仮面ライダークロス

第18話「暗黒のライダー・ルシファー」

 

 

 ライの前に戻ってきたかなた。しかしかなたは漆黒の姿の仮面ライダーに変身した。

「どういうことなんだ・・どうしたんだ、かなた!」

 ライがかなたに向かって呼びかける。するとかなたが握った右手を彼に向かって繰り出した。

「ぐっ!」

 ライがパンチを受けて突き飛ばされる。彼は地面に手を付けることで何とか止まった。

「すごいパワーだ・・クウガの力を持っていても、ここまで押された・・!」

 ライがかなたの発揮した力に、驚きをふくらませる。

「邪魔をするな、貴様・・クロスの相手は私だ・・!」

 アポロガイストがかなたに向かって、鋭く言いかける。

「それはこちらのセリフだ。邪魔するならあなたでも容赦しない。」

 かなたは冷たい態度のまま、アポロガイストに言い返す。

「貴様!」

 アポロガイストが怒りをあらわにして、アポロショットをかなたに向けた。次の瞬間、かなたが素早く飛び込んで、アポロガイストの体にパンチを叩き込んだ。

「がはっ!」

 アポロガイストが大きなダメージを負ってふらつく。

「おのれ・・こんなことで、私は倒れるわけには・・・!」

 アポロガイストが痛みに耐えて、意識を保とうとする。

「往生際が悪いぞ、アポロガイスト。」

 そこへドクトルGが現れて、アポロガイストに向けて笑みをこぼした。

「ドクトルG・・このライダーはお前の差し金か!」

 アポロガイストがドクトルGに怒りの声を上げる。

「この者は新たにハイパーショッカーの戦士となった仮面ライダー、ルシファーだ。」

 ドクトルGがかなたを紹介する。かなたは闇の仮面ライダー、ルシファーとなっていた。

「クロスとクラールの打倒は、ルシファーの任務となった。これはハイパーショッカー首領の命令だ。」

 ドクトルGが口にした話に、アポロガイストが動揺をふくらませる。

「ここからはルシファーの任務だ。たとえ貴様でも、邪魔をするなら容赦はせんぞ。」

「ふざけるな!クロスを倒すのはこの私だ!」

 ドクトルGが投げかける言葉に、アポロガイストが反発する。

「言ったはずだ。邪魔をするなら容赦はしないと。」

 かなたが冷たく言うと、アポロガイストに向かっていく。アポロガイストがアポロショットを発射するが、かなたが素早く回避した。

「せっかくだ。ルシファー、お前の力を見せてやれ。」

「はい。」

 ドクトルGが呼びかけて、かなたが答える。

“ゴルドドライブ!”

 かなたがもう1つのライダーソウル「ゴルドドライブソウル」を手にして、スイッチを入れた。彼がゴルドドライブソウルを、ルシファードライバーの左のソウルスロットにセットした。

“ダークチャージ・ゴルドドライブ。”

 かなたの右足にエネルギーが集まる。彼がジャンプして、アポロガイストに向かってキックを繰り出す。

 アポロガイストがかなたに蹴り飛ばされて、その先の壁に叩きつけられる。

「この私が・・こんなことで倒れるなど・・・私は・・まだ・・・!」

 声を振り絞るアポロガイストがかなたに向かおうとするが、力尽きて倒れた。彼の体が爆発を起こして消滅した。

「あのライダー・・仲間を倒すなんて・・!」

 雄介がかなたのしたことに心を揺さぶられる。

「いいぞ、ルシファー!すばらしいぞ!貴様の強さも、貴様の調整をここまで進めてくれたあの方も!」

 ドクトルGがかなたを見て、笑い声を上げる。

「お前・・よくもかなたを!」

 ライがドクトルGに向かって怒りの声を上げる。ライがドクトルGに攻撃しようとするが、かなたが立ちふさがった。

「どいてくれ、かなた!オレたちの敵はそいつだ!」

「私の任務は、クロスとクラールの打倒。これより任務を実行する。」

 呼びかけるライに冷たい口調のまま告げて、かなたが攻撃を仕掛ける。彼が繰り出すパンチとキックを、ライが必死にかわす。

「やめろ、かなた!オレたちがどうして戦うんだ!?

