仮面ライダークロス

-Endless Riders history-

第7章

 

 

 リミッターの限界を超えて力を放出していくシュウと、再びオールフォームとなって敢然と立ち向かうライ。ライがクリスカリバーを構えて、シュウを黒いオーラごと切り裂こうとしていた。

「仮面ライダーもほとんど倒されてしまい、その力も少ししか集められない・・その力を振り絞ってラストを倒し、ライダーのみんなを生き返らせる・・・!」

 自分が持っているライダーソウルのことを考えて、ライが意思を強くする。

「仮面ライダーは不滅だ・・みんなも必ず戻ってくるし、オレも死なない!」

 仮面ライダーの復活を強く願って、ライがシュウに向かっていく。

 シュウがラストセイバーを手にして構える。彼から出ている黒いオーラが、ラストセイバーの刀身に集まっていく。

 ライとシュウがクロスカリバーとラストセイバーを振りかざしてぶつけ合う。その衝撃が周囲の空気だけでなく、空間をも揺さぶっていた。

「ラストの力も、空間を揺さぶる効果がある・・だとしたら、もしかしてライダーたちは・・!?

 ライがシュウの能力について推測する。

「持てる力とライダーソウルの力を使って、活路を切り開くしかない・・!」

 ライが言いかけて、仮面ライダーマックスのライダーソウル「マックスソウル」を取り出した。

「マックス・・ノゾムの怒りの力を込めれば、不可能を可能にできる・・・!」

“マックス!”

 ライがマックスを信じて、マックスソウルのスイッチを入れて、クロスカリバーにセットした。

“エクシードマックスパワー!”

 クロスカリバーからあふれた光が、ライの体に流れ込んでいく。

「マックス・オールカリバー!」

 ライがシュウに向かってクロスカリバーを振り下ろす。シュウもラストセイバーを振りかざして、激しくぶつけ合う。

 その衝撃が周囲の空間を歪めていくのを、ライは気付いた。

「この空間の先に、仮面ライダーが・・・!?

 ライが仮面ライダーたちの生存を信じて、クロスカリバーにさらに力を込める。衝撃も強まって、空間の歪みがさらに大きくなっていく。

「みんな、オレの声が聞こえたら答えてくれ・・こっちに戻ってきてくれ・・!」

 空間の歪みの先にライダーたちがいると信じて、ライがクロスの力を解放する。

「私はお前を倒す・・私以外の仮面ライダー、全てを葬る・・・!」

 シュウもライを倒そうと力を上げていく。押し返され始めるライだが、これは彼の狙い通りだった。

「お前がどれだけ憎しみをぶつけても、完全に葬ることはできない・・オレも、他のライダーたちも!」

 ライが言い放って、強引にクロスカリバーを押し込もうとする。

 そのとき、歪みを起こしていた空間がガラスが割れるように穴が開いた。穴から空間に向けて突風が起こって、ライとシュウが引っ張られていく。

「空間が破られて、外のものを引きずり込もうとしているのか・・・!?

 シュウが空間の穴に毒づき、全身に力を込めて踏みとどまる。

「そんなもので、私を阻むことはできない・・この空間ごと粉砕する・・・!」

 彼がラストセイバーに力を込めて、空間の穴ごとライを打ち砕こうとする。

「行かせない・・お前は、この先へは行かせない・・・!」

 ライが穴の前に立って、シュウを押し返そうとする。

「ここからは、仮面ライダーのみんなが出てくる・・それを、お前に邪魔させるわけにいかない・・!」

「ならばなおさらこの空間を破壊する・・仮面ライダーは、私が根絶やしにする・・・」

 ライとシュウが自分の意思を言い合う。

「お前の思い通りにはならない・・オレが絶対にさせない!」

「私が仮面ライダーを滅ぼすことに変わりはな・・」

「させない!」

 シュウの言葉をさえぎって、ライがクロスカリバーとともに彼を押し込む。

「何っ・・!?

