仮面ライダー BLACK・RX・マックス
-地球を駆ける黒き勇者-
第7章
強大なパワーを備えたグランザイラスの猛攻に、ノゾムと光輝はひとたまりもなかった。
「うあっ!」
グランザイラスの右手からの射撃の爆発で、ノゾムと光輝が吹き飛ばされる。
「いいぞ、いいぞ!ライダーどもがやられてるぞ!」
「無礼は気に入らんが、その強さは認めざるを得んな。」
ゲドリアンが笑い声を上げて、ボスガンが呟く。
「このままではやられる・・スピリットフォームになるしかないか・・・!」
光輝がグランザイラスに対抗しようと決意を固める。
「このままやられてたまるか・・オレは、お前たちのような身勝手なヤツらの思い通りになるつもりはない!」
ノゾムが声と力を振り絞って立ち上がって、グランザイラスに向かっていく。
「1人で突っ走るな、ノゾムくん!1人じゃムリだ!」
「オレのことを勝手に決めるな!あんな物騒なヤツに、オレやオレの周りにいるヤツの暮らしをムチャクチャにされてたまるか!」
光輝が呼び止めるが、ノゾムは聞かずに前進を続ける。
「まずは貴様から地獄へ送ってくれるぞ、マックス!」
グランザイラスが右手をノゾムに向けて、とどめを刺そうとした。
「やめるんだ!」
そこへ声がかかって、ノゾムたちが振り返る。彼らの前に白衣を着た1人の青年が現れた。
「君は・・宝生永夢くん!」
「光輝さん、お久しぶりです!」
光輝が声をかけて青年、永夢が答える。
「エグゼイド、お前も来ていたのか!」
グランザイラスも永夢を見て声を上げる。
「ここからは僕もやります!」
永夢が意気込みを見せて、ゲームカセット型のアイテム「ライダーガシャット」を手にした。
“マイティアクションX!”
ライダーガシャット「マイティアクションX」を起動して、永夢が構える。
「変身!」
彼がガシャットを装着しているベルト「ゲーマドライバー」のスロットにセットする。
“ガシャット!レッツゲーム・メッチャゲーム・ムッチャゲーム・ワッチャネーム!アイムアカメンライダー!”
永夢の体を装甲が包み込んだ。ただしその姿は戦士としてはあまりにも間の抜けたものだった。
「な、何だ、あれは・・・?」
「仮面ライダーエグゼイド!ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」
あ然となっているノゾムの前で、永夢が高らかに言い放つ。彼は仮面ライダー、エグゼイドへと変身した。今の彼の姿は「アクションゲーマー・レベル1」である。
グランザイラスが目から光線を放つ。そばの地面が爆発して、永夢が宙に跳ね上げられる。
「イタタタ・・思ってた通り、とんでもないボスキャラだな、アイツ!」
しりもちをついた永夢がうめく。
「おい・・ふざけいるつもりなら帰れ!邪魔だ!」
ノゾムが呆れて、永夢に不満を言う。
「ふざけてないって!真面目も真面目!」
永夢が気さくに答えて立ち上がる。
「大変身!」
気を取り直した彼が、ゲーマドライバーのレバーを右に開いた。
“ガッシャーン!レベルアップ!マイティジャンプ・マイティキック・マイティマイティアクションX!”
エグゼイドの装甲がはじけ飛んで、新たな姿のライダーが現れた。永夢はレベル2へと変身した。
「さぁ、ゲームの始まりだ!」
「エグゼイド、お前も地獄の業火で灰になるがいい!」
意気込みを見せる永夢に、グランザイラスが右手の爪を向ける。
「永夢くん、気を付けるんだ!グランザイラスは並みの怪人じゃない!」
光輝が呼びかけて、永夢が頷く。
“ガシャコンブレイカー!”
永夢が武器「ガシャコンブレイカー」を手にして、グランザイラスに向かっていく。放たれる炎と爆発をかいくぐって、永夢がグランザイラスにガシャコンブレイカーを振り下ろす。
しかしグランザイラスは叩かれてもダメージを感じていない。彼は右手を振りかざして、永夢を押し返す。
“ジャキーン!”
永夢がガシャコンブレイカーを「ブレードモード」にして振りかざす。だがグランザイラスに左手でガシャコンブレイカーを受け止めた。
「なっ!?」
驚きの声を上げる永夢に、グランザイラスが爪を振りかざす。エグゼイドのスーツが切りつけられて火花が散って、永夢が突き飛ばされる。
「永夢くん!」
「大丈夫です!オレはまだやられちゃいない!」
光輝が叫んで、永夢が声を振り絞って答える。彼がガシャコンブレイカーにマイティアクションXガシャットをセットした。
“ガシャット!キメワザ!”