 ライが呼び止めるが、かなたは聞くことなく攻撃を続ける。彼が繰り出したパンチを、ライが受け止める。

「やめさせろ!かなたを元に戻せ!」

 ライがドクトルGに向かって怒鳴りかかる。

「それは不可能だ。ルシファーは我らハイパーショッカーの完全な戦士だ。」

 ドクトルGが言い返して、ライをあざ笑う。

「ルシファーには強い洗脳を施している。ヤツは我らの忠実な戦士。貴様の声などヤツには届かんぞ!」

「ふざけるな!かなたを元に戻せっていうんだ!」

 喜びを見せるドクトルGに、ライが怒鳴りかかる。

「ハイパーショッカーの世界征服の邪魔をする者は、私が倒す。」

 かなたが言いかけて、ライの腕をつかみ返して持ち上げた。

「おわっ!」

 ライが投げ飛ばされて、地面に叩きつけられる。

「ライくん!」

 雄介が声を上げて、ライを助けようとドクトルGに向かっていく。かなたが雄介に気付いて、彼に向かって飛びかかる。

 かなたが繰り出したパンチを受けて、雄介が押されていく。

「雄介さん・・・かなた、やめろ!お前の憧れていたライダーを倒すつもりか!?

 ライが動揺をふくらませて、かなたを呼び止める。

「ムダだ!貴様たちの声はルシファーには届かん!」

 ドクトルGがライをさらにあざ笑う。かなたが繰り出したキックに突き飛ばされて、雄介が地面を転がる。

「ルシファー、まずはクウガから始末するのだ!」

 ドクトルGが呼びかけて、かなたが雄介への追撃を狙う。

「ハイパーショッカー!」

 そのとき、聖也がライたちの前に現れた。

「聖也!?

「クラール、ヤツも来たか!」

 ライとドクトルGが聖也を見て声を上げる。

“クラールドライバー!”

 聖也がクラールドライバーを装着して、クラールソウルを手にした。

“クラール!”

 聖也がクラールソウルのスイッチを入れた。

“ライダーソウール!”

 彼はクラールソウルをクラールドライバーにセットした。

「変身!」

 聖也は左手を斜め右上に振り上げて、クラールドライバーの左レバーを上に上げて、クラールタイフーンを回転させた。

“変身・ライダー!クラール!”

 聖也の体をオレンジ、黒、銀に彩られた装甲とマスクが包んだ。彼はクラールへの変身を果たした。

「仮面ライダーと正義の力、お前も受けてみろ・・!」

 聖也がかなたを指さして言い放つ。

「ルシファー、クラールも始末しろ!貴様の力をヤツにも見せつけてやれ!」

「了解。」

 ドクトルGが呼びかけて、かなたが答える。彼が聖也に目を向けて、2人が同時に飛びかかる。

 聖也とかなたが力強く攻撃を仕掛けて命中させていく。しかし聖也がかなたにだんだんと押されていく。

「このライダー、ものすごいパワーだ・・!」

 かなたの力を痛感して、聖也が毒づく。

「パワーだけでないとは、お前たちも想像がつくだろう。」

 かなたが言いかけると、ゴルドドライブソウルを再び手にした。

“ライダーソウル。”

 彼がルシファードライバーの右のソウルスロットにセットされているルシファーソウルを、ゴルドドライブソウルと入れ替えて、ルシファーハリケーンを中心へ押し込んだ。

“ダークチェンジ・ゴルドドライブ。”

 かなたの変身するルシファーの姿がゴルドドライブに変化した。

「このライダーも他のライダーになれるのか・・!」

 毒づく聖也に、かなたが一気にスピードを上げた。彼が目にも留まらぬスピードで、聖也に打撃を加えていく。

「ぐあっ!」

 聖也が突き飛ばされて、壁に強く叩きつけられた。

「いいぞ、ルシファー!このまま一気にとどめを刺せ!」

 ドクトルGが笑い声を上げて、かなたが聖也にとどめを刺そうとする。

「やめろよ、かなた・・・やめろって言うのが分かんないのか!?

