仮面ライダークロス
第36話「飛べ、スカイライダー!燃えろ、スーパー1!」
地獄大使の指揮の下、2体の怪人、サイダンプとコマサンダーが怪人に改造するための人間の誘拐のために暗躍していた。その彼らの前に現れたのは、2人の仮面ライダー、スカイライダーとスーパー1だった。
「ハイパーショッカー、お前たちの企みはお見通しだ!」
「これ以上、怪人を増やすようなマネはさせないぞ!」
スカイライダーとスーパー1が言い放って、構えを取る。
「スカイライダーとスーパー1かー!」
「おのれ・・こんなところで邪魔されてたまるか!」
サイダンプとコマサンダーがいら立ちの声を上げる。
「戦闘員、2人のライダーを始末しろ!」
「イー!」
コマサンダーが呼びかけて、戦闘員たちがスカイライダーたちに飛びかかる。スカイライダーたちが迎え撃つ間に、サイダンプとコマサンダーがこの場から離れた。
「逃がさないぞ、怪人たち!」
「スーパー1、先に行ってくれ!オレもすぐに追いかける!」
スーパー1が言い放って、スカイライダーが呼びかける。
「分かりました!」
スーパー1が答えて、サイダンプたちを追いかけていった。
2人だけで人間の誘拐を目論むサイダンプとコマサンダー。2人をスーパー1が追いかけていく。
「逃がしはしないぞ!チェンジ・エレキハンド!」
スーパー1が両腕を青い腕「エレキハンド」に変えた。彼は特殊装備「ファイブハンド」を備えていて、5種類の腕を状況に応じて使い分けている。
「エレキ光線!」
スーパー1が両腕を前に出して、電撃光線を放つ。
「バカめ!」
コマサンダーが振り返って、体を回転させた。彼は電撃光線を取り巻いて、自分に帯電させた。
「もうお前の力は通じないぞ、スーパー1!」
コマサンダーがスーパー1に向かって高らかに言い放つ。
「オレの体は電気を操ることが可能となっている!しかも体熱、耐寒にも優れている!お前の自慢のファイブハンドも、オレの前では歯が立たんな!」
「お前、さらに改造されたのか・・!?」
自分のことを語るコマサンダーに、スーパー1が問いかける。
「その通り!死神博士たちがオレを強くしてくれたのだ!」
「コマサンダーだけではない!このサイダンプのパワーを底上げしてくださったのだ!」
コマサンダーに続いてサイダンプも言い放つ。
「任務を早く果たしたいところだが、まずはお前たちを始末したほうがよさそうだな・・!」
「まずはお前が地獄に落ちる番だ、スーパー1!」
サイダンプとコマサンダーが言い放って、スーパー1を狙って飛びかかる。スーパー1がサイダンプたちを迎え撃つが、腕をつかまれて投げ飛ばされる。
「やられるわけにはいかない!せめて足止めをする!」
スーパー1が構えを取って、大きくジャンプして後方宙返りをする。
「スーパーライダー・月面キック!」
宙からキックを繰り出すスーパー1。
「オレに任せろー!ガンジィー!」
サイダンプが前に出て、体を張ってスーパー1のキックを受け止めた。サイダンプの頑丈な体が、スーパー1のキックを跳ね返した。
「おわっ!」
スーパー1が押し返されて、地面に倒れる。
「キックが効かない・・!」
「どうだ、スーパー1!お前にもはや勝機はない!」
息をのむスーパー1に向かって、サイダンプが勝ち誇る。
「まずはお前が地獄に落ちる番だ、スーパー1!」
コマサンダーがスーパー1にとどめを刺そうと、体から電気を発しながら歩を進める。
そのとき、スーパー1たちが近づいてくるエンジン音を耳にして、その方向に目を向けた。彼らの前に現れたのは、クロスレイダーに乗ったライだった。
「お前は、クロス!」
「ヤツらもこの近くに来ていたのか!」
声を上げるコマサンダーとサイダンプに向かって、ライの乗るクロスレイダーが突っ込んできた。ライはスーパー1とサイダンプたちの間を突っ切った。
クロスレイダーがその先で止まって、ライが降りた。
「スーパー1・・あなたもここにいたんですね・・・!」
ライがスーパー1を見て笑みをこぼす。彼はすぐにサイダンプたちに目を向けて、真剣な顔を浮かべる。
「ハイパーショッカー、お前たちの企みは、オレも阻止してやるぞ・・!」
“クロスドライバー!”
