まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第2楽章「闇に覆われる学び舎」

 

 

風濫が紅い32Rと出会ってから二日後の大学

 

3号棟2―A

 

「んで、結局あれから遭遇してないんだ。」

「えぇ。」

ルナの言葉に答える風濫

「それよりも、このメイド服良いですね〜。またエナメル使ってフェティッシュ感抜

群で。」

「でしょ?でしょ?結構大変なのよ〜。エナメル縫うの〜。」

「毎回毎回良く作りますよね〜、ルナさんも。」

「それが生きがいだから。」

ルナの言葉の後何かを感じる風濫・雪・青葉

「風濫。」

「えぇ、何か来る。」

そう言うと教室の外に出る風濫

「…この感じは、雪!ルナをお願い!」

「あっ、うん。」

雪の返事を聞くとメイド服を脱ぐ風濫

「青葉、行くよ!」

「OK。」

そう言うと何かを感じた方へ去っていく二人

「…一体全体何なのよ〜。」

「全て円お嬢様のご命令ですわ。」

ふと聞こえる甲高い女性の声

ドアをの方を向く雪とルナ

「貴女は、誰?」

「私はお嬢様を守る者。名は、そうね。セシリアと名乗っておこうかしら。」

「私達をどうする気?」

雪が言葉を発する

「決まってるじゃない。貴女達を殺すのよ。」

「…貴女の言うお嬢様のお誘いを断ったからかしら?」

「…えぇ、ご名答。では、死んで貰うわ。」

そう言うと剣を持ち振り下ろすセシリア

咄嗟にルナを弾き斬撃を避ける二人

「えっ?ちょっと待って。本物―――!!!」

「当たり前でしょう!くっ!」

そう言うとセシリアを廊下へと押し出す

「くっ!貴様ぁ!」

セシリアが体制を立て直した瞬間

多数の魔法の矢がセシリアを直撃する

「なっ!」

「えっ?」

それぞれ違う驚きをするセシリアと雪

「くっ!誰だ!」

「別に〜。ちょっと気の利いたソルティナよ。雪、今の内に彼女を連れて逃げなさ

い。」

「あっ、はい。ルナさん。こっちです。」

そう言うとルナと共にそこから去る雪

「逃がすか!」

振り返った瞬間顔の横を剣がすり抜ける

「逃がしはしないわよ。貴女の相手は私なんですから。」

「…上等!」

 

3号棟近くの駐車場

 

「ここ迄来れば大丈夫です。ルナさんは何処か安全な場所に居て下さい。」

そう言うとルナを残しその場を去る雪

「…さて、どうした物か。」

 

講堂

 

その中央迄来ていた風濫と青葉

すると不意に扉が閉まる

「…罠って奴?」

「青葉正解。さぁ、出てきなさい!」

風濫がそう言うと緞帳が開かれ、そこには円の姿が有った

それと同時に漆黒の鎧に身を包んだ女性が多数現れた

「さて間宮さん睦月さん。今ここで私に忠誠を誓うのならば生きて帰れますわよ。」

「断れば?」

「…死ですわ。まぁこの中から抜け出そうなんて無理な事ですけど。」

そう言うと高笑いをする円

「青葉、やるわよ。」

「…解った。」

そう言い合うと黒薔薇のアクセサリーを右手に持ち右に差し出す風濫

銀十字を左手に持ち左に差し出す青葉

「黒装!!!」

「銀装!!!」

そう言うとそれぞれ纏う風濫と青葉

「レイピア!」

「OK。」

そう言うと槍を出し構える

「貫け!シルバードストライク!」

そう言うと銀色の閃光と共にドアを突き破る

そこから外に逃げ出すフィーリアとレイピア

「くっ、追いなさい!」

円の言葉にフィーリア達を追いかける漆黒の鎧の女性達

 

それぞれ武装具を解き校門中庭の駐車場迄走る風濫と青葉

「風濫、雪とルナさんはどうするの?」

「あ〜〜〜、どうしよう?」

「もぅ。とりあえず私が3号棟に向かうから風濫は車取って来て。」

「解った。無事で。」

「風濫もね。」

そう言うと別れる風濫と青葉

 

3号棟近く

 

「あれ?ルナさん?」

ふとルナを見かける青葉

「あれ、睦月さん。氷那さん見かけませんでしたか?」

「へっ?雪。見てないけど。どうして?」

「私を置いて何処かへ。」

「えぇ〜。」

呆れる青葉

その直後風濫が来た

「青葉!それにルナさん。雪は?」

「それがどっか行っちゃったみたいで。」

青葉がそう言うとふと漆黒の鎧に身を包んだ女性が現れる

直ぐ様戦闘態勢を取る青葉

「大丈夫。貴女達と戦う気は無いわ。それより、貴女達が探してる人物は、彼女?」

そう言われ腕に抱かれてる人物を見る青葉

「雪!」

「大丈夫。気を失ってるだけ。」

そう言うと青葉に渡す

そのまま風濫の車に雪を載せる青葉

「貴女は一体。」

車から降りた風濫が尋ねる

「私の名前はティリス。訳あって共に行動は出来ないけど、

貴女達の味方である事だけは、覚えておいて。お願い。」

そう言うとその場から立ち去るティリス

「…とりあえず今はこの場から離れよう。」

青葉のその言葉に割ってはいるルナ

「待って!ソルティナって言う人が私と氷那さんを助けてくれたの。

今はセシリアって人とまだ戦っている筈よ。」

「…青葉、運転出来る?」

「えぇ。一応は。」

「ギリギリまで待ってて。」

「解った。」

青葉の返事を聞くと3号棟の中へ入っていく風濫

 