 戦いを止めないかなたに、ライが怒鳴りかかる。

“ダークチャージ・ルシファー。”

 かなたが左のソウルスロットにルシファーソウルをセットした。彼の体から黒いオーラがあふれ出す。

「いけない!止めなくちゃ!」

 雄介が焦りを感じて、右足に力を込める。彼の右足に稲妻のような光がほとばしる。

 かなたと雄介が同時にジャンプして、光を集めた右足を繰り出した。2人のキックがぶつかり合って、激しい衝撃を巻き起こした。

「うわあっ!」

 ライたちが衝撃に押されて吹き飛ばされた。この場が光に包まれて、視界が白くさえぎられた。

 

 衝撃と閃光が治まって、周囲を見渡せるようになったかなたとドクトルG。この場にライたちの姿が見えないことに、ドクトルGは毒づいていた。

「死体が見つからない・・逃げられたか・・木っ端微塵に吹き飛んだのならよいが・・・!」

 ライたちの行方を追うドクトルGがため息をつく。

「この状況では収拾がつかんな・・1度引き上げるぞ、ルシファー。」

 ドクトルGがかなたに呼びかける。

「了解。」

“ダークリリース。”

 かなたが答えて、ルシファードライバーを外してルシファーへの変身を解除した。彼とドクトルGはこの場から立ち去った。

 

 かなたとの激突でライ、聖也、雄介は吹き飛ばされて、別の通りまで移動していた。

「大丈夫ですか、雄介さん!?

 ライが雄介に駆け寄って心配の声を掛ける。

「うん。オレは大丈夫だ・・だけど、ライくん・・・」

 笑みを見せて答える雄介だが、ライがかなたのことを考えて表情を曇らせる。

「かなたが、ハイパーショッカーに捕まって、操られるなんて・・・!」

「あのライダーが、市川かなただと・・・!?

