まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第24楽章「悲恋の羽咲」

 

 

ラ「セイバー、この話が始まる前に一つ伝えておきたい事が有るのですが。」

セ「珍しいですねライダー。貴女からそのような事を言うとは。それで話とは?」

ラ「えぇ。この話は”Fate/stay night”のネタバレがあるようです。」

セ「つまりは全てのルートをクリアしていない方は見ない方が良いと言う事ですか?」

ラ「えぇ、正解です。私や貴女の真名が出るようなので。」

セ「成る程。それでは上記の事を確認した上でこの話を見るとしますか。」

ラ「えぇ。」

 

 

昼過ぎの羽咲中央駅

 

西口駅前広場

 

そこに風濫・雪・青葉・フィーナにルイの姿が有った

「とりあえず夕方ぐらいにまたここで。良いですか?」

風濫の言葉に頷く一同

 

風濫達が羽咲に入る2時間前

 

羽咲署

 

「済みません。」

受付の女性警官に声を掛ける女性

「はい。どう致しました?」

「遠野と言う男性警官が居ると思うのですが?」

「はい。あちらの椅子の方で少々お待ち下さいませ。」

そう言うと内線電話を掛ける受付の女性

それを見て近くの椅子に座る女性

しばらくすると受付に現れる遠野

「遠野。」

女性が声を掛ける

「…水月さん。」

「少し良いかしら?」

 

会議室

 

「お久し振りです。いつこちらに?」

「今さっきよ。もう少しすれば仁科ちゃんも帰って来ると思うわ。」

「仁科さんがですか!」

遠野の言葉に煙草を付ける唯

「えぇ。それで仁科ちゃんとか来たら伝えといて。時期が来ればこちらから出向く

と。」

「…解りました。何か手伝える事あれば手伝いますよ。」

「ありがとう。」

唯がそう言った直後

「唯!」

ドアが開く音と共に女性の声が聞こえる

ドアの方を向く唯

そこには…

「風のフォルセティ。貴女が何でここに?」

「…貴女らしいわね。再会の第一声がそれなんてね。」

「それで、何で貴女がここに居るの?フォルセティ。」

唯の言葉にふぅと溜息を付くフォルセティと呼ばれた女性

「私今ここの署長なのよ。」

「……へぇ。何時の間に。」

「あの事件の後直ぐよ。SKのファンに感謝しないといけないわね。唯。」

「…そうね。雫、今何か起きてないかしら?市内は勿論咲乃宮も含めて。」

唯の言葉に考える雫

「いえ、特には。遠野、何か聞いてる?」

「女性ばかりが消える事件がこの一ヶ月で14件起きてます。」

「へっ?そんなに?」

「報告書を出した筈ですよ。署長。」

遠野の言葉にたじろぐ雫

「まぁ良いわ。情報ありがとう。遠野、それに雫。トードを継ぐ者の力になってあげ

て。」

そう言うと会議室から出て行く

「唯!」

「私は、漆黒の妖精フェイトよ。それじゃ。」

そう言うとその場から去っていく唯

 

エルミナド教会礼拝堂

 

大きな十字架を見上げるフィーナ

ふとドアが開きシスターが入ってくる

「あら、我が教会へようこそ。礼拝ですか?」

「…えぇ、そんな所です。もう終りましたのでこれで失礼します。」

そう言うとシスターの横を通り抜けて外へ出て行くフィーナ

「貴女に神の祝福を。」

 

エルミナドバス亭

 

ベンチに座りバスを待つフィーナ

ふと何かを感じる

「…全く。帰って来て早々か。」

そう言うと立ち上がり後ろを向くフィーナ

そこに居たのは先程の教会のシスターだった

「…何の用?」

「フィーナ=ラス=レイピアさんですよね?」

シスターから自身の名前が出て驚くフィーナ

「…えぇ。そうですけど。何か?」

「貴女が来たらこれを渡すように言われてました。」

そう言って何かを包んである物体を手渡すシスター

シスターから包みを受け取ると開封するフィーナ

包まれていた物とは…

「十字架の剣(クルス・ソード)。なんでこれがエルミナドに。」

十字架の剣(クルス・ソード)

二つ有る教会聖武具の一つ

全体的に白銀に輝く剣は、破邪・破魔の効果を持っている

それ故に教会の中でも限られたシスターナイトにしか振るえない武器で有る

「…ありがとう。わざわざ持ってきて貰って。」

「いえ、良いんです。大いなる主神様の導きが有ったのですから。」

「…そうね。それじゃ失礼するわ。」

「汝に聖なる龍の神の加護が有らん事を。」

シスターに別れを告げ羽咲中央駅迄降りてくるフィーナ

 

