まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第11楽章「絆」

 

 

長野県警本部前

 

「貴女に、用があるの。」

建物から出てきたシルヴィーにそう言い放つ青葉

「構わないわ。けど、ここじゃなんですから移動しましょう。」

 

碓氷峠

 

距離を開け青葉の方を向くと口を開くシルヴィー

「それで、私に何の用なのかしら?」

「…風濫、なんでしょ?」

「何を言ってるの?私はヴェイア様に作られし、セシリア様に仕える者シルヴィー

よ。

人違いよ。」

そう言うと青葉とは反対の方を向く

「どんなに隠しても、その人特有の気迄は、変えられないから、解るの。風濫だっ

て。」

青葉のその言葉に立ち止まるシルヴィー

「風濫なんでしょ?だったらなんでこんな事してるの。」

「青葉には関係無い!これは、私自身が勝手にやってる事だから。」

「風濫!」

「この姿の時は、シルヴィーよ。間宮風濫なんかじゃ無い!」

そう言うとその場から一瞬で姿を消すシルヴィー

「風濫、どうして?」

そう言うと泣き崩れる青葉

「青葉さん。」

そんな青葉に声を掛ける女性の声

「…誰?」

「アーリィ姉様。」

青葉の疑問の直後姿を現すシルメリア

その視線の先にはアーリィの姿が有った

「アーリィ、何でここに?」

「青葉さん、お話致します。マスターの行動の謎を。」

 

某所

 

玉座の間

 

「セシリア様、シルヴィー只今戻りました。」

「ご苦労様。後ほど作戦行動が有るから、ゆっくり休みなさい。」

「はい。それと、フェイトは?」

「少し考え事をしてる様子よ。次の作戦行動には参加出来る様子よ。」

「そうですか。質問へのお答え、ありがとうございます。それでは失礼致します。」

そう言うとお辞儀をし、玉座の間から去っていくシルヴィー

 

ヴェイアラボ

 

「ヴェイア様、シルヴィー戻りました。」

「お帰り、シルヴィー。今ちょっと調整してるから待ってて〜。」

「解りました。」

そう言うと一番近いイスに座るシルヴィー

「フォルフォーレ。我ら妖艶にして忠実なる人形。か。」

「ん?シルヴィー、今何か言った?」

「いえ、ただの独り言です。」

「そぅ。…あぁ、暇だったらさ〜、

フォーゲルが今訓練場に居るんだけど、行って来てくれる?行けば解るから。」

「解りました。」

そう言うとイスから立ち上がりラボから出て行くシルヴィー

「それでは失礼します。」

「うん。」

 

訓練場

 

訓練場に入るシルヴィー

そこにはフォーゲルと見知らぬ女性が訓練を行っていた

「フォーゲル。」

シルヴィーに呼ばれ手を止めるフォーゲル

「シルヴィー様。どうなされました?」

「ヴェイア様に訓練場に行けと言われた。来れば解ると言っていたが…。」

「それならば彼女の調整かと思われます。」

「彼女?」

フォーゲルの言葉に疑問に思うシルヴィー

「07(セブンス)、シルヴィー様に自己紹介を。」

フォーゲルに呼ばれシルヴィーの近くに来る女性

「始めまして。07ナンバースイと申します。よろしくお願いします。シルヴィー

様。」

「スイか。よろしく。それから私の事は様付けで呼ぶな。」

「それでは、なんと呼べばよろしいのでしょうか?」

「…勝手にしろ。」

「…はい、シルヴィー先輩。」

スイの一言に思わず笑みを見せるフォーゲル

「フォーゲル!」

「ハッ、済みません。」

「それじゃあ、シルヴィーさんで。」

「…まぁ、それで良いわ。それよりも、調整が必要みたいね、貴女には。」

「はい!」

シルヴィーの言葉に元気良く答えるスイ

(前の人格が少し残ってるのかしら?)スイ、抜きなさい。私が相手になるわ。」

「はい!よろしくお願い致します。」

そう言うと訓練場の中央へ向かうシルヴィーとスイ

 

ヴェイアラボ

 

「シルヴィーさん、流石です。私なんか敵わないくらいです。」

「スイ、自身の過小評価は駄目よ。貴女の潜在能力は私をも凌駕するわ。」

「えっ?そんな事言われても…。」

シルヴィーの言葉に照れるスイ

「スイ、シルヴィーの言う事は本当よ。貴女の潜在能力はシルヴィーを超えるわ。

貴女には自覚が無いだけ。何か有ればその力が目覚めるわ。」

「ヴェイア様。」

トントン

その後ろでルーナに肩を叩かれるシルヴィー

「ルーナ、何か用?」

シルヴィーの言葉に頷くルーナ

「ここじゃ話せない事?」

再度頷くルーナ

「そぅ。ヴェイア様、少し席を外します。ルーナも一緒です。」

「そぅ。早く帰って来てね。」

「はい。」

そう言うとラボから出て行くシルヴィーとルーナ

 

バルコニー

 

