まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第12楽章「黒き風銀の月」

 

 

「ハァァァァァァァァァァ!!!」

叫びながら剣を合わせ一進一退の攻防を繰り広げるレイピアとシルヴィー

「シルヴィー!お前達は一体何を企んでいる!」

「貴女には関係の無い事よ!」

その言葉の後鍔迫り合いになる

「答えなさい!何が貴女を変えたの?何が貴女を魔へと動かしたの!」

レイピアの言葉に黙り込むシルヴィー

「答えて、答えてよ!」

鍔迫り合いの状態で涙を流すレイピア

「…ゴメン、けど私には、人として時間が、少ないのよ。」

「…シルヴィー、それってどう言う事?」

レイピアの疑問の言葉の後レイピアを弾き飛ばすシルヴィー

「きゃあ!」

そう言いながら尻餅をつくレイピア

そのままレイピアに剣を向けるシルヴィー

「シルヴィー。」

「解って。仲間のまま別れるのは辛いけど、敵としてなら、何の問題も無いでしょ

う。」

そう言うとレイピアに向けていた剣を収めるシルヴィー

「ルーナ、いえフィーナ。居るのなら出てきたらどうですか?」

シルヴィーの言葉に姿を表すフィーナ

その姿はルーナのそれでは無くフィーナとしての、魔術法衣を纏っていた

「フィーナさん。」

そう言うと銀装を解く青葉

「それより、さっき言ってた事、何なの?人としての時間が少ないって。」

「ゴメン青葉。それだけは、言えない。」

「何で?何で言えないの?私達、友達じゃないの?」

執拗にシルヴィーに迫る青葉

「友達だから、言えないのよ。青葉、それを解ってあげて。」

横からフィーナが口を挟む

「…解りたく、無いです。」

「…ゴメンね、青葉。フィーナさん、フェイト達は?」

「今頃は殆ど制圧してるんじゃないかしら?」

「そうですか。それじゃ青葉を連れて何処かへ避難していて下さい。」

そう言うと剣を抜くシルヴィー

「どうするの?」

「私は闇の者ですから、光を相手にします。…ゴメン、青葉。」

「風濫!」

「青葉、行くよ。」

そう言うと青葉を連れその場から去っていくフィーナ

「……強く生きて、青葉。」

そう言うと一回深呼吸をすると口を開くシルヴィー

「待ちくたびれたわ。」

そう言うと振り返るシルヴィー

「私の名前はシルヴィー。光を討つ者。さぁ、来なさい。」

その言葉に一歩前に出る雪

「下がってて下さい。彼女とは、私が戦います。」

そう言うと神装を纏う雪

「戦女神か。面白い。さぁ、来なさい!」

「待て。」

シルヴィーの言葉に構えた雪を制する幻

「鳳さん。」

「白獣が何をするのかしら?」

「一つ、聞いても良いか?」

「別に。構わないわ。」

「感謝する。」

そう言うと一息ついてから口を開く幻

「お前は、今歩いている道が、最善だと思ってるのか?」

「…えぇ。貴方も覚えが有るでしょう?人では無いと言う理由だけで迫害された記憶

が!」

「…確かにな。だが中には協力的な奴も居たさ。

…お前はどうなんだ?協力者が。仲間が。掛け替えの無い親友が居るじゃないか。

それでも尚、その道を進もうとするのか?」

「えぇ。私には、それしか無いから。」

シルヴィーの言葉に黙り込む一同

「なら再度問う。それで、彼女は。フィーリアは喜ぶのか?」

幻の口から出た名前に一瞬驚くシルヴィー

「貴女達に、私の気持ちなんか解る物かぁ!!!」

そう叫ぶと剣を抜き幻を刺すシルヴィー

「痛いよ、風濫。」

ふと顔を上げるとそこには幻では無く、

雪の姿が合った

「…雪、何で?」

「さぁ?何でだろうね。思わず、動いちゃった。」

剣から手を離すシルヴィー

「雪!」

後ろから雪を支える幻

「イリス!私が治癒するから剣を抜いて!」

「はい!」

雪の側に寄り治療を始めるセリス

それと同時に剣を抜くイリス

「フフッ、ハハッ。刺した。私が、雪を刺した。フフッ、私はもぅ、戻れない。」

そう言うとその場から走り去るシルヴィー

「風濫!くっ、セリス・イリス、雪を頼む!」

そう言うとシルヴィーを追いかける幻

 

3号棟2―A

 

そこには青葉とフィーナの姿が有った

 

