まじかる☆ふらりん 〜追憶の螺旋〜中編

 

 

「フィーリアさん。」

「あの事件以来ね。間宮風濫。」

突然風濫の前に現われたフィーリア

「四天集黒薔薇の騎士フィーリア。けど、私は貴女達と敵対する意志は無いわ。」

フィーリアの言葉に疑問に思う風濫・雪・フェルミナ・ルイ

「フィーリア、敵対する意志が無いってどう言う事?

仮にもシグレスの四天集の1人なのに。」

疑問に思ったフェルミナが口を開く

「…償いよ。」

そう言うと風濫を見るフィーリア

「彼女を巻き込んだ事にですか?それとも、落としてしまった事にですか?」

「…両方よ。ルイ。」

「そぅ。」

「フィーリアさん。私は…。」

ふと風濫の言葉を遮るフィーリア

「気にしていようがしてないようが、してしまったのは事実。だから、償わせて。お

願い。」

「…フィーリアさん。」

フィーリアの言葉に呟く風濫

「行きましょう。学校へと。戦場は、そこだから。」

フィーリアの言葉に頷く一同

そして寮を出発して行く

 

フィーリア達が出発してから5分後

一台のパトカーが寮の前に到着していた

その中からは2人の男性と1人の女性が降りて来た

「仁科・遠野。準備は良い?」

ふと女性が口を開きそれぞれ仁科と遠野と呼ばれた男性が頷く

「それじゃ、入るわよ。」

そう言うと女性の先頭にし、寮の中へ入って行く

 

寮内

 

「…物の見事に金化してるわね。仁科・遠野、生存者の確認を。

金化した人には触らないでね。」

「解ってるさ、羽純。遠野、行くぞ。」

そう言うと遠野と一緒に去って行く仁科

一方羽純と呼ばれて女性は管理人室の前に置かれた置手紙を見つけていた

―――羽咲女子へ行く

フェルミナ―――

置手紙にはそうとだけ書かれていた

「羽咲女子。そこが巣窟って訳ね。仁科、聞こえる?羽純だけど。」

無線機で仁科を呼ぶ羽純

無線機独特のノイズが聞こえた後仁科の声が聞こえる

「こちら仁科。羽純、どうした?」

「私は今から羽咲女子に行く。生存者は保護。金化してたら放置で、

全部終わったら署に戻ってて。この事件はSKの管轄だから。」

その言葉の後ノイズの後に仁科の声が聞こえる

「了解。気を付けてね。」

「えぇ、解ってるわ。」

そう言うと寮を出て羽咲女子へと向う羽純

 

羽咲女子内とある教室

 

そこには青葉・セシリア・フェイトにフィーナの姿があった

「何なんですか一体。私を帰して下さい!」

「何も覚えておられないのですか?我が主シグレス様。」

「シグレスって何?私の名前は青葉。睦月青葉よ!」

青葉の言葉に残念そうな顔をするセシリア

「セシリア。彼女が本当にシグレス様の生まれ変わりなの?」

側で見ていたフィーナが口を開く

「輪廻の音を聞いたのよ。間違い無いわ!」

「セシリア。時期が来れば自ずと目覚めるわ。私達に出来る事と言えば、待つだけ

よ。」

「フェイト。」

「それよりも、来るわよ。光の者が。」

「フィーナ、行ってくれるかしら?」

「えぇ。光の者、必ず討ち取って来ます。」

そう言うとそこから去って行くフィーナ

それを見送ると口を開くセシリア

「リヴァ。」

そう言うと姿を現すリヴァと呼ばれた女性

「何の御用でしょうか?セシリア様。」

「フィーナを監視しなさい。もし元に戻るような事があれば…。」

「光の者共々始末、と言う事ですね?」

「えぇ。任したわよ。」

「はい。それでは。」

そう言うとリヴァもそこから去って行く

「セシリア、1つ良いかしら?」

「何かしら?フェイト。」

「黒薔薇の処分はどうするの?」

「フィーナもしくはリヴァにやらせても良いし、私自身もしくは貴女がするか。

どれでもご自由に。私はシグレス様を一刻も早く復活させなければいけないから。」

「そぅ。解ったわ。」

そう言うとそこから消えるフェイト

「…睦月青葉。逃げようと言う考えは持たない方が良いわよ。

闇の加護を受けた者しか、ここから出られないから。」

そう言うと大きく笑うセシリア

 

それと同じ頃

羽咲女子へと到着した風濫・雪・フェルミナ・ルイ・フィーリアの5人

そのまま校舎に近づくと昇降口が氷で覆われていた

「結構分厚い氷ね。フェルミナ、行けそう?」

氷の壁を触った後フェルミナの方を向くルイ

「余裕。ちょっちどいてて。」

そう言うと炎槍ヴォルケスを構えるフェルミナ

「砕けろ!フレアードノヴァ!!!」

そう言ってヴォルケスを氷の壁に向って投げつける

そしてヴォルケスが壁に当った瞬間、砕け散る氷の壁

そのまま戻って来たヴォルケスを掴むフェルミナ

「さて、突入よ。」

フェルミナがそう言うと頷いた後、校舎の中へ入って行く一同

 