ライが鋭く言って、クロスドライバーを装着する。彼はさらにクロスソウルを手にして、スイッチを入れた。
“クロス!”
音声の発したクロスソウルを、彼はクロスドライバーの中心にセットした。
“ライダーソウール!”
ライは意識を集中して構えを取る。
「変身!」
彼が左手を斜め右上に振り上げて、クロスドライバーの左レバーを上に上げて、クロスタイフーンを回転させた。
“変身・ライダー!クロース!”
クロスドライバーからさらなる光があふれ出す。光を浴びたライが、メタリックカラーの装甲とマスクを身にまとった。
「全てを、オレが正す!」
ライが言い放って、サイダンプとコマサンダーに向かっていく。
「バカめ!1人でオレたちを相手にする気か!?」
「望み通り始末してやるぞー!スーパー1も後を追わせてやるぞー!」
コマサンダーがライをあざ笑って、サイダンプが言い放つ。2人がライを挟んで迎え撃つ。
「オレのコマ回し攻撃を食らえ!」
コマサンダーが体を回転させて、ライに向かって突撃する。
「うっ!」
ライがコマサンダーに突き飛ばされて、宙に跳ね上げられる
「ガンジィー!」
サイダンプも突進を仕掛けて、飛んできたライを突き飛ばした。
「ぐあっ!」
ライが地面を転がって、ダメージを痛感してうめく。
「クロス!」
倒れたライにスーパー1、そして追いついてきたスカイライダーが声を上げる。さらに聖也とかなたもライたちのいる場所にたどり着いた。
「ライくん!・・かなたくん、私たちも行くぞ!」
「はい、聖也さん!」
声を上げる聖也が呼びかけて、かなたが答える。2人がクラールドライバーとクラールソウル、ルシファードライバーとルシファーソウルを手にした。
“クラール!”
“ライダーソウール!”
聖也がクラールソウルのスイッチを入れて、クラールドライバーにセットした。
「変身!」
聖也は左手を斜め右上に振り上げて、クラールドライバーの左レバーを上に上げて、クラールタイフーンを回転させた。
“変身・ライダー!クラール!”
彼の体をオレンジ、黒、銀に彩られた装甲とマスクが包んだ。
“ルシファードライバー。”
“ルシファー!”
かなたがルシファードライバーを装着して、ルシファーソウルのスイッチを入れた。
“ライダーソウル。”
彼がルシファーソウルのスイッチを入れて、ルシファードライバーの右側のソウルスロットに上からセットした。
「変身。」
かなたがルシファーハリケーンを中心へ押し込んだ。
“ダークチェンジ・ルシファー。”
紫のラインの入った黒く鋭い装甲とマスクを身にまとったかなた。彼と聖也もルシファー、クラールに変身した。
「仮面ライダーと正義の力、お前も受けてみろ・・!」
「この悪魔の力で、みんなを守る!」
聖也とかなたがコマサンダーたちに言い放ってから、ライと合流した。
「大丈夫か、ライくん!?」
「はい、聖也さん!・・かなたも来てくれた・・!」
聖也が心配の声を掛けて、ライが答えてかなたに目を向けた。
「クラールとルシファーも来たか・・!」
「スカイライダーとスーパー1!2人のライダーもここにいたんですねー!」
かなたがスカイライダーたちを見て、喜びの声を上げる。
「かなた、今ははしゃいでいる場合じゃないって・・」
「あ、ゴメン、アハハハ・・」
ライが注意をして、かなたが照れ笑いを見せた。
「クラールたちも出たか!だがオレたちの敵ではない!」
「オレの力は、スカイライダーやお前たちをも超える!」
サイダンプとコマサンダーがライたちに向かって言い放つ。
「必殺!サンダータップ!」
コマサンダーが回転して上昇する。彼の体から電気が発せられる。
「雷を帯びた竜巻のように、電撃でお前たちを葬ってくれる!」
コマサンダーが言い放って、電撃を放出する。
「おわっ!」
電撃が地面に当たって爆発して、ライたちが押される。
「あの攻撃を止めなければ、私たちはやられるだけだ・・!」
「しかしあれだけ上空にいられたら、ジャンプじゃ追いつかないですよ!」
聖也が呼びかけるが、ライが焦りを噛みしめていく。
「ライダーソウルを使うんだ!飛ぶことのできるソウルを!」
かなたがいい案を思いついて、ライが頷いた。
「飛べるライダー・・・キバかな・・・!」
“キバ!”