 自分の力を全開にしても押されることに、シュウが驚きを覚える。

「私は仮面ライダーには屈しない・・仮面ライダーによってもたらされた悲劇を、もう2度と起こさせはしない・・・!」

 自分の世界で起こった世界の破滅を思い出していくシュウ。

「仮面ライダーがいなければ、世界は消えない・・他の世界を、私の世界と同じ末路を辿らせはしない・・・!」

「だったらお前のその力、打ち砕かなければならない!」

 シュウとライが言葉をぶつけ合って、互いに押し込もうとする。

「オレはお前を止めて、みんなのところに帰るんだ・・オレたちの居場所、オレたちの世界に・・!」

 声と力を振り絞るライ。しかし力を使い果した彼はふらついて、倒れそうになった。

「キングストーンフラッシュ!」

 そのとき、2つの光が左右から飛び込んで、シュウが視界をさえぎられた。

「ぐっ・・!」

 目がくらみそうになるところを、シュウが強引にラストセイバーを振り下ろそうとする。次の瞬間に、空間の穴が広がってシュウが揺さぶられて体勢を崩す。

 力尽きて倒れそうになったライだが、2人の仮面ライダーに支えられた。

「大丈夫か、ライくん!?

 ライが声を掛けられて、失いかけていた意識をはっきりとさせていく。救ってくれたライダーたちを、彼が目にした。

「か、仮面ライダーBLACK・・RXも・・!」

 ライが仮面ライダー、BLACKRXを見て戸惑いを覚える。

 (みなみ)光太郎(こうたろう)。暗黒結社「ゴルゴム」によって世紀王、ブラックサンに改造された。脳改造をされる前にゴルゴムから抜け出した彼は、仮面ライダーBLACKとしてゴルゴムと戦った。

 その過酷な戦いを終えた光太郎だったが、新たに現れた敵、クライシス帝国によってBLACKへの変身能力を破壊されてしまった。しかし太陽エネルギーを受けたことにより、彼は仮面ライダーBLACK RXへと生まれ変わった。

 空間と時空が合わさったこの世界で、BLACKRXは時間を超えて出会った。2人は自由と平和のための戦いを続けて、今、ライの救援に駆け付けたのだった。

「ライくん、君が空間に穴を開け、それを維持したのは正しい判断だった・・!」

「今、この空間に送られた仮面ライダーのみんなが、この穴に気付いてやってきている・・!」

 BLACKRXがライに激励を送る。ライが気を落ち着けて、自力で立ってシュウに目を向けた。

「やはりライダーのみんなは倒されたわけじゃなかった・・別の空間に送られて、閉じ込められてしまっただけだったんですね・・・!」

 ライがライダーたちの無事を喜んで笑みをこぼす。

「この空間をふさがれるわけにはいかない・・オレたちで死守するぞ!」

「はい!」

 RXの呼びかけに答えて、ライがクロスカリバーを構えた。

「他のライダーも加勢しに来たか・・だがまとめて倒せばいいだけのこと・・・!」

 シュウがRXたちにも敵意を向けて、ラストシューターも手にした。

“ラストフィニッシュ。”

 ラストシューターにラストセイバーをセットして、シュウが構える。

「光太郎さん、あなたの力、使います!」

RX

 ライがRXのライダーソウル「RXソウル」を取り出して、クロスカリバーにセットした。

RXライダーパワー!

