まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第10楽章「シルヴィー」

 

 

セリスの教会と礼拝堂

 

「成る程な。」

大体の説明を受けたデュールが口を開く

「とりあえずはその女性が行方不明になっている事件の犯人を見つけなくてわな。」

「だがどうやって探すんだ?」

「こう言う場合はオトリを使うんだ。」

「オトリを?しかし誰を?」

幻の言葉にセリスと青葉を見るデュール

「私が、行きます。」

ふと口を開く青葉

「…信用出来るのか?前は敵だった男だぞ。」

「今は、この事件を解決する方が先ですから。」

「…そうか。解った。それじゃ、早速行こうか?」

 

その頃の月宮邸

 

ロビー

 

そこには円と唯の姿が有った

ふとロビーに姿を現すルイ

「ルイ、どう?舞は?」

「今は静かに寝ています。なんだかんだ言って疲れているのでしょう。」

「そぅ。ありがとう。…さてと、これからどうしようかしら?」

「女性連続失踪事件、楓、私この事件には何か有るんじゃないかと思うんだけど。」

円の言葉に一瞬間を置いてから口を開く唯

「そうね。多分風濫達も同じ事考えてるでしょうから。ルイ。」

「はい。セリスさんの所に連絡をしておきます。」

そう言うとお辞儀をしてその場から去る

「…良く教育されてるわね。」

「まぁ10年近くメイド長やってれば…、何かが来てる。」

「えっ?」

円が疑問に思った瞬間

ドアが開かれラバーキャットスーツを纏った大量の女性と、

その上に漆黒の鎧を纏った女性が現れた

「さてと、何者かしら?」

「…ヴェイア様の僕、シルヴィー。」

「円、下がってて、危ないから。」

そう言うと同時に髪の色が金髪に変わり腰迄伸びる

「私の名前はクリス。」

そう言うと剣を抜くクリス

「サシで戦いましょう。」

クリスのその言葉に剣を構えるシルヴィー

「行くわよ。」

クリスがそう言い終ると同時に間を詰めすれ違い様に切り合うと、

そのまあ折り返し剣を合わせる

「流石ですね。セシリア様の言う通り、油断しないで良かった。」

「フッ、セシリアも面白い事を言うわね!」

そう言うと剣ごとシルヴィーを弾く

弾かれたシルヴィーはそのまま体勢を整え着地する

「今の一筋で解った。中々やるわね、シルヴィー。」

「それは貴女の方ですよ。クリス。」

そう言うと構える両者

ふとその時女性の声が聞こえる

「シルヴィー様!」

その声に反応するシルヴィー

「どうした?」

「素体の捕獲に成功致しました!如何致しましょう?」

「ルーナと共に退け!私も直ぐに戻る!」

「ハッ!」

そう言うとそこから立ち去る全身黒尽くめの女性

「そう言う訳だから、私はこれで失礼させて貰うわ。」

「ちょっと待って!素体って、素体って誰の事よ!」

クリスの後ろから円が口を開く

「…決まっているわ。貴女の妹、月宮舞よ。」

シルヴィーの言葉にショックを受ける円

「唯様!舞さんが!」

それと同時に戻って来るルイ

「…ルイ、円をお願い。それと風濫、いえ雪と青葉が来たら貴女達に任せると言って

おいて。」

「…はい。ご無事で。」

ルイのその言葉の後髪の色が黒に変わる

「シルヴィー、私も連れて行きなさい。セシリアの元へ。」

「構いませんが、無駄だと思いますが念のため拘束はさせて貰います。」

「えぇ。」

そう言うと身体の前で腕を合わせると、両手を拘束する黒尽くめの女性

「唯様。」

「大丈夫よ、ルイ。後の事、お願いね。」

そういい終わるとその場から消える唯達

「和泉さん、一体何が?」

「とりあえず一旦セリスさんの所へ。事情は行きながら説明致します。」

 

軽井沢近辺の某所

 

