まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第5楽章「告白〜闇の正体〜」

 

 

セリスの教会の礼拝堂

そこには風濫・雪・青葉・セリス・イリスにルナ
それと気絶している楓が居る
「風濫、どう言う事なの?ちゃんと説明して。」
「それは…「それは私から説明するわ。」
風濫を遮るように口を開くルナ
「…再び出会った時に、告白しとけば良かったのね。」
「ルナさん、どう言う事?」
ルナの言葉に疑問に思う青葉と雪
「雪・青葉、ルナさんは、ルイさんよ。」
風濫の言葉に驚く雪と青葉
「私も信じられなかった。けど、神剣E―フェルディアを振るっていたのが、何より
の証拠。」
「それじゃ、他の人は?唯さんとか、フィーナさんは?」
「唯様は生きておられる。唯様は不死身ですから。
フィーナさんに関しては魔力を未だ感じますので、何処かで生きておられます。」
「ルイさん。唯さんとフィーナさん以外は?」
風濫が口を挟む
「はい。フェルミナは祖国魔界へと帰りました。イリアさんは残念ながら。
それと侍従の皆さんは何処かで生きておられるでしょう。」
「そぅ。それより、今回の事について、どれだけ知ってるんですか?」
「風濫。フィーリアさんの事は聞かないの?」
ふと口を挟む青葉
そんな青葉を見て口を開く風濫
「良いの。フィーリアさんの事は。…それより、ルイさん。何か知ってますか?」
「…異端の練成師アリシア。知ってるでしょう?」
「はい。一応は。…まさか、今回の黒幕は?」
「そぅ。彼女よ。円は彼女の単なる駒。だから今回は彼女を倒さないと、終らない
わ。」
ルイの言葉に重くなるその場の雰囲気
「大丈夫ですよルイさん。私達は闇を討つ光の剣なのですから。」
風濫がそう言った瞬間
風濫の姿と重なったフィーリアが見えたルイ
「…。」
「ルイさん、どうしたんですか?」
「いえ、何でも無いわ。セリス、楓の事任せて良い?」
「OK。」
そう言うと楓を抱え礼拝堂を出て行くセリスとイリス
「さてと、寝ましょうか?大分疲れてるようですから。」
ルイの言葉に頷く3人

その日の深夜

礼拝堂

そこには風濫の姿が有った
「…アーリィ。」
風濫がそう言うと漆黒の鎧を身に纏った小さな女性が現れる
「お呼びでしょうか?」
「えぇ。早速だけど、何か感じるでしょう?独特の、気を。」
「…はい。独特の黒い気を感じます。」
「やっぱり。私自身も何か気になっててね。」
「それで私を。」
「そう言う事。」
そう言うとふとドアが開き誰かが入ってくる
「誰か、居るんですか?」
ふと聞こえたその声に、聞き覚えが有った
「舞。私、風濫。どうしたの?こんな深夜に?」
「いえ、ちょっと礼拝しに。」
そう言うと風濫に歩み寄ってくる
「待って舞。」
風濫の突然の言葉に歩みを止める舞
「…どうしたんですか?」
「…成る程ね。挑んでくるのなら正面からキチンと来れば良いのに。」
そう言うと溜息を付く風濫
「アーリィ!」
風濫がそう言うと同時に黒神装が風濫に纏われる
「色んな所に隠れてるお嬢さん方、来るのなら一斉に来なさい!」
そう言うと剣を抜く風濫
それと同時に大量の漆黒の鎧を纏った女性達が礼拝堂へ飛び込んでくる
「上等!」
そう叫ぶと多数の女性との戦闘に入る