羽咲中央駅前

 

一人電灯の柱に背を預け空を仰ぐフィーナ

ふとその瞬間何かを感じる

「何これ?…魔力が流れて行く。それに人にあらざる者の気配。誰?出てきたらど

う?」

フィーナの言葉に姿を表す女性

「貴女何者?名乗りなさい!」

叫ぶフィーナ

だが女性は何も言わず手に持った槍を構えた

「成る程。上等!」

そう言うと十字架の剣を抜き構えるフィーナ

「そこまでよ。」

その声と共にフィーナと槍を持った女性の間に割って入る剣を持った女性

「ランサー、貴女こんな街中で戦闘をする気なの?周りには一般人も居るのよ。」

「…次は問答無用で行かせて貰うわ。それじゃ、セイバー。生き残りなさいよ。」

そう言うと姿を消すランサーと呼ばれた女性

それを確認してフィーナの方を向くセイバーと呼ばれた女性

セイバーに対し構えるフィーナ

「剣を収めなさい。私は貴女と戦う気は無いわ。」

「えっ?」

セイバーの一言に疑問に思う

フィーナが疑問に思った瞬間何かを感じるセイバー

「この感じは…、くっ!」

そう言うとその場から飛び立って行くセイバー

「なっ!…何が起きてるのよ。」

 

羽咲海浜公園

 

そこにはルイの姿が有った

そのルイの前には一人の女性が居た

その中でルイが口を開く

「…貴女は、誰?」

「私はキャスター。ご要望とあらば真名も明かしますが。」

「いえ、良いわ。」

「はい。解りました。それと、私と同じ存在が一人近づいてきてます。どう致します

か?」

キャスターの言葉に考えるルイ

「キャスター、貴女は後方支援に回りなさい。」

そう言うと右手にE―フェルディアを持つルイ

「了解しました、マスター。」

 

5分後

 

E―フェルディアを構えたルイの前に現れる女性

「…おかしいわね、確かに同一の気配を感じたのに。」

「気のせいですよ。それより、貴女は私を討つのですか?」

「…私が討つのは同一の存在のみ。この時代の人は討たないわ。」

女性の言葉に剣を収めると口を開くルイ

「そぅ。ここに貴女が望む存在は居ないわ。早々に去りなさい。」

「えぇ、そうするわ。けどそれはキャスターを倒してからよ。」

女性の言葉に口を開くルイ

「キャスター!!!」

ルイの言葉に草陰から魔術の砲弾が女性に向かい多数飛び出して来る

それを全て弾く女性

「キャスター、止めて!!!」

ルイの言葉の魔術の砲弾を止めるキャスター

その一瞬でE―フェルディアを構え女性に斬りかかるルイ

その斬撃を受け止める女性

「マスター!」

そう叫ぶとキャスターの周りに魔法の球が現れる

「三十二の魔術連弾(フェル・レンティエア)!!!」

そう言うと女性へと向かい砲弾を放つキャスター

それを察知し女性から離れるルイ

キャスターの魔術連弾を弾く女性

「マスター、退きましょう。彼女はセイバー、魔術は弾かれてしまいます。」

「…解ったわ。」

そう言うとルイとキャスターの周りに魔法の球が現れる

「「三十二の魔術連弾(フェル・レンティエア)!!!」」

計64の魔術砲弾を放つ二人

その隙に海浜公園から退くルイとキャスター

その場にはセイバーのみが残された

「中々やるわね。」

 

羽咲中央駅前

 

そこには風濫・雪・青葉・フィーナの姿が有った

「あれ?ルイさんは?」

疑問に思う雪

「そう言えば。さっき海浜公園の方で発生した魔力と関係が有るのかな?」

雪の言葉に反応する風濫

「けど、気になるのは異常な魔力が、この羽咲に充満してるって事。」

風濫の言葉に驚くフィーナ・雪・青葉

「確かに。考えてみれば異常すぎるわね、この魔力量。」

そう言うと考え込むフィーナ

「あぁ、もう!一体何が起きようとしているのよ!」

「知りたい?」

フィーナの言葉に反応する女性の声

「ルイ。どう言う事?」

疑問に思うフィーナ

それと同時に姿を現すルイとキャスター

「マスター、私と同質の存在がこの場に居ます。」

「ありがとう。」

そう言うとフィーナ達を見るルイ

「相手が戦う気が無いみたいだから、説明しましょう。

現在ここ羽咲で何が起きているかを。」

 

続く

 

次回予告

羽咲市で起きている事を話すルイ

戸惑う風濫達

そんな中で突然戦闘が始まる

次回第25楽章「混沌の羽咲」

 

 

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