まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第9楽章「魔への誘い」

 

 

翌日の大学

 

3号棟2―A

 

エナメル素材のメイド服を着て窓際で呆ける風濫

「ねぇ雪。風濫に何が有ったの?」

「さぁ?中学からの付き合いだけど、あんな風濫見たの初めて。」

「そぅ。…それよりさ雪。」

「何?青葉。」

「私達、違和感無く着馴れてるよね?フェティッシュなメイド服。」

「…そうね。」

窓際から外を見る風濫

(私は、既に人じゃないのかもしれない。けど、人で有りたいのは、傲慢なのかし

ら?)」

心の中でそう言うと溜息を付く風濫

ふと立ち上がりメイド服を脱ぎ着替える風濫

着替え終わると口を開く

「雪・青葉、ゴメン。今日はもう帰るね。」

「あっ、うん。気をつけてね。」

青葉の言葉を聞くとドアを開け帰っていく風濫

 

旧信越本線碓氷峠

 

今尚残る線路に腰掛け空を見上げる風濫

ふと何かに気付きその場に立つと口を開く風濫

「さてと、何者かしら?……そぅ、喋れないのね。それならば。」

そう言うと同時に黒神装を纏う風濫

「…面白いわね、全身黒尽くめ、…ラバーね。面白い、来なさい!」

そう言うと同時に剣を抜く双方

そのまま距離を詰め斬りあいながらすれ違う2人

「今の太刀筋何処かで。…今はそんな事関係無い!」

そう言うと詠唱を始める風濫

「イカヅチよ!我が敵を討つ剣と成れ!トロン!」

左手でトロンを放つとそのまま剣で受け止める女性

「ひゅ〜、中々やる〜。」

「当たり前よ。この私の最初の人形なのですから。」

ふと黒尽くめの女性の後ろに白衣を着た女性が居た

「…貴女は、誰?」

「私?私はヴェイア。彼女を生みの親よ。

…と言っても正確には彼女の身に着けてる服を作っただけですけど。」

「…それで、そんな貴女が、私に何の用かしら?」

剣を仕舞いヴェイアに対し疑問をぶつける風濫

「貴女からとても強い気を感じるの。負の気をね。何故かしら?」

「…それは私が、人で有りながら、魔に近い存在で有るからよ。」

「へぇ、それは面白い事を聞いたわね。」

ふと別の女性の声が聞こえる

「…誰ですか?貴女は。」

「マスターセシリア。何故このような所へ。」

「…野暮用よ。貴女、名前は?」

ふと風濫に対し名前を尋ねるセシリア

「間宮風濫。貴女は?」

「…セシリアよ。ダークプリンセスセシリアよ。不思議ね、貴女からフィーリアを感

じる。」

「簡単よ、私がフィーリアさんの意志を継いでいるからよ。」

風濫の言葉に笑みを浮かべるセシリア

「へぇ、フィーリアの。…あながち嘘では無いわね。」

そう言うと風濫に対し手を差し伸べるセシリア

「間宮風濫、私達と来ない?」

「それは闇に身を置き、光を討てと言う事ですか?」

「えぇ。そうよ。」

セシリアの言葉の後沈黙が場を支配する

「良いでしょう。けど、一つだけ条件が有ります。」

「何かしら?」

「私にも彼女が着てる物を着せて下さい。」

風濫に言葉に一瞬間を置いた後、笑い出すセシリア

「何言うかと思ったら。良いわよ、それくらい。」

「ありがとうございます。」

「それじゃ、行くわよ。」

そう言うと同時にその場から消える一同

 

深夜

 

セリスの教会の礼拝堂

 

そこには青葉・セリス、それに幻の姿が有った

「風濫が帰って来ていない?」

「はい。昼間に学校で別れたきりで。何処に行ったのかも解らないんです。」

「33Rは?」

「置いてあります。」

「そぅ。」

そう言うと考え込むセリス

「青葉、嫌な予感がする。的中したくは無いが。」

「それは、私も同じですよ、鳳さん。」

コンコン

ふと礼拝堂のドアをノックする音が聞こえる

「は〜い、どなたですか?」

ドアに駈け寄りながら応対をするセリス

「それより、どうするんだ?これから。」

「とりあえず唯さんに相談してみます。それからです。」

「そうか。」

話を一区切り付けるとセリスが口を開く

「鳳さん。男性の方で貴方の知り合いと言う方が来てるんですが、心当たりは?」

セリスの言葉にドア迄近づく幻

そしてドアの前迄来ると口を開く

「生きていたか。」

「当たり前だ。俺は死にはしない。…正確に言えば聖神に助けられたんだがな。」

「…そうか。デュール、今ちょっと事件を抱えている。協力してくれるか?」

「…勿論だ、鳳幻。」

その言葉を聞くとドアを開ける幻

「久し振りだな。とりあえず入ってくれ、作戦を練る。」

「解った。」

そう言うと礼拝堂の中に入って行くデュール

 

続く

 

次回予告

デュール=アキストを交えてこれからの事を話し合う青葉達

そしてそれは月宮邸でも行われていた

そんな月宮邸に、魔の手が伸びる

次回第10楽章「シルヴィー」

 

 

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