10分後

「さぁ、後は貴女だけよ、舞。」
そう言いながら舞に剣を向ける風濫の足元には大量の女性が倒れていた
「流石ですね。お姉ちゃんから預かった兵を無駄にしてしまいました。」
その瞬間間を詰め舞の首筋に剣を当てる風濫
「舞、貴女何を考えてるの?」
「あぁ、何でしょう?」
ほんの少しの沈黙の後舞の首筋から剣を外す風濫
「あら、殺さないんですか?」
「バカ。戦うのなら、そちらのフィールドでよ。」
そう言うと剣を仕舞い黒神装を解く風濫
「…それもそうですね。それでは月宮邸でお待ちしてますよ。」
「えぇ、首洗って待ってなさい。」
風濫のその言葉の後、この場所から消える舞
「……は〜。」
そう溜息を付くと床に座り込む風濫
「マスター。」
「アーリィ。…流石に堪えるわね〜。彼女も敵だったなんて。…何ですか?ルイさ
ん。」
風濫がその名前を出すと扉の所にルイの姿があった
「…今居たの、月宮舞?」
「えぇ。そうです。」
「じゃあ彼女も…。」
ルイの言葉に黙り込む風濫
「…これからどうするの?」
「ねぇルイさん。一つ、聞いても良いですか?」
「…良いけど。」
「何故、何故唯さんは、相対する二つの力を持っているのに、何も起きないんです
か?」
「…唯様が、人では無いからよ。」
ルイの言葉に驚く風濫
「唯様は神族。だからこそ、相反する二つの力を持ち、行使出来るの。」
「…ははっ、そうか。だから私は闇の力しか行使出来ないんだ。」
そう言うと天井を見上げる
「風濫、そんな事は…「そんな事は無いとでも言いたいんですか?」
風濫に言葉を遮られるルイ
「解るんですよ自分でも。闇に生きる者だって。
だって、フィーリアさんの意思を、私が継いでいるのが、何よりの証拠だから。」
そう言うとルイの横を通りドアを開けると口を開く風濫
「ルイさん。楓さんが目を覚ましたら、…やっぱり良いです。」
そう言うと外に出る風濫
「…風濫。」

横川駅前

駅前のバス亭のベンチに座り、夜空を見上げる風濫
「どうした?こんな時間に一人で居ると襲われるぞ。」
ふと風濫に向かって男性の声が掛かる
「…何の用ですか?鳳さん。」
「い〜や、何も。まっ、強いて言うなら何か悩んでる顔してたから声を掛けた。」
「…悩み、か。」
そう言うと黙り込み、ふと口を開く風濫

―――鳳さん、一つ、聞いても良いですか?
―――ん?あぁ、構わんが
―――鳳さんの力って、生まれつきなんですか?
―――白獣の力か。…あぁ、生まれつきだ
―――それってつまり、生まれながらにして、戦う事が決まってたって事ですよね
―――まぁ、そうなるな
―――それに抗おうとは、思わなかったんですか?
―――思う事すら無いな。それが、宿命だから
―――宿命
―――風濫、お前はどうなんだ?戦いに身を投じたお前は?
―――私は…、解らないです
―――じゃあ悩め。それにお前は魔族フィーリアの意思を継いでるんだろう?
―――え、えぇ
―――ならばその意思に基づくのも良い。俺なら、そうする

再び沈黙が訪れる
ふと幻が口を開く
「答えにはならなかったか?」
「さぁ?どうでしょう。それより、ちょっと付き合ってくれませんか?」
「ん?何処にだ?」
「月宮邸です。」
「…解った。」
「それじゃ少し待ってて下さい。車、回してきますから。」
そう言うとその場から去って行く風濫
「…強くなったな、お前も。」
そう言って少し待つと、自前の33Rをまわしてくる風濫
「…それじゃ、行きましょうか?」
「あぁ。」
そう言って助手席に乗り込む幻
シートベルトをしたのを確認すると車を発進させる風濫
月宮邸に向かって

 

続く

次回予告
白獣鳳幻と共に月宮邸に乗り込んだ風濫
その頃セリスの教会の孤児院では楓が目を覚ましていた

次回第6楽章「月宮邸突入〜舞い戻る聖騎士〜」

 

 

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