まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第21楽章「深き深淵の闇」

 

 

クリスとカヤキスが去った広間

そこにはフィーリアとハイネの姿が有った

「貴女、フィーリアと言ったわね?」

突如ハイネが口を開く

「えぇ。それがどうかしたの?」

「貴女前にセシリアの下に居たらしいわね、シルヴィーと言う名前で。」

「えぇ。それがどうかしたの?」

「私と手を組まない?」

「はぁ?いきなり何を…「貴女は魔族。本当に人間と共存出来ると思っているの?」

フィーリアの言葉を遮るように口を開くハイネ

「それぞれ異なる世界に住む人種が、仲良く生きていけると本気で思っているのかし

ら?」

「それは…。」

「そんなの幻想よ!まやかしよ!現実を見なさい。

こちらへやって来た魔族かどんな目に遭遇したかを!」

黙り込むフィーリア

「地球の人間は魔界に住んでいると言うだけで集団で虐待し、

地域によっては見せしめの為に公開処刑をしたり。解るかしらこの気持ちが!」

「…けど、それはごく一部の人間よ。人間の中には、優しい人だって居る。」

「そんなの、幻想よ!騙されちゃいけないわ!」

「それでも私は、人間を信じたい。」

笑顔でそう言い放つフィーリア

「…ならば、仕方無いわね。」

そう言うとフィーリアに近づき顔を覗き込む

「フィーリア、私の目を見なさい。私の目を。」

「えっ?あっ……。」

目が虚ろになり振り上げかけた腕がダランと垂れる

「さぁフィーリア。貴女は私の、何?」

「…はい。私は、ハイネ様の。」

其処まで言った瞬間ハイネに対し斬撃が襲う

それを避けるハイネ

「誰?何者!」

「死界から舞い戻って来たわ。私の名前は、フィーリア。彼女に、意志を託した者

よ。」

そう言うと風濫に近づくフィーリア

「馬鹿な。2年前の羽咲・都内攻防戦で死んだ筈なのでは?」

「起きなさい、風濫。」

「……あっ、フィーリアさん。」

「良かった。無事のようね。」

そう言うとハイネの方を向くフィーリア

「さて、今貴女が私にした質問だけど、私は確かに死んだ身よ。」

「ならば何故現世に居る!」

側で風濫も疑問に思っている

「それなば、種明かしをしましょうか?ねぇ、羽純。」

フィーリアの言葉に天使を羽が生えた状態で現れる羽純

「天使の力。魔族のくせに天使の力を借りたのか!」

「…彼女は、サポートに過ぎないわ。真に力を貸してくれたのは、リスフィードなの

だから。」

「なっ!」

フィーリアの言葉に驚くハイネ

「リスフィードが、私の為に身体をくれたのよ。その代わり、リスフィードは死んだ

けど。」

「けど、彼女なりの恩返しって言うか、親友の為って言うか。私は好きよ。そう言う

の。」

羽純が横から口を開く

「言わば私は転生したような物。風濫、行ける?」

「…はい。」

フィーリアの問いに明るく答える風濫

「フフフ、私は、認めない。認めないわよ!」

「フィーリア、危険よ。彼女に闇の力が負荷し過ぎてる。」

「解ってる。風濫、抑えるわよ!」

「それは私の役目よ。飛んで!」

ふと聞こえた女性の声

その声に従いその場から飛びのくフィーリア・風濫・羽純

その直後銀の閃光がハイネを飲み込んだ

「銀色の閃光。銀十字の力。一体誰が?」

疑問に思うフィーリア

「青葉!」

「風濫。大丈夫だった?」

「えぇ、一応は。」

ふと青葉の視界にフィーリアと羽純が入る

「羽純さん。それに、フィーリアさん。何で?何でここに居るの?」

混乱する青葉に簡潔に説明をする羽純

 

「な、成る程。一応は理解出来ました。けど、本当にそんな事が出来るんですか?」

「実際目の前に私がこうして居るんだから、出来てる証拠でしょ?」

フィーリアの言葉に納得する青葉

「そうだ。唯さんの加勢に行かなきゃ!」

納得した青葉が口を開く

「待って青葉!」

「何?風濫。」

「待ちましょう。これは唯さんとカヤキスさん自身の、問題ですから。

本人達だけで、決着は付けさせてあげましょう。」

「風濫。…解った。」

「さ〜て、私は帰りますか。フィーリア、その命大切にね。」

「解ってるわよ、羽純。」

納得したような顔をするフィーリアと羽純

「それじゃ、気をつけて。」

そう言うとその場から消える羽純

羽純が消えたのを確認して口を開く風濫

「それじゃ、待ちますか。唯さんとカヤキスさんが全てを片付ける迄。」

風濫の言葉に頷く一同

 

洋館内のドアの前

 

「…カヤキス。」

「あぁ。この中に居る。奴が。…行くぞ。」

「えぇ。」

そう言って扉を開け中に入るクリスとカヤキス

中には一人の女性が立っていた

「フィーナ?」

ふとクリスが口を開く

「半分正解で半分ハズレよ。私はフィーナ=クレス。私は戻って来たのよ、エルティ

ス!」

そう言うとクリスの方を向くクレス

「エルティスか。今の私はクリスよ。その名は前の名前よ、黒龍王クレス。」

「そぅ。それは悪い事をしたわね。」

「クレス、いつからそんな戯言を言うとうになったのかしら?」

「…さぁ、いつでしょう?それよりも始めましょう。こうして再会出来たのだから。

「そうね。貴女を再び封印してあげるわ、クレス!」

「面白い!ならば来なさい!私を倒す為に!」

 

続く

 

次回予告

復活した黒龍王クレスを倒すべく剣を向けるクリスとカヤキス

だが圧倒的な力を前にカヤキスはともかく、クリスですら立ち向かえない

そんな危機にふと一筋の雷光が割り込む

その雷光を放った主は一体?

そしてクレスとの対決は?

次回第22楽章「絆」

 

 

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