「風濫、何で。」

呆ける青葉

「彼女自身、気付いているのよ。自身が闇へと堕ちているのを。」

「闇に、堕ちる?」

「えぇ。私自身そうだから解るんだけど、私より、進行してるわ。」

フィーナがそう言うと姿を現すメデュー

「フィーナ、少し良い?」

「メデュー。別に良いけど。」

「そぅ、ありがとう。」

そう言うと青葉に近づくメデュー

「睦月青葉。風濫が何故あんな事をしているか、教えてあげるわ。」

「えっ?」

メデューの言葉に反応する青葉

「理解出来ないでしょうけど、彼女自身貴女と別れるのは辛いのよ。

それを隠す為に、あえて闇に身を投じて居るのよ。」

間を開けて再度口を開くメデュー

「貴女だって、別れたくは無いでしょう?」

「…うん。」

「けどね、もう遅いの。彼女はもぅ、落ちるしか無いのよ。

人として、生きていけないのよ。それを、解ってあげて。」

メデューの言葉に涙を拭い立ち上がる青葉

「…ありがとう。私は、戦う。彼女の為に。彼女と戦う。」

そう言うと銀装を纏う青葉

「フィーナさん、シルメリアはお返し致します。シルメリア。」

青葉の言葉に姿を現すシルメリア

「元の主の所へ帰りなさい、シルメリア。」

青葉の言葉にフィーナの元へ寄るシルメリア

「青葉、貴女に討てるの?彼女を。」

「…どうでしょう?やってみなければ解りませんから。それでは。」

そう言うと教室を飛び出して行く青葉

「彼女、強いわね。」

「メデュー。そうね。彼女達は強いわよ。私や、唯姉よりも。」

そう言うとドアから階段の方を見るフィーナ

「…メデュー・シルメリア、行くわよ。」

 

大学の端っこ

 

そこにはシルヴィーの姿が有った

 

「…私が、刺した。雪を、友達を。大切な親友を。」

そう言うと壁を叩きつけるシルヴィー

「ここに居たのね。」

ふと後ろから声が聞こえる

その声に気付き振り返るシルヴィー

そこには銀装を纏った青葉の姿があった

「レイピア。そうね、決着を付けないとね。」

そう言うとシルヴィーの手に剣が現れ握られる

それを見てレイピアも剣を抜く

「さぁ、始めましょう。シルヴィー。」

「えぇ、レイピア。」

そう言うと同時に駆け出す2人

「ハァァァァァァァァァ!!!」

叫び、突っ込み、すれ違い様に斬りあう2人

「…フフッ、行きなさい、レイピア。貴女なら、セシリアを止められるわ。」

「…シルヴィー。いえ、風濫。じゃあね。」

そう言うとその場から走り去るレイピア

それを確認すると壁にもたれ掛かるシルヴィー

「…傷が治っていく。…フフッ、これで私も魔族ね。これから、どうしよう?

魔界に行くにしても手段が無い。かと言ってこっちに居ても。」

そう言うと空を見上げるシルヴィー

「…無事で居て、雪。」

 

5号棟1階

 

フェイトを頭にし、スレイとフォーゲルが侵攻していた

ふとそこに現れる人影

それに気付きフェイトが口を開く

「誰?姿を現して名乗りなさい!」

「雷神の血を引く者。雷帝フィーナ=ラス=レイピア。」

そう言うと姿を現すフィーナ

「スレイ・フォーゲル、下がっていなさい。彼女の相手は、私がするわ。」

そう言うと剣を抜き構えるフェイト

「さぁ、来なさい。」

「手加減は、しませんよ。」

そう言うと両手にイカヅチを発生させるフィーナ

両者構えると同時に駆け出す

剣を突き出すフェイト

突きを避け攻撃を繰り出すフィーナ

「双雷掌!!!」

フィーナの攻撃をまともに受け吹っ飛ぶフェイト

「フェイト様!」

「大丈夫よ。中々やるわね。」

そう言ってフィーナの方を見ると既に間を詰めてるフィーナ

そのままフェイトの顔を掴むと宙へと投げる

「食らえ!トロン!!!」

イカヅチの剣がダイレクトにフェイトに入る

再度吹っ飛ぶフェイト

「くっ!貴様―――!!!」

フィーナに立ち向かうスレイとフォーゲル

「甘い!!!」

そう言うと両手に剣を持ち一瞬の内にスレイとフォーゲルを床に落とすフィーナ

「調整体如きが私に敵うと思うの?さぁ、立ちなさい。そして来なさい。フェイト!

 

続く

 

次回予告

校舎内で繰り広げられるフィーナ対フェイト

そこに割り込んで来る一つの人影

そして外ではアリシアが姿を現していた

次回第13楽章「漆黒の翼を駆る女神」

 

 

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