2人が、オクトパスビースターを挟み撃ちにする。
「鬼ごっこはおしまいだ。ここからは狩りの時間だ・・!」
ソウマがオクトパスビースターに鋭く言いかける。
「オレはこんなところで、むざむざ死ぬつもりはない!」
オクトパスビースターが声を上げて、口から黒い墨を吐く。ソウマが墨をよけて、速いキックをオクトパスビースターに叩き込む。
ソウマの速い攻撃に対応できず、オクトパスビースターが慌てる。
「オレは人間どものせいで人生狂わされたんだよ!あんなヤツらのために死んでたまるか!やられる前にやってやる!」
「それで関係ないヤツまでやってもいいって思ってるのか・・!?」
感情をむき出しにするオクトパスビースターに、ノゾムが怒りの声を投げかける。
「人間どもに、オレが受けてきた地獄が分かるものか!」
「分かりたくもないな・・ビースターの考えていることなど・・!」
怒鳴りかかるオクトパスビースターの言葉を、ソウマが憎悪を込めてはねつける。
「お前もオレに倒される・・他のビースターのようにな!」
“フォックスチャージ!アニマルスマーッシュ!”
ビースドライバーの左上のボタンを2回押して、ソウマがオクトパスビースターに向かってジャンプする。彼の繰り出したキックが、オクトパスビースターに命中した。
「ギャアッ!」
オクトパスビースターが吹き飛ばされて、宙で爆発を起こした。ソウマが着地して、ひと息ついて呼吸を整える。
「そうだ・・ビースターは1人残らず、オレが倒すんだ・・・!」
ビースターへの憎悪をふくらませていくソウマ。
“スリービースト。”
ノゾムとソウマがマックス、フォックスへの変身を解いた。
「お前のビースターを憎む気持ちはオレ以上だな・・何かなくちゃ、そこまでにはならないだろう、さすがに・・」
「みんなに話すつもりはない・・お前にも、誰にも、このことは・・・!」
ノゾムが問いかけるが、ソウマは答えることなく立ち去っていった。
ノゾムと別れたソウマは、ビースターへの憎悪をふくらませて打ち震えていた。
(これはオレがケリを付けないといけないことなんだ・・ノゾムもツバキも巻き込むわけにはいかない・・・!)
心の中で呟いて、ソウマは感情を高ぶらせる。
(オレが力を付けていって、必ずビースターを・・!)
込み上げてくる憎悪を胸に秘めて、落ち着きを取り戻していくソウマ。彼の脳裏にある記憶がよぎっていた。
ビースドライバーとアニマルカードを手に入れるため、エックスビースの施設から外へ出たシュン。彼の前に1人の男が現れた。
「お前というヤツが、近頃悪戦苦闘しているみたいだな、シュン。」
男が強気な態度を見せて、シュンに声をかける。
「お前がここに戻ってきたとはな、キリオ。」
シュンが男、鮫山キリオに答える。
「向こうでの仕事でこっちに戻る羽目になった。例のものを持ったヤツを見つけたんだが、こっちに移動してきたんだ。」
「ということは、3つ目のベルトもこの近くに・・」
キリオの話を聞いて、シュンが緊張を覚える。
「だけどそのベルトはオレが手に入れる。余計なマネしたらお前らでも容赦しないぞ。」
「それは状況次第と言っておこう。マックスとフォックス、そして3つ目のベルトの持ち主が合流しない限りは。」
忠告を送るキリオに、シュンが言葉を返す。
「せいぜいオレの邪魔をしてくれるなよ。オレの獲物はオレが仕留めるんだからな・・」
キリオは告げてから、施設の正門をくぐって中に入った。
(あなたは同じ、エックスビースの上層部のビースターだ。だが私やララと違って、キリオは野心が強い。まさかとは思うが、社長に反旗をひるがえす可能性も否めない・・)
シュンがキリオへの警戒を抱いていた。
(ヤツの好きにさせる前に、私がこの問題に終止符を打つ・・・!)