 クロスカリバーの刀身からまばゆい光が発せられた。

「まとめて吹き飛ばす・・・!」

 シュウがラストシューターの引き金を引いて、ビームを発射する。

RX・クロスカリバー!」

 ライがクロスカリバーを突き出すと、刀身の光の刃が伸びた。光の刃はシュウのビームとぶつかって食い止める。

「今の私の力を止めるなど・・・!」

 ライの発揮している力に、シュウが驚きを覚える。

「お前は1人で戦っているが、オレは、1人じゃない!」

 ライがクロスカリバーを構えて、シュウに言い放つ。

「仮面ライダーは、改造人間の孤独や、人間とは違う力や体に苦しみながら戦っている。」

「しかし誰もが1人ではない。たとえ離れ離れになっていても、強い絆でつながれた大切な人が、信じて支えてくれている!」

 BLACKRXもシュウに向かって言い放った。

「その絆の先にいるのは、同じ仮面ライダーだけではない!」

 そこへ空間の穴から声が響いた。穴から飛び出してきたのは、1号ライダーだった。

「1号ライダー・・やっぱりこの空間にいたんですね!」

 着地した1号にライが喜びの声を上げる。

「この世に正義がある限り、仮面ライダーは死なん!」

「たとえ死の淵に立たされても、何度でもよみがえってみせる!」

 1号に続いて2号も空間から飛び出してきた。

「バカな!?・・お前たちは確かに倒したはずだ・・・!」

 1号と2号の登場に、シュウが驚きを覚える。

「オレたちは死んではいない!お前は自分の能力を把握していなかったんだ!」

「あっちの世界に追い払われただけだ。力が出なくて、こっちから出ることはできなかったけどな・・」

 光輝と巧も出てきて、シュウに呼びかける。

「ライくんは気付いた。そして外から穴を開けてくれたから、オレたちはこうして戻ってくることができた・・!」

 一真も空間から外へ出てきた。その直後、ダークローチの大群が次々に姿を消していった。

「剣崎さんが戻ってきたことで、世界の破滅が止まったんだ。」

「ライも、世界やこの戦いの命運を握っていたんだ!」

「ありがとう、ライ。お前はオレたちの、命の恩人だ。」

 主水、蓮太郎、レントも外の世界に出て、ライに感謝を送った。

「3人も戻ってきた・・仮面ライダーも、みんなよみがえってくる!」

 ライが蓮太郎たちを見て、喜びをふくらませていく。

「バカな!?・・倒したはずの仮面ライダーが戻ってくるなど・・・!?

 次々に現れる仮面ライダーたちに、シュウは驚きを隠せなくなる。彼の前に現れたのは、空間に追いやったライダーたちだけではなかった。

「ライくん、戻ってきたぞ!」

「また僕たちも戦うよ!」

 ヴァイスクラール、ルシファーに変身した聖也とかなたも、ライたちのところへ駆けつけてきた。

「聖也さん、かなた・・うん!」

 頷いたライに聖也たちが合流した。

「危ないところで助けられたんだ。モモタロスと紘汰さんに。」

 かなたが事情を話すと、電王・ソードフォーム、鎧武・オレンジアームズとなったモモタロスと紘汰もやってきた。

「オレ、参上!」

「ここからは、オレたちのステージだ!

