まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第14楽章「悠久の翼」

 

 

戦闘態勢に入るとセシリアとの距離を一気に詰めるクリス

その突撃を避けるセシリア

その避けた先には風濫が待っていた

「セシリア―――!!!」

風濫の攻撃を受け止めるセシリア

「中々やるわね。流石フィーリアが見定めただけ有るわね。」

「フィーリアさんを知ってるの?」

「風濫!」

クリスの言葉にセシリアから離れる風濫

「セシリアが知ってて当たり前よ。セシリアに仕える四人の内の一人なのだから。」

「フフッ、クリス、そう言う貴女だってそうでしょ?ねぇフェイト。」

「まぁ、確かにね。けど、今は貴女の討たせて貰うからね。」

そう言うと一気に間を詰めるクリス

それを見て剣を仕舞い、槍を構える風濫

槍を構えると目の前に機械のダークネスヴァルキリーが現れる

「ダークネス、ヴァルキリー。フィーリアさんの。」

そう言った直後黒神装が解け、ダークネスヴァルキリーが装着される

その瞬間、白い空間に、風濫は立っていた

 

「……ここは?」

―――ダークネスヴァルキリーに託した、私の想いよ

「フィーリア、さん?」

―――えぇ。こんな幻想的な空間だけど、私から貴女への想いを伝えるわ

「…はい。」

―――貴女がもし、これを聞いている時に迷っていたら、アドバイスになるかもしれ

ない

―――迷わないで。自分の信じる道を行きなさい

―――それ故に私は、この機体、ダークネスヴァルキリーを託すわ

―――行きなさい、風濫。そして、唯の力になって

「…はい、フィーリアさん。」

 

ふと気が付くと元の世界に戻っていた

「ありがとう、フィーリアさん。」

そう呟くと決意を固める

剣を抜き翼が展開すると飛び立つ風濫

「セシリア―――!!!」

風濫の叫びにセシリアから離れるクリス

それに気付き風濫を見るセシリア

その直後

風濫の剣がセシリアを貫く

「…セシリア、何故、避けなかったの?避けようと思えば、避けれた筈なのに。」

剣を刺したまま風濫が尋ねる

「…貴女の姿に、フィーリアが重なって見えたのよ。」

そう言うと空を見上げるセシリア

「馬鹿ね、私も。」

そう言うと剣から抜け地面に落下するセシリア

地面に落下したセシリアの元へ寄るクリス

「セシリア!」

「…フェイト。フフッ、馬鹿ね、私も。……気を付けて。私の意志を継ぐ者が、

必ずや現れるわ。その時は…。」

そう言うと再度空を見上げるセシリア

「お別れね、フェイト。…私も貴女の元へ行くわ。フィーリア。」

そう言うと一瞬で消失するセシリア

「セシリア。…汝の魂に、幸あれ。」

そう言うと静かに立ち上がるクリス

「唯さん。」

「風濫。何?」

「私は、このままここに居ても良いのでしょうか?」

「…それは、大切な親友に聞いてみなさい。」

 

3号棟2―A

 

教室に入ってくる唯と風濫

「唯姉。セシリアは?」

「逝ったわ。」

「そう、ですか。」

フィーナの言葉の後口を開く青葉

「風濫。」

「青葉。…私、魔族になったの。青葉とは違う人種。ここじゃ、生きていけない。

だから私は、さよならをしなくてはいけないの。青葉達と。」

「風濫。」

風濫の言葉に口を開く雪

「雪。…私は、貴女を刺してしまった。謝っても、直る事じゃない。

私は、ここに居なければ良いのよ。だって私は、魔族だから。」

風濫の言葉の後、立ち上がり風濫に近づくと風濫の左頬に張り手を浴びせる雪

「雪?」

「馬鹿!魔族が何だって言うの!どんな姿や種族になっても、風濫は風濫。

私や青葉、それに唯さん達の、大切な、仲間よ。」

「雪。」

「だから、そんな自虐的な事言わないで!ずっと、私達と側に居よう。

私達が、先に死んじゃっても良いから。ねっ、風濫。」

「…雪、ありがとう。」

そう言うと雪を抱きしめる風濫

 

3号棟屋上

 

そこには唯・カヤキス・風濫・雪・青葉の姿が有った

「風濫、本当に行くの?」

「えぇ、一度行ってみたいの、魔界に。」

風濫の言葉に心配そうな顔をする雪と青葉

「大丈夫だって。ちゃんと帰って来るから。」

「…絶対だよ。約束だからね。」

「えぇ。」

そう言うと唯とカヤキスの元に来る風濫

「風濫、今回はヴォルケスを返しに行くだけだ。

それが終れば直ぐにでもこっちに帰って来るからな。解ったか?」

「はい。カヤキスさん。」

「それと、向こうではお前の事を“フィーリア”と呼ぶからな。」

「はい。」

「それじゃ、開くわよ。」

唯がそう言うと詠唱に入り異界への門が開く

「それじゃ、行って来ます。」

そう言うとカヤキスと共に飛び込む風濫

その後消える異界への門

「風濫、無事に帰って来てね。」

「大丈夫よ、彼女なら。だからそんな心配しないの。ねっ?青葉。」

「…そうですね。解りました。」

そう言うと門が有った場所を見つめる青葉

(無事に帰って来てね、風濫。)」

 

魔界

 

門を抜けた二人は上空から落下していた

「カヤキスさん、ここら辺は?」

「フォレストの森の近くだ。都合が良い。近いぞ。」

 

森に降り立ち森を抜けると小高い丘に出た

そこからは巨大な都市が見えた

「凄い。」

「あれが夜叉の納める国だ。行くぞ。」

「はい。」

そう言うと歩きだすカヤキス

それに付いて行くフィーリア

 

続く

 

次回予告

魔界に降り立った風濫

カヤキスと共に夜叉の元を訪れる

そこで何かが起こる

次回第15楽章「魔獣王と黒薔薇の騎士」

 

 

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