まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第29楽章「固有結界」

 

 

羽咲中央公園

 

戦いの場所を公園に移し壮絶な戦いを繰り広げるシルヴィーとギルガメッシュ

「フン!俗物にしては中々粘るな!」

「俗物には俗物なりの意地があるのよ!」

そう言うとギルガメッシュに対し突っ込むシルヴィー

その突撃を一振りの剣で防御するギルガメッシュ

「相変わらず見た事の有るような剣を出してくるわね!」

シルヴィーの言葉にシルヴィーを弾くギルガメッシュ

「剣以外にもあるぞ。見るか?」

そう言うと槍を持ってくるギルガメッシュ

「その形状は…、クー・フーリンの魔槍ゲイボルグ!」

「正解だ。俗物!」

そう言うとゲイボルグを突き出すギルガメッシュ

その突きを持っていた剣で防御するシルヴィー

「出せるだけ出してきなさい。全て弾いてあげるから。」

 

羽咲市北東部

 

英霊フィーナとフィーナが共に干将・獏耶を持って対峙する二人

「「ハァァァァァァァァァ!!!」」

叫び声を上げ、突撃する二人

剣を合わせると同時に飛び退き着地する二人

「「アウト。」」

そう言うと双方の手から干将・獏耶が消える

「未来とは言え、自分自身を相手にするなんてね。…十字架の剣(クルス・ソード

)!!!」

そう言うとフィーナの右手に十字架を象った剣が現れる

「ほぅ。ならばこちらも見せてあげなければいけませんね。マスター、よろしいで

しょうか?」

青葉に対し許可を取る英霊フィーナ

「えぇ。構わないわ。」

「感謝致します。マスター。」

そう言うと目を閉じ、集中する英霊フィーナ

―――体は剣で出来ている

   血潮は鉄で 心は硝子

   幾度の戦場を越えて不敗

   ただの一度も敗走は無く、

   ただの一度も理解されない

   彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う

 

   故に、生涯に意味は無く

    その体は、きっと剣で出来ていた―――

 

そう言い終わると周りを炎が包み無数の武器が地面に突き刺さっている空間が現れる

 

「何、これ?」

呆然とするフィーナ

そんなフィーナを見て口を開く英霊フィーナ

「どう?これが私の努力の成果。固有結界よ。」

「固有、結界?」

不思議に思うフィーナ

「自身の心の中を現実世界に具現化させる魔術。それが固有結界。さぁ、来なさい。

過去の私よ!」

そう言うと近くに有る剣を取る英霊フィーナ

「…上等!」

そう叫ぶと英霊フィーナに対し突っ込むフィーナ

 

再び中央公園

 

ゲイボルグと黒き剣で対峙する二人

その時ふと魔力を感じる二人

「何?今の?」

疑問に感じるシルヴィー

「…フン、固有結界か。」

「固有結界?」

 

”固有結界”

術者の心像風景を現実世界に具現化する魔術

術者により具現化する世界が異なる

 

「ライダー!キャスター!フィーナさんの所へ!状況によっては宝具の使用も許可す

る!」

シルヴィーの言葉にその場から離れていくキャスターとライダー

「フン。自らのサーヴァントを行かせるとは、所詮俗物。」

「さぁ?どうでしょう。」

そう言うと再度剣を構えなおすシルヴィー

 

再度羽咲市北東部

 

英霊フィーナの固有結界内にで攻防を繰り広げるフィーナ

「ほらほらどうしたの?強くなたんじゃないの?聖騎士を倒す為に!」

声を上げながらフィーナを攻め込む英霊フィーナ

英霊フィーナの攻めに一旦間を開けるフィーナ

「残念ね。私に敵わないようじゃ、彼女は倒せないわよ。」

「…彼女、唯姉の事か。…どうでも良くなったわ。母の敵だなんて。」

フィーナの言葉に驚く英霊フィーナ

そんな英霊フィーナを横目に剣を自身の手から消し、静かに魔力を開放するフィーナ

 

「行くわよ。アーチャー!」

そう言うと英霊フィーナの作り出した固有結界が消え去る

「…ここまで強くなっていたのね。流石だわ。」

そう言ってフィーナの方を見る英霊フィーナ

その背後に巨大な黒い影が居た

「危ない!」

そう言うと駆け出しフィーナを弾く英霊フィーナ

それと同時に巨大な影が持つ何かに弾き飛ばされる英霊フィーナ

「アーチャー!!!」

同時に口を開くフィーナと青葉

それと同時にアーチャーに寄り添うフィーナ

「…フフッ、フィーナ。…あれと、始まりの王は、……貴女が、やりなさい。」

「…えぇ。解ったわ。」

「…我がマスターを、お願い。…母様(かあさま)、今そちらへ行きます。」

そう言うとその場から消え去る英霊フィーナ

「フフッ、脆いものね。さぁバーサーカー。まとめてやっちゃいなさい!」

女性の言葉に雄叫びを上げると、フィーナに向かって斧剣を振り下ろすバーサーカー

 

