まじかる☆ふらりん 〜追憶の螺旋〜 〜後編〜

 

 

風濫が3階の奥の部屋へ向う少し前

2階の廊下では壮絶な戦いが繰り広げられていた

 

常人が見たら2つの光が交わりながら動いているとしか感じないだろう

そんな戦いを、フィーリアとフェイトは繰り広げている

 

互いにヒット&アウェイを繰り返し徐々に体力を削っている

そんな中ふと足を止めるフィーリア

それを見てフェイトも足を止める

「フェイト、こんな事をしててもただお互いに体力を削りあっていくだけ。

なら、共に最強の必殺技で勝負を決めましょう。」

「…確かにそうね。」

そう言うと小太刀を出し左手で逆手で持つフェイト

そのまま身体を捻らせ構える

「双龍連撃。いえ、黒龍双連撃と言った方が良いかしら?」

「…正解よ、フェイト。そして、この構えを取った私は、無敗よ。」

「…フェイト、その技、打ち破ってあげるわ。」

そう言うと両手で剣を持ち手を後ろに下げ突き出すように構えるフェイト

そのまま剣を下に降ろす

「行くよ、フェイト!!!」

そう言うとその場から駆け出すフィーリア

「来い!!!フィーリア!!!」

「九連黒龍!!!」

「黒龍双連撃!!!」

2人の技がぶつかり合い

それぞれ背中を見せる形でたたずむ

「だから、言ったのに。」

「…そうみたいね、フェイト。」

そう言うと剣を落とし倒れ込むフィーリア

たまらずフィーリアに駆け寄るフェイト

「馬鹿!解っててなんで挑むのよ!」

「さぁ?何でだろね?私にも、解らない。…フェイト、いえ唯。行って。

風濫の力になるのは私じゃない。貴女よ。」

「…フィーリア。解った。行ってくる。」

そう言うと黒装を解き、神装具を纏う唯

そのまま階段を上へと昇って行く

「…結局、彼女も光の者なのね。」

 

3階奥の部屋

 

ドアを開け、中に入る風濫

すると部屋の奥から声が聞こえる

「使えない物ね、四天集も。かくなるうえは私自ら相手をしてあげるわ。」

「…青葉。」

「青葉?…あぁ、この器の名前ね。残念ね、今の私はシグレスよ。諦めなさい。」

そう言うと詠唱を始めるシグレス

「凍りなさい。フリージングセメタリ―!」

「…青葉。」

そう言うと涙を流す風濫

そして、そのまま氷漬けとなる

「…他愛も無いわね。次は、貴女の番よ、雷帝。」

そう言って入口の方を見ると、そこにはフィーナの姿があった

「風濫、ほんの少しだけ、間に合わなかったのね。」

「さぁ、貴女も同じ目に合いなさい、雷帝!」

そう言うとフリージングセメタリ―を放つシグレス

「ファイアーウォール!!!」

突如声がしたと思うとフィーナの前に炎の壁が出来、フリージングシメタリーを防ぐ

 