ライがキバソウルを選んで手にして、スイッチを入れた。
“ライダーソウール!”
彼がキバソウルをクロスドライバーにセットして、左レバーを上げてクロスタイフーンを回転させた。
“変身・ライダー!キバー!”
彼がキバフォームへの変身を果たした。
「ならば私はこれだ・・!」
“ナイト!”
聖也がナイトソウルを手にしてスイッチを入れた。
“ライダーソウール!”
彼がクラールドライバーにナイトソウルをセットして、クラールタイフーンを回転させた。
“変身・ライダー!ナイトー!”
聖也がナイトフォームに変身して、ライとともにジャンプした。
「甘いぞー!」
コマサンダーが言い放って、さらに電撃を放つ。
「うあっ!」
ライと聖也が返り討ちにされて、地上に叩き落とされる。
「これではヤツの狙い放題だ・・!」
「オレに任せろ!セイリングジャンプ!」
スカイライダーがベルトの両脇にある「重力低減装置」を起動して、飛行能力「セイリングジャンプ」を発動した。彼が飛行してコマサンダーに向かっていく。
「スカイキック!」
スカイライダーがコマサンダーの上を取ってキックを繰り出す。
「ムダだ!」
コマサンダーが回転と電撃で、スカイライダーのキックを受け止めた。
「うあっ!」
スカイライダーがはじき飛ばされて、地上に落下する。
「スカイライダー!」
スーパー1がジャンプして、スカイライダーを空中で受け止めた。
「大丈夫ですか!?」
「あぁ・・助かったよ・・!」
スーパー1が呼びかけて、スカイライダーが答えた。
「空を飛んでも、あの回転と電撃に跳ね返されてしまう・・!」
聖也がコマサンダーの鉄壁と言える動きに毒づく。
「オレがいることを忘れるなー!」
サイダンプが言い放って、足を鳴らしてライたちに向かって突っ込んできた。
「ぐっ!」
ライとかなたがサイダンプに突き飛ばされて、壁に叩きつけられる。
「ライくん!かなたくん!」
聖也が叫んで、サイダンプに目を向ける。
「あれだけのパワー・・私も出し惜しみをしている場合ではない・・!」
緊張をふくらませた聖也が、ヴァイスソウルを手にした。
“ヴァイス!”
聖也がヴァイスソウルを手にしてスイッチを入れた。
“ライダーソウール!”
彼がヴァイスソウルをクラールドライバーにセットして、クラールタイフーンを回転させた。
“大革命・ヴァーイス!”
クラールの装甲とマスクが白くなった。聖也はヴァイスクラールへと変身した。
「ヴァイスクラールになったかー!それでもオレは負けんぞー!」
サイダンプが聖也に向かって突進を仕掛ける。聖也はジャンプをして、サイダンプを飛び越えた。
着地して振り替えた聖也が、G3ソウルとバースソウルを手にした。
“G3!”
“バース!”
聖也はヴァイスブレイカーのスロットに、G3ソウルとバースソウルをセットした。
“パワーヴァーイス!”
ヴァイスブレイカーから赤い光があふれ出して、刀身の1つから巨大な光の刃が伸びた。
「パワーブレイカー!」
聖也がヴァイスブレイカーを振り下ろす。サイダンプが突進を仕掛けて、巨大な刃とぶつかり合う。
「ぐっ!」
聖也とサイダンプの力は互角で、2人は激突の反動で押し返される。
「パワーブレイカーでも互角の力だと・・!?」
「オレは改造されてパワーアップしたのだ!パワーだけなら、お前たちなどに負けはしないぞー!」
驚きを浮かべる聖也に、サイダンプが高らかに言い放つ。
「パワーと突進、スピードと電撃と防御・・どうやったら破れるんだろうか・・!?」
「どこかに隙や弱点があるはずだ・・そこを突ければ・・・!」
かなたとライがサイダンプたちを倒す方法を考える。
「オレももっと飛びたい・・スカイライダーのように、飛行できるように・・・!」
空を飛びたいという願いと意思を、ライが自分の中でふくらませていく。
「強くならなくちゃ・・あの突進を押し返せるぐらいに・・・!」
かなたも強さを求めて、両手を強く握りしめた。
そのとき、スカイライダーとスーパー1の体から光があふれ出して飛び出した。光はそれぞれライとかなたの前に来て、ライダーソウルに変わった。
「スカイライダーのライダーソウル・・!」
「スーパー1も・・みなさん・・!」
ライとかなたがライダーソウル「スカイソウル」と「スーパー1ソウル」を見て、戸惑いを覚える。
「オレたちのその力を使うんだ、2人とも!」
「今こそ、真に力を合わせるときだ!」
スカイライダーとスーパー1がライたちに呼びかける。
「より高く飛ぼうとする意思が、その力を引き寄せたんだ・・!」
「金の心、君やみんなの中にも確かにあった・・!」
スカイライダーとスーパー1がライたちに向かって頷いた。
「ありがとうございます・・先輩!」
“スカイライダー!”
