まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第30楽章「無限の剣製〜Unlimted Brade Works〜」

 

 

「我(オレ)を倒すだと?俗物如きが何を言う。」

「本当だとしたらどうする?始まりの王。」

フィーナの言葉に呆れるギルガメッシュ

「ならばしてみろ。俗物が!」

「えぇ。けどその前に、投影と言う魔術をご存知かしら?」

 

―投影魔術―

一振りの剣

この剣を作る為素材、色、強度等を理解し、実体化させる魔術

しかし魔力の消費量と割りに会わない為物の強度を増す―強化―の魔術が優先される

 

なおこの魔術は儀式等で足りない用具を補う為に用いられる事が多い

 

「フン、そのような魔術を我(オレ)を倒そうなど、片腹痛いわ!」

「ならば見せてあげるわ。投影魔術の集大成を!」

そう言うと目を閉じ集中するフィーナ

「何?この魔力量の底知れぬ増加は。」

今起きている事に呆然とする唯

その近くにはセイバー・セフィリア・青葉・ライダーの姿が有った

 

―――体は剣で出来ている

     血潮は鉄で 心は硝子

 

     幾たびの戦場を越えて不敗

     ただの一度も敗走はなく、

     ただの一度の勝利もなし

 

     担い手はここに独り

     剣の丘で鉄を綴る

 

     ならば、我が生涯に意味は不要ず

 

      この体は、無限の剣で出来ていた―――

 

その詠唱が終わると周囲は炎の壁に遮られ、無数の剣が地面に突き刺さっていた

その光景を見て口を開く唯

「…固有結界。これが、フィーナの、投影魔術の集大成なの。」

側に有った剣を手に取りギルガメッシュに向けると口を開くフィーナ

 

―――行くわよ英雄王

―――武器の貯蔵は十分かしら

 

フィーナの言葉に背後から無数の武器を射出すると同時に、一振りの槍を手にするギ

ルガメッシュ

それに気付き持っていた剣を手放し無数の武器を避けると同時に同じ形の槍を手にす

るフィーナ

「俗物が!」

ギルガメッシュの言葉の後独特の金属音が響く

「俗物を甘く見ないで欲しいわね。」

そう言うと槍を弾くフィーナ

「俗物如きが我(オレ)をなめるなぁ!」

そう言うと独特の形状の剣を手にするギルガメッシュ

「この剣こそ、我が宝具―エア―。俗物め、我(オレ)に逆らった事、後悔させてやる

ぞ。」

「後悔?そんなのしてたら人生楽しく過ごせないわよ。」

そう言うと右手を差し出すフィーナ

その右手には全てが銀で出来た十字架の剣が握られていた

「銀十時の剣、―シルグ・クルスティング―。彼女が持たなかった、我が宝具。」

フィーナの言葉に何か気付く青葉

「貴方から見ればこの銀十字は歴史が浅い。けどその力は神をも討つ。そして貴方も

ね。」

そう言うと中段の構えを取るフィーナ

「ならば我(オレ)を殺してみせよ!」

そう言うとエアに無数の風が集まる

それと同時にシルグ・クルスティングにも光が集まる

「収束せよ、白銀の光よ。」

 

―エヌマ―

 

銀十字の―シグルス―

 

―エリシュ―

 

光破斬―ノヴァ―

 

ギルガメッシュのエアより放たれし無数の風がフィーナを襲う

だがその風はフィーナのシルグ・クルスティングより放たれし白銀の光に拠って拡散

される

「なっ!」

その光景に驚くギルガメッシュ

だがその光も無数の風を拡散しただけに終わった

それを見てもう一度エアを構えるギルガメッシュ

構えた直後、ギルガメッシュの目の前にはフィーナ・セイバー・セフィリアの姿が

有った

「約束された―エクス―」

「白銀の―シルバー―」

同時に宝具の発動に入るセイバーとセフィリア

たまらずエアで防御行動を取るギルガメッシュ

「勝利の剣―カリバー―」

「光破斬―ノヴァ―」

バッテン字二つの宝具がギルガメッシュに命中する

「ぐっ!」

その攻撃に一瞬怯むギルガメッシュ

その一瞬の隙を、フィーナは見逃さなかった

「白銀の―シルバード―」

フィーナが槍を持ち攻撃体制に入っている事に気付き迎撃しようと構えるギルガメッ

シュ

「させない!」

それに気付きギルガメッシュの剣を止めるセイバー

「閃槍撃―ストライク―」

そう言い放つと白銀の光がギルガメッシュを貫く

「なっ!…我(オレ)が、俗物如きにやられるとは。」

そう言うと倒れると同時にその場から消え去るギルガメッシュ

「ふぅ。」

一息を付くフィーナ

「とりあえずこれで残るはセイバーが二人。それとキャスター・ランサー・ライダー

かしら?」

「そうなりますね、唯姉。」

「とりあえずキャスターは風濫の生死を確認しに行って。青葉、貴女も行く?」

唯の言葉に頷く青葉

「決定ね。それじゃ私とフィーナ。それにセイバーとセフィリアは雪を探しに行きま

しょう。

その後羽咲市警前に集まりましょう。」

唯の言葉の後各自散開する

 