「誰?」

シグレスの声に口を開くフィーナ

「ナイスタイミング。ありがとうね、フェルミナ。いえ、朱悠秋華。」

その言葉の後フィーナの前に降り立つフェルミナ

それと同時に氷漬けから復活する風濫

「ケホッケホッ。…フィーナさんにフェルミナさん。」

「フェルミナ!風濫!初っ端から全開で行くよ!!!大丈夫、彼女は助けるから。」

そう言うと同時に魔力を解放するフィーナとフェルミナ

それに続くように風濫も魔力を解放する

「へぇ、面白い。さぁ、来なさい。」

シグレスの言葉に口を開くフィーナ

「フェルミナは右、風濫は左から、同時攻撃よ。良い?」

フィーナの言葉に頷く2人

「行くよ!!!」

そう言うと同時に駆け出す3人

それぞれ左から風濫・フィーナ・フェルミナと同時に攻撃を仕掛ける

「アークフェルイド(8本の光の剣)」

「トロン!!!」

「炎龍招来撃!!!」

3人の攻撃に微動だにしないシグレス

「甘い。アークドライヴ!!!」

そう言うと弾かれ、壁に叩きつけられる3人

「い、一撃で?」

あまりの事に呆然とする3人

「思い知ったかしら?私の力を。」

「くっ!こんな所で。」

「諦めなさい。己の力の無さを。」

そう言うとフェルミナの顔を掴むシグレス

「フェルミナ!!!」

フェルミナの名前を叫ぶフィーナ

「眠れ。永久の刻を朽ちる事無く。」

そう言うと一瞬にして石像と化すフェルミナ

「フェルミナ!!!…シグレ―ス!!!」

そう言って両手にイカヅチを溜めてシグレスに突っ込むフィーナ

「馬鹿ね。」

そう言うと右手に炎の鳥を作るシグレス

「食らいなさい。カイザーフェニックス!!!」

「なっ!」

シグレスのカイザーフェニックスをマトモに喰らうフィーナ

「フィーナさん!!!」

たまらず叫ぶ風濫

そして炎が消えぬ内にフィーナを掴むとそのまま壁にフィーナの身体を突き当てる

「壁を彩るオブジェにでもなってもらおうかしら?」

そう言うと壁が蠢きフィーナの身体を掴む

「なっ!何これ!」

そのままフィーナの身体全体を包んで行く

そして壁を彩るオブジェと化すフィーナ

その光景に絶望感を漂わせる風濫

「さて、次は貴女よ。」

そう言うと風濫に向って歩いて来るシグレス

既に抵抗する気力を失った風濫に迫るシグレス

「…これで終わりね。」

そう言って風濫に向い手を伸ばすシグレス

その直後

強い光に弾かれるシグレス

「なっ!なんだこの光は?」

その光に気付き顔を上げる風濫

「…銀十字?」

そう呟く風濫

そしてそのまま銀十字を手に取る

その瞬間力が流れ込んでくる

「…そうか、負けられないんだ。私達は。…来たれ!」

そう言って直後そこには銀色の魔術師用の鎧に身を包んだ風濫の姿があった

「貴女を倒し、友達を取り戻させて貰うわ。」

「面白い。出来るのならやってみなさい!」

「やってみせるわ。ライトニングランサー!!!」

そう言うといきなり光の槍を放つ風濫

それを避けるシグレス

「奇襲なんて中々ね。けど。飛べ、アイスニードル!!!」

そう言って凍りの針を放つシグレス

「居ない?」

放った先に風濫の姿は見られなかった

「ライトニングハンマー!!!」

その声と同時に左の脇腹に痛みが走るシグレス

「ガハッ!!!」

そのまま倒れ込むシグレス

「くっ!」

そう言うと立ち上がるシグレス

(馬鹿な?たかが人間がこの私をここまで追い詰める等あってたまるものか!!!)」

そう言うと魔力を溜めるシグレス

「全て消し飛べ!!!アークネスドライヴ!!!」

「マジックアウト!!!」

シグレスの言葉の直後に聞こえる女の声

「なっ!誰だ?」

「聖神クリスよ、シグレス。」

その姿を見て驚くシグレス

「風濫!今よ!」

クリスの言葉に銀の槍を形成する風濫

「闇を貫け!!!シルバードストライク!!!」

そう言うとシグレスの身体を銀槍が貫く

「さばらシグレス。そして、お帰り、青葉。」

そう言って槍を引き抜くとそのまま青葉の身体を受け止める

それと同時に元に戻る校舎やフィーナ達

「片付いたみたいね、風濫。」

「唯さん。…はい。」

「対した犠牲も無く、事が済んで良かったわ。」

「…そうですね。」

「う、う〜ん。」

「青葉!大丈夫?青葉。」

「…風、濫?」

「うん。そうだよ。」

「…長い、長い悪夢を見ていたわ。自分の意識はあるのに、自分の意志で動かない

体。

そして、次々と人を“物”に変えていく夢。」

不安になる青葉を抱く風濫

「風濫?」

「それは、夢でしか無いの。現実ではない。夢なのよ。」

「…風濫。」

そう言うと青葉も抱き返す

 

 

 

こうして、羽咲女子に起きた奇怪な事件は表に出る事無く、終わりを迎えました

この事件を覚えているのは、私と雪に青葉。それに唯さん達だけ

事件の全貌は、闇の中へと葬られた

 