校舎内

 

「中は至って変化無しみたいね。」

廊下を見回して口を開く風濫

「そうでもないみたいね。素材がコンクリから鉄になってる。」

「えっ?…あっ、本当だ。」

フィーリアに言われ確認する風濫

「こんな事するのは、セシリアしか居ないわね。」

そう言いながら壁を触るフィーリア

「誰か来ます。」

ルイがそう言うと入口を背に周囲を見渡せる形で構える5人

入口から見て左からふと歩いて来る人影が見えた

「フィーリアさん、あそこ。」

雪の言葉に一斉に向きを替え構える

「シグレス様四天集が1人。漆黒の雷帝フィーナ。ここから先へは行かせません。」

「フィーリアさん、風濫さん達と一緒に先に行ってて下さい。」

「ルイ。」

「相手はフィーナさん。なら魔法戦になるのが目に見えてます。

そしてこの中で特化してるのが、私ですから。」

ルイの言葉に口を開くフェルミナ

「なら私も残る。」

「えっ?」

フェルミナの言葉に疑問を感じるルイ

「フェルミナ、貴女も…。」

ルイの言葉を途中で止めると口を開くフェルミナ

「もう1人、来ているから、私はその相手。居るんなら出てきなさい!!!」

フェルミナが叫ぶとフィーナとは反対の方から姿を表す槍を持った女性

「…リヴァか。フィーリア、頼んだよ。」

そう言うとリヴァに向って突撃して行くフェルミナ

「来ないなら、行くわよ。」

そう言うとルイ達に向って来るフィーナ

ふと目の前に五芒星を生成するルイ

「エターナルフェニックス!!!」

そう言うと五芒星からフェニックスが飛び出しフィーナを襲う

「フィーリアさん!今の内です!!!」

ルイの言葉に風濫・雪と共に奥へと掛けて行くフィーリア

「はぁぁぁぁ!!!」

そう言うとフェニックスを振り払うフィーナ

「いきなり不死鳥とは、中々やるわね。」

「女神アリスの神官族が1人フィリス=イシュヴァール。行くわよ。フィーナ。」

そう言うと同時に魔力を全開にする二人

 

走っている最中に強大な魔力を感じる風濫・雪・フィーリア

「足を止めないで。」

フィーリアの声に足を止めかけたが再び走り出す風濫

「フィーリアさん、今のは?」

「ルイと、フィーナでしょうね。(この魔力は、フィリス。ルイ、死なないでね。)」

「…巨大過ぎる。」

ふと呟く雪

「…2人共、生粋の魔術師の家系だから。」

「「えっ?」」

フィーリアの言葉に疑問に思う2人

「フィーナは両親が共に高い魔力を持つ家系の出身。ルイに関しては…、

本人から聞いて。あまり他人に言われたくないみたいだから。」

フィーリアの言葉に頷く風濫と雪

「それじゃ急ぐわよ。」

そう言うと更に奥へと進む3人

 

昇降口近く

 

