まじかる☆ふらりん 〜運命の邂逅〜

ACT1「始まりの邂逅」

 

 

咲乃宮市内のとある高校

 

その美術室

 

「其処までですよ。内田先生。」

女生徒の石膏像が並ぶ美術室で美術教師に向けて言葉を放つ風濫

「…間宮か。一体何の事だね?」

「とぼけないで下さい。解っているんですよ。

貴女がここ最近の女生徒連続失踪事件の犯人だと。」

「何かと思えば、証拠は有るのかね?証拠は?」

内田の言葉に黙り込む風濫

「ほうら。今の警察は証拠が無ければ動かないのだよ。解ったらおとなしく去りたま

え。」

そう言うと後ろを振り向く

「私は忙しいのだよ。」

「それは、彼女を石膏像にする事ですか?」

ふと別の声が聞こえ振り返る内田

そこには雪とフィーナの姿があった

「なっ!氷那君は確かにあそこに。」

「大丈夫だった?雪。」

「うん。必ず来てくれるって信じてたから。」

「流石解ってるじゃない。それにしても、私の仲間に手を出した事。後悔しますよ。

そう言うと内田に歩み寄る風濫・雪・フィーナ

「なっ、お、お前達は一体何者なんだ?」

「羽咲市警特殊機動部隊。通称Saint Knightよ。聞いた事ぐらい有る筈です。」

「ま、まさかお前達が!」

「正解。」

「ならば、このまま易々と捕まってたまるかぁ!」

そう言うと窓から飛び降りる内田

「しまった!」

咄嗟に叫ぶ雪

「大丈夫。」

雪に一言だけ言う風濫

その下では青葉が待ち構えていた

「どけぇ――――!!!」

内田が青葉に向かって叫ぶ

「光よ。闇を貫き浄化する槍と成れ。」

そう言うと地面に手をつける風濫

「ライトニングランサー!!!」

そう言うと地面から光の槍が飛び出し内田を貫く

そのまま地面に倒れこむ内田

「青葉〜。」

美術室から風濫が声を掛ける

「風濫。ミッション完了。」

「了解。こっちも事が済んだら下るね。」

 

翌日

 

校長室

 

そこには校長とフィーナの姿があった

「それで、事件の方は?」

「解決しました。被害にあわれた女子生徒の方も記憶操作をして家に戻しておきまし

た。」

「そうか。ありがとう。それと、本当に報酬は要らないのかね?」

「えぇ。警察では解決出来ない事件を解決するのが私達の役目ですから。」

そう言うと校長室から出て行くフィーナ

 

咲乃宮駅

 

駅に歩いて来るフィーナ

「フィーナさん。」

そこには風濫・雪・青葉にエレイシアの姿があった

「フィーナ、ゴメンね。わざわざ読んじゃって。」

「良いんです。これもシスターナイトとしての一環ですから。」

「…そぅ。イリアと唯にはよろしく言っておいて。」

「はい。それでは。」

そう言うと風濫達と共に駅に入り電車の乗り込み咲乃宮を後にする

 

車内

 

「風濫・雪・青葉。」

「何ですか?フィーナさん。」

フィーナの言葉に答える風濫

「報告は私がしとくから、貴女達は先に学生寮へ戻っていなさい。」

「はい。」

風濫が答えるとそれに続くように頷く雪と青葉

 

羽咲駅

 

「それじゃ後で。」

「それじゃ。」

そう言うと風濫達と別れ一人羽咲市警へ足を向けるフィーナ

 

その途中で羽純と遠野に出会ったフィーナ

そのまま中央公園へと足を向けた

 

羽咲中央公園

 