「シルヴィー・ルーナ。」

「マスターヴェイア。シルヴィー及びルーナ、只今戻りました。」

「お帰り。セシリア様がお待ちよ。」

「はい。」

 

玉座の間

 

「セシリア様。シルヴィー及びルーナ、只今戻りました。」

「ご苦労様、2人とも。収穫は、有ったようね。」

そう言うと唯を見るセシリア

「ルーナ、貴女は下がりなさい。アリシア、貴女もよ。」

「はい。」

そう言うと玉座の間から出て行くアリシアとルーナ

それを確認すると口を開くセシリア

「シルヴィー、彼女の拘束を外したら、私の側へ来なさい。」

「はい。」

そう言うと唯の両手の拘束を外し、セシリアの側に来る

「さて、とりあえず私の所に来てくれた事に感謝するわ。」

「今度は何をする気なのかしら?」

「別に。けどね、お偉いさん達が探しているのよ。SKの生き残りを。」

セシリアの言葉に少し驚く唯

「少し動揺しているようね。まぁ無理もないか。

…不思議そうね?何故私が知っているのかが。」

「まぁ、一応わね。」

「フフッ、私自身裏で繋がってるのよ。お偉いさん達と。

だからこう言う情報が入ってくるって訳よ。」

「んで、結局何が言いたい訳?」

「ただ一言だけ、私の側近になってくれれば良いだけよ。

それだけで貴女の残した残り火が絶える事は無くなるから。」

セシリアの言葉に悩む唯

ふとその時女性の声が聞こえる

「セシリア様、失礼致します。」

「フォーゲル、どうしたの?」

「はい。長野県警機動隊がフェレンス教会へと向かっております。

このままでは包囲され、陥落するのも時間の問題かと。」

「そう、ありがとう。全く、あれだけ言っておいたのに。」

「セシリア様、彼女達は2年前から目を付けられておりましたから。」

ふと口を開いたシルヴィーに微かに驚く

「そ、そぅ。シルヴィー、スレイとフォーゲルを連れて行きなさい。兵の数は任せる

わ。」

「はい、セシリア様。フォーゲル、スレイを呼んで来て頂戴。いつもの場所よ。」

「はい。」

そう言うと玉座から去っていくフォーゲル

「それでは行って参ります。」

「えぇ、気を付けて。」

セシリアの言葉の後その場から去ろうとするシルヴィー

唯の横を通る時に小声で一言だけ口を開く

「私は私の道を行きますよ、唯さん。」

そう言うと玉座から去っていくシルヴィー

「…今の、風濫?」

 

フェレンス教会礼拝堂

 

「どぅ?イリス。」

「あれは県警の機動隊ですね。全くなんでいきなり。」

「私達ですよ。」

イリスの言葉に口を開く青葉

「成る程、SKの残党狩りね。」

青葉の言葉に便乗するかのごとく口を開くセリス

「このメンバーでどれだけ耐えられるか。」

そう言うと全員を見る青葉

「私に雪。それとセリスさんにイリスさん。あとは鳳さんにデュールさん。」

「ただ倒すだけなら簡単なんだが、そこはSK、こう言う時に枷になるんだな。」

幻の言葉に沈む女性陣

「まっ、やれるとこまでやってみますよ。」

そう言うと銀装を纏う青葉

「青葉、私は何をすれば良い?」

「裏へ回ってくれる?もしかしたら待ち伏せされてるかもしれないから。」

「解った。」

そう言うと裏へと回る雪

「さてと、セリスさん、突破された時は、素直に逃げて下さい。お願いします。」

「…解ったわ。」

「お願いします。」

そう言うとドアを開け外に出る青葉

 

 