永夢が構えるガシャコンブレイカーにエネルギーが集まる。
“マイティクリティカルフィニッシュ!”
永夢がガシャコンブレイカーを振り上げて縦に回転して突っ込む。そのとき、グランザイラスが火の球になって、永夢を迎え撃った。
「うわあっ!」
爆発のような衝撃を受けて、永夢が大きく吹き飛ばされて、ノゾムと光輝の前に落ちてきた。
「永夢くん、大丈夫か!?」
「はい・・でもあの怪人、確かにとんでもないボスキャラですね・・!」
光輝に支えられて、永夢が笑みをこぼす。
「ここはみんなで力を合わせるんだ!オレたちの持てる力を合わせて!」
光輝が呼びかけて、永夢が頷く。
「オレもマジでやらないといけないみたいだな・・・!」
ノゾムもいきり立って、新たなるアニマルカード「マキシマムカード」を取り出した。
“マキシマム!”
彼はビースドライバーにマキシマムカードをセットして、左上のボタンを押す。
“チャージ・マキシマーム!マックス・マキシ・マキシマーム!ビース・マキシマムライダー!”
ノゾムのまとうマックスのスーツの模様とマスクの形状が、マックスフォルムよりも刺々しいものとなった。マックスの強化形態「マキシマムフォルム」である。
「へぇ〜。そっちにもマキシマムがあるのか。だったらオレも!」
永夢が笑みをこぼして、新たなライダーガシャット「マキシマムマイティXガシャット」を手にした。
“マキシマムマイティX!マキシマムガシャット!”
永夢がマキシマムマイティXガシャットをゲーマドライバーにセットして、レバーを展開した。
“レベルマーックス!最大級のパワフルボディ!ダリラガーン!ダコスバーン!・・”
彼はマキシマムマイティXガシャットの上部スイッチを押す。
「マキシマム大変身!」
“マキシマムパワー・エーックス!”
永夢の前に巨大アーマー「マキシマムゲーマ」が現れた。彼はジャンプしてマキシマムゲーマの中に入って装着する。
永夢は新たなる姿「マキシマムゲーマー・レベル99」となった。
「オレも負けていられない・・メガブレイバー!」
光輝も意気込みを見せて、メガブレイバーを呼ぶ。駆け寄ったメガブレイバーにあった剣「スピリットカリバー」を手にして、光輝はオメガクリスタルをオメガドライバーからスピリットカリバーに移した。
光輝がまとっているオメガの装甲が光り輝く。通常の赤い装甲の一部分に、金のラインが入っていく。
オメガの強化形態「スピリットフォーム」である。
マックス、エグゼイド、オメガ。3人のライダーが強化を果たして、グランザイラスの前に立ちはだかった。
「仮面ライダーが何人束になろうと、オレには通用せんぞ!」
「それはどうかな?強力になったオレたちの協力プレーだ!」
強気に振る舞うグランザイラスに、永夢が強気に言い放つ。
永夢の入ったマキシマムゲーマが突撃して、グランザイラスが受け止める。グランザイラスが右手の爪を叩きつけるが、マキシマムゲーマはものともしない。
マキシマムゲーマが左腕を大きく振り上げて、アッパーでグランザイラスを跳ね上げる。ノゾムと光輝がジャンプして、グランザイラスにキックを当てる。
「バカな!?グランザイラスが押されている!?」
「3人の仮面ライダーがパワーアップを果たすと、こうも形勢逆転しちまうのか・・!」
ノゾムたちの猛攻にマリバロンが驚きをあらわにして、ガテゾーンが毒づく。
「確かにパワーは上がったが、エグゼイド、その巨体ではスピードは上がってはいまい!」
グランザイラスが巨体のマキシマムゲーマに入っている永夢に狙いを絞る。彼は火の球に姿を変えて、永夢に向かって突っ込む。
「うあっ!」
高い火力を備えたグランザイラスの突撃が、マキシマムゲーマに叩き込まれていく。
「確かにマキシマムはデカいけど、パワーだけじゃないぞ!」
しかし永夢は劣勢を感じていなかった。マキシマムゲーマから抜け出したが、彼がいなくてもマキシマムゲーマは自動で動いていた。
グランザイラスが火の球のまま、永夢に向かっていく。永夢は素早く動いて火の球をかいくぐり、マキシマムゲーマが腕を伸ばして火の球にパンチを当てた。
「ぐおっ!」
叩き落とされて元の姿に戻ったグランザイラス。ノゾムと光輝が永夢と合流する。
「このまま一気にコイツをブッ倒す!」
ノゾムがグランザイラスへの追撃を狙う。
「待て!ヤツの体には爆弾が仕掛けられている!このまま倒してしまったら、ここら一帯が廃墟になってしまう!」
光輝に呼び止められて、ノゾムがいら立ちを浮かべる。
「だったら空高く飛ばせばいいだけのことですよ!光輝さん、援護をお願いできますか!?」
「分かった!任せてくれ、永夢くん!」
永夢の呼びかけに光輝が答える。光輝がスピリットカリバーを構えて、グランザイラスに向かっていく。
「これ以上いい気にさせるか、仮面ライダー!」
グランザイラスが目からの光線を放つが、光輝はジャンプして光線と爆発をかわす。彼は着地したと同時に、スピリットカリバーでグランザイラスを切りつけて、体勢を崩させる。
「今だ!」
光輝が呼びかけると、永夢がマキシマムゲーマに入ってゲーマドライバーのレバーを開閉する。
“キメワザ!”