 ライが不安を口にして、聖也が驚きの声を上げる。

「オレがやめろと言っても聞かなかった・・ハイパーショッカーに洗脳されている・・・!」

「それでもハイパーショッカーの一員になっているのは事実だ・・倒さなければならない・・」

 ライが苦悩を深めると、聖也がハイパーショッカーの1人となっているかなたにも敵意を向ける。

「ふざけたことを言うな!かなたを傷付けることは許さないぞ!」

「許してもらうつもりはない・・ハイパーショッカーは1人残らず、私が倒す・・!」

 怒りの声を上げるライに対して、聖也は自分の信念を貫こうとする。

「待つんだ、2人とも。」

 そこへ雄介が呼び止めて、ライと聖也が振り向く。

「あのライダーはライくんの友達なんだ。しかも自分の意思で戦っているわけじゃない・・その人を無慈悲に傷つけるのはよくない。」

 雄介がライと聖也に向けて言いかける。

「家族や友達、大切な人を守るために戦う。その決意と覚悟は生半可なものじゃないけど、それを踏みにじっていいと、君は思っているの?」

「これ以上の犠牲が出る前に、ハイパーショッカーは一刻も早く滅ぼさなければならない。そのために力がいるんだ・・」

 雄介が説得を投げかけても、聖也は考えを変えない。

「なぜそこまで、力を求めるんだ・・・?」

 力を求める聖也に、雄介が疑問を投げかける。聖也は最初は語ろうとしなかったが、間を置いてから打ち明けることにした。

「私が所属している組織は、ハイパーショッカーの襲撃を受けた・・今では襲撃される前よりも、人数が1/4を下回っている・・」

 聖也の話を聞いて、ライが息をのむ。

「私たちは反撃を試みたが、怪人たちには通じなかった・・もっと力があれば、仲間が死ぬことはなかった・・・!」

「だから力を求めて、ハイパーショッカーを倒そうとしたのか・・・!」

 聖也がさらに語りかけて、ライが納得する。

「組織の科学力を集めて、私は調整を施されることによって、仮面ライダーになる能力を身に着けた。しかしそれでも、ハイパーショッカーを滅ぼすには足りないんだ・・・!」

「それでオレが手に入れたライダーソウルを奪おうとしたのか・・たとえそういう事情でも、ライダーソウルは渡せない・・!」

 聖也のことを理解しながらも、ライはそれでも彼の行動に賛成しなかった。

「このソウルは、仮面ライダーのみんながオレを信じてくれたことで生まれたものだ。それに、力ずくで人の物を奪い取ろうとするのを、オレは許せない・・だからソウルは簡単には渡せないし、アンタのやり方には従わない・・!」

「君の考えは関係ない・・君ではライダーソウルを完全に使いこなすことはできない・・私が力を集めて、使いこなしてみせる・・」

「そのやり方には従わない!無理やり従わせようとするなら、アンタもオレの敵だ!」

「そうか・・ならば君とも戦わなければならないようだ・・・」

 不満を見せるライに対して、聖也が構えを取る。

「やめるんだ、2人とも!」

 雄介が2人の間に入って呼び止める。

「君たちが争っている場合じゃない!自分以外の誰かのことを大切に思っているなら、こんな戦いをしたらいけない!」

「みんなのことを大切に思っているから、この戦い、負けるわけにはいかない。邪魔をするなら、誰だろうと容赦はしない。」

「そのやり方は、君の大切な人がしてほしいと思っていることなのか・・・?」

「そうしなければ、みんなは無駄死にということになってしまう・・それを認めるわけにはいかない・・・!」

 雄介が呼びかけても、聖也は聞き入れようとしない。

「どうしても戦おうというなら・・オレは容赦しないぞ!」

 ライが怒りをふくらませて、クロスドライバーとクロスソウルを手にした。

“クロスドライバー!”

 ライがクロスドライバーを装着して、さらにクロスソウルを構えてスイッチを入れた。

“クロス!”

 音声の発したクロスソウルを、彼はクロスドライバーの中心にセットした。

“ライダーソウール!”

 ライは意識を集中して構えを取る。

「変身!」

 彼が左手を斜め右上に振り上げて、クロスドライバーの左レバーを上に上げて、クロスタイフーンを回転させた。

“変身・ライダー!クロース!”

 クロスドライバーからさらなる光があふれ出す。光を浴びたライが、メタリックカラーの装甲とマスクを身にまとった。

“クラールドライバー!”

“クラール!”

 聖也がクラールドライバーを装着して、クラールソウルのスイッチを入れた。

“ライダーソウール!”

 彼がクラールドライバーにクラールソウルをセットした。

「変身!」

“変身・ライダー!クラール!”

 聖也がクラールタイフーンを回転させて、クラールに変身した。

「クロスでは私には勝てない。新しいクロスは長時間の使用はできない。大変身をしたときに長期戦に持ち込めば、私の勝利が決する。」

 聖也がライの弱点を察して、出方をうかがう。

「クロスワイズになったら、距離を置いて攻撃をかわして、こっちの体力がなくなったところを狙うつもりか・・・!」

 ライが聖也の狙いを察して、冷静に呟く。

「だったら、すぐにケリを付ければいいだけのこと・・!」

“クロスワイズ!”

 ライがクロスワイズソウルを手にして、スイッチを入れた。

“ライダーソウール!”

 彼がクロスドライバーにセットされているクロスソウルを、クロスワイズソウルと入れ替える。

「大変身!」

 ライがクロスドライバーの左レバーを上げて、クロスタイフーンを回転させた。

“大変身!クロスワーイズ!”

 クロスの装甲に赤いラインが入って、マスクの形と目元も鋭くなった。ライはクロスワイズへと変身した。

「新しいクロスになったか。それが君の敗北へのカウントダウンだ・・!」

 聖也が勝利を確信して、ライとの距離を取った。

「言ったはずだ・・すぐにケリを付けると・・!」

 言い返すライが、ソードガンソウルを手にした。

“ソードガン!”

