まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
最終楽章「エピローグ〜それぞれの歩む道〜」

 

 

羽咲聖杯戦争終結から5日後

 

唯はルイとセイバーを連れ、永田町は首相官邸に来ていた

 

「大した出迎えが出来なくて済まないな。」

「いえ、お気になさらずに。突然来たのはこちらの方ですから。」

「…そうだな。掛けたまえ。お連れの方の分も椅子は有る。」

総理の言葉に椅子に座る唯とルイとセイバー

「さて、今日来てくれた用件は、一体何かね?」

「とぼけなくても良いですよ。世界各国から非難されているのでしょう。私たちSK

の事を。」

唯の言葉に見破られたという仕草を取る総理

「解っていたか。」

「はい。2年前の事も有りますから。」

「そうか。」

そう言うとお茶を飲む総理

「総理、具体的に私達への要求はどのような内容なのですか?」

「ふむ。具体的には防衛庁及び警察庁の管理下に入り、出動する際はこの二つの庁と

私の許可が居る。

それと在日米軍への技術提供。以上の条件だ。」

「成る程。解りました。ですが、私達に米軍へ提供出来るだけの技術は有りませ

ん。」

「それに関しては君達が扱う力の事を指している。」

総理の言葉に驚くルイ

「ルイ、抑えなさい。」

唯の言葉に気持ちを落ち着かせるルイ

「水月君、返答はどうかね?」

「総理、回答期限はおありですか?」

「…一週間だ。」

「そうですか。」

総理の言葉を受け、そう言うと立ち上がる唯

「総理、こちらの窓は開きますか?」

「ん?あぁ、開くが何か。」

「開けさせてもらいます。」

そう言うと窓を開ける唯

その直後唯の目の前に移動し、剣を振るうセイバー

その直後金属音の後に部屋の中に銃弾が転がる

「この部屋は盗聴され、狙われている。つまりは返事は今しろと言う事ですよね、総

理。」

そう言うと総理を見る唯

「…見抜かれていたか。」

「えぇ。」

唯の言葉にお茶を飲むと口を開く総理

「正解だ。盗聴はされている。それにスナイパーが常に狙っている。」

「米軍、ですね。」

「その通りだ。アメリカの大統領が直ぐに返事を欲しがっている。」

「直ぐに返答しなければ?」

唯の言葉に黙り込む総理

その直後何かに気付き口を開くセイバー

「マスター、ドアの外、それに窓の外に多数の気配を感じます。」

「成る程ね。ルイ・セイバー、そこに居なさい。」

そう言うと窓から外に出る唯

「…10人ちょいか。COME ON。」

そう言うと草むらに銃を持ち突っ込む唯

その様子を中で見守る総理・ルイ・セイバー

外からは銃声が鳴り響く

それと同時にドアが開かれ米兵が突入してくる

「セイバー!攻撃手段だけ奪って!殺したりするのは唯様が望まないから!」

そう言うと両手に銃を持ち的確に米兵の手の甲を撃つルイ

一方セイバーも米兵の持つ銃のみを切り伏せていく

ドアから突入して来た米兵の攻撃手段を全て奪うと同時に外から唯が戻ってくる

「流石ね、二人とも。」

「はい。」

唯の言葉に返事をするセイバーと頷くルイ

それを見ると米兵達に向かって口を開く

[帰ったら大統領にでも伝えておきなさい。私達はいつでも貴方達を倒せると。]

そう英語で言い放つ唯

唯の言葉の後撤退していく米兵

「水月君、良いのかねあんな事して。」

「えぇ。こちらも色々とする事がありますから。ルイ、羽咲に帰ってフィーナ達に例

の事を。」

「はい。解りました。唯様は?」

「私はセイバーと一緒にもう少しこちらに居るわ。」

「解りました。それでは失礼します。」

そう言うと部屋から出て行くルイ

「さってと、総理。アメリカに対し1週間の猶予を要求しといて下さい。断れば在日

の基地を襲撃すると。」

唯の言葉に驚く総理

「それでは一週間後の昼ぐらいにまた来ます。セイバー、行くわよ。」

そう言うとセイバーと共に去っていく唯

 

首相官邸前

 

官邸から出てきて口を開くセイバー

「マスター、あれで良かったのですか?」

「さぁ?どうでしょう?さ〜て、思いっきり東京観光するわよ〜。」

そう言って首相官邸を後にする唯とセイバー

 

翌日

 

羽咲市警第3会議室

 

そこにはSKの面々が集まっていた

そこでルイから唯に言われた事を話していた

「…事のつまり国家に屈すると言う形になるの?」

「えぇ。唯様はそう言ってました。ですが、こちらの要望は一通り通るだろうと言う

事も言っておりました。」

ルイの言葉に考えるフィーナ

「…唯姉も何考えてるんだろう。ルイ、それよりもこの中から誰が行くの?そのメン

バーは聞いてる?」

「はい。聞いておりますので今から発表しますね。」

そう言うとメンバーを発表するルイ

選ばれたのはフィーナ・羽純の2人

「間宮さん達に関しては羽咲に出来る育成機関アカデミーの方で活躍してほしいとの

事です。」

「…解りました。」

 

休憩室

 