マキシマムゲーマが両手を振り上げてグランザイラスを跳ね上げる。永夢はこのままジャンプして、グランザイラスにキックを当てて、さらに上空へ跳ね上げた。
“マキシマーム・クリティカルブレーイク!カイシンノイッパツ!”
落下していく永夢の視線の先で、グランザイラスが大爆発を起こした。爆発の衝撃に押されて、永夢が急降下していく。
ノゾムと光輝が動いて永夢を地上で受け止める。グランザイラスの爆発の威力は大きかったが、上空に跳ね上げられたことで街への影響は最小限で食い止められた。
「大丈夫か、永夢!?」
「はい!ありがとうございます!」
光輝が呼びかけて、永夢が笑みをこぼす。
「オレからもありがとうな・・お前たちがいなかったら、どうなっていたか・・・」
ノゾムも永夢に感謝する。永夢がマキシマムゲーマを解除して、レベル2に戻る。
「RXとBLACKも戦っている・・2人とも合流しないとな・・」
ノゾムが口にした言葉に、永夢と光輝が頷いた。
「そうはいかんぞ、ライダー!」
そこへボスガン、マリバロン、ガテゾーン、ゲドリアンがノゾムたちの前に現れた。
「お前たち・・!」
ノゾムがボスガンたちに振り返って、怒りをあらわにする。
「グランザイラスを倒したことは褒めておくわ。しかし、ここがお前たちの墓場になるのよ!」
「お前たちの思い通りにはならない!お前たち全員、ここでブッ倒す!」
言い放つマリバロンにノゾムが言い返す。
「お前らが束になっても、地球はクライシスのものになるんだよ!」
「言うことを聞かないと、地獄の苦しみを味わうことになるぜ!」
ガテゾーンとゲドリアンもノゾムたちに向かって言い放つ。
「この地球は、地球に住んでいるみんなのものだ!お前たちの企みで、みんなを命を滅ぼさせはしない!」
「患者を救うのが医者の務めで、みんなを救うのが仮面ライダーの務めだ!お前たちに狙われている地球の運命は、オレたちが変える!」
光輝と永夢が言い放って、ノゾムとともに構えを取る。ガテゾーンがショットガンを発砲して、ノゾムたちがジャンプしてかわす。
「ノゾムくんは先にRXたちのところへ行くんだ!BLACKも向かっているはずだから!」
「だけど、アンタたちは・・!」
光輝が呼びかけて、ノゾムが声を上げる。
「何かとんでもない力が蠢いている予感がする!みんなを守るにはノゾムくん、君が勝利のカギになる!」
光輝がさらに呼びかけて、ノゾムが戸惑いを感じていく。
「オレがどうするかはオレが決める・・オレが許せないから、オレはアイツらをブッ倒すんだ・・!」
自分の意思を貫くノゾムに、光輝と永夢が頷いた。
「逃げられもしないぞ!これまでの数々の恨み、お前たちにも味わわせてくれる!」
マリバロンが言い放って、光の鞭を伸ばす。光輝がスピリットカリバーに光の鞭を巻きつかせて止める。
「お前たちの相手はオレたちだ!」
永夢が言い放って、ボスガンたちに飛びかかる。彼がマリバロンとゲドリアンを攻め立てて、光輝がボスガン、ガテゾーンと交戦する。
「早く行くんだ、ノゾムくん!仮面ライダーマックス!」
「それはオレが決めることだ!オレの意思で、オレは行く!」
呼びかける光輝に、ノゾムが言い返す。
“タイガー!”
