仮面ライダーマックス
第10話「サソリの狩人!」
物陰に隠れて、ノゾムを狙って針を飛ばすスコーピオンビースター。ノゾムが針が飛ばされるかすかな音を耳にした。
ノゾムがとっさに動いて針をかわす。
「ぐっ!」
しかし立て続けに放たれた針をかわし切れず、マックスのスーツに針が当たって火花を散らして、ノゾムがうめく。
「くっ・・マックスになっていてもダメージが・・毒針ってヤツなのか・・!」
ノゾムがうめきながら、スコーピオンビースターの捜索を続ける。
「ノゾム!」
そのとき、ツバキが駆けてきてノゾムに呼びかけてきた。
「バカ!出てくんな!」
ノゾムが怒鳴って、タイガーカードを取り出して、ビースドライバーにセットして左上のボタンを押す。
“チャージ・タイガー!タイガーマッハ!タイガーパワー!タイガータイガーランナー!”
そしてノゾムがツバキの前に出て、彼女をかばって針を体に受ける。
「ぐっ!」
「ノゾム!」
うめくノゾムにツバキが悲鳴を上げる。その直後、タイガーランナーが2人のそばに駆けつけた。
「出てくと狙われるぞ・・1回出直すぞ・・!」
ノゾムはタイガーランナーに乗って、ツバキを乗せてこの場を離れた。
「逃げられたか。すばしっこいヤツだな、マックス・・だが次に会ったときは必ず仕留めてやるぞ。あのビースターたちもな・・」
スコーピオンビースターはノゾムたちを追撃せずに、1度引き上げることにした。
スコーピオンビースターの襲撃を受けたユウキとセイラ。スコーピオンビースターの針に刺されたセイラは、ユウキに支えられて歩いていた。
「大丈夫、セイラ・・!?」
「うん・・刺された足にまだしびれが残っているけど・・・」
ユウキが声をかけて、セイラが小さく頷く。彼女はまだ刺された足を引きずっていた。
人の姿に戻っていたユウキとセイラは、動物公園の近くまで来ていた。
(病院に行ったら、オレたちが普通の人間じゃないってことがばれる危険がある・・別荘に戻って休むしか・・・!)
自分たちの身の保障のために苦渋の選択をするユウキ。2人が必死の思いで別荘に向かう。
「あれは・・セイラさん!ユウキくん!」
そこへタイチが通りがかって、ユウキたちに駆け寄ってきた。
「セイラさん、どうしたの!?足をケガしたの!?」
「タイチさん・・これは、その・・・」
心配するタイチにセイラが口ごもる。このケガで普通の人間でないことを知られてしまうのではないかと、彼女は不安を覚えた。
「別荘が近くてよかった・・そこまで運びましょう、ユウキさん!」
「えっ・・あ、はい!」
呼びかけてくるタイチに戸惑いを感じながら、ユウキが答えて彼と一緒にセイラを支える。
(事情を詳しく聞こうとしない・・ゴロウさんのように、助けることを優先して・・・)
セイラもタイチの優しさに動揺を感じて頬を赤くしていた。
負傷したセイラを別荘へ運んだユウキとタイチ。セイラの部屋でタイチが彼女の手当てを施した。
「これで応急処置はいいかな。ホントに病院に行ったほうがいいんだけど・・これもワケありみたいだね・・・」
手当てを終えてひと息ついたタイチが、ユウキとセイラのことを考えて、苦笑いを浮かべる。
「僕は医者じゃないから自信ないけど・・これで助かるならいいんだけど・・・」
「ううん・・タイチくんがいて助かりました。ありがとうございます・・」
動揺を見せるタイチに、ユウキが感謝して頭を下げる。
「そんな・・お礼を言われるほどのことじゃないよ・・やれるだけのことをしただけだし・・」
「それでもタイチくんがいなかったら、セイラは助からなかったかもしれない・・・」
戸惑いを見せるタイチに、ユウキが感謝する。彼のセイラを思う姿勢を見て、タイチは心を揺さぶられる。
