まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第28楽章「最強にして最凶」

 

 

エルミナド教会北

 

ギルガメッシュから逃げ出した唯達の前にハイネが姿を現した

バーサーカーと言うサーヴァントを従えて

「ハイネ、何でここに?」

「長野での借り、返させて貰う!バーサーカー!!!」

ハイネがそう言うと雄叫びを放ち、手に持った斧剣を振るうバーサーカー

その攻撃を避ける唯達

「セイバー!やるわよ!」

唯の言葉に頷くと唯と同時にバーサーカーに突っ込むセイバー

それに対し再度斧剣を振るうバーサーカー

それを避ける唯とセイバー

それを見ていたルイが口を開く

「キャスター、土地に呼ばれたセイバーの治療出来る?」

「えぇ。出来ます。」

「なら治療して。魔力に関しては気にしないで。」

「はい。」

そう言うとセフィリアの側に寄り治療を始めるキャスター

それを見ると神剣E―フェルディアを手に持つルイ

「キャスター、終わったら援護をして。」

そう言うとバーサーカーに立ち向かうルイ

その様子を見ながら口を開くハイネ

「無駄無駄。ギリシャの英雄ヘラクレスに勝てる訳が無いのよ!」

ハイネの言葉に何か気付く唯

「ヘラクレス。…ならば宝具は十二の試練(ゴッドハンド)!くっ、性質が悪い!」

そう言いながらもバーサーカーを相手にする唯

「マスター!もう少し先に墓地が有ります。」

「セイバー、出来る?」

唯の言葉に頷くセイバー

「ルイ、貴女はセフィリアと一緒に来て。ハイネ、こっちよ!来なさい!」

そう言うと適度に引き付けながら墓地の方へ向かう唯とセイバー

それを追うハイネとバーサーカー

 

エルミナド教会共同墓地

 

墓地内を駆け巡る二つの小さな影と一つの巨大な影

「セイバー、私が引き付けるから合図と共に思いっきり宝具を放ちなさい!」

「マスターはどうなるのですか?」

「大丈夫、ちゃんと避けるから。任せたわよ。それと、命中したからって油断しない

でね。」

「はい。解りました。」

そう言うと姿を消すセイバー

それを確認して足を止める唯

「さ〜て、聖騎士クリスが相手になるわ。ヘラクレス!!!」

そう言うとバーサーカーに向かい突撃するクリス

それに対し斧剣を振るうバーサーカー

その攻撃を避け左腕に一撃を入れるクリス

「くっ!こんなんじゃ駄目!」

そう言いながらもバーサーカーの振るう斧剣を避けるクリス

「バーサーカー!早くやってしまいなさい!」

マスターであるハイネの言葉に雄叫びを上げるバーサーカー

そのまま斧剣をクリスに向かい振り落とす

その斬撃を受け止めるクリス

「甘い!セイバー!!!」

クリスの言葉にバーサーカーの真横から姿を見せるセイバー

「なっ!真横から!」

「約束された―エクス―!」

そう言うセイバーの剣には幾多の光が集まっていた

「バーサーカー、避けて!」

「遅い!」

そう言うとセイバーの方へバーサーカーを弾くクリス

「勝利の剣―カリバー―!!!」

そう言うと同時にセイバーの剣から放たれた光がバーサーカーを飲み込む

光が止み、辺りに煙が立ち込める

「セイバー、注意して。」

クリスの言葉に中段の構えを取るセイバー

「フフッ、やるわね。今回はこれで失礼するわ。バーサーカー。」

ハイネの言葉に霊体化するバーサーカー

それと同時に姿を消すハイネ

「逃げられたのですか?」

「…そうみたいね。」

 

羽咲市警警官寮

 

屋上

 