ライがスカイライダーたちに感謝して、スカイソウルのスイッチを入れた。
“ライダーソウール!”
彼がクロスドライバーにスカイソウルをセットして、クロスタイフーンを回転させた。
“変身・ライダー!スカーイライダー!”
クロスの装甲がスカイライダーそっくりになった。ライは「スカイライダーフォーム」への変身を果たした。
“スーパー1!”
“ライダーソウル。”
かなたもスーパー1ソウルのスイッチを入れて、ルシファードライバーにセットした。
“ダークチェンジ・スーパー1。”
彼もスーパー1そっくりの姿の「スーパー1フォーム」になった。
「ヤツらもスカイライダーとスーパー1になっただとー!?」
「だが何になったところで、オレのこの空中回転の敵ではないぞ!」
サイダンプが驚きの声を上げるが、コマサンダーは高らかに勝ち誇る。
「スカイライダー、オレが注意を引きつけます!その隙に真上から攻撃してください!」
ライがコマサンダーを見上げて、スカイライダーに呼びかける。
「分かった!任せてくれ!」
スカイライダーが答えた、コマサンダーに目を向けた。
「セイリングジャンプ!」
彼とライが同時に飛び上がって飛行する。
「蚊トンボが2匹になったところでムダだ!」
周りを飛び回るライを狙って、コマサンダーが電撃を放つ。初めて行う自らの飛行に戸惑うも、ライは電撃をかわしていく。
その間にスカイライダーがコマサンダーの真上に飛んでいた。
「スカイスクリューキック!」
スカイライダーが体を回転させて、コマサンダーに向かって急降下する。コマサンダーの回転に合わせて体を回していたスカイライダーが、彼の頭にキックを叩き込んだ。
「ぐおっ!」
コマサンダーが体勢を崩して、地上に落下した。
「バカな!?上から狙われただと!?」
上から攻撃されて、コマサンダーが動揺をあらわにする。
「今だ!」
「はい!」
スカイライダーと声を掛け合って、クロスドライバーの右レバーを上に上げてクロスタイフーンを回転させた。
“ライダースマッシュ・スカーイライダー!”
ライがスカイライダーとともに、コマサンダーに向かって急降下する。
「クロススカイキック!」
「スカイキック!」
2人が同時に繰り出したキックが、コマサンダーの体に直撃した。
「ギャアッ!」
コマサンダーが突き飛ばされて、激しく転んだ。
「コマサンダー!・・おのれ、仮面ライダー!」
サイダンプが叫んで、ライたちに怒りをあらわにする。
「サイダンプ、お前の相手はこっちだ!」
かなたがサイダンプに向かって言い放つ。
「オレもいるぞ!オレたちが力を合わせれば、お前には負けない!」
スーパー1も言い放って、かなたとともにサイダンプを挟み撃ちにした。
「オレのパワーと防御力が、お前たちに負けはしないぞ!」
サイダンプが高らかに言うと、足を鳴らしてかなたを狙って走り出す。
「チェンジ・パワーハンド!」
かなたが掛け声を上げると、腕が赤色の「パワーハンド」に変わった。サイダンプの突進を、かなたが両手を彼の頭に当てて止め切った。
「な、何っ!?」
突進を止められたことに驚くサイダンプ。
「おりゃー!」
かなたがサイダンプを持ち上げて、強く投げ飛ばした。地面に叩きつけられて、サイダンプが苦痛を覚える。
「チェンジ・冷熱ハンド!」
スーパー1が両腕を緑色の「冷熱ハンド」に変えた。
「冷凍ガス、発射!」
スーパー1が右腕から冷凍ガスを放つ。
「うおぉっ!」
サイダンプが冷凍ガスを浴びて、体を凍らされて動きを鈍らせる。
「か、体が言うことを聞かない・・!」
「火炎放射!」
うめくサイダンプに向かって、スーパー1が左腕から炎を放った。サイダンプが炎を浴びて、温度の急激な変化によって硬い体がもろくなった。
「ルシファー、行くぞ!」
「はい!」
スーパー1の呼びかけに答えて、彼方がダークキバソウルを手にした。
“ダークキバ!”