数日後

 

寮の休憩室

 

そこには風濫と唯の姿があった

「何の用ですか唯さん。こんな夜遅くに呼び出して。」

「随分と早い話になるけど、卒業後の進路についてよ。」

唯の言葉に疑問に思う風濫

「貴女だけじゃない、雪と、青葉もね。」

「…それで、内容はどんな内容なんですか?唯さん。」

「そぅそぅ。貴女達次第では、卒業後私の所へ来ないかしら?」

「…それってつまり、SKに入る、と言う事ですか?」

「感が良いわね。その通りよ。ただ、強制はしないわ。それに考える時間は充分にあ

る。

自分自身で、決めなさい。決まったら、言って。それだけ。おやすみなさい。」

そう言うと休憩室から去って行く唯

「SK、か。」

そう呟くと部屋へ戻る風濫

 

4年後

 

羽咲市

 

「ここが例の現場ね。雪と青葉はフェルミナと一緒に裏から。

風濫は私とフィーナと一緒に正面から行くよ。」

唯の言葉に頷くと言われた通りに分かれる6人

 

「いらっしゃいませ水月様。後ろのお2人は?」

「連れよ。」

「解りました。どうぞ中へ。」

その言葉の後中へ入ってく3人

そしてそのまま会場へと出る

「うわ〜、凄い。」

「風濫、こっちよ。」

「あっ、はい。」

そう言うと唯に付いて行く風濫

そして席に座ってしばらく経つと司会者らしき男が出て来た

その男が説明すると、何処からか捕らえられてきて若い女性の巨大な競売が始まる

「それでは本日の1番目。都内で捕まえてきた秋沢礼奈で〜す。」

そう言うと袖から1人の女性が出て…こない

「あれ?どうしたのかな〜?」

「全員そのまま動かないで!!!羽咲市警よ。人身売買の罪で逮捕するわよ。」

唯の言葉に逃げ出そうとする人達

その直後1つしかない入口から気の弾が放たれる

「そぅそぅ。逃げ出す事なんて不可能だから。」

そう優しく微笑む唯

 

「毎度毎度済まないな、唯。」

「良いのよ仁科ちゃん。こうして連携が取れてるから、

こう言うのが阻止出来るんじゃない。」

「…まぁな。」

「仁科さん、全員保護しました。」

「うっし、んじゃ署に帰るぞ!んじゃな、唯。」

「えぇ。それと、身寄りの無い娘居たら教えてね。」

「解ってる。」

そう言うとパトカーに乗り込みその場から去ってく仁科

「唯さん。」

「何?風濫。」

「いつも、こんな事してるんですか?」

風濫の言葉に考える唯

「私達が銃刀法違反で検挙されない為よ。」

そう言って横を通り過ぎるフィーナ

「フィーナ!…まったく〜。まっ、私達じゃないと解決出来ない事件もあるからよ。

そう言って風濫の頭に手を乗せる唯

「唯姉、駅前で酔っ払いが暴れてるって。」

「…しょうが無いわね〜。行くわよ、風濫。」

「はい。」

 

終わり

 

あとがき

 

風「間宮風濫で〜す♪」

雪「氷那雪です。」

青「睦月青葉です。」

風「まじかる☆ふらりん追憶の螺旋、どうでしたでしょうか?」

雪「色々と大変な事もありました。」

青「私が一番大変だったのかな?」

風「でしょ?」

ア「そうに決まってます。」

フ「アリシア!何でここに来てるの?」

ア「良いじゃないの!シグレス様〜。こんな事やるより世界征服しましょうよ〜。」

青「私は睦月青葉〜〜〜。」

風「まぁ、こんなんなってますが、これにてまじふらシリーズの完結です。」

雪「また読み切りやらアナザーストーリーで会えれば良いと思います。」

風「それでは、お伝えしたのは間宮風濫と。」

雪「氷那雪と。」

青「睦月青葉と。」

ア「アリシアと。」

フ「フィーリアでした。」

+雪+青+ア+フ「それでは、ばいば〜い。」

 

風「まじふらシリーズは、

シルバーファクトリーと、レインソフトの提供でお送りしました。」

 

 

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