「コーヒーですけど、良いですか?」

「えぇ。ありがとう。」

遠野から缶コーヒーを受け取るフィーナ

「何か、用ですか?まぁ用があるから待っていたんでしょうけど。」

「…中央から、一つの用紙が送られてきたわ。」

「用紙が?」

「えぇ。そしてその用紙に書かれていたのは。SK及びそれに関する者全ての殺害。

及び関する建物の破壊。…私の、言ってる事、解るわよね?」

「羽純、それって。」

「反乱の芽は、早いうちに摘んどけって、事です。」

遠野が横から口を挟む

「仁科が何とか抵抗をしているけど、それも時間の問題。

中央は先ず最初に羽咲女子を攻めると言ってたわ。これからどうするかは、貴女次第

よ。」

「唯姉は、唯姉は知ってるんですか?」

「えぇ。屋敷にルイ・アインス・フィーア・フェルミナを残して羽咲女子へ向かった

わ。」

「…解りました。」

「フィーナ!戦えるの?相手は上からの命令にただ従うだけの兵よ。」

「…状況はいつも最悪。けどそれが当たり前。唯姉の言葉よ。シルメリア!」

そう言うと神装具を纏いそこから飛び出すフィーナ

「全く。遠野、ついて来て。」

 

羽咲女子学生寮ロビー

 

いつも通りテレビを眺める生徒達

そこに映し出されたのは、政府が決定した、警察・自衛隊による

羽咲侵攻だった

 

パニックに陥る生徒達

「落ち着きなさい!!!」

そんな生徒達を静めたのは、風濫の一言だった

「皆で校舎へ行きましょう。その方が対応しやすい。

特殊学部の人は他の一般学部の人を守るように配置!」

あれこれと指示を飛ばす風濫

「青葉!先頭をお願い。雪は後ろを。私は中間に入るわ。移動を始めるわよ。」

風濫の言葉に移動を始める寮生達

 

何事も無く校舎への移動を終える寮生達

4階の特別教室で対策を練る風濫・雪・青葉

そんな中重苦しい音が聞こえる

「風濫。校門の所!」

雪の言葉に校門を見る風濫

「…来たわね。さ〜て、どうしようかしら?」

そう言いながら窓から離れる風濫

「まともに戦えるのって、私達3人ぐらい。どうみたって勝てるわけ無い。」

弱気な発言をする青葉

「青葉。…雪・青葉、ここをお願い。」

「風濫、何をする気なの?」

「私一人で、何とかしてみる。」

そう言うと特別教室を出て行く風濫

「…雪、どうしよう?」

「と、とにかく武器よ。この学校は私達の方が詳しい。

だったらトラップを仕掛けてやろうじゃないの。」

「…そうね。」

 

校庭

 

一人神装具を纏い校庭に姿を現す風濫

「一つ聞きたい!私達の学校に何しに来た!」

風濫の言葉に指揮官らしき男が拡声器を手に取り口を開く

「決まっている!SKに関わる者全てを、壊しに来た!」

その言葉に若干同様する風濫

「だ、誰の命令でこんな事をしに来た!」

「政府だ!この国の最高機関からの命令だ!

まもなく全国から警察と自衛隊が集まって来る!無駄な抵抗は寄せ!」

その言葉に考える風濫

「無駄な抵抗は止めておとなしく投降しろ。」

「…嫌だと言ったらどうする!」

「射殺許可は出ているんだ!解っているよな!」

射殺許可

その言葉を聞き必死に考える風濫

(考えろ。こんなとき唯さん。いや、フィーリアさんならどうするかを!)」

その直後警官隊の中央から黒龍が飛び出る

「黒龍。フィーリアさん?」

そう呟いた瞬間

一つの人影が風濫の横に降りる

「残念。フィーリアじゃないわよ。」

「唯さん?」

「この姿の時は、フェイトよ。」

そう言うと立ち上がり警官隊の方を向くフェイト

「1時間だけ時間を頂戴。1時間経ったらまた姿を現すわ。風濫、案内して。」

そう言うと頷き校舎の中へ入っていく風濫とフェイト

 

昇降口では青葉が風濫を待っていた

「青葉。」

「とりあえず、なんとかしたけど、次はどうするの?」

「とりあえず私を皆が集まってる所へ連れて行って頂戴。」

兜を取ってから口を開くフェイト

「ゆ、唯さん。」

「青葉。」

「あっ、はい。」

 

4階特別教室

 