羽咲市某所

 

そこには胸を貫かれ剣で壁に固定され、血を流し続ける風濫の姿が有った

「…私も無様な物ね。ライダーはちゃんと命を果たしてくれたかしら。」

そう言うと吐血する風濫

「…魔族と言え、この出血量じゃ死ぬかしら。」

そう言うと空を見上げる風濫

ふとその時風濫に刺さっていた剣が消える

「剣が、消えた。」

「持ち主の英霊が倒されたからよ。」

ふと聞いた事の有る声が聞こえる

「…フィーリアさん。」

「何とか無事みたいね。」

そう言うと風濫の胸の傷に手を当てると傷が治っていく

「フィーリアさん、これは?」

「魔族なりの治療術よ。……よし、直った。」

そう言うと空を見るフィーリア

「風濫、今回の聖杯戦争、終わりが近いわよ。」

「フィーリアさん。はい、解りました。」

「風濫!」

ふと聞き覚えのある声が聞こえる

「青葉。」

「風濫、無事だった?」

「…うん。なんとか。」

「良かった。」

親友の無事に安心する青葉

「…青葉、ライダーは居る?」

風濫の言葉に少し離れると口を開く青葉

「ライダー。」

青葉がそう言うと姿を現すライダー

「私の命を聞いてくれたようね。」

「はい。令呪による命令ですから。」

「そうね。」

風濫の言葉の後に口を開く青葉

「風濫、令呪ってあと何回分残ってる?」

青葉の言葉に左手を見せる風濫

そこには一本だけ色を失った令呪が有った

「まだ残ってるのね。ライダー、令呪において命ずるわ。彼女間宮風濫をマスターと

して認めなさい。」

そう言うと一本色を失う青葉の令呪

「…ライダー、私の手の甲に口付けを。」

そう言うと右手を差し出す風濫

そこに口付けをするライダー

その瞬間風濫の令呪が光る

「契約完了よ。」

「はい。所で一つ聞いてもよろしいでしょうか?」

「ん?何?」

「彼女は誰ですか?マスターと同じ気を感じるのですが。」

そう言うとそこに居たフィーリアを見るライダー

「あっ。えっと彼女は…。」

そこ迄言った風濫の言葉を遮るフィーリア

「始めまして。なのかな?私の名前はフィーリア。ちょっと異質的な気を感じるのは

魔族だから。

貴女も同じようなモンでしょう?」

「…確かに、私と貴女は同じような者ですね。」

「風濫、とりあえず今は羽咲市警へ行きましょう。そこで唯さん達が雪を連れてくる

筈だから。」

「解った。フィーリアさんも一緒にです。」

 

羽咲市警前

 

風濫達が到着するとそこには既に唯・ルイ・フィーナ・雪にセイバー・キャスターと

セフィリアが居た

「どうやら無事だったみたいね。」

「お陰様で。」

 

羽咲市警第1会議室

 

その場には唯・ルイ・フィーナ・風濫・雪・青葉・フィーリア・羽純に

セイバー・キャスター・ライダー・ランサーにセフィリアの姿が有った

 

「それじゃあ残ってるサーヴァントはここに居るだけって事?」

羽純の言葉に頷く唯

「そうなると後は聖杯だけか。」

「羽純、場所の特定は出来ているの?」

唯の言葉に頷く羽純

「だけど、この聖杯は混沌で満ちている聖杯。」

羽純の言葉に驚く一同

「アンリ・マユですね。ランサーのマスター。」

「セイバー正解。とある一族の罪を背負った英霊アンリ・マユ。その彼が聖杯の中に

居て、

その邪悪な願いで満ちている。それが今の聖杯。」

「つまり今の聖杯には願いを叶える力が無いと?」

羽純の言葉に付け足す風濫

「いえ、力は有る。けどその叶え方に問題があるだけ。」

羽純の言葉に疑問に思う風濫

「創造を生まない。そう言う事かしら?」

ふと横から口を出すフィーリア

その言葉に頷く羽純

「そうなると根本を叩かなきゃならないわね。」

「根本?」

フィーリアの言葉に疑問に思う風濫

 

大聖杯―HeavensFeel

 

「その土地の聖杯降臨の大元よ。それが大聖杯。」

「フィーリア。聖杯の在り処は解るけど、大聖杯は解らないわよ。」

フィーリアの言葉に対し口を開く羽純

「大丈夫、それに関しては既に場所を特定出来ているから。」

フィーリアの言葉に驚く一同

「フィーリア、大聖杯の場所は何処なの?」

たまらず口を開く唯

その唯を見つめるフィーリア

「な、何よ。何でそんなに見つめるのよ。」

その様子にたじろぐ唯

そんな唯を見て口を開くフィーリア

「大聖杯の場所。それは旧水月邸地下。解る?あの広大な地下に羽咲の大聖杯が有っ

たのよ。」

フィーリアの言葉に再度驚く一同

「唯、指揮とメンバーの選出は任せたわよ。」

そう言うと会議室から出て行くフィーリア

「…大聖杯の破壊は明日の夜。メンバーは明日の昼迄には決めておくわ。今日はこれ

にて解散。」

唯の言葉にそれぞれ去っていく一同

 