彼がビースドライバーにセットされているマキシマムカードとタイガーカードを入れ替えて、左上のボタンを押した。
“チャージ・タイガー!タイガーマッハ!タイガーパワー!タイガータイガーランナー!”
ノゾムがタイガーランナーを呼んで、乗って走らせる。彼はRXのところへ急いだ。
RXのところへ向かうノゾム。彼はタイガーランナーを加速させていく。
そのとき、ノゾムの前方から電撃が飛んできて、マックスのスーツに命中して火花が散った。
「うあっ!」
ノゾムが倒れて、タイガーランナーが止まった。起き上がったノゾムが前に視線を戻す。
ノゾムたちの前にジャークが現れた。
「何だ、お前は!?さっきのヤツらの仲間か!?」
「余はクライシス帝国最高司令官、ジャーク。お前は余直々に相手をするぞ。」
声を上げるノゾムにジャークが名乗る。彼が杖から電撃を出して、ノゾムを攻撃したのである・
「お前もオレの邪魔をしようっていうのか!?・・だったら容赦しないぞ!」
ノゾムが怒りの声を上げて、ジャークに向かっていく。ジャークが杖を振りかざして、ノゾムの体を叩いて迎え撃つ。
ノゾムが杖を払って、ジャークの体にパンチを叩き込む。後ずさりしたジャークが杖をかざして、電撃を放ってノゾムを捕まえる。
ノゾムが力を込めて、強引に電撃から抜け出した。
「そこをどけ!オレはお前たちに邪魔されたくないんだよ!」
ノゾムが言い放って、前進して飛び蹴りを繰り出す。杖を掲げて防ぐジャークだが、キックを止め切れずに押される。
「マキシマムの力を持ったマックス、侮れんか・・!」
ノゾムの強さを痛感して、ジャークがまとっていたマントを外す。彼の姿が機械的な怪人へと変貌を遂げた。
「お前は・・!」
「これがオレのもう1つの姿、最強怪人ジャークミドラ。マックスよ、ここを貴様の墓場としてくれる!」
声を上げるノゾムに怪人、ジャークミドラが言い放つ。彼が大剣を手にして、ノゾムに向かっていく。
ノゾムが素早く動いてかわすが、ジャークミドラの猛攻をかわせず、マックスのスーツを切りつけられる。
「こんなことで・・オレはやられてたまるか!」
“シャーク!”
ノゾムが怒りをふくらませて、シャークカードをビースドライバーにセットした。
“チャージ・シャーク!シャーシャーシャーシャー・シャークソード!”
彼はシャークソードを手にして、ジャークミドラを迎え撃った。
ボスガンたちと激闘を繰り広げる永夢と光輝。
ゲドリアンの素早い動きに翻弄される永夢。そこへマリバロンが口から妖術の火炎を吹きつける。
「うわっ!」
永夢が火炎に当てられて吹き飛ばされる。立ち上がる彼をマリバロンとゲドリアンがあざ笑う。
「さすがの仮面ライダーも、2対1では勝ち目があるわけがないな!」
「宝生永夢、仮面ライダーエグゼイド、我らクライシスの手によって滅びるがよい!」
ゲドリアンが構えを取って、マリバロンがビームの鞭を放つ。永夢が鞭に首を絞められて、振り回されて倒される。
「さすが悪の組織の幹部たち・・なかなかのボスキャラだ・・・!」
首を絞められた息苦しさにせき込みながら、永夢が立ち上がる。
「向こうが2人だっていうなら、こっちだって!」
彼が意気込みを見せて、新しいガシャット「マイティブラザーズXXガシャット」を手にした。
“マイティブラザーズXX!ダブルガシャット!”
マイティブラザーズXXガシャットをゲーマドライバーにセットする永夢。
「変身!」
“ガッチャーン!レベルアップ!マイティブラザーズ・二人で一人!マイティブラザーズ・二人でビクトリー!エックス!”