「出てきたぞ!」

その言葉の後構える機動隊

「撃ち方用意!」

隊長の声に銃を構える機動隊員

「一つ!聞いて良いかしら?」

「…撃て。」

隊長の声に発砲する隊員

その直後、隊員の銃が全て爆発する

「なっ!」

その光景に驚く隊長

その直後隊長の首筋に剣が当てられていた

「な、何者だ、貴様は。」

「セシリア様に仕える者シルヴィー。

セシリア様の許可無く機動隊を動かしてどうなるか解っているのかしら?」

「し、知った事か!反乱分子の生き残りが居ると知ったからには処分するのが普通

だ!」

その直後隊長の首が飛んだ

「馬鹿な人。こんな事をしなければ長く生きられたのに。」

そう言うと剣の血を取り収めるシルヴィー

「スレイ・フォーゲル、機動隊を帰還させなさい。」

「「ハッ!」」

2人に指示を出すと銀装を纏った青葉に近づくシルヴィー

「貴女は?」

青葉が先ず口を開く

「シルヴィーよ。貴女達と戦う気は無いわ。」

「…睦月青葉よ。」

そう言うと同時に銀装を解く

「それで、何しに来たのかしら?」

「睦月青葉。貴女は今何を望む。」

「…私が、今望む事。…それは、羽咲に居た時の事。」

「…それが、貴女が今望む事ね。しばらく大人しくしてなさい。時が来たら、また来

るわ。」

そう言うと振り返ると同時に口を開くシルヴィー

「フォーゲル、機動隊は?」

「はい。全ての隊が帰還を開始致しました。やはり先程の男性が隊長だったかと。」

「そぅ。」

「それと、セシリア様から言伝です。」

「…言って。」

「はい。シルヴィー様はこの後県警本部に行き本部長にお会いするようにとの事で

す。」

「…解ったわ。フォーゲルはスレイと共に戻っていなさい。」

「はい。」

フォーゲルの返事の後青葉の方を向くシルヴィー

「睦月青葉、考えなさい。これから貴女がすべき事を。」

そう言うとその場から去って言うシルヴィー

 

長野県警本部

 

受付

 

「県警本部長に会いたい。」

「えっと、ご予約の方はお有りでしょうか?」

「セシリア様の使いの者と言えば解る。」

「解りました。只今確認致します。」

そう言うと電話を取り内線で確認を取る受付嬢

「受付です。……はい。セシリアと言う方の使いの者と言っております。

………はい。解りました。」

確認を済ませ電話を置くと再度口を開く

「確認が取れましたのでご案内致します。」

そう言うと受付のブースを出て案内をする受付嬢

 

本部長室

 

コンコン

「本部長、お連れしました。」

「入れ。」

「失礼します。」

そう言うと部屋に入る受付嬢とシルヴィー

「…君は戻り給え。」

本部長の言葉にお辞儀をし、部屋から出て行く受付嬢

「…長野県警本部長上総です。そちらは?」

「セシリア様に仕える者、シルヴィーと言います。本日訪れた件は、ご存知で?」

「あぁ、解っている。フェレンス教会への機動隊の件だろ?」

「えぇ、正解です。さて、教会への攻撃の指示は誰が出したのですか?」

「その件に関しては私は知らない。」

上総の言葉に剣を上総に向けるシルヴィー

「ほ、本当だ!信じてくれ。」

上総の言葉を聞き、目を見て剣を仕舞うシルヴィー

「嘘を言ってる訳では無いわね。」

「解ってくれたか。」

「えぇ。それと。」

そう言うと兜を取るシルヴィー

兜の下から出てきた顔を見て驚く上総

「今はセシリア様の下に居ますけど、私は貴方を許しませんから。」

そう言うと再び兜を被るシルヴィー

「それでは失礼致します。汝に闇の祝福が有る事を。」

そう言うと部屋から出て行くシルヴィー

「……生きて、任期を終えられるだろうか。」

 

県警本部から出て来るとそこには青葉が居た

「睦月青葉。私に何の用ですか?」

「貴女に、用が有るの。」

シルヴィーにそう言う青葉

 

続く

 

次回予告

県警本部前でシルヴィーに用が有ると言う青葉

それに答え県警本部から離れた場所に移動するシルヴィー

そして青葉が口を開く

次回第11楽章「絆」

 

 

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