危機感と新たな決意を胸に秘めて、シュンはビースドライバーを奪いに向かった。
セイラを狙ったタダオの騒動。タイチは気絶しただけで済んだが、ユウキは体の疲労が大きくなっていた。彼にダメージを負わせたのはタダオではなく、マキシマムフォルムとなったノゾムだったが。
万全でない状態だったユウキだが、ベッドで横になることなく、普段通りの様子を見せていた。
「大丈夫、ユウキくん?・・・すみません、僕に、2人を守れるだけの力がなくて・・」
「タイチさんは悪くない。むしろオレたちのために体を張ってくれて、とても感謝しているよ・・」
心配と謝罪を投げかけるタイチに、ユウキが微笑みかける。
「悪いのはオレのほうだよ・・オレたちが狙われたことで、タイチくんが大変な思いを・・」
「周りの人を見捨てて自分だけ逃げるなんてできないよ。怖くてたまらないのは間違いないけど・・」
自分を責めるユウキに、タイチが正直な思いを口にする。
「怖くてたまらない・・・そうですね・・あんな怪物を見たら、怖くならないほうがおかしいですよね・・・」
セイラがタイチに物悲しい笑みを浮かべる。彼女はタイチに自分たちがビースターであることを知られてはいけないと思っていた。
「ユウキさん、そろそろ家に戻ろう・・あんまりムチャしたらいけない・・」
タイチが呼びかけて、ユウキが小さく頷いた。彼らは散歩を終えて別荘に戻ることにした。
ビースターを滅ぼすことを考えているソウマ。彼の前にノゾムがやってきた。
「またノゾムか・・何度聞いてきても、オレは答えないぞ・・」
「そうじゃない・・ビースターを滅ぼしたいなら、エックスビースに乗り込めばいいんじゃないのか?あそこはビースターの巣窟だって聞いたぞ・・」
ため息まじりに言いかけるソウマに、ノゾムが話を切り出す。
「エックスビース・・そうだ・・あそこを叩けば、一気にヤツらを追い詰められる・・!」
新しい目的を見出して、ソウマが笑みをこぼす。
「オレもそれなりに力を付けている・・ヤツらのアジトに乗り込んでも、返り討ちにされることはない・・!」
「それだったらオレが行ったほうがうまくいくんじゃないのか?このマキシマムなら・・」
「確かにマキシマムのほうが強力だが、オレだってやれるんだからな・・!」
「そこまで言うなら勝手にしろよ・・返り討ちになっても、オレは知らないぞ・・」
エックスビースに向おうとするソウマに、ノゾムが呆れてため息をつく。
「その心配は無用ってね。それじゃ早速ぶっ潰してくるか。ビースターのアジトをな・・!」
ソウマが意気込みを見せて、エックスビースを目指して歩き出した。ノゾムは再びため息をつくと、ソウマの後をついていった。
エックスビースの施設の近くに来たソウマとノゾム。後ろをついてきたノゾムに、ソウマが呆れて肩を落とした。
「お前がついてくることなんてないのに・・」
「オレがそうしたいからそうする・・それだけのことだ・・」
言いかけるソウマに、ノゾムはため息まじりに答える。
「お前はそういうヤツだったな・・まぁいいや。邪魔してこなければオレは構わない。」
ソウマは苦笑いを浮かべてから、施設の様子をじっと見つめる。彼は施設へ突入する機会をうかがっていた。
「まさか侵入を狙ってくるとはな。」
そこへ声がかかって、ノゾムとソウマが振り返って身構える。彼らの前に現れたのはシュンだった。
「お前は、ライオンヤロー・・!」
「そういう言い方はやめてもらおう。お前たちの大口も今日限りだ。」
目つきを鋭くするノゾムに、シュンが不満を覚える。
「お前たちのベルトは、2つとも我々の手元に置く。これ以上、お前たちの好きにさせるわけにはいかない・・」
言いかけるシュンが変貌を果たす。
「私がお前たちを始末し、ベルトを取り戻す・・!」
「そんなに死に急ぎたいなら、望みどおりにしてやるよ!」
ライオンビースターになったシュンにソウマが言い放つ。
“フォックス!”
彼がフォックスカードを手にして、ビースドライバーにセットした。
「変身!」
“チャージ・フォーックス!ソニックフォックス!ソリッドフォックス!ビース・ハイスピード!”
ビースドライバーの左上のボタンを押して、ソウマはフォックスに変身した。
「オレの強さは疾風迅雷!お前をさっさと倒して、他のビースターも全滅させる!」
「そんなマネはさせないぞ。滅ぶのはお前たちのほうだ!」
ソウマとシュンが言い放って、同時に飛び出す。
「オレもアイツをブッ倒さなくちゃならないと思っているんだよ・・!」
“マックス!”
ノゾムがビースドライバーにマックスカードをセットした。
「変身!」
“チャージ・マーックス!マックスパワー!マックスハート!ビース・マックスライダー!”