それを銀の拳銃で受け止めるフィーナ

「…見覚えが有ると思ったら、長野と時の貴女ね。ハイネ。」

「バーサーカー!!!」

ハイネの言葉に一層斧剣に力を入れるバーサーカー

「この程度なの?甘い!!!」

そう言うと斧剣ごとバーサーカーを弾くフィーナ

そのまま宙に浮かび地面に落ちるバーサーカー

その光景に驚くハイネ

(入ってくる。英霊となった私の記憶が、想いが、願いが。そして、力が!)」

自身にそう言うと銃を仕舞い、両手を真横に伸ばす

左手には弓が現れる

「ハイネ、見せてあげる。来い!偽・螺旋剣(カラドボルグ)!!!」

そう言うと右手に螺旋剣が現れる

そのまま螺旋剣を矢のようにし、弓を引くフィーナ

「貫けぇぇぇ!!!」

そう叫ぶとバーサーカーを突き抜ける螺旋剣

「なっ!」

その光景に驚くハイネ

「やっぱり一回じゃ死なないか。」

そう言うと左手の弓を消すフィーナ

「それなら一度に殺すだけね。」

「バーサーカー!!!」

フィーナの言葉に叫ぶハイネ

ハイネの言葉に雄叫びを上げ斧剣を振り下ろすバーサーカー

その斬撃を避けるフィーナ

(あれを一撃で葬るには雷神の鉄槌(トールハンマー)を使うしか。けど、詠唱をしな

がらじゃ。)」

そう自身に言いながらバーサーカーの攻撃を避けるフィーナ

その瞬間

一筋の魔法の矢がバーサーカーに直撃する

「なっ!誰!」

「助っ人よ。」

そこにはキャスターとライダーの姿が有った

「くっ!バーサーカー!アーチャーのマスターを殺しなさい!」

ハイネの言葉に青葉に向かい斧剣を振り下ろすバーサーカー

「青葉!」

たまらず叫ぶフィーナ

その直後独特の金属音がその場に響く

「間に合ったみたいね。」

「唯姉。」

そこに居たのは神装器を纏い、剣でバーサーカーの斧剣を受け止める唯の姿だった

「成る程。キャスターにライダーも居るのね。ライダー・セイバー、バーサーカーを

霍乱して!