3号棟2階廊下

 

「あぅ!」

壁に叩きつけられるソルティナと名乗った女性

「さぁ、まだ戦うのかしら?」

そう言うと剣を向けるセシリア

「…生憎、私達は諦めが悪いのよ。ねぇ、フィーリア。」

ソルティナと名乗った女性がそう言うと同時に気の塊を横からマトモに食らうセシリ

そのまま吹っ飛ぶとその場に降り立つフィーリア

「セリスさん、全く無茶して。」

「ゴメン、フィーリア。」

「とにかく今は一旦離脱しますよ。」

「OK。」

 

3号棟入り口

 

「青葉、お待たせ!」

「風濫。早く!」

そう急かされ先ずはセリスを乗せる

その瞬間何かを感じる風濫

「ゴメン青葉。先行ってて。必ず、行くから。」

「風濫。…必ず、来てね。」

そう言うと車を発進させる青葉

車を見送るとふと口を開く風濫

「さてと、第2ラウンド、かしら?」

「良く気付いたわね。」

そう言いながら風濫の首筋に剣を当てる

「お嬢様の粋な計らいよ。貴女だけでも護衛になれば、後は見逃すと言っているわ。

「護衛ね〜、本心は私が邪魔なだけじゃないの。」

「…さぁ?お嬢様の考えてる事に口出しは無用ですから。」

「…要するに貴女達はそのお嬢様の命に従う生き人形って訳ね。」

風濫がそう言った直後風濫の首筋から血が流れる

「反応が正直過ぎるわね。…さてと、居るなら出てきなさい。高見の見物は嫌うよ!

風濫の言葉に姿を表す女性

その姿を見て驚く風濫に剣を向ける女性

「ま、円お嬢様!」

「セシリア、剣を納めなさい。」

「は、はい。」

剣を収めると跪くセシリア

「…入学式以来、かな?貴女と顔をあわせるのは。」

「正解よ。間宮風濫。」

「そぅ。…単刀直入に聞くわ。何が望みかしら?」

「決まってるわ。私に仕えなさい。それだけよ。」

円の言葉の後黙り込む2人

1分くらい経っただろうか?

ふと風濫が口を開く

「私を仕えさせるためには手段を選ばないのかしら?」

「えぇ。貴女みたいな女性が何故何処にも属してないのかが不思議なのよ。」

「…属す、か。それは能力者のグループかしら?」

風濫の言葉にニヤリと笑い言葉を返す

「えぇ、そうよ。」

「フフッ、ならば私達は既に属しているグループが有るわ。」

「…そぅ。何処かしら?」

少し驚きを見せる円

Saint Knightよ。」

風濫の口から出た名前に驚くセシリアと円

「…フフッ、ならば面白い。」

そう言うと風濫に近づき顔を引き寄せる

「貴女は私の物よ。忠誠を誓いなさい!」

「私にチャームなんて効かないわよ。」

そう言うと円から離れる

「私は光に居ながら限りなく闇に近い存在。覚えておいてね。」

そう言うと黒神装を纏いその場から飛び立つ風濫

「円お嬢様。」

「セシリア、一旦帰るわよ。」

「はい。」

 

軽井沢のとある教会

 

「全く、無茶し過ぎです。」

妹のイリスに注意されるセリス

「ゴメン、イリス。」

「これから、どうすれば良いのよ。私達。」

ふと青葉が呟く

「戦うのよ。そうじゃなきゃやられるのは、こっちなんだから。」

ふと外から口を挟む女性

「風濫、大丈夫なの?」

「まぁ、何とか。それよりも、巻き込んでしまって申し訳ないですね、ルナさん。」

「えっ?あぁ、大丈夫。気にしてないから。うん、大丈夫。」

「無理はしないで下さいね。」

「貴女も。」

ルナに指摘され笑う一同

「とりあえず現状でどれだけ対抗出来るか、検討しましょう。」

風濫の言葉に頷く一同

 

続く

 

次回予告

セリスの教会で検討をするも、具体的な案が出ない

一人深夜に車を走らせた風濫はあの紅い32Rと再び出会う

そして青葉達の元には円の妹と名乗る女性が現れる

次回第3楽章「闇を切り開く光」

 

 

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