そこに唯・セイバー・セフィリア・風濫・ライダー・雪にルイとキャスターの姿が有

「聖杯に呼ばれたアーチャーにバーサーカー。それにまだ姿を見せないアサシン。悩

みの種は満載ね。」

そう言うと溜息を付く唯

「それに、青葉の事も気になるし。」

次いで口を開く風濫

「マスター風濫、一つよろしいでしょうか?」

ふと横に居たライダーが口を開く

「えっ?えぇ、良いわよ。」

「ありがとうございます。」

礼を言うと口を開くライダー

「未だ姿を見せぬアサシンのサーヴァントに関して、一つ言える事が有ります。」

ライダーの言葉にざわつく一同

「アサシンの真名の事ですか?」

セイバーが問う

「はい。アサシンのサーヴァント。その真名はハサン。ハサン=ザーバッハ。暗殺者

です。」

「成る程。それならアサシンと言うのも頷けるわね。」

ライダーの言葉に納得する唯

「なら雪とルイでアサシン探しを。風濫は青葉を。セフィリア、彼女を手伝ってくれ

る?」

唯の言葉に頷くセフィリア

「とりあえず今から行ってくれるかしら?」

唯の言葉に頷くとその場から散って行く一同

そしてその場には唯とセイバーのみが残った

「マスター、私は何を?」

「エルミナド教会に行くわよ。確かめたい事が有ってね。」

そう言うとエルミナド教会に向かう唯とクリス

 

羽咲市北部

 

そこに雪とルイの姿が有った

閑静な住宅街を歩く二人

ふとキャスターが口を開く

「マスター、サーヴァントの気配がします。」

その言葉に構えるルイ

それを見て雪も構える

暗闇の中に白い仮面が浮かび上がる

「どうやらビンゴしたみたいね。」

そう言うとE―フェルディアを手に持ち構えるルイ

その横にはキャスターの姿が現れた

「氷よ。我が敵を貫く槍となれ!フリーズランサー!!!」

雪の言葉に白い仮面目掛け氷の槍が現れる

それを避ける白い仮面

そのまま住宅街を飛ぶように逃げる白い仮面

それを追う雪・ルイ・キャスター

「ルイさん、この先って。」

「えぇ。中規模ながらお寺が有ったわね。…そこにマスターが居るわね。追うわよ。

「はい。」

そう言うと白い仮面を追う雪とルイ

 

お寺

 

山門をくぐり抜け境内に入った雪・ルイ・キャスター

そこには白い仮面と初老の男性が血に濡れて倒れていた

そしてその場に一人剣を持ち立ち尽くす女性が立っていた

立ち尽くす女性を見て口を開くルイ

「…フィーナ?」

その言葉に気付いたのかルイ達の方を向くフィーナ

「ルイ。それに雪。…結構脆いのね、サーヴァントも。それにこのサーヴァントのマ

スターも。」

「マスター。」

ふと口を開くキャスター

「何?キャスター。」

「彼女から、サーヴァントの気配がします。」

「えっ?」

キャスターの言葉に驚くルイと雪

「じゃあ、今私達の目の前に居るフィーナは、何者なの?」

「さぁ、何者でしょう?」

そう言うと手に持っていた剣が消える

それと同時に口を開くフィーナ

「来い!干将・獏耶!」

その言葉と同時に左右の手に双剣が握られる

「投影魔術!くっ!キャスター!結界を!」

そう言いながら神剣E―フェルディアを構えるルイ

「はい、マスター。」

答えると詠唱を始めるキャスター

「危ない!」

ふと何かに気付きキャスターを押し倒す雪

キャスターの居た場所には一振りの剣が刺さっていた

「ほぅ、避けたか。」

「駄目じゃない。ちゃんと狙わなきゃ。ねぇ、ギルガメッシュ。」

「青葉!」

「ギルガメッシュ迄。」

驚く雪とルイ

「けど、フィーナがアーチャー。土地に呼ばれた。」

疑問に思うルイ

「ギルガメッシュ、アーチャー。サーヴァント諸共殺しなさい!」

「青葉!」

青葉の言葉に叫ぶ雪

その直後ギルガメッシュの背後から多数の武器が射出される

雪を抱えその場を離れるルイとキャスター

「追うわよ。」

青葉の言葉にルイ達を追うギルガメッシュと英霊フィーナ

 