キャスターはフィーナに魔力を!」

そう言うとバーサーカーの斧剣を弾き、フィーナの側に寄る唯

「唯姉。私。」

「良いのよ。貴女が解ってくれたのなら。」

そう言うと側にキャスターが来る

「セイバーのマスター。」

「キャスター。…フィーナに魔力の補充をお願いね、姉さん。」

「…死なないでね、オール。」

キャスターの言葉に頷くとバーサーカーに突っ込む唯

「…土地に呼ばれたキャスター。貴女唯姉の事を知ってるの?」

「…えぇ。私の真名はラムダ。聖ハルイの宮廷魔術師で有り、彼女の姉よ。」

ラムダの言葉に納得するフィーナ

「成る程。それなら知っていてもおかしくは無いわね。」

「…良い、仲間を持ったわね。オールも。さぁ、終わったわよ。」

「ありがとう。」

そう言うと目を閉じ、詠唱に入るフィーナ

それに気付くハイネ

「バーサーカー!彼女を殺しなさい!」

ハイネの言葉にフィーナに向かい歩くバーサーカー

「セイバー、宝具を!」

それを見てセイバーに向かい口を開くライダー

「何故私が!」

「セイバー!!!」

それを聞いていたのか唯が口を開く

「…解りました。」

そう言うとセイバーの剣に光が集まる

それと同時に眼帯を取り、目の前に血の魔方陣を展開させるライダー

「約束された―エクス―」

「騎英の―ベルレ―」

同時に宝具を展開させるセイバーとライダー

「勝利の剣―カリバー―」

「手綱―フォーン―」

セイバーの宝具に合わせ自身の宝具で加速するライダー

そのままバーサーカーにぶち当たる

「バーサーカー!!!」

「たまらず声を上げるハイネ

「やったか?」

煙の中から姿を現すバーサーカー

「なっ!」

同時に驚くセイバーとライダー

「危ない危ない。あれだけでバーサーカーを6回も殺すなんて。」

「なら、トドメは私かしら?」

ハイネの言葉に口を開くフィーナ

その目の前には五芒星が展開されていた

「雷神の―トール―」

そう言うと右手を引くフィーナ

「鉄槌―ハンマー―」

それと同時に右手を突き出す

同時に巨大なイカヅチを纏いし竜が現れバーサーカーを飲み込む

「…バーサーカー?」

ハイネの言葉に反応する事なくその場から消え去るバーサーカー

「嘘。私のバーサーカーが負けるだなんて。そんなの嘘よ!」

そう言うとフィーナ達を睨む

「ハイネ。いくら貴女のサーヴァントが最強と言われようとも、結束の力には勝てな

かったようね。」

フィーナの後ろから口を開く唯

「結束の力だなんて、信じない。私はそんなの信じない!」

そう言いきった瞬間、ハイネの背中から一振りの剣が突き刺さる

「えっ?」

ハイネ自身疑問に思う

「俗物が、敗者がいつまでも舞台に上がっているな。」

突如聞こえる男性の声

「ギルガメッシュ!」

その声に反応するセイバー

「騎士王。貴方私のマスターをどうしましたか?」

「フン、我(オレ)が俗物如きに負ける筈が無い。手応えの無い俗物だった。

名前は、シルヴィーとか言っていたな。」

ギルガメッシュの口から出た名前に反応する青葉

「…シルヴィー。まさか、風濫が。…貴様ぁぁぁ!!!」

そう言うと同時に一気に魔力が膨れ上がる青葉

「俗物が。」

そう言うと青葉に向かい多数の武器を射出するギルガメッシュ

それらを全て弾き落とす唯とライダー

「考える事は一緒みたいね。」

「…私はただ、マスター風濫の最初で最後の令呪による命を叶えるだけです。」

「えっ?」

そう言うと青葉に向かい膝まづくライダー

「マスター間宮風濫の命に従い、汝をマスターとして認める。…承認を。」

「…風濫が。…我が名睦月青葉の名において汝を我がサーヴァントとして認める。」

「汝睦月青葉をマスターとして認識。マスター、命を。」

ライダーの言葉にギルガメッシュを睨む青葉

「奴を倒すわよ。」

「はい、マスター。」

「それじゃ青葉とキャスターは支援を。私・セイバー・ライダーであれを相手にする

わ。フィーナはどうする?」

指示を出すとフィーナに問う唯

「行きますよ。アーチャーと約束しましたから。あれを討つのは、私です。」

「…良く言った。行くわよ!」

唯の言葉に霍乱しつつギルガメッシュを攻める唯・セイバー・ライダーにフィーナ

「俗物共がぁ!」

そう叫ぶと他方向に武器を射出するギルガメッシュ

それを避ける唯達

その直後ギルガメッシュに対し、無数の魔術の矢が飛ぶ

それらを全て弾くと、飛んできた方向に無数の武器を射出するギルガメッシュ

その直後

ギルガメッシュの背後に現れる女性

「白銀の―シルバー―」

その振り上げた剣は魔力に満ちていた

それと同時に自身の剣に光を集めギルガメッシュに向かい突撃するセイバー

「約束された―エクス―」

同時攻撃に対しどこからか剣を取り出すギルガメッシュ

「エヌマ」

「光破斬―ノヴァ―」

「エリシュ!」

セフィリアとギルガメッシュの宝具がぶつかり合う

「俗物が。甘い!」

そう言うと弾かれるセフィリア

それを見るとセイバーに向かい構えるギルガメッシュ

「エヌマ」

「勝利の剣―カリバー―」

「エリシュ!」

ギルガメッシュの剣―エア―から放たれた無数の風と

セイバーの剣―カリバーン―から放たれた光がぶつかり合う

ぶつかりあう二つの宝具

若干セイバーが押されている

「セイバー!!!」

たまらず叫ぶ唯

その直後均衡が破られセイバーに無数の風が襲ってくる

「全てを防ぐ楯(イージス)!!!」

その言葉と同時にセイバーの前に白く光る楯が現れ無数の風を防ぐ

「ほぅ。俗物如きが我が宝具を防ぐとは。」

ギルガメッシュの言葉にセイバーの前に出るフィーナ

「宝具を防ぐだけじゃないとしたらどうする?始まりの王。」

「ほぅ。我(オレ)を倒すとでも言うのか?」

「えぇ、そうよ。」

ギルガメッシュの言葉を肯定するフィーナ

「始まりの王よ。貴方は私が倒すわ。」

ギルガメッシュに対し、そう言い放つフィーナ

 

続く

 

次回予告

ギルガメッシュを倒すと宣言したフィーナ

それに対し呆れるギルガメッシュ

フィーナが会得した魔術の全貌が今明かされる

次回第30楽章「無限の剣製〜UnlimtedBrade Works〜」

 

 

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