ゲーマドライバーのレバーを開いた永夢が新たなエグゼイドの姿になった。「ダブルアクションゲーマー・レベルX」である。
「何だ、こりゃ!?さっきのできそこないの姿みたいじゃないか!」
ゲドリアンが永夢の姿を見てさらにあざ笑う。
「あれでもヤツはエグゼイド。ヤツを甘く見ると手ひどいしっぺ返しを食うことになるわ!」
マリバロンは永夢を警戒して、油断していなかった。
「だったらそのマヌケな姿のまま、息の根を止めてやるぞ!」
ゲドリアンが永夢に向かって飛びかかる。永夢は外見のようなコミカルな動きで、ゲドリアンの打撃をかいくぐっていく。
「コイツ、チョロチョロしやがってー!」
ゲドリアンがいら立ちを見せて、永夢に再び飛びかかる。
「お前が言うなってーの!」
永夢がジャンプして、ゲドリアンに両足のキックを叩き込んだ。地面を転がるゲドリアンだが、すぐに起き上がってマリバロンと合流する。
「甘く見てもらっては困るぞ!本番はここからだ!」
永夢が自信を見せて、ゲーマドライバーのレバーを1度閉じる。
「だーい変身!」
彼が再びゲーマドライバーのレバーを開いた。
“ガッシャーン!ダブルアップ!オレがお前でーお前がオレでー・ウィーアー!マイティ・マイティ・ブラザーズ・ダブルエックス!”
永夢がさらなる変身を果たす。彼の体が左右対称の2人になって、それぞれオレンジと青緑を基調としていて、腕にレベルXの顔半分が付いていた。
「みんなの命は、僕が守る!」
「超協力プレーでクリアしてやるぜ!」
青緑のエグゼイド、永夢とオレンジのエグゼイド、Mがそれぞれ言い放つ。
マリバロンとゲドリアンが永夢とMに向かっていく。永夢がマリバロンと、Mがゲドリアンと交戦する。
マリバロンが繰り出す手足を、永夢が的確にかわしていく。マリバロンが振りかざした右腕を受け止めて、永夢が投げ飛ばす。
Mがゲドリアンを果敢に攻め立てる。その猛攻にゲドリアンは回避する一方になっていた。
「おのれ、エグゼイド!いつまでもいい気になるな!」
ゲドリアンがビームを放つが、Mは軽やかに動いてかわす。
“ガシャコンキースラッシャー!”
永夢が専用武器「ガシャコンキースラッシャー」を手にして、マリバロンに振りかざす。マリバロンがガシャコンキースラッシャーをかわして、頭に付けていた羽根を手にして投げつける。
永夢がガシャコンキースラッシャーで羽根をはじいて、マリバロンとの距離を詰める。マリバロンが光の鞭を放って、永夢を引き離す。
“ズキュキュキューン!”
永夢がガシャコンキースラッシャーを銃形態「ガンモード」にして、マリバロンを狙って射撃する。マリバロンは回避しきれずに、射撃が地面に当たった爆発に吹き飛ばされる。
永夢がガシャコンキースラッシャーをMに向かってパスする。
“ジャジャジャキーン!”
Mがガシャコンキースラッシャーを剣状態「ブレードモード」にして振りかざす。素早くジャンプするゲドリアンを、Mがガシャコンキースラッシャーを振り上げて突く。
ゲドリアンが地面に落ちて痛がる。
「よし!このままフィニッシュを決めよう!」
「分かった!行くぞ!」
永夢とMが声をかけ合って、同時にゲーマドライバーのレバーを閉じて開く。
“キメザワ!マイティダブル・クリティカルストライク!”