「マスター、これからどうなされるおつもりで?」

「現状じゃ勝ち目は無い。せめて唯様と合流出来れば。」

そう言いながらエルミナドの方へと向かい逃げるルイ達

「マスター!後ろから何かが飛んできます!」

「降りて!」

ルイの言葉に地面に降りるキャスター

地面に降りたルイとキャスターの頭上を多数の武器が飛んで行く

「キャスター、やるしか無いわ。雪、貴女はエルミナドの方へ行って唯様と合流し

て。」

ルイの言葉に反応を見せない雪

「雪!」

叫ぶルイ

しかしその叫びにも反応を見せない雪

「キャスター!雪を安全な所迄連れて行って!」

「しかし、マスターはどうなされるおつもりで?」

「何とかする。大丈夫、こんな所で死にはしないわ。」

「…解りました。ご無事で。」

そう言うと雪を抱えその場から離脱するキャスター

「さて、何処まで戦えるかしら。」

ルイがそう言うと目の前に青葉・ギルガメッシュ・英霊フィーナが現れる

「ふむ、サーヴァントが居ないな。」

ギルガメッシュが最初に口を開く

「大方足手まといを逃す為に使ったのでしょう。追い掛けられる?」

「我(オレ)を誰だと思っている。」

「…そうね。お願い。」

青葉の言葉に雪を追うギルガメッシュ

「待て!」

叫び追いかけようとするルイを英霊フィーナが止める

「くっ!」

「ルイさん、貴女の相手は私のサーヴァントですよ。さぁ、やりなさい。」

青葉の言葉に干将・獏耶を構える英霊フィーナ

それに対しルイも神剣E―フェルディアを構える

その瞬間何かを感じルイは横へ

英霊フィーナは青葉の元へと避ける

そして二人が居た場所に一振りの螺旋の剣が突き刺さっていた

「偽・螺旋剣(カラドボルグ)、誰!名乗りなさい!」

剣を見て口を開く青葉

「その英霊の、生前の人物よ。」

そう言うと姿を現したのは…

「フィーナ。」

ルイの口からその名前が出る

「フィーナ、貴女今迄何処に行っていたの?連絡もしないで。」

「…強くなっていたの。…とりあえずは、貴女を倒させて貰うわ。英霊となりし私。

そう言うとフィーナの手には干将・獏耶が握られていた

「ここは私に任せてルイは雪の所へ。」

「…えぇ。死なないでね、フィーナ。」

そう言うとその場から離脱するルイ

「さぁ、始めましょうか。」

 

一方エルミナドへ向けて雪を担いで逃げるキャスター

「…後ろからサーヴァントが一体。恐らくはギルガメッシュ。…逃げ切れるとは思え

ない。」

そう言い何かを決心すると地上に降り、雪を置いて再び上空へと飛び上がる

 

上空へ飛び上がるとそこには既にギルガメッシュの姿が有った

「ほぅ。自ら死にに来たか。面白い!」

そう言うとギルガメッシュの背後に無数の武器が現れる

「せめてもの慈悲だ。そちらから来い。」

ギルガメッシュの言葉に考えるキャスター

(どうする?始まりの王ギルガメッシュを行動不能に出来る程の魔術を使うか。)」

そう考えるキャスターの後ろから突如女性の声が聞こえる

「それならこちらは多人数でも良いのかしら?それ程強力な宝具を持っているのだか

ら。」

キャスターが振り返るとそこには漆黒の鎧を纏った女性が居た

「ほぅ。貴様何者だ。名を名乗れ!」

「シルヴィー。そう名乗っておこうかしら。騎士王。」

そう言うとその右手には剣が握られていた

「キャスター、貴女は後方支援に徹していて。あれの相手は私がするから。」

そう言うとギルガメッシュに向かい突っ込むシルヴィー

「フン。無謀にも突っ込んで来るか。俗物がぁ!」

そう言うと背後から一振りの剣を持ちシルヴィーの攻撃を迎撃するギルガメッシュ

「その剣。成る程、始まりの王ってのは伊達じゃないみたいね!」

そう言うとギルガメッシュから距離を取るシルヴィー

「聖剣エクスカリバー。…正しく言うなら元になった剣かしら?」

「ほぅ、俗物にしては物知りだな。だがそれだけでは我(オレ)には勝てん!!!」

言い終わると同時にギルガメッシュの背後の武器が一斉に射出される

それらを全て弾き落とすシルヴィー

「甘い甘い。戦いはまだまだ続くんだから、余裕を持って行きましょう。」

そう言うと再び剣を構えるシルヴィー

 

続く

 

次回予告

羽咲市内で起きている聖杯戦争

その戦争は節目を迎えていた

英霊になった自分との対決

始まりの王との対決

それぞれの想いが交錯する

次回第29楽章「固有結界」

 

 

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