まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第8楽章「忍び寄る魔」

 

 

夜9時過ぎ

 

横川駅周辺

 

一人の女性が帰路を急いでいた

そんな女性の前に現れる全身黒ずくめの女性

「ひっ!」

一瞬恐怖の声を発する女性

その直後気を失う帰路を急いでいた女性

「良いタイミングよ。…それじゃ、戻りましょう。」

帰路を急いでいた女性を気絶させた女性がそう言うと

黒ずくめの女性が頷き共にその場から消える

 

翌日

 

大学の3号棟

 

2―A

 

「あれ?風濫もう来てたの?」

教室に入ってきた雪が口を開く

「うん。ルナさんも一緒。」

「そぅ。」

そう言うと机に新聞を置く雪

「また出たみたいよ、女性の誘拐事件。」

「嘘?最近多くない?」

「今月に入って既に5件目。先月から合わせると既に12件よ。」

ルナが割って入ってくる

「そんなに起きてるんですか?」

「えぇ。」

驚く雪

それを見て何か考える風濫

「風濫、どうしたの?」

そんな風濫を見て口を開くルナ

「…いえ、何か、嫌な予感がするんです。」

「そぅ、一応唯様には言っておきますね。」

「済みません。」

 

夕方

 

軽井沢駅前

 

そこにはルナと唯の姿が有った

「その事に関しては、私も注意してるわ。」

「気付いてましたか。」

「えぇ。…何か、嫌な予感がするのよね。」

「嫌な、予感ですか?」

「えぇ。」

そう言うと煙草に火を着ける唯

一服すると口を開く

「とりあえず風濫達にも警戒するよう言っておいて。」

「はい。既に気付いていますけど、再度言っておきます。」

「そぅ、ありがとう、ルイ。」

「いえ、当たり前ですから。」

「…そうね。」

「それでは、お先に失礼します。」

そう言うとその場から去って行くルイ

ルイが去ったのを確認すると、口を開く唯

「さてと、一体何処の誰が私に何の用かしら?」

唯の言葉に姿を見せる白衣姿の女性と、全身黒ずくめの女性

「…誰かしら?」

「貴女の事はマスターセシリアから聞いています、フェイト。」

「…へぇ、私の事知ってるんだ。そう言う貴女は何者?」

「これは失礼。私はヴェイア=フォル=フォーレスト。まぁちょっとした科学者で

す。

後ろに居るのはルーナと言うまぁ、私の実験の成果です。」

「それで、その科学者さんが私に何の用かしら?」

「マスターセシリアの元に戻りませんか?」

その言葉に微かに反応する唯

「フフッ、今更戻ってもって思ってるでしょう?けどマスターは良い方よ。

貴女を快く迎えてくれるから。さぁ、どうする?フェイト。」

溜息を一つ付くと振り返り様に剣を抜き距離を詰め、

ヴェイアの首筋に剣を当てる唯

それと同時に唯の首筋にも剣が当てられる

「へぇ、結構優秀ね、彼女。」

「当たり前よ。私の命で動き、私を守る為に存在するのですから。」

「けど、二刀流ってのが面白いわね。」

そう言うと剣を降ろし収める唯

それを見てルーナも剣を収める

「ヴェイア、って言ったわね。」

「はい。」

「セシリアに伝えといて。魔を断つ剣が、貴女を討つと。」

「えぇ、解りました。伝えときます。」

そう言うとルーナ共々消えるヴェイア

「…転移術。只の科学者じゃなさそうね。」

唯がそう呟くとシルバーの33Rが止まる

窓が開くと中から風濫が声を掛けてきた

「唯さん、どうしたんですか?こんな所で。」

「風濫。…別に。乗せてって貰って良い?円の所迄。」

「はい。…どうせなら、峠往復します?この時間なら良い感じだと思いますから。」

「そぅ。お願いね。」

「はい。」

そう言って唯が乗り込むと車を出す風濫

 

月宮邸前

 

正門の前に車を止めるとそこには円の姿が居た

「円さん。」

「ちょっと遅いですよ、楓。…それと、間宮さん、貴女も良い?」

円の言葉に疑問に思いながらも月宮邸へお邪魔する風濫

 

月宮邸ロビー

 

「それで、何か用なの?円さん。」

「えぇ、舞の事なんだけど…。」

「舞が、どうかしたの?」

円の言葉に口を開く唯

しばし黙ってから口を開く円

「うん、ここ最近、帰りが遅いのよ。

門限は無いにしろ、日付が変わる直前くらいに帰って来るし。」

円の言葉の直後外へのドアが開く

「舞、お帰り。」

「只今。お姉ちゃん。」

そう言うとさっさと自分の部屋へと去っていった舞

「…何だろう?今の感じ。」

ふとした風濫の言葉に疑問を感じる円と唯

「風濫、今何か感じたの?」

「えっ?唯さんは何も感じなかったんですか?周囲に纏わり着く闇の気質が。」

そこ迄言って何かを自覚する風濫

「…そうか。私がどんどん闇に寄っているから、唯さんが解らなかったんだ。」

「風濫、貴女もしかして…。」

「良いんですよ、私自身既に解ってる事ですから。」

そう言うと俯く風濫

「…中学の時の闇への堕落。それに加えてフィーリアの意思を継いだ。

…納得出来るけど、貴女を落としたく無い。」

「唯さん、ありがとうございます。けど、フィーリアさんが私を守ってくれているの

なら、私はその運命を受け入れます。それでは。」

そう言うと月宮邸から去っていく風濫

「風濫。」

 

続く

 

次回予告

魔へと近づきつつと感じてる風濫

そして、そんな風濫に魔の手が伸びる

次回第9楽章「魔への誘い」

 

 

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