深夜

 

羽咲市警寮屋上

 

そこには風濫とフィーリアの姿が有った

 

「フィーリアさん、話って何ですか?」

「貴女に、話さなければならない事が有るの。」

そう言うと風濫の方を向くフィーリア

「話さなければ、ならない事?」

「そぅ。…大聖杯。それを守る為に、私は再び唯の敵となるわ。風濫、その時貴女が

どうするかは、

決めるのは貴女自身よ。」

そう言うと夜空を見上げるフィーリア

「決めておきなさい、風濫。…アーリィ、今のマスターの力になってあげてね。」

そう言うと屋上から姿を消すフィーリア

「…フィーリアさん。」

「貴女の所にも来ていたみたいね。」

ふと後ろから女性の声が聞こえる

振り返る見てみるとそこに居たのは…

「ランサー。それに私の所にもって、どう言う事?」

「私の所にも一人、サーヴァントが来たのよ。クラス的にはランサー。その真名はリ

ヴァ。

私の地槍ゲイボルグと対を成す天槍グングニルを持つ者。」

そう言うと夜空を見上げるランサー

「…ランサー。いえ、セイナさん。彼女には、何を言われたのですか?」

「…貴女と同じ事よ。けど、私はマスターである羽純の言う事に従うわ。けど、貴女

はどうするの?」

風濫に問いかけるセイナ

「私は…。」

そう言うと考え込む風濫

「良く考えなさい。」

そう言うとその場から消えるセイナ

「…ライダー・アーリィ、居る?」

風濫の言葉に姿を表すライダーとアーリィ

「何が有っても、私を信じていて欲しい。」

「…はい。」

風濫の言葉に頷くライダーとアーリィ

 

翌日

 

正午

 

羽咲市警第1会議室

 

そこには唯・ルイ・フィーナ・風濫・雪・青葉・羽純に

セイバー・ライダー・ランサー・キャスターにセフィリアの姿が有った

 

全員が集まっているのを確認して口を開く唯

「それじゃ、発表するわよ。」

唯の言葉に緊張する一同

「とりあえずマスターは私にフィーナ。サーヴァントはセイバー・ランサーにセフィ

リア。

以上2人のマスターと3体のサーヴァントで大聖杯を討ちに行くわよ。」

唯の言葉に頷く一同

「一旦解散。突入メンバーは羽咲中央公園中央広場に午後9時に集合。それじゃ解

散。」

唯の言葉に散らばる一同

 

休憩所

 

椅子に座り天井を見上げる風濫

その向かいに座る雪と青葉

「…悔しいの?風濫。」

「……別に。」

青葉の問いにそう答える風濫

「本当は、行きたかったんでしょう?」

風濫に再度問いかける青葉

「………青葉、貴女はフィーナさんと戦える?」

「えっ?」

突然の風濫からの質問に戸惑う青葉

「青葉に取って尊敬すべき人であるフィーナさん。私に取ってのフィーリアさんがそ

う。

…私は、フィーリアさんとは戦えない。かと言って唯さん達とも戦えない。」

そう言うと姿勢を整える風濫

「雪・青葉、私はどうすれば良いの?」

悩む風濫の額に自らの額を付ける雪

「…雪?」

「風濫、後悔なんてしちゃいけないよ。魔族になってもね。自分がしたいと思う事を

する。それで良いのよ。」

そう言うと額を離す雪

「風濫、したい事をして。どうせ私達が先に死んじゃうと思うけど、風濫には後悔を

して欲しくない。

…ハハッ、何言ってるんだろう、自分。」

「…ありがとう。雪、青葉。……ライダー!」

風濫がそう言うと姿を現すライダー

「彼女達をお願い。」

「はい。マスター。」

ライダーの返事を聞くと休憩所を出て行く風濫

 

集合30分前

 

羽咲中央公園中央広場

 

そこには漆黒の鎧を纏った風濫の姿が有った

「…来ましたね。」

ふと口を開く風濫

その言葉に姿を表したのは唯・セイバー・セフィリアの3人

「セイバー・セフィリア、手を出さないでね。…それで、何の用かしら?シル

ヴィー。」

「…私も行きます。あの人を倒すのは、私の役目ですから。」

風濫の言葉に何かを感じる唯

「OK。解ったわ。それじゃあ行きましょうか?フィーナとセイナも既に居る事だ

し。」

「…はい。」

 

午後8時40分

 

旧水月邸近く

 

「ここから行けそうね。」

地下に潜れそうな穴を見つけそう言う唯

「それじゃ、行くわよ。目標は大聖杯の破壊及び全員が無事に帰る事。」

唯の言葉に頷く一同

「行くわよ!」

そう言うと地下に潜る穴へと足を踏み入れる唯達

 

続く

 

次回予告

 

羽咲聖杯戦争

その戦いも終わりに差しかかろうとしていた

その途中で大量の敵、そして懐かしい親友に出会う

次回第31楽章「深淵の祭壇へと」

 

 

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