彼はマックスに変身して、ソウマに加勢する。2人が同時に繰り出すパンチを、シュンは素早くかわしていく。
「2人がかりでその程度か?ならば任務を果たさせてもらうぞ!」
シュンが言い放って、足を振りかざしてノゾムとソウマを蹴り飛ばす。地面を転がる2人だが、すぐに立ち上がる。
「そんなマネさせるか!コイツはオレの力だ!お前たちを倒すためのな!」
ソウマが怒号を放って、シュンに飛びかかる。シュンが体を左右に動かして、シュンの攻撃をかわす。
「逃げるな!」
シュンがスピードを最大限に上げて、シュンの左腕をつかんだ。
「ぬっ!?おのれ!」
シュンが毒づいて、左腕を振りかざす。しかしソウマの手を振り払うことができない。
「オレはお前たちを許しはしない!オレの全てを奪ったビースターを!」
ソウマが力を込めた右足を振りかざして、シュンの体にキックを当てた。ソウマはさらに連続でキックを当てていく。
シュンが力を込めて右手を振りかざす。彼の爪がソウマのフォックスのスーツを切りつけた。
「ぐっ!」
フォックスのスーツから火花が散って、ソウマがシュンから離される。
「いつまでも調子に乗れると思うな・・脆弱な人間の分際で・・!」
「力に溺れて、オレたちを弄んで平気な顔をするビースター!絶対に野放しにはしない!」
互いに怒りを口にするシュンとソウマ。ソウマの連打を受けて、シュンは消耗していた。
「まずはお前だ・・おとなしく地獄へ落ちろ!」
“フォックスチャージ!アニマルスマーッシュ!”
ソウマがビースドライバーの左上のボタンを2回押す。彼がシュンに向かってジャンプして、エネルギーを集めた右足のキックを繰り出した。
だが次の瞬間、フォックスのスーツから爆発が起こって、ソウマが体勢を崩して地面に倒れる。
「やれやれ。その不様じゃさすがに見ちゃいられないな・・」
そこへ声がかかって、シュンとノゾムが振り向く。彼らの前に現れたのはキリオだった。
「鮫山!?マックスとフォックスは私の相手だ!」
「そういうならもう少しマシな戦いをしてくれないとな。」
怒鳴るシュンをキリオがあざ笑う。
「アイツ・・アイツは!?」
キリオを目の当たりにして、ソウマが体を震わせる。
「オレの全てを奪ったビースター・・絶対に許すものか!」
激高したソウマがキリオに飛びかかる。ソウマが繰り出したパンチを、キリオは軽々とかわす。
「そんなにオレの相手がしたいなら、望みどおりにしてやるか・・!」
キリオが目つきを鋭くして、ソウマに敵意を向ける。彼の姿が変化して、鮫の怪人、シャークビースターとなった。
「その姿・・やはりあのときの!」
ソウマが記憶を呼び起こして、怒りをふくらませる。彼がスピードを上げて、キリオを狙ってパンチとキックを繰り出していく。
しかしキリオはソウマの攻撃の全てを回避してみせる。
「どうした?これでは準備運動にもならないぞ?」
キリオがソウマをあざ笑って、爪をきらめかせた右手を振りかざす。鋭い爪がソウマを切りつけて、フォックスのスーツから火花が散る。
「ソウマ!あのサメヤロー!」
ノゾムがソウマに叫んで、キリオへの怒りを覚える。彼の前にシュンが立ちはだかる。
「こうなれば、お前のベルトから取り戻す・・!」
ノゾムのビースドライバーに狙いを変えたシュン。
「お前の相手をしている暇はないんだよ!」
ノゾムがいら立ちを見せて、シュンの妨害をかわそうとする。そのとき、彼らの周りをバラの花吹雪が取り囲んだ。
「今度こそベルトを渡してもらうよ、マックス・・!」
ローズビースターとなったララが、ノゾムの前に現れた。
「ったく、どいつもこいつも・・だったら!」
ノゾムがいきり立って、マキシマムカードを手にした。
“マキシマム!”
彼がビースドライバーにマキシマムカードをセットして、左上のボタンを押した。
“チャージ・マキシマーム!マックス・マキシ・マキシマーム!ビース・マキシマムライダー!”
ノゾムはマキシマムフォルムに変身して、シュンとララに向かっていく。
一方、ソウマはキリオに攻撃を当てられずに、いら立ちを感じていく。
「そんなものか、ビーストライダーの力は?そろそろオレの攻撃の番とさせてもらうぞ。」
キリオが笑みをこぼすと、ソウマに爪を振りかざす。ソウマはかわしきれず、フォックスのスーツを爪で切りつけられる。
「ちくしょう・・オレはコイツを倒すんだ・・そのためにオレは力を手に入れたんだ・・!」
ソウマがキリオへの怒りをさらに強めていく。
「オレの力は、もうビースターには負けたりしないんだよ!」
“クロコダイル!”
ソウマがいきり立って、クロコダイルカードを手にして、ビースドライバーにあるフォックスカードを入れ替える。
“チャージ・クロコダーイル!クロコブレイク!クロコドライブ!スラッシュ・クロコファング!”