 モモタロスが高らかにポーズを決めて、紘汰も言い放つ。

「お前たちも来ていたか・・だが、今ここでお前たちを全滅させる・・!」

 シュウがライたち仮面ライダーへの敵意をふくらませていく。

「お前は仮面ライダーの本当の強さを分かってはいない!」

「確かに仮面ライダーは怪人や悪と大きく関わっている・・しかしその力を正義や守ることのために使うことはできる!」

 紘汰と光輝が仮面ライダーのことを、シュウに向かって口にしていく。

「お前は怒りや憎しみ、自身の増大する力に囚われて、大切なことを見失ってしまった・・!」

「そしてその怒りは、復讐を達成するどころか、お前自身を焼き尽くしていくんだ・・!」

 仮面ライダーV3とライダーマンもシュウをとがめる。

「私の世界は既にない・・仮面ライダーが滅ぼしたのだ・・・!」

 それでもシュウはライたちへの敵意を消さず、彼らと対峙していく。

「思い出せ、本当の自分を!そして自覚しろ、自分のしてきたことを!」

 ライダーマンがシュウに向けて鋭く呼びかける。

「私は既に自覚している。私が仮面ライダーを打倒するために存在している。」

「現実から目を背けるな!自分を見失うな!本当の自分を!」

 口調を変えずに言い返すシュウに、紘汰が言い放つ。

「これが本当の自分だ。今までが見失っていたのだ。」

「そこまで言い張るなら見せてみろよ!おめぇのホントの自分ってヤツをな!」

 同じことを繰り返し言うシュウに、モモタロスが言い返した。

「オレたちはおめぇみてぇに、自分の殻に閉じこもっちゃいねぇ!今までもこれからも、オレたちの戦いはクライマックスだぜ!」

 モモタロスが高らかに言って、ソードモードのデンガッシャーを構えた。

「ラスト、オレたちはお前を倒す・・お前の暴走を、ここで止める!」

 ライも鋭く言って、クロスカリバーの切っ先をシュウに向けた。

「私は止まらない・・仮面ライダーが滅びぬ限り・・」

「それでも止めてみせるよ!」

 ライたちとの戦いを続けようとするシュウに向かって、新たな声がかかった。1人の青年が現れて、ライたちと合流した。

「ソウゴ!君も来てくれたんだね!」

 かなたが青年、常盤ソウゴに喜びの声を上げる。ライたちはソウゴと会ったことがあり、力を合わせて戦ったこともある。

「オレがいることも忘れるな、お前たち。」

 そこへもう1人の青年、明光院(みょうこういん)ゲイツも姿を現した。

「ゲイツも来てくれた!・・って、もう1人は・・・?」

 かなたがゲイツにも喜びを見せるが、近くにいたもう1人の青年を見て疑問符を浮かべた。

「そうか、君とは初めて会うことになるね。」

 青年が優雅な態度でかなたの前に立つ。

「全ての仮面ライダーの力を受け継ぎ、過去と未来をしろ示す時の王者である“ジオウ”、常盤ソウゴ。私はその家臣、ウォズ。以後、お見知りおきを。」

「は、はぁ・・」

 高らかに自己紹介をしていく青年、ウォズにかなたが生返事をする。

「それにしても、なんという荘厳なる光景だ。我が魔王が、歴代の仮面ライダーとの出会いを果たし、巨悪に立ち向かおうとしている・・祝え、皆の者!我が魔王と仮面ライダーの、輝かしき歴史の1ページを!」

 ウォズが感動を見せて、高らかに言い放つ。

「何を言ってるの、この人・・・?」

「気にするな。つっこんだら負けだ・・」

 呆れ気味になるかなたに、ゲイツが肩を落として注意する。

「ゲイツ、ウォズ、オレたちもアイツを止めるよ。」

「お前に言われなくても分かっている。」

 ソウゴが呼びかけて、ゲイツが言い返す。ソウゴがベルト「ジクウドライバー」とアイテム「ライドウォッチ」の1つ「ジオウライドウォッチ」を取り出した。

“ジクウドライバー!”

 ソウゴがジクウドライバーを装着する。

“ジオウ!”

 彼はジオウライドウォッチをジクウドライバーの右スロットにセットする。

「変身!」

 ソウゴがジクウドライバーの「ジクウサーキュラー」を回転させる。

“ライダーターイム!”

“カメンライダー・ジオー!”

 ソウゴが銀色の装甲と「ライダー」と読める形の複眼をしたマスクを身にまとう。彼は歴代のライダーの力を持つ仮面ライダー「ジオウ」に変身した。

「オレもやらせてもらうぞ・・!」

“ジクウドライバー!”

 ゲイツもジクウドライバーを装着して、ライドウォッチ「ゲイツライドウォッチ」を手にして起動した。

“ゲイツ!”

 彼はゲイツライドウォッチを、ジクウドライバーにセットした。

「変身!」

 ゲイツがジクウサーキュラーを回転させる。

“ライダーターイム!”

“カメンラーイダー・ゲーイツ!”