(セイラさん、もしかして、ユウキくんのことを・・・)
セイラが心を寄せているのはユウキだと思って、タイチは気まずくなっていた。
「それじゃ僕はこれで・・ユウキくん、セイラさんをお願いしますね。何かあったらすぐに行くから・・」
タイチは苦笑いを浮かべながら、ユウキとセイラのいる別荘を後にした。
(アハハ・・これはさすがにハードル高すぎたかな・・・)
セイラに想いを伝える難しさを痛感して、タイチは肩を落として別荘から立ち去った。
スコーピオンビースターの狙撃でダメージを受けながらも、ノゾムはツバキを連れて1度引き下がった。
“スリービースト。”
ノゾムがマックスカードを外して、マックスへの変身を解いた。彼は戦いでのダメージの痛みで、顔をゆがめる。
「ノゾム・・私のために、ケガを・・・」
「オレが勝手に飛び出して痛い目見ただけだ・・気にするな・・」
心配するツバキにノゾムが言葉を返す。彼は痛みをこらえて落ち着きを取り戻していく。
「今度は下手に顔出すんじゃないぞ・・命がいくつあっても足りないからな・・・」
「うん・・・」
ノゾムが口にした言葉に、ツバキが小さく頷く。ノゾムをケガさせたことを悔やんで、ツバキは悲しみを感じていた。
「今度こそあのサソリヤローをブッ倒してやる・・・!」
スコーピオンビースターへの怒りをふくらませるノゾム。彼はビースターを滅ぼそうと躍起になっていた。
エックスコーポレーションの社長室。ジンキのいるこの部屋のドアがノックされた。
「浜松です。失礼します。」
社長室に黒いスーツの男、浜松シュンが入ってきた。
「あのビースター、こちらの忠告を聞こうとしません。我々にも矛先を向けかねない様子です。」
「そうか。それでも裏切り者やマックスを始末しようとしてくれているんだ。」
報告するシュンにジンキが笑みを見せる。
「全部ケリつけたら、その後に始末をつければいいだけのことだ。」
「分かりました。監視を続けます。」
ジンキの言葉を受けて、シュンは一礼をしてから社長室を後にした。
(利用できるものは徹底的に利用する。最後まできちんと有効活用するのが、真の支配者というものだ。)
自分のやり方を貫くことと自信を感じて、ジンキは笑みを浮かべていた。
「セイラさんがケガをした!?」
ノゾムと一緒に家に戻ってきたツバキが、タイチから話を聞いて驚く。
(やっぱりユウキさんたち、あのビースターに襲われていたんだね・・・)
ツバキが心の中で不安が的中してしまったことを考えていた。
「でも休めば治ると思う・・本当は病院に行って診てもらったほうがいいんだろうけど、ユウキくんとセイラさんの気持ちを考えると、無理強いはできなくて・・・」
タイチが話を続けて、セイラへの心配を浮かべる。
「だったら様子見でいいんじゃないのか?無理やり連れてくこともないしな・・」
ノゾムは突っ張った態度を見せて、タイチに背を向けた。彼らしい考えだと、タイチは笑みをこぼした。
(セイラさんが助かったのは嬉しいけど、僕の気持ちは空回りかな・・・)
セイラのことを考えて、タイチは複雑な気分に陥っていた。
「タイチくん、もう休んだら?後のことは私たちで何とかするから・・」
タイチの心境を察して、ツバキが気遣う。
「僕は平気だけど、そのお言葉に甘えることにするかな・・」
タイチは苦笑いを浮かべて、ツバキの言葉を聞き入れて自分の部屋に戻っていった。
「何か余計なムリしてないか?手当てして慌てたのを省いても・・」
タイチの様子を気にしてノゾムが呟く。
「余計なムリって・・やっぱりセイラさんがケガして、心配して気を張り詰めるのも仕方ないって・・」
「そういうもんか・・・」
ツバキが言いかけて、ノゾムは納得することにした。