「風濫。青葉。」

「雪。ゴメンね。心配かけて。」

「寮生は、これで全員?」

いつの間にか黒装を解いていた唯が口を開く

「えぇ。全員です。フィーナさんを除いて。」

風濫が応える

「そぅ。ありがとう。」

寮生からはざわつきの声が聞こえる

「はいはい静かにする。これから私が言う事は全て真実よ。驚かずに聞いて頂戴。

そして、これが私からの最後の授業になるから。」

唯の言葉に静まり返り聞く体制を整える寮生達

「先ず始めに。これは政府が決定した事なんだけど、私達SKと、

SKに関する者全ての殺害及び破壊が、全警察及び自衛隊に指示されてるわ。」

唯の言葉にざわつく寮生

「静かに。私だってはいそうですかと聞く訳にはいかないわ。だから戦う。

そこで貴女達は記憶を消し、能力を封印し、家族の下へ帰って貰うわ。」

またざわつく寮生達

「落ち着いて。これが、貴女達を守る為の、最良の決断なの。お願い。解って。」

少し涙声に唯の言葉に納得の声が飛ぶ寮生達

「…それじゃ、最後の授業を始めるわ。」

そう言うと寮生達の元に歩み寄る唯

「ここで学んだ魔法等で一番大事なのは使えると認識する事。そう教えましたね。」

唯の言葉に頷く寮生達

「けど、一番大事なのは、その使用者の気持ちです。

使う人の気持ちが良き心であれば良き為に。

悪しき心であれば悪しき為になるのです。

だからこそ、私はいつも私利私欲ではなく、

人を助ける為に使いなさいと教えているのです。

だからもし、もし、今なんでも良いから力を振るう時が来たら、考えてみて。お願

い。」

「はい。水月先生。」

寮生達から良い返事が返ってくる

「良い返事ね。それじゃ、一人ずつ私の所へ来て。」

唯がそう言うと寮生達は列を作った

そして一人ずつ記憶を消し、家族の下へ返していった

「さて、風濫達も。」

「今更何言ってるんですか?」

「ここまで来たら手付き合いますよ。」

「私達もSKなんですから。」

唯の言葉を遮るかのように口を開く風濫・雪・青葉の3人

「…確かにね。」

唯がそう言った直後、転移魔方陣が現れ、そこからフィーナが現れる

「唯姉。」

「フィーナ。ナイスタイミングね。」

「へっ?」

唯の言葉に疑問に思うフィーナ

「フィーナ。外の部隊、全員不殺で行ける?」

「…結構居ますね。けどまぁなんとか行けるかも。」

「それじゃ私と共に突破しましょう。風濫・雪・青葉はイリアの所へ行って。」

「はい。」

唯の言葉に返事をする風濫

「唯さん。フィーナさん。」

ふと口を開く風濫

「何?風濫。」

「2人共、死なないで下さいね。待ってますから。」

「えぇ。行くわよ、フィーナ。」

「はい。」

そう言うと神装具を纏い窓を開け外に飛び出る唯とフィーナ

そのまま落下し地面に着くと同時に神装を解くと

包囲している部隊へ突っ込んで行った

「さてと、雪・青葉、飛べる?」

「私はOK。雪は?」

「…。」

青葉の言葉に黙り込む雪

「しょうがないな〜。アーリィ。」

風濫がそう言うと漆黒の鎧を纏った女性が出て来る

「何でしょうか?マスター。」

「エルミナド迄雪に纏っててくれる?」

「はい。」

そう言うと雪を包み込むアーリィ

そして漆黒の神装具を纏う雪

「これで飛べるわ。行きましょう。」

そう言うと杖を取り出しそのまま窓の外へ飛び出す風濫

それに続く雪と青葉

(死なないで下さい。唯さん。フィーナさん。)」

唯とフィーナを心配しながら、エルミナドへと飛んでいく風濫達

 

校庭

 

降り立った後部隊へ向けて突っ込む唯とフィーナ

「再度確認するけど、不殺よ。フィーナ。」

「はい。解ってます。」

「それなら良いわ。行くわよ。」

「はい。」

そう言うと同時にジャンプし、部隊の中央へ降り立つ2人

その直後武器だけを切り裂く唯と

同じく武器だけを銃で弾くフィーナ

「さぁ、宴の始まりよ。」

 

続く

 

羽咲を舞台に勃発したSK対警察・自衛隊の連合部隊との戦い

不殺を貫くSK

彼女達は勝てるのか?

そして水月邸にも、その手は伸びていた

次回ACT2「羽咲市攻防戦1〜水月邸〜」

己を、信じろ

 

 

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