バルコニーに着くと口を開くシルヴィー

「ルーナ、私に何の用?…って言っても無理か。貴女喋らないもんね。」

そう言ってルーナとは反対の方を向くシルヴィー

その瞬間

「強くなったわね、風濫。」

その声にルーナの方を向く

そこに居た人物は…

「フィーナさん。」

「久し振りね、風濫。」

「えっ?なんでフィーナさんが?二年前に死んだ筈じゃ。」

「実は生きていたのよ。まぁ裏から見守る為にセシリアに相談してね。

それで今こんな事してる訳よ。」

フィーナの説明に呆然とする風濫

「まぁ、この姿で居る時は双剣のルーナとして扱って。解った?シルヴィー。」

そう言うとラバーのマスクを被るフィーナ

「…は、はい。けど、この事をフェイトは知っているのですか?」

シルヴィーの言葉に頷くルーナ

「…そうですか。」

「シルヴィー様。」

ふとそこにフォーゲルがやって来る

「フォーゲル、何か用?」

「はい。全員セシリア様の所へ集まるよう言われました。」

「解ったわ。ありがとう。」

そう言うとバルコニーから去っていく3人

 

玉座の間

 

玉座の間に着き膝まづくと口を開くシルヴィー

「セシリア様。シルヴィー・ルーナ・フォーゲル只今参りました。」

「3人共、顔を上げなさい。」

セシリアの言葉に立ち上がる3人

「セシリア様、この度のお呼びは何用で?」

「とある場所を前線基地にして欲しいの。地元の大学よ。行けるかしら?」

「はい。お任せあれ。」

「ありがとう。それではルーナ・スイ・フェイトに

スレイ・フォーゲル・ファイ・シクレーヌを付けるわ。」

「はい。有りがたき幸せ。」

「それと兵に関してはそちらで決め手良いとヴェイアに言われている。

好きなだけ連れて行きなさい。」

「はい。解りました。それではこれから出陣致します。」

「良い戦果を期待してるわ。」

「ハッ!」

そう言うと玉座の間から去っていく3人

 

玉座の間を出るとスイ・フェイト・スレイ・ファイ・シクレーヌの姿が有った

それを見て口を開くシルヴィー

「指令よ。地元の大学を制圧し、前線基地にせよとの事。

メンバーはここに居るメンバーのみで。兵は制圧後の搬入等に使用するわ。」

シルヴィーの言葉に頷く一同

「スイ・スレイ・シクレーヌは私と。ルーナ・フォーゲル・ファイはフェイトに従っ

て。」

「「ハッ!」」

「さぁ、行くわよ。」

そう言うと出撃して行く8人

 

フェレンス教会礼拝堂

 

そこには雪・セリス・イリス・幻・デュールに仁科の姿が有った

 

「ここ数日調べてたんだが、この地で何かが起きている。」

「それは解ってる。だが何が起きているかが、解らない。」

デュールの言葉に反応する幻

「女性の連続失踪事件と何かしら噛んでるんだろうな。」

仁科が口を挟む

「けど仁科さん。その事件に関しては県警が動いていないと言う噂が立ってますが

…。」

「雪、確かにその通りだ。どうやら上から圧力が掛かってるみたいでな。

非番の奴が内密に俺の所に来た。」

「この事件を、解決して下さいと。」

「その通りだ。」

雪の言葉に頷く仁科

「だが俺には能力者に立ち向かえる程の力も無い。」

「解ってますよ、私達が解決します。」

「…済まないな、雪。それより、青葉はどうした?」

「用が有るから学校に残るって。」

雪の言葉に何かを感じる仁科

「学校。雪、行くぞ!裏で暗躍してる奴らの目的は学校の制圧だ!」

仁科の言葉に礼拝堂を飛び出していく一同

 

月宮邸

 

「ルイ、行くの?」

「はい。行けば何となく会えそうな気がしますから。」

「解った。気を付けてね。」

「はい。」

そう言うと月宮邸を出て行くルイ

 

学校の正門

 

そこにはシルヴィー達の姿が有った

 

「門を突破したら先程の通りのチームに分かれて各場所を順次制圧。

ドール達は制圧した場所を守りなさい。それじゃ、行くわよ!」

そう言うと一気に突入する8人と後ろに続くドール達

ふと人影に気付くシルヴィー

「各員飛べ!」

その言葉と同時に飛びのく総員

それと同時に銀色の閃光がシルヴィー達が居た場所を走る

「貴様!何者だ!」

フォーゲルが口を開く

「フォーゲル!下がりなさい。彼女の相手は私がするわ。」

そう言うと人影の前に剣を構え立つシルヴィー

「スイ、悪いけど彼女達をお願い。」

「はい。解りました。」

「行きなさい!」

シルヴィーの言葉にその場から去っていく総員

それを確認すると口を開くシルヴィー

「さて、私はシルヴィー。ライトキラーシルヴィー。貴女は?」

「シルバーフェアリー、レイピア。魔を断つ剣よ。」

レイピアの言葉に剣を構える両者

「行くよ。」

「えぇ、来なさい!」

そう言うと同時に駆け出す両者

 

続く

 

次回予告

ぶつかりあう二人

その正体は掛け替えの無い親友

何故親友の2人が?

そして大学は闇に包まれようとしている

次回第12楽章「黒き風銀の月」

 

 

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