 彼がクロスソードガンを出して手にする。

「他のソウルも使うか。しかしスピードを上げても、私に勝つ決め手にはならないぞ。」

 ライの出方をうかがって、聖也が言いかける。ライが取り出したのは、ビルドソウル。

“ガンモード!”

“ライダーシュート・ビルドー!”

 ライがガンモードにしたクロスソードガンに、ビルドソウルをセットして構える。

「まさか、君が重視しているのは、スピードではなく・・!」

「クロスボルテックブレイク!」

 本当の狙いに気付いた聖也に向かって、ライがクロスソードガンの引き金を引いた。光の球が連続で発射されて、聖也に向かっていく。

 聖也がとっさに動いて回避を図るが、光の球が軌道を変えて、彼にさらに迫る。

「ぐあっ!」

 聖也が射撃を受けて、吹き飛ばされて地面を転がる。光の球を連続で受けたことで、彼は一気に大きなダメージを負った。

 思うように動けなくなって、聖也がうめく。

“変身カイジョー。”

 ライがとっさにクロスドライバーを外して変身を解いて、体力がなくならないようにした。

「スピードよりも正確さを優先させた・・確実に倒すために・・!」

「十時ライ・・状況判断のよさも、高まっている・・!」

 自分の判断を告げるライに、聖也が驚きを覚える。

「オレはアンタのやり方には従わない・・ライダーソウルも渡さない・・・!」

 ライは聖也に言って、雄介に近づいた。

「すみません、雄介さん。心配させてしまって・・」

「ライくん・・もう迷いはないみたいだね・・」

 謝るライに雄介が言いかける。

「かなたのことでしたら、まだ分かんないです・・たとえ諦めろと言われても、オレは諦めないです・・・!」

「そうか・・オレも信じているよ。ライくんなら助けられるって・・」

 ライの決意を聞いて、雄介が微笑んだ。

「十時ライ・・私は必ず、君のライダーソウルを・・力を・・・!」

 聖也はいら立ちを噛みしめて、ライたちの前から去っていった。

「あの人もきっと、君と力を合わせるときが来る。オレはそう思うよ。」

「そうだといいですけど・・アイツがそのつもりになるかどうか不安ですが・・・」

 聖也も信じる雄介だが、ライは不安を拭えなかった。

「オレもそろそろ行くよ。もしまた会うことがあったら、また一緒にがんばろう。」

 雄介が挨拶して、ライが手を差し伸べて、彼と握手を交わした。

「いろいろ、ありがとうございました、雄介さん。」

 ライが感謝して頭を下げた。雄介が彼にサムズアップを見せてから、1人歩き出した。

(ありがとう、雄介さん・・・かなたはオレが、必ず助ける・・ハイパーショッカーの洗脳を、オレが解いてやる・・!)

 かなたを助ける決意を固めたライ。彼は1度ひろしたちのところへ戻ることにした。

 

 ハイパーショッカーのアジトに1度戻ってきたかなたとドクトルG。かなたはすぐに身体チェックを受けて、ルシファーのデータの収集と整理が進められた。

「あなたの調整は完璧だった。あなたがいなかったら、ここまでとはいかなかった・・」

 ドクトルGが目の前にいる男に、感謝の声を掛けた。

「首領の命令だったが、私もこのような作業に着手することができて、実に光栄だった。」

 男が答えて笑みをこぼして、かなたに目を向ける。

「しかもこやつはクロスの友人。ヤツの相手には極めて効果的であるといえよう。」

 男がかなたのことを呟いて、ライの打倒を確信する。

「本日より、私もこの日本で指揮を執ることになった。よろしく頼むぞ、ドクトルG。」

「こちらこそ、死神博士。」

 男、死神博士の挨拶に、ドクトルGが答えた。ショッカーの死神博士が、クロス打倒の指揮に加わった。

 

 

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