ソウマがクロコファングを手にして構える。彼がキリオに向かってクロコファングを振りかざしていく。
「武器を使ってもその程度か?笑わせてくれるな。もう少し楽しませてくれないとな!」
キリオがあざ笑って、ソウマを攻め立てる。キリオの爪がソウマにダメージを与えていく。
「オレは勝つ・・オレがビースターを倒すんだよ!」
ソウマが声を張り上げて、ビースドライバーの左上のボタンを2回押す。
“クロコダイルチャージ!アニマルスマーッシュ!”
彼が構えるクロコファングにエネルギーが集まる。
「コイツでお前をぶった切ってやる!」
ソウマがキリオ目がけてクロコファングを振り下ろす。しかしキリオに軽々とかわされた。
「大振りだな。あくびしてでもよけられるぜ。」
キリオがため息をついてから、右手を振り上げて爪で切りつけた。
「がはぁっ!」
ソウマが跳ね上げられて地面に倒れる。彼からビースドライバーが外れて、フォックスへの変身が解かれた。
「く、くそっ・・!」
ソウマが力を振り絞って、落ちたビースドライバーに手を伸ばす。しかしキリオがビースドライバーを拾い上げる。
「ベルト、返してもらうぜ。」
「さ、触るな!返せ!」
笑みをこぼすキリオに、ソウマが手を伸ばす。しかしキリオが振り上げた足に、ソウマが蹴り飛ばされる。
「コイツはエックスビースのものだ。コイツを勝手に使い回したコソ泥はお前らのほうだってことだ。」
「ふざけるな!いいから返せってんだよ!」
あざ笑ってくるキリオにソウマが怒鳴る。しかしダメージが大きく、彼はすぐに立ち上がることができない。
「ソウマ!アイツ、ソウマのベルトを!」
ノゾムもキリオへの怒りを覚える。彼は立ちはだかるシュンとララを、連続でパンチを出して攻め立てる。
「鮫山の勝手は腑に落ちないが・・マックス、お前のベルトも我々がもらう!」
シュンがノゾムに向かって飛びかかる。シュンが振りかざす腕を、ノゾムが腕で防いでいく。
ララもシュンに加勢して打撃を仕掛ける。しかし怒りに燃えるノゾムに、2人の攻撃が防がれる。
「邪魔するな、お前たち!」
ノゾムが怒号を放って、シュンをパンチで、ララをキックで突き飛ばす。
「邪魔されないように、お前たちからブッ倒してやる!」
ノゾムがシュンに目を向けて、ビースドライバーの左上のボタンを2回押す。
“マキシマムチャージ!アニマルスマーッシュ!”
彼はジャンプして、エネルギーを集めた両足のキックを繰り出した。
「おのれ!」
シュンが両手を振りかざして、ノゾムのキックとぶつけ合う。だがノゾムのキックの威力に押されて、シュンが突き飛ばされる。
「シュン!」
ララが叫んで、シュンに駆け寄る。シュンは腕を痛めて、立ち上がることに気が回らないほどのダメージを負っていた。
「マックス・・お前は許さないからね・・・!」
ノゾムへの憎悪を向けてから、ララはシュンを連れてこの場を離れた。
「ったく、浜松は役に立たないな・・」
キリオはシュンに呆れながら、人間の姿に戻る。
「せっかくだ。オレがコイツの力を試してやるよ。」
キリオが思い立って、奪ったビースドライバーを装着した。
“フォックス!”
彼はフォックスカードをビースドライバーにセットした。
「変身・・!」
“チャージ・フォーックス!ソニックフォックス!ソリッドフォックス!ビース・ハイスピード!”
キリオがフォックスに変身して、ノゾムとソウマの前に立ちはだかる。
「いい感じだぜ・・面白くなりそうだ!」
「あのヤロー、フォックスになっちまった・・!」
さらに喜ぶキリオと、緊張を覚えるノゾム。キリオは笑みをこぼして、ノゾムに飛びかかる。
キリオが繰り出すパンチとキックを、ノゾムが腕で防いでいく。彼がキリオの猛攻に押されて突き飛ばされる。
「こんなものか、マックスも?これじゃちっとも面白くない・・」
キリオが不満を感じてため息をつく。
「だったらせめて、ビーストライダーの力で、ビーストライダーを倒してベルトをいただくことにするか!」
キリオが言い放つと、ビースドライバーの左上のボタンを2回押す。
“フォックスチャージ!アニマルスマーッシュ!”
キリオがノゾムに向かって駆け出して、ジャンプしてキックを繰り出す。
「ノゾム!」
ソウマが叫ぶ先で、ノゾムがキリオを迎え撃った。