「とにかく、あのビースターをブッ倒さなきゃならない理由がまた増えたな・・・」
ノゾムがスコーピオンビースターへの怒りをさらにふくらませた。
街で人々を狙うスコーピオンビースター。彼はビルの1つの屋上から人々を見下ろしていた。
「今日も楽しい狩りを始めるか。やってればあのビースターもマックスものこのこやってくるだろう。」
ノゾムとユウキたちが来るのを待ちわびて、スコーピオンビースターが笑みをこぼした。
「さて、まずはどいつを仕留めてやるか・・・!」
スコーピオンビースターが針を飛ばそうとした。そのとき、彼はふと狙撃を中断して視線を移した。
「狩りをしようとしたときに、いきなり本命が出てくるとはな・・」
スコーピオンビースターが笑みをこぼして振り返る。その先にいたのはユウキだった。
「逃げ回るのはお前を喜ばせるだけの気がした・・だからオレは、ここでお前を倒す・・・!」
「できるかな、そんなことが・・仕留められるのはお前のほうだ・・・!」
怒りの眼差しを送るユウキに、スコーピオンビースターが笑みをこぼす。
「オレたちを脅かす存在は、誰だろうと容赦しない・・・!」
体に力を入れるユウキが、ドラゴンビースターに変化した。
「それがどうした?オレがお前を仕留めることに変わりはないんだよ。」
スコーピオンビースターが言いかけて、ユウキから1度離れる。
「逃がさないぞ!」
ユウキがスコーピオンビースターを追って走り出す。しかしスコーピオンビースターはすぐに物陰に隠れてしまった。
(どこだ!?・・あのときは、セイラさんが音を拾ってくれたけど、オレ1人じゃ・・・!)
ユウキが感覚を研ぎ澄ませて、スコーピオンビースターの行方を追う。しかし正確な位置までは把握できない。
(集中するんだ・・わずかな動きでもつかもうとすれば・・・!)
ユウキが自分に言い聞かせて、集中力を高めていく。彼は針が放たれた瞬間を直感した。
(そこか!)
ユウキが剣を具現化して振りかざして、飛んできた針を跳ね返した。
「何っ!?」
針を跳ね返されたことに驚いながら、スコーピオンビースターが慌ててよける。
「コイツ、1人だけでなめたマネをしてくれる・・!」
スコーピオンビースターがユウキに対するいら立ちをふくらませる。
そこへユウキが飛び込んできて、持っていた剣を振り上げた。
「このっ!」
スコーピオンビースターがとっさに触手から針を飛ばす。ユウキが剣を振り下ろして、針をなぎ払う。
後ずさりするスコーピオンビースターを、ユウキが剣を振りかざして切りつける。
「ぐおっ!」
スコーピオンビースターが突き飛ばされて、地上に落下していく。ユウキも飛び降りて追撃を仕掛けるが、スコーピオンビースターはビルの中に入って身をひそめた。
「逃がさないぞ・・必ず見つけ出して、2度と出てこれないようにする・・・!」
スコーピオンビースターを追って、ユウキは感覚を研ぎ澄ませながら歩き出した。
ユウキの猛攻に押されて、スコーピオンビースターはビルを反対側から出て逃走をしていた。
「まさかオレが、ここまで距離を詰められるとはな・・だがこのまま終わらせるか・・どんな策を使ってでも、アイツを・・・!」
ユウキへの憎悪をふくらませて、スコーピオンビースターが反撃の機会を狙う。
「こんなとこをウロウロしてたとはな、サソリヤロー・・!」
そこへノゾムがやってきて、スコーピオンビースターに声をかけてきた。
「お前は、マックス・・次から次へと、狩りの本命が出てくるな・・・!」
スコーピオンビースターがノゾムに振り返って笑みをこぼす。
「お前のようなヤツは、オレの周りをウロウロするんじゃない・・・!」
ノゾムがスコーピオンビースターに怒りの声を投げかける。
“マックス!”