ソファーに寄りかかりくつろぐルイ

「お疲れ様。」

そう言って声を掛けたのは

「フィーリアさん。何の用ですか?」

「風濫達について。唯の判断は良いと思う。私達が巻き込んだだけだからね。

それでもSKに居させてあげたい。…唯なりの優しさでしょうね。」

そう言うとコップの中身を飲み干すフィーリア

「ルイ、貴女も唯と一緒に行くんでしょ?」

「えぇ。私は唯様にお仕えする者ですから。」

「そう。それじゃ唯によろしく言っておいて。」

「はい。」

ルイの返事を聞くと休憩所から去っていくフィーリア

 

その日の夜

 

羽咲中央駅

 

駅に来ていた風濫

ふと目の前に知った顔の女性が立っていた

「…フィーリアさん、何の用ですか?」

「行く気なの?唯の所へ。」

「…はい。確かめたいんです。何故私を外したのか。」

風濫の言葉に一息つけると口を開くフィーリア

「風濫。貴女は魔族になったとは言え元々は私達と無関係だった。

それでもSKに関わりたい貴女の為に、唯はアカデミーを任せる事にしたのよ。」

「それでも、それでも私は!」

風濫の言葉に風濫を抱きしめるフィーリア

「フィーリア、さん?」

「風濫、貴女が前線に身を投じたい気持ちは解るわ。けど、貴女には親友がいるじゃ

ない。

大事な、大事な親友が。その親友を、置いて、悲しませるつもりなの?」

「あっ!」

風濫の言葉に風濫から離れるフィーリア

「気付いたみたいね。大丈夫、私も残るから。ねっ、風濫。」

「…すみません、フィーリアさん。」

 

5日後

 

羽咲中央駅

 

そこにはルイ・フィーナ・羽純、それと風濫・雪・青葉・フィーリアに仁科の姿が

有った

 

「それじゃ、行ってきます。」

「必ず、生きて帰って来て下さい。」

「えぇ。」

風濫の言葉に答えるルイ

「青葉。」

ふと青葉を呼ぶフィーナ

「はい。何ですか?フィーナさん。」

「これ、貴女に上げるわ。」

そう言って銀十字を差し出すフィーナ

「フィーナさん!けど、良いんですか?」

「えぇ。古より作られし銀十字を。現主フィーナの名において睦月青葉に祖の力継承

せん。」

そう言うと光輝く銀十時

「青葉、今日から貴女がレイピアよ。そして、自分自身が認めた人に、銀十時を渡し

てあげて。」

「はい、フィーナさん。」

フィーナと青葉のやり取りの中、羽純と仁科も話をしていた

「ごめんなさいね。行くはめになっちゃって。」

「構わん。唯が選んだ事だ。それにこっちは俺が居るし遠野も居る。

なにより今の所長が誰よりもSKの事を解っている。安心して行ってこい。」

「解った。お願いね。」

「あぁ。」

それぞれが別れを済ますと口を開くルイ

「それでは、後の事をお願い致します。」

そう言うと駅のホームに消えていくルイ達

そしてルイ達を乗せた電車が発車して行く

「行ったな。」

「えぇ。」

「これから忙しくなるわよ。」

「そうですね。」

「なら、行こうか?俺達は俺達で出来る事をしに。」

仁科の言葉に頷く一同

 

翌日

 

首相官邸

 

そこには総理と各国の代表

それと唯・セイバー・ルイ・フィーナ・羽純の姿が有った

「水月君、返事を聞かせて貰おうか。」

「はい。私達の返事は……。」

 

 

 

 

 

エピローグ2

 

 

 

羽咲聖杯戦争から2年

 

羽咲市は国の許可を得て新たなSKを育てる育成機関アカデミーを設立

入学者が後を絶たない状態が続く

 

一方で警察も私達SKに協力的になった

国家権力のお陰でしょうか?

 

それと、唯さん達についてですが。

現在は内戦が頻発している地域に居り、紛争沈下の為頑張っているそうです

 

羽咲に残った私達も日々精進しています

もっとも、アカデミーで講師をしながらですけど。

 

そぅそぅ、仁科と神月さんがめでたくゴールインしたみたいです

幸せそうだと聞きました

 

そうそう、雪と青葉に関して

雪はアカデミーで講師、青葉は現在のSKのリーダーを務めているそうです

たまに連絡が来ます

所で私、間宮風濫はどうしたのかって?

そうね、今はサーヴァントのライダー、それにフィーリアさんと一緒に魔界に来てい

ます

Skで有り魔獣王のフェルミナさんから力を貸して欲しいと頼まれたからです

それが終われば私はまた人間界に戻り、唯さん達に会うつもりです

 

この2年で成長した私を見てもらう為に

 

「マスター、どうなされました?」

ふとライダーの言葉で我に返る風濫

「ライダー、ううん、何でも無いの。それで、フィーリアさん。中の状況は?」

「兵は皆操られているわ。だから真っ直ぐ玉座を目指しましょう。」

「解りました。そう言う事だからライダーは私が言った場所で兵士の足止めをお願い

ね。」

「解りました。マスター。」

風濫の言葉に答えるライダー

「それじゃ、行きましょうか。」

風濫の言葉に頷くライダーとフィーリア

 

終わり

 

 

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