二組に別れていた筈が2人対2人になっていた

「フェルミナ。物理と魔法、両方同時使用で戦えますか?」

「…愚問だよ、ルイ。」

「…それを聞いて安心しましたよ。」

そう言うとE―フェルディアを手に持つルイ

「フェルミナ。解っていると思いますけど…。」

「不殺。」

「正解。」

そう言うと双方駆け出す

ルイはフィーナに

フェルミナはリヴァに

それぞれ突撃する

「マジックアロー!!!」

「甘い!!!」

ルイの放った魔法の矢を弾くフィーナ

「喰らえ!トロン!!!」

そのままイカヅチの剣を放つ

「ぬん!!!」

そのままE―フェルディアでトロンを受け止めるルイ

「なっ!!!」

その様子に驚くフィーナ

そのままフィーナに向い突撃するルイ

「闇に散れ。ライトニングスラッシュ!!!」

そう言うとイカヅチを纏ったE―フェルディアでフィーナを斬るルイ

その衝撃でフィーナの右耳にしていた黒十字のピアスが砕け散る

それを見流さないルイ

「フェルミナ!!!耳のピアスよ!」

ルイの言葉を聞いたフェルミナは直ぐにリヴァの耳を確認する

すると同じように右耳に黒十字のピアスがあった

「あれね。」

そう言うと距離をおきヴォルケスを床に刺すフェルミナ

「アーマード!!!」

そう言うとフェルミナの身を纏う鎧になるヴォルケス

鎧を纏うと右手を翳すフェルミナ

「ヴォルケス!!!」

そこに紅色の剣が現われる

「右耳の黒十字のピアスね。了解した。」

そう言うと剣を持ち構えるフェルミナ

「私の本気を見せてやる!!!」

そう言うと一気に気を解放するリヴァ

「…ルイ、フィーナを抱えてシールドを。」

「OK。」

そう言うと倒れてるフィーナを抱えるとシールドを貼るルイ

「黒龍槍術奥義!黒龍招来槍!!!」

そう言って槍を振るとリヴァの槍から飛び出す黒龍

「スティア(始まり)」

そう言って剣を目の前に掲げるとそのまま手を放す

手を離れた剣はそのまま滞空している

「イ―(1つ)・ツィ―(2つ)・シ―(3つ)・スィ―(4つ)・フィ―(5つ)。」

そう言っていく内に炎で構成さらて五芒星が出来上がっていた

「フェルミナ!!!」

たまらず叫ぶルイ

するとルイの方を見るフェルミナ

「…大丈夫。」

そう言うと手をかざすフェルミナ

「アティシス(炎結界)!!!」

そう言うと結界が出来、リヴァの黒龍を防ぐ

その直後剣を五芒星に対し水平にするフェルミナ

「くらえ!!!フレアードフェニックス!!!」

そう言って剣を五芒星に押し込むと同時に炎の鳥が出て来てリヴァ目掛けて飛んで行

「なっ!」

その鳥を受け止めかろうじて弾くリヴァ

その直後

「チェックメイト。」

そう言うと同時に、リヴァの黒十字のイヤリングが砕け散っていた

砕けると同時に倒れ込むリヴァ

「終了。」

そう言うと同時にヴォルケスの武装を解くフェルミナ

「フェルミナ。」

「何?ルイ。」

ルイに呼ばれ振り返るフェルミナ

「私がフィーナとリヴァを見ているから、貴女は先に行って。」

「…OK。先行ってるよ。」

そう言うとフィーリア達が去って行った方向へ走って行くフェルミナ

「…結末は、決まっている。それに抗う事も出来ない。…非道なのね、因果律って。

そう、呟くルイ

 

階段を見つけ2階へと上がるフィーリア・風濫・雪の3人

そのまま上へと上がろうとしたが、フィーリアがそれを止める

「フィーリアさん、何故上へ昇らないんですか?」

疑問に思う雪

「…やっぱり。魔術トラップ。気付かないで行ってたら3人共石になってたわ。」

そう言うと立ち上がり廊下の方に出ると奥を睨みつけるフィーリア

「誰だい?出ておいで。」

フィーリアの言葉に奥から人影が現われる

「流石ね、フィーリア。あのトラップを見破るなんて。」

「…あのぐらいどうって事無いわよ。フェイト。」

フィーリアの言葉の後、姿が確認出来る位置で止まるフェイト

「間宮風濫。お友達の彼女は既にシグレスとして覚醒しているわ。

それでも、助けに行くのかしら?」

「…はい。」

フェイトの言葉にそう答える風濫

「…そう言うと思ったわ。行きなさい。トラップは外したから。お友達を助けに。」

「…はい。」

そう言うと階段を昇って行く風濫と雪

それを見送ると剣を手にするフィーリア

フェイトも同様に剣を手にする

「行くよ。フェイト。」

「えぇ。」

そう言うと同時に駆け出す2人

 

3階に上って来た風濫と雪

そこで嫌な気を感じる風濫

「風濫、どうしたの?」

「…何?この感じ?……あっちから、する。」

そう言って左側を指差す風濫

「…行こう、風濫。」

「…えぇ。」

そう言うと嫌な気を感じた方向に歩いて行く2人

しばらく歩くと人影が見える

「…戦いもしないで通すなんて、やはりフェイトの光が入った者。

ならばこの私が貴様等を打ちのめすのみ!!!」

「…可愛そうな人。」

ふと口を開く雪

「なっ!!!私の何処が可愛そうだと言う!!!」

「闇に身を置く事でしか己を保持出来ない。私が、光の良さを、貴女に伝える!!!」

そう言うと魔力を解放する雪

「…面白い。ならばやってみせろ!!!この私を倒してなぁ!!!」

そう言うと女性も魔力を解放する

「…そう言えば名乗ってなかったね。私は氷那雪。貴女は?」

「…アリシアよ。」

「…そぅ。」

そう言うと2人の魔力が最高迄高まる

その瞬間、勝負は決した

向かい合い、抱き合うような状態の雪とアリシア

「…私の、負けのようね。」

「…アリシア。」

「…シグレス様、アリシアは一足お先に地獄でお待ちして…おり…ま……す……。」

そう言うと息絶えるアリシア

「雪。」

「…こうするしか、こうするしか救えなかった!!!」

叫ぶ雪をそっと後ろから抱く風濫

「けど、結果として彼女を闇から救えた。それは、良い事だと思うよ。雪。」

「…風濫。」

そう言うと泣き崩れる雪

「…雪は、ここに居て。私一人で、彼女を、睦月青葉を、助けて来るから。」

そう言うと奥へと向かい歩き始める風濫

その目は、決意の眼差しだった

 

後編へ続く

 

 

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