彼がマックスカードを手にして、ビースドライバーにセットした。
「変身!」
“チャージ・マーックス!マックスパワー!マックスハート!ビース・マックスライダー!”
ビースドライバーの左上のボタンを押して、ノゾムがマックスに変身した。
「オレの怒りは限界突破・・お前のように、命を握りつぶして喜ぶヤツは、オレが絶対にブッ倒す!」
ノゾムが右手を強く握りしめて、スコーピオンビースターに向かっていく。
「コイツもいい気になりやがって・・!」
スコーピオンビースターが後ろに下がりながら、触手から針を飛ばす。ノゾムが針の全部を回避しきれず、針の当たったマックスのスーツから火花が散る。
「誰もオレを仕留めることはできない!お前たちはオレに仕留められるだけなんだよ!」
スコーピオンビースターがノゾムをあざ笑う。ダメージを受けながらも、ノゾムは痛みに耐えて前進しようとする。
「どこまでも勝手なことをぬかして・・何が何でもお前をブッ倒す!」
“タイガー!”
ノゾムがさらに怒りをあらわにして、タイガーカードをビースドライバーにセットした。
“チャージ・タイガー!タイガーマッハ!タイガーパワー!タイガータイガーランナー!”
ビースドライバーの左上のボタンを押したノゾムのそばに、タイガーランナーが駆けつけた。ノゾムはタイガーランナーに乗って、スコーピオンビースターに向かって走り出す。
「そんなのに乗ってきても、オレは止められないぞ!」
スコーピオンビースターがノゾムとタイガーランナーをあざ笑う。
「それだけじゃないぞ!」
“ホーク!”
言い放つノゾムが、ビースドライバーにホークカードをセットして、左上のボタンを押す。
“チャージ・ホーク!ソウルショック・ソウルハート・スカイハイホーク!”
ノゾムの変身しているマックスの姿が変わった。彼はホークフォルムになって、タイガーランナーから空に飛び上がった。
「空を飛んでも同じだ!むしろ狙いが定めやすくなった!」
スコーピオンビースターが空を飛ぶノゾムを見て笑みをこぼす。空中にいる彼を狙って、スコーピオンビースターが針を飛ばす。
“シャーク!”
ノゾムがビースドライバーにシャークカードをセットした。
“チャージ・シャーク!シャーシャーシャーシャー・シャークソード!”
彼がシャークソードを手にして、針に対して構えた。
“ガンガン・シャークガーン!”
シャークソードをガンモードにして、引き金を引いて発砲するノゾム。スピードのある連射が針を全て撃ち落とした。
「オレの針を撃ち落としただと!?」
スコーピオンビースターが驚きの声を上げる。
「詰め寄る前に撃ち落としてやる!」
落下してくるノゾムを狙って、スコーピオンビースターがさらに一斉に針を飛ばそうとする。ノゾムがビースドライバーの左上のボタンを2回押す。
“シャークチャージ!アニマルスマーッシュ!”
ノゾムがシャークソードを構えて、先端にエネルギーを集める。
「威力が大きくても連射はできないはずだ!その前にお前をハチの巣にしてやる!」
スコーピオンビースターがノゾムに向かって針を一斉に発射した。
“ソーソー・シャークソード!”