 ゲイツの体をマスクと赤いスーツが包み込んだ。マスクの複眼の形は「らいだー」と読めるものとなっている。

 ゲイツは仮面ライダー、ゲイツへの変身を果たした。

「では、私もいかせてもらおうか。」

 ウォズが呟いて、ベルト「ビヨンドライバー」とアイテム「ミライドウォッチ」の1つ「ウォズミライドウォッチ」を取り出した。

“ビヨンドライバー!”

 ウォズがビヨンドライバーを装着した。

“ウォズ!”

“アクション!”

 彼がウォズミライドウォッチのスイッチを入れて、ビヨンドライバー右のスロットにセットした。

「変身。」

 ウォズがビヨンドライバーのレバーを押し込んだ。

“投影・フューチャータイム!スゴイ・ジダイ・ミライ!カメンライダー、ウォズ!ウォーズ!”

 ウォズの体をライムグリーンのスーツと仮面が包み込んだ。彼は仮面ライダーウォズへ変身した。

 ジオウ、ゲイツ、ウォズ。時を超える3人の仮面ライダーも、ライたちと合流した。

「仮面ライダー・・そこまで世界を消滅させようというのか・・!?

 シュウがライたちへの怒りで、さらに体を震わせる。

「ラスト、自分のことしか信じていないお前1人では、オレたちに勝つことはできない!」

「オレたちと戦うことを諦めて、自分を見つめ直すことだな。」

 ライと巧がシュウに警告を投げかける。

「私は仮面ライダーを滅ぼす・・世界を守るために・・・!」

「滅びはしない・・世界も仮面ライダーも、オレたちみんなの命は、無限大だ!」

 鋭く言うシュウに、タケルも言い放つ。シュウからあふれる黒いオーラが濃くなっていく。

「何だ、これは・・!?

「ヤツのリミッターは最高レベルになっているはずなのに・・!?

 レントと聖也が驚きを隠せなくなる。自身の発するオーラに包まれたシュウの姿も変化していく。

 姿の原型はラストのものを損なわれてはいなかったが、完全に漆黒になっていて、さらに巨大になっていた。

「な、何だ、あの姿は!?

「いきなりでっかくなっちまったぞ、おい!」

 ソウゴとモモタロスがシュウを見上げて驚く。

「力を集中させたんじゃない・・力にのみ込まれて、暴走してしまったんだ・・!」

「あのパワーを弱めることができれば、ラストが自我を取り戻すことができるかもしれない!」

 紘汰と一真がシュウの状態を確かめる。

「少なくてもあの力を食い止めなければ・・あれだけの力が暴走すれば、この世界だけでなく、他の世界や空間にも影響が出てしまう・・!」

「見境のない力に、世界も歴史も壊されてたまるか・・!」

 聖也とゲイツが強い意思を示して、ライたちとともにシュウに対して構えを取った。

 ライとソウゴが先陣を切って、大きくジャンプしてシュウにキックを繰り出した。しかしシュウの巨体に押し返されて、2人が地面に落とされる。

「ライくん!ソウゴくん!」

 聖也がライたちに向かって叫んで、ゲイツとともに飛び出す。

「オレもやってやらぁ!いくぜ、いくぜ、いくぜー!」

 モモタロスも意気込んで、デンガッシャーを持って走り出す。

 聖也がヴァイスブレイカーを手にして、モモタロスのデンガッシャーと同時に振りかざす。2つの刃が体に当たるが、シュウはビクともしない。

“フィニッシュターイム!”

 ゲイツライドウォッチの上のボタンを押してジクウサーキュラーを回転させて、ゲイツがジャンプする。前に出した足に「きっく」の形をしたエネルギーを集めて、シュウにキックを当てた。

 シュウが体を回転させて、聖也たちに腕をぶつけて叩き落とした。

「これは生半可な力では太刀打ちできないようだ。」

 ウォズがシュウの力を確認して呟く。

「これは出し惜しみをしている場合ではないね・・」

 彼がミライドウォッチの1つ「ギンガミライドウォッチ」を取り出した。

“ギンガ!”