彼がダークキバソウルのスイッチを入れて、ルシファードライバーの左のソウルスロットにセットした。
“ダークチャージ・ダークキバ。”
両足に黒い煙のような光が集めて、かなたが飛び上がる。
「ルシファー・スーパーバーストエンド!」
彼がライに向かって急降下して、両足のキックを繰り出す。
「スーパーライダー・月面キック!」
スーパー1も後方宙返りをしてキックを繰り出す。2人のキックを体に受けたサイダンプだが、キックの威力と自身の体の耐久力の低下で耐えきれずに突き飛ばされた。
「ギャアッ!」
サイダンプが絶叫を起こして、爆発して消滅した。
「やりました、スーパー1!」
かなたが喜んで、スーパー1が頷いた。
「おのれ、ライダーどもめー!」
そのとき、再び体を回転させたコマサンダーが、さらに高く飛び上がった。
「これならばスカイライダーといえども届きはしないぞ!」
改めて勝利を確信するコマサンダー。
「さらに大きく飛び上がるには、これしかない・・!」
思い立ったライが、カメンソウルを手にした。
“カメン!”
“ライダーソウール!”
ライがカメンソウルをクロスドライバーにセットして、クロスタイフーンを回転させた。
“超変身・カメーン!”
ライの体を赤と緑のラインの入った装甲が包む。彼はカメンフォームへの変身を果たした。
“オール!”
ライは続けてオールソウルを手にして、スイッチを入れた。彼がクロスカリバーを引き抜いて、左のスロットにオールソウルをセットした。
“オールパワー!オールクロス!オールライダー!”
カメンフォームの緑と赤の横のラインに金のラインが加わり、装甲から神々しい輝きが発せられた。ライはオールフォームへの変身を果たした。
“スカイパワー!”
ライがスカイソウルをクロスカリバーの右のスロットにセットした。彼が浮遊して、スカイライダー以上の高さまで飛び上がった。
「コイツ、さらに高く間で飛び上がっただと!?」
コマサンダーがライを見上げて驚きの声を上げる。
「クリススカイカリバー!」
ライが急降下して、クロスカリバーを振り下ろす。
「ギャアッ!」
コマサンダーが真っ二つにされて、空中で爆発した。
「2人ともやられるとは・・仮面ライダー、これで勝ったと思うな!」
地獄大使はいら立ちながら、ライたちの前から姿を消した。
“変身カイジョー。”
“ダークリリース。”
ライ、聖也、かなたがそれぞれベルトを外して、変身を解いた。
「ありがとうございます、スカイライダー、スーパー1・・」
「みなさんがいたから、僕たちは最後まで戦えたんです・・!」
ライとかなたがスカイライダーとス−パー1に感謝する。
「いや、助けられたのはオレたちのほうだ。」
「君たちと協力することができなかったら、オレたちは助からなかった。ありがとう、みんな。」
スカイライダーとスーパー1がライたちに感謝する。
「君たちのことはみんなから聞いている。君たちなら、オレたちの力も正しく使ってくれるはずだ。」
「信じてくれてありがとうございます・・みなさんの力、正しく使います・・!」
スカイライダーからの励ましを受けて、ライが答えた。
「君はもう悪魔ではない。大切なものを守るために使えるはずだ。オレたちの力も、君自身の力も。」
「スーパー1・・はい!ありがとうございます!」
スーパー1から励まされて、かなたが笑顔で頷いた。
「ハイパーショッカーは世界侵略を本格的に進めようとしている。」
「君たちも十分気を付けてくれ。ヤツらは何を仕掛けてくるか、未だに予測がつかない。」
ライたちに注意を呼びかけてから、スカイライダーとスーパー1は歩き出した。
(海を、山を、空を守る・・2人のライダーの力には、その思いが込められている・・その思いを、先輩はオレたちに分けてくれた・・・)
スカイライダーたちの思いを実感して、ライがスカイソウルを見つめる。かなたもスーパー1ソウルを見て、気を引き締めなおす。
ハイパーショッカーの企みから大切なものを守るための、ライたちの戦いは続く。