2人が同時にジャンプして、ゲドリアンにキックを繰り出す。
「ギャアッ!」
蹴り飛ばされたゲドリアンが空中で爆発を起こして消滅した。
「ゲドリアン!おのれ、ライダー!」
マリバロンが怒りをあらわにして、手から火の球を放つ。永夢とMが左右に動いてかわして、マリバロンに詰め寄って同時にキックを見舞った。
「うあっ!」
マリバロンが突き飛ばされて、その先の物陰に落ちて姿が見えなくなった。
「しまった・・アイツは逃げられた・・!」
「今は光輝さんを援護するのが先みたいだ・・!」
Mが肩を落として、永夢が呼びかける。2人はレベル2に戻って、再び1人の体に戻った。
剣を手にしたボスガンと、銃で射撃するガテゾーンと一進一退の攻防を繰り広げる光輝。彼に対して攻めきれず、ボスガンがいら立ちを感じていた。
「おのれ、オメガ・・貴様は私のこの手で倒す!」
ボスガンが言い放って、光輝に剣を振りかざす。光輝はスピリットカリバーを振りかざして、ボスガンの剣とぶつけ合っていく。
ガテゾーンも射撃を続けるが、光輝に回避されたりスピリットカリバーではじかれたりする。
「クライシス、お前たちの地球支配はオレが、オレたちが許さないぞ!」
光輝が言い放って、ボスガンに向かってスピリットカリバーを振りかざす。攻め立ててくる光輝に、ボスガンは呆然一方となる。
「ぬおっ!」
スピリットカリバーに剣を強く押されて、ボスガンも突き飛ばされる。
光輝がガテゾーンに振り返って向かっていく。ガテゾーンの射撃をかいくぐって、光輝が距離を詰める。
光輝がスピリットカリバーを振りかざして、ガテゾーンの銃をはじき飛ばした。光輝が続けてスピリットカリバーを振り下ろして、ガテゾーンを切りつけた。
「がはっ!」
ガテゾーンが怯んで、光輝の目の前で地面に膝をつく。
「おのれ、オメガ・・このままで済むと思うな!」
ガテゾーンが声を張り上げて、光輝に飛びかかって組み付いた。彼の頭が体から分離して離れる。
「これは・・まさかお前!?」
「そうだ!オレのボディと一緒に地獄へ落ちろ!」
危機感を覚える光輝にガテゾーンが言い放つ。ガテゾーンは自らの体を時限爆弾にして、光輝を吹き飛ばそうとする。
「このままやられるオメガじゃない!スピリットフラッシャー!」
光輝がオメガクリスタルから光を放出した。彼の強い精神力が込められた光は、ガテゾーンの体を吹き飛ばした。
地面を転がったガテゾーンの体が爆発を起こした。
「おのれ、オメガ!このまま負けを認めるかよ!」
頭部だけとなったガテゾーンが、光輝に向かってビームを放つ。
「スピリットライダーパンチ!」
光輝がスピリットカリバーを左手に持ち替えて、エネルギーを込めた右手のパンチを繰り出した。彼のパンチはビームをはじいて、ガテゾーンの頭に命中した。
「オレはまた必ず蘇る・・また地獄から戻ってくるぞ!」
断末魔の叫びを上げて、ガテゾーンは爆発した。
「オメガ・・私は負けん・・貴様には負けんぞ!」
ボスガンが立ち上がって、光輝に鋭い視線を向ける。
「電磁波剣!」
彼が剣を振りかざして電磁波の刃を放つが、光輝が振りかざしたスピリットカリバーに打ち破られる。
ボスガンが剣を構えて飛びかかり、光輝が迎え撃つ。
「スピリットスラッシャー!」
光輝のスピリットカリバーとボスガンの剣が振り下ろされて、同時に互いの体に命中した。光輝はオメガの装甲から火花が散っただけだったが、ボスガンは致命傷を負ってふらつく。
「まだだ・・まだ終わらんぞ、オメガ!」
ボスガンが力を振り絞って、左腕に収めていた短剣を手にして振り下ろす。光輝がスピリットカリバーを振り上げて短剣をはじいて、再び振り下ろして光の刃を放った。
「ぐおぉっ!」
さらに体を切りつけられたボスガンが、絶叫を上げて爆発、消滅した。
「ボスガン、ガテゾーンまでもが・・!」
物陰から出てきたマリバロンが、ボスガンたちが光輝と永夢に倒されたことに、動揺を浮かべる。
「おのれ、オメガ、エグゼイド・・この恨み、忘れてなるものか!」
合流した永夢たちに恨みの言葉を投げかけて、マリバロンは姿を消した。
「逃げられたか!あと1人だったのに・・!」
「今はノゾムくんに追いつくのが先決だ!急ごう!」
悔しがる永夢に光輝が呼びかける。
「光輝くん!永夢くん!」
そこへBLACKがロードセクターで駆けつけてきた。バトルホッパーも続いて現れて停車した。
「BLACK!ノゾムくんが先へ行っています!オレたちも向かいます!」
光輝がBLACKに答えて、メガブレイバーを呼び寄せた。彼が触れた瞬間、メガブレイバーも変身を果たして「スピリットブレイバー」となった。
「永夢くん、君はバトルホッパーに乗るんだ!仮面ライダーならば、君もバトルホッパーを乗りこなせる!」
「分かりました!」
BLACKに言われて、永夢がバトルホッパーに乗った。
「よし!2人とも行くぞ!」
「はい!」
BLACKが呼びかけて、永夢と光輝が答える。3人はロードセクター、バトルホッパー、スピリットブレイバーを走らせて、ノゾムを追った。