次の瞬間、ノゾムがシャークソードをソードモードに戻した。先端に集めたエネルギーがシャークソードの刀身全体に広がる。
ノゾムが一気に加速して、針の群れをかいくぐる。そして彼はスコーピオンビースターに詰め寄った。
「撃たない!?」
射撃をしてこないノゾムに、スコーピオンビースターが驚く。ノゾムがシャークソードを振りかざして、スコーピオンビースターを切りつけた。
「がはぁっ!・・オレが、こんなところでやられるか・・・!」
スコーピオンビースターが声と力を振り絞って、ノゾムに直接針を撃ち込もうとした。
「いい加減にくたばりやがれ!」
ノゾムがシャークソードを振り上げて、スコーピオンビースターを切りつけた。
「ぐあぁっ!」
スコーピオンビースターが絶叫を上げて、倒れて爆発を起こした。
「くっ・・これで落ち着けるな・・オレも、あの2人も・・・」
スコーピオンビースターを倒したことで、ユウキやセイラ、自分の周りの人がとりあえず安心できると、ノゾムは思った。
「いや、ビースターを全部やっつけないと、心から安心することはできないんだ・・オレがヤツらを滅ぼさないと・・・!」
ビースターを全滅させないと気分がよくならない。ノゾムはマックスの力を使って戦うことを心に誓った。
別荘のベッドで休んでいたセイラ。目を覚ました彼女は、ベッドから起きて自分の足の具合を確かめる。
(力を入れても問題ないみたい・・痛みもほとんどなくなっている・・・)
刺された足のことを気にするセイラ。
(普通の人だったら即死していた毒針・・これがビースターということ・・・)
自分が普通の人間でないことを実感して、セイラは複雑な気分を感じていた。
(でも私たちはそれでいい・・だってこれは、自分勝手な人間に自分の間違いを正すための力なのだから・・・)
人間を超えた力を受け入れるセイラ。自分たちの思いを果たすには必要なものだと、彼女は思っていた。
スコーピオンビースターの行方を追っていたユウキは、近くで爆発が起こったのを感じ取って動き出した。駆けつけた彼が見たのは、マックスに変身しているノゾムだった。
「あれはこの前の・・・!」
ユウキがマックスを見て怒りをふくらませる。
「アイツもオレたちの敵・・倒さなくてはならない・・・!」
込み上げる感情に突き動かされて、ユウキがノゾムに飛びかかる。
「お前は!」
気付いたノゾムもドラゴンビースターになっているユウキに怒りを燃やす。
迎え撃つノゾムがユウキと組み付いて、互いにパンチを連続で叩き込む。ノゾムがそこから投げ飛ばすが、ユウキはすぐに体勢を整えて着地する。
「お前もビースター・・この前の借りも返して、念入りに叩きのめさないといけないな!」
ノゾムもユウキがなっているドラゴンビースターへの怒りを燃やす。2人が距離を詰めて、再びパンチを繰り出す。
ノゾムとユウキの激しい攻防が、再び開始された。
エックスコーポレーションの社長室。各支部の報告に目を通していたところに、ジンキへの連絡が入った。
「どうした?」
“大変です!第一研究部に保管していたベルトとカードが盗まれました!”
連絡を受けたジンキに、黒いスーツの男が報告する。
「もう1つのビースドライバーだと?奪ったヤツの行方は分かっているな?」
“申し訳ありません!犯人を見失いました!しかし犯人については分かっています!”
問いかけるジンキに、男がさらに報告する。
「ならばその情報を元に捜索しろ。このまま我々の企業秘密を公の場に持ち出されるわけにはいかん。」
“はっ!”
目つきを鋭くするジンキからの指示に答えて、男は連絡を終えた。
(物事は全て思い通りにならないと言われているが、その節理さえも思い通りにするのが真の支配者だ。)
ジンキは不測の事態になっても動じる様子を見せない。
(たとえそのドライバーで反旗を翻しても、マックスと手を組もうと、私の頂点は揺るぎはしない。今起こっていることも、私の支配への時間のひとときの戯れだ。)
多少のアクシデントでも自分の支配は揺るがない。ジンキの自信も絶対的なものとなっていた。
エックスコーポレーションで開発された新たなドライバー。そのドライバーを奪い去った人物。
人物はドライバーを装着して、1枚のカードを見つめていた。キツネが描かれたカードを。