“アクション!”

 ウォズがギンガミライドウォッチを、ビヨンドライバーにセットされているウォズミライドウォッチと入れ替えて、レバーを押し込んだ。

“ファイナリータイム!ギンギンギラギラギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー!ウォズギンガファイナリー!ファイナリー!”

 ウォズのまとうスーツとマスクが銀色になった。マスクの複眼も「ギンガ」の形になった。

 仮面ライダーギンガの力と宿した姿「ギンガファイナリー」である。

「お前だけに任せ切りにするつもりはないぞ。」

 ゲイツがウォズに対して呟くと、ライドウォッチ「ゲイツリバイブライドウォッチ」を取り出した。

“ゲイツリバイブ・剛烈!”

 彼がゲイツリバイブライドウォッチのスイッチを入れて、ジクウドライバーの左のスロットにセットした。

「変・・身!」

 ゲイツがジクウサーキュラーを回転させる。

“ライダーターイム!”

“仮面ライダーゲーイツ!”

“リ・バ・イ・ブ・ゴーレツー!剛烈!”

 ゲイツの装甲が赤へと変わっていく。彼は強化形態「ゲイツリバイブ」へと変身した。

「よーし!オレも全力を出すぞ!」

“グランドジオウ!”

 ソウゴも意気込みを見せて、ライドウォッチ「グランドジオウライドウォッチ」を取り出した。

「みんな、仮面ライダーの力、使わせてもらうよ!」

 彼が巧たちに言うと、グランドジオウライドウォッチをジクウドライバーの左のスロットにセットして、ジクウサーキュラーを回転させた。

“グランドタイーム!”

“クウガ!アギト!龍騎!ファイズ!ブレイード!響鬼!カブト!電王!キバ!ディケーイド!ダブル!オーズ!フォーゼ!ウィザード!鎧武!ドラーイブ!ゴースト!エグゼイド!ビ・ル・ドー!祝え!仮面ライダー・グ・ラ・ン・ド・ジオー!”

 ジオウの装甲とマスクが金色に輝く。その装甲には、クウガからジオウまでの仮面ライダー20人のレリーフが備わっていた。

 ソウゴはジオウの最強形態「グランドジオウ」への変身を果たした。

「仮面ライダー・・確実に滅ぼす・・・!」

 声を振り絞るシュウの体から、黒いオーラが飛び出す。オーラが形を変えて、大量のラストへと変わった。

「ちょっと、ちょっとー!いきなりあんなに増えるなんてー!?

 かなたがラストの大群を目の当たりにして、慌てふためく。

「上等じゃねぇか!何人になっても、まとめてブッ飛ばしてやるだけだ!」

「そうだ!オレたちが力を合わせれば、どんな相手にも負けない!」

 モモタロスが高らかに言い放って、光輝も続く。

「みんな、行くぞ!オレたちの世界を、命と正義を守るぞ!」

 1号の号令を受けて、ライたち仮面ライダーが一斉に飛び出す。彼らとラストたちが広範囲の激闘を繰り広げた。

 

