まじかる☆ふらりん 〜運命の邂逅〜

ACT7「散り際の華」

 

 

15号八つ山橋近辺

 

無数の警官隊を相手にするイシュタルとフィーナ

背中を合わせる二人

「さて、どうしましょうか?」

「どうにかなれば良いですけどね。」

「フィーナ、弾は?」

「討ちつくしました。後は、自らの魔力のみですよ。お母様。」

「そぅ。」

そう言うと考えるイシュタル

ふと一つの考えが頭に思う浮かぶ

「…フィーナ、私と共に死ぬ覚悟は有る?」

「…魔力の、オーバードライヴですか?お母様。」

「…えぇ。」

フィーナの言葉に頷くイシュタル

「…正直、怖いですね。それに託したとは言え、風濫達が気になります。」

フィーナがそう言うとその場にメデューとロプトが現れる

「メデュー、それにロプトも。どうして?」

フィーナの疑問にメデューが口を開く

「ロプトと2人っきりで話していたの。」

「それで、私がイシュタルと共にする事にしたの。」

ロプトの言葉に驚くイシュタルとフィーナ

「ならメデュー、貴女は?」

イシュタルが問い掛ける

「私はフィーナをこの場から逃すわ。私自身も、彼女達の事、気になるし。」

「メデュー。」

「生きましょう、フィーナ。」

「…お母様。」

そう呟くとイシュタルの方を見る

「…生まれ変わっても、貴女の母で有りたいわ、フィーナ。」

「お母様。」

「生きなさい。雷神の血を引く我が娘よ。」

イシュタルがそう言うとメデューと共にその場から消えるフィーナ

「…。」

しばらくその場を眺めるイシュタル

「…行こう、イシュタル。」

いつの間にかユリウスとして具現化しているロプト

「…はい。私の大切な旦那様。」

そう言うと一気に魔力を解放するイシュタルとユリウス

―――じゃあね、フィーナ

 

ルイ達やクリスにフィーリア、それに青葉からもその光景は見えた

品川付近に立ち上がる巨大な光の柱を

 

4号調布IC近くのビルの屋上

 

「…あの光の柱は、一体。」

呆然とする青葉

その横で泣き崩れるセリス

「セリスさん?」

「イリア、最後は、雷神として、最愛の人と共だったのね。」

「…セリスさん。」

 

東京駅近辺

 

一台の軽トラックがそこに止まる

軽トラックから降りるルイ・羽純・フェルミナ

「ルイ。」

ふとルイを呼ぶ声

そこに居たのは…

「唯様。」

怪我を負った唯だった

「唯、大丈夫?」

羽純が寄り添う

「まぁ、何とかね。正直ここ迄力をつけてるとは思わなかったよ。」

そう言うと皇居の方を見る唯

「さてと、これからどうする?私を含め全員に色々な選択肢が有るわよ。」

そう言うと全員を見る唯

「まっ、時間は有るから、良く考えといて。」

そう言うと空を見上げる唯

 

とあるビルの屋上

 

そこにはフィーリアと縮小したダークネスヴァルキリーが有った

「行きなさい。いつか必ず、風濫の役に立つ時が来るから。」

そう言うとそこから消えるダークネスヴァルキリー

それと同時に機動隊が屋上になだれ込んで来る

「…早いわね。それに下も上も包囲されてるし。」

そう言うと左手を差し出すフィーリア

するとヒビが入り肩迄崩れていくフィーリアの左手

「…限界みたいね。」

そう言いながらも全身にヒビが入る

「…今度生まれ変わる時は、人間になれれば良いかしら?」

そう言うと空を見上げる

「…じゃあね、風濫。」

そう言うと残り少ない魔力を全解放するフィーリア

その直後、光に包まれる

 

東京駅近く

 

ふと何かを感じる唯

そして涙を流す

「唯、どうしたの?」

羽純が声を掛ける

「フィーリアが、散ったわ。自らね。それに、さっきイシュタルも。」

そう言うと涙を拭き顔を上げる

「ルイ、私は名前を変え風濫達を見守るわ。貴女はどうする?」

「…私は、唯様に付いて行きます。唯様の侍従だからじゃない。1個人としてです。」

「…ありがとう。羽純とフェルミナは?」

顔をそれぞれに向ける唯

「…私は上へと帰るわ。そろそろエルだけじゃ辛いと思うし、唯も帰らないから。」

「…ゴメンね、羽純。」

「良いのよ。それより、フェルミナはどうするの?」

羽純に話を振られ考えるフェルミナ

「私は最後迄抵抗してみるわ。魔界には娘も居るし、リースにも全て託してあるか

ら。」

「そぅ。…ルイ、アインス達は?」

「光の柱が見えたら各自散開して静かに暮らしなさいと言って有ります。」

「…そぅ。それじゃ、また会いましょう。」

唯の言葉に頷く全員

先ず羽純が消え、唯とルイもその場から消える

一人その場に残されるフェルミナ

「居たぞ―――!!!」

警官隊の声に気付き振り返るフェルミナ

―――娘を、頼んだわよ、リース

 

調布IC近くのビルの屋上

 

ふと何かを感じ取った青葉

「…フェルミナさん。」

そう言うと泣き崩れる

「青葉。」

まだ涙を流しながら呟くセリス

「姉さん、仁科さんがそろそろ行くって。」

「…イリス。解ったわ。青葉、行こう。」

セリスの言葉にただ頷く青葉

 

続く

 

次回予告

全てが終わった

生き残った者はそれぞれ散っていって

そして風濫達は長野へと来ていた

次回Last ACT「始まりへと」

 

 

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