まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第22楽章「絆」

 

 

「さぁ、来なさい!」

クレスの言葉に左右に分かれて攻撃を仕掛けるクリスとカヤキス

「左右からか。…甘い!」

そう言うと左右に衝撃波を放つクレス

「なっ!」

それに驚きつつ衝撃波に吹き飛ばされ壁にぶち当たるクリスとカヤキス

それを見てクリスの方へ歩み寄るクレス

「クレス。」

「無様ね。貴女も彼も昔の方が強かったのに。残念ね。」

そう言うと剣を突きの構えで構えるクレス

「クリス!!!」

それを見てたまらず叫ぶカヤキス

「死になさい。エルティス。」

そう言うと心臓へ剣を突き刺すクレス

吐血し、ニヤリと嘲笑うクレスを見てガクンとうな垂れるクリス

「クリス!」

「さぁ、次は貴方よ。」

そう言うとカヤキスの方へ振り向くクレス

「くっ!」

苦い声を出すカヤキス

 

洋館内の風濫達と居る広間

 

ハイネの横に座り込む風濫

「風濫、何故彼女の横に?」

「…彼女も、被害者だと思うんです。そして前にこの地で殺めてしまった、セツナ

も。」

そう言うと俯く風濫

ふと何かを感じる風濫達

「フィーリアさん。」

「えぇ。誰かが来てるわね。」

フィーリアの言葉に構える青葉

フィーリアも同様に構える

風濫はハイネを庇う形

そして姿を現す人影

「…イシュタル。」

フィーリアがふと呟く

「フィーリア。クレスは何処かしら?」

「奥です。この通路を奥に進むと、居ます。」

イシュタルの問いに口を開く風濫

「…そぅ。ありがとう、風濫。皆は、ここに居てね。行きましょう。」

そう言うと通路の奥へ去っていくイシュタル

「…行きましょうって、誰か居たのかな?」

疑問に思う青葉

「赤い髪の人が居た。イシュタルさんの側に。」

風濫が後ろから呟く

「そうね。彼はロプトウス。正しい名前はユリウスよ。」

説明するフィーリア

「任せましょう。何をするか解らないけど。」

フィーリアの言葉に「はい」と答える風濫と青葉

 

奥の広間

 

もう一本剣を構えるクレス

「さぁ、貴方も死になさい。黒騎士アレス!」

そう叫んだ瞬間背中に何かを受けるクレス

「なっ!」

驚きつつ後ろを振り返るクレス

そこには左胸に剣を刺されたまま、右手を向けたクリスの姿があった

「死人が何故打てる!」

クレスの言葉に反応するかのように右手で胸に刺さった剣を掴むと引き抜くクリス

「クレス、貴女は今の私を知らな過ぎた。今の私は、不老不死なのよ。」

そう言うと治癒効果で左胸の傷が治る

「返すわ、この剣。」

引き抜いた剣を投げ返すクリス

「さぁ、始めましょう。クレス。」

「…面白い!」

クレスがそう言い放った瞬間

イカヅチの矢が両者の間を駆け抜ける

「なっ!誰だ!」

叫びながら放たれた方を見るクレス

「魔法騎士トードの血を引きし者。雷神イシュタル。」

その名前を聞き心臓が高鳴るクレス

「なっ!…クッ!何だ?この感じは。」

「黒龍王クレス。私の娘の身体を返して貰いましょうか。」

そう言うとクレスへ歩み寄るイシュタル

「くっ!来るな。来るな。来るなぁ―――!!!」

叫ぶと同時に巨大な気の塊をイシュタルへ向けて放つクレス

「イシュタル!!!」

たまらず叫ぶクリス

そんなクリスを横に左手を差し出すとそのまま気の塊を受け止め拡散させるイシュタ

「くっ!これ以上は。」

そう言うとフィーナの身体から離脱していくクレス

「フィーナ!」

クレスが抜け倒れ掛かるフィーナ

具現化し、倒れ掛かるフィーナの身体を支えるユリウス

「大丈夫だ。少し寝かせておこう。」

そう言うと床にフィーナを寝かせるユリウス

「くっ!こうなったら、お前だけでも―――!!!」

そう叫ぶとクリスに向かい突撃するクレス

その先ではシルバーホークを構えるクリスの姿が有った

「なっ!」

「バイバイ、クレス。」

そう言うとシルバーホークから銀色の閃光が放たれる

「…汝の魂に、幸いあれ。」

そう言うと銃を仕舞うと髪の色が茶に戻り長さも首筋迄短くなる

「戻りましょう。風濫達が待っているわ。」

 

戻り途中の廊下

 

「姉さん。少し良いですか?」

イシュタルの言葉に足を止める一同

「…構わないわ。カヤキス、先に行っていて。」

「あぁ、解った。」

そう言うとフィーナを抱えそこから去っていくカヤキス

通路の途中で2人っきりになる唯とイシュタル

「それで、何の用なのかしら?」

「…話しておきたい、事が有るんです。」

 

続く

 

次回予告

唯と2人っきりになったイシュタル

そんなイシュタルの口から語られた事とは

次回第23楽章「光と闇と絆と」

 

 

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