 1号、2号、V3がラストたちにパンチを連続で繰り出していく。シュウが力を分散させて出したラストの分身は、1号たちの猛攻に押され気味になった。

「正義も強き心もない力では、オレたちから完全な勝利をつかみ取ることはできない!」

「正義と心があるからこそ、力と技は強く磨かれていくんだ!」

 2号とV3がラストたちに向かって言い放つ。劣勢に追い込まれながらも、ラストたちが攻撃を仕掛ける。

「ロープアーム!」

 ライダーマンが右手「カセットアーム」を「ロープアーム」に変えて、ロープを伸ばしてラストたちを巻きつけて縛り上げた。

「たとえ悪に手を染めていても、誰かを守ることはできる!オレの罪滅ぼしになるなら、オレはこれからも世界のために戦い続ける!」

 自分の戦いと人生を思い返して、ライダーマンがさらにロープを締め付けた。

「今だ!」

 1号が掛け声を上げて2号、V3と同時にジャンプした。

「トリプルライダーキック!」

 1号たちが繰り出したキックが、動きを封じられているラストたちに直撃して撃破した。

「ありがとう、ライダーマン!」

「油断するな、みんな!ヤツらはまだ残っているぞ!」

 礼を言うV3にライダーマンが檄を飛ばす。他のラストたちが彼らを狙って飛びかかってきた。

 

「ライドルスティック!」

 エックスがベルトから万能武器「ライドル」を引き抜いて、棒型の「ライドルスティック」にして振りかざす。ラストたちがライドルスティックで切り裂かれて、霧のように消えていく。

「十字手裏剣!」

 ゼクロスが「十字手裏剣」を取り出して、ラストに命中させた。手裏剣を当てられたラストが倒れるが、他のラストたちがゼクロスに飛びかかる。

 そこへ蓮太郎が駆けつけて、刀でラストを切りつけた。

「すごい・・オレの他にも忍者のライダーがいたなんて・・!」

「それに見合う武器を使っているだけだ。お前のほうが忍者らしいじゃないか。」

 感動を見せる蓮太郎に、ゼクロスが答える。

「油断するな、シノビ!まだ戦いの最中だ!」

 エックスが蓮太郎に呼びかけて、ゼクロスと頷き合う。

 エックスがライドルスティックを宙に投げて、大きくジャンプしてつかむ。彼はそのまま回転を加えて、ラストたちに向かって急降下する。

「エックスキック!」

 エックスのキックがラストたちを蹴散らして吹き飛ばした。

 ゼクロスも大きくジャンプして、構えを取ってエネルギーを集中させる。

「ゼクロスキック!」

 ゼクロスの繰り出したキックが、ラストたちを撃破した。

「これが、仮面ライダーの強さ・・オレも負けていられない・・!」

 蓮太郎が気を引き締めなおして、エックスたちに続いてラストたちに立ち向かった。

 

 アマゾンとシンが手の爪や腕のカッターを振りかざして、ラストたちを切りつけていく。

「あの2人、本当にワイルドだね・・」

「そういうあなたも相当なもんだと思うな・・」

 2人の仮面ライダー、アマゾンオメガとビルド・ラビットタンクに変身している水澤(みずさわ)(はるか)桐生(きりゅう)戦兎(せんと)が、アマゾンたちの戦いを見て会話をしていく。

「僕たちも戦わなくちゃ・・・!」

「そうだな・・これがオレたちの、ベストマッチだ!」

 悠が言いかけて、戦兎が意気込みを見せる。

「大切断!」

 アマゾンが腕のカッターでラストたちを切りつけていく。シンも鋭利な爪「ハイバイブネイル」でラストたちを切りつける。

 悠も両手の爪でラストを跳ね上げる。

「勝利の法則は決まった!」

“ボルテックフィニッシュ!”

 戦兎の前にグラフの形をした滑走路が現れる。彼は悠と同時にジャンプして、グラフの上を沿うように飛び込んで、ラストたちにキックを繰り出した。

「シン、はるか、せんと、みんなともだち・・!」

 アマゾンが友情を感じて、指を独特の形に合わせた「友達ポーズ」を出した。

「あぁ・・オレたちは人間離れした力を持っている・・孤独に苦しむこともあるが、オレたちは1人ではない・・」

「ともに戦いましょう・・大切なものを守るために・・・!」

 シンが頷いて、悠が呼びかける。

「一緒にがんばりましょう、ライダーのみんな!」

 戦兎が声を掛けて、悠たちが頷いた。彼らが迫り来るラストの